電気自動車は本当にエコ?エコじゃない?

結論:簡単に「石油からガソリン作って車走らせたほうが効率が良い」とは言えません。また同一車格で二酸化炭素の排出量を比較すると、中国・四国・沖縄以外では常に、電気自動車のほうがCO2排出量が少なくなります。電気自動車はある程度エコだと言えます。

電気自動車は本当にエコ?エコじゃない?

【2018年1月19日更新】このトピックもやはり数字に基づかない、感情的な議論をよく見ます。この記事を書くにあたってはできる限りデータに基づいて、かつある程度計算はシンプルにし、どなたにでも比較ができるように注意してみました。

目次

  1. そもそもエコって何だろう?
  2. 発電電力量構成比とは
  3. ガソリンと電気、どっちがエコ?
  4. 同一車格によるCO2排出量の、地域ごとの比較

そもそもエコって何だろう?

エコロジーエコというと、まずはお金を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?自動車に関しては、購入するときの価格、維持費、そして燃料代(電気代)ですよね。この記事では、これらは対象から外します。電気自動車が得かどうかについて、ガソリン代と電気代の比較の記事がありますので、ご参考になさってください。

次にエコというのは、資源を無駄にしていないか、という観点があります。例えば、車はガソリンで走りますよね。このガソリンの元は原油です。この原油を使うと発電もできます。じゃ原油で発電してその電気を家庭まで送って、自宅で充電して走らせる電気自動車は資源が無駄になっている気がしませんか?
実はそんなことはないのですが、やはり数字で見ないと納得がいかないと思います。次のセクションで説明します。

環境について興味をお持ちの方は、二酸化炭素について気にされている方もいらっしゃいますよね?実は、ガソリン車の「排出(emission)」は二酸化炭素だけではなく、一酸化炭素、窒素酸化物、硫黄酸化物、そしてPM2.5を含む粒子状物質です。最近都内でも発生した光化学スモッグはこの窒素酸化物が原因となっています。当記事では、二酸化炭素以外の排出についても対象から外します。
さてこの二酸化炭素(CO2)、増えると地球温暖化の原因になるらしいです。そして、ガソリンを燃やして走るガソリン車はもちろんCO2を排出しますが、電気自動車は、電気を充電して走行するときは何も排出がありません。電気を発電するときは、発電方法にもよりますが、やはり多くの場合CO2の排出があります。

資源の無駄の観点とCO2の排出について、もう一つ面白い事実をご紹介します。化石燃料を燃やすとCO2が発生しますよね。このCは、化石燃料に含まれているのです。例えば太陽光発電で発電しても、CO2は発生しません。もし電気自動車のほうがCO2排出が少ないとしたら、どういうことなのでしょうか?それは、同じ距離を走行する場合、電気自動車はガソリン車より「少量の」化石燃料しか使っていないという事実を示しているのです。

当記事では、資源を無駄にしていないのか、そして二酸化炭素の排出が多くないのかという二つの観点から、電気自動車がエコかどうかを見ていきたいと思います。

発電電力量構成比とは

石炭発電所
石炭発電所

電気を発電するといっても、様々な発電方法があります。皆様に馴染みの深いものから並べると、石油・石炭・液化天然ガス(LNG)・原子力・水力・そして太陽光や風力・地熱などの新エネルギーがあります。このうち、水力と新エネルギーを合わせて再生可能エネルギーと呼んだりもします。
そして、日本国内の各電力会社10社は、これらを組み合わせて発電を行っています。各社ごとに、石炭に依存している会社、LNGに依存している会社があります。
※発電電力量には他社融通分を含みます。また公表されていないデータなどもありますので、実際に販売した電力量ではなく、ここでは発電電力量を使用します。

さて、この電力がどのような方法で発電されたかを、発電電力量構成比といいます。データは2015年度の数値です。各電力会社名をクリックすると、元データが見られます。

1電力会社発電電力量(GWh)石油石炭LNG原子力新エネ等水力
2北海道電力31,68426%51%0%0%7%16%
3東北電力82,2094%40%36%0%10%10%
4東京電力265,5916%18%67%0%3%6%
5中部電力131,8681%24%61%0%7%7%
6北陸電力30,3727%64%0%0%3%26%
7関西電力138,05415%25%44%1%3%12%
8中国電力61,7789%56%23%0%5%7%
9四国電力28,19218%55%7%0%8%12%
10九州電力85,4888%32%33%10%11%6%
11沖縄電力8,5816%65%24%0%5%0%

次に、これらの電力を発電する際、CO2が発生します。でも太陽電池で電気を起こしたらCO2は出ませんよね??実は少しだけですが出るのです。太陽電池パネルを生産したり、設置したり、メンテナンスしたりするときにCO2が発生します。ここでは、新エネルギーのCO2排出量として太陽光発電の値を使います。また、LNGは大きく分けて旧型と新型のコンバインドサイクルというのがあるのですが、旧型の数値(=CO2をたくさん排出)を使います。
各発電方式別のCO2排出量は、g-CO2/kWhという単位で表します。1kWhの電力量を発電したときに排出されるCO2のグラム数です。なんか小さい数字になってきましたね!これをライフサイクルCO2排出量といいます。では見てみましょう。元データは電気事業連合会:原子力・エネルギー図面集です。

石油石炭LNG原子力新エネ等水力
ライフサイクルCO2排出量
(g-CO2/kWh)
738943599203811

上記二つのデータを使って、電力会社ごとのライフサイクルCO2排出量を計算してみましょう。ついでに各社の石油による発電量も計算します。

1電力会社g-CO2/kWh発電電力量(GWh)
石油による発電量石油依存率
2北海道電力67731,6848,23826%
3東北電力62782,2093,2884%
4東京電力617265,59115,9356%
5中部電力603131,8681,3191%
6北陸電力65930,3722,1267%
7関西電力613138,05420,70815%
8中国電力73561,7785,5609%
9四国電力69828,1925,07518%
10九州電力56585,4886,8398%
11沖縄電力8038,5815156%
12(合計)627863,81769,6038%

1kWhあたり最もCO2の排出量が大きいのは沖縄電力。原子力発電所も水力発電所もゼロなのが効いてきていますね。逆に排出が少ないのは東京電力・中部電力と九州電力。水力発電が少ないので排出が多そうですが、実はこの3社、石炭火力への依存度が低いのですね。石炭は安いらしいのですが、どうしてもCO2排出が増えてしまうので、悩みどころなのだと思います。

ガソリンと電気、どっちがエコ?

オイルリグ
オイルリグ

石油で発電してその電気を家庭まで送って、自宅で充電して電気自動車を走らせると、資源が無駄になるのでしょうか?
何かそんな気がしますね!

ちょっと待ってください。石油で発電?
石油に最も依存しているのは北海道電力の26%が最高で、北海道電力は51%を石炭に頼っています。実は石油は発電方式ではマイナーな存在だったのです。先ほどの最後の表を見てください。石油による総発電電力量は69,603GWh、日本全体の総発電電力量は863,817GWhですから、石油依存度は8%にしか過ぎません。そうなんです。原子力発電が5基しか稼働していない今、日本の発電は石炭とLNGに頼っているのです。再生可能エネルギーによる発電所が増えれば、石油依存度はさらに低下します。

電気自動車は様々なエネルギーで発電した電気で走っています。2015年8月、九州電力川内原子力発電所が再稼働しましたが、その電気も九州では使います。またご自宅に太陽光パネルを設置されていらっしゃる方は、その電気で、CO2をほとんど発生させず走行することができるのです。
そのため、一概にガソリン車と電気自動車、どちらが資源を無駄にしているか判断するのは難しいのです。

同一車格によるCO2排出量の、地域ごとの比較

フーバーダム(クリックしてサイズを確認してみて!)
フーバーダム(クリックしてサイズを確認してみて!)

ここまでで、電気自動車がエコかどうか、資源の観点から見てきました。それでは最後に、実際に販売されている4台の自動車の実際のデータを用いて、地域ごとにCO2排出量を計算してみましょう。単位はg-CO2/km、すなわち、自動車を1km走らせたときに排出されるCO2のグラム数です。これは簡単ですね!
クルマのCO2排出量は、燃費・電費(電気自動車の燃費を電費と呼びます)に依存します。ガソリン・電気をたくさん食うと、CO2がたくさん排出されるのです。そして、当然のことですが、小型の車はガソリン・電気を少ししか使いませんので、CO2は少ししか排出されません。今回は同じくらいのサイズ・同じくらいの価格・同じくらいの車格の車ということで、トヨタ新型プリウス(ZVW51)と日産リーフ、レクサスLS600h(UVF45: ハイブリッド車です)とテスラモデルSを比較してみます。燃費データは以下となります。電気自動車は平均電費データというものがあまりありませんので、筆者の経験とヒアリングによるデータを使用しました。電気自動車は夏と冬で大きく電費が変化しますので、ほぼ中間値を使用します。またガソリン車はe-nenpiサイトの実燃費データを利用しました。

1車名燃費・電費コメント
2日産リーフ7 km/kWh通年を想定
3テスラモデルS4.5 km/kWh通年を想定
4トヨタプリウスZVW5123.43 km/le-nenpi実燃費データ
5レクサスLS600h UVF457.18 km/le-nenpi実燃費データ

CO2排出量ってどうやって計算するんでしょうか?
先ほど、ライフサイクルCO2排出量、というものを計算しましたよね。それを使うのです。1kWhの電力を走行に使えば、相当するCO2が発電所から排出されます。この排出量を電費で割れば、1kmあたりのCO2排出量が計算できます。例えば北陸電力は659g-CO2/kWhですから、リーフ7km/kWhを当てはめると、1km走行当たり659/7=約97gのCO2が排出されることになります。
ガソリン車は、もっと簡単です。ガソリンを1リットル消費すると、CO2は2,320g排出されます。これを燃費で割り算するだけです。この排出量は地域で変動しませんので(もちろん燃費は地域で多少違うでしょうね=今回は考慮しません)、全地域同じ値になります。

1電力会社1km走行時CO2排出(g)
2日産リーフテスラモデルSトヨタ新型プリウスZVW51レクサスLS600h UVF45
3北海道電力9715099323
4東北電力9013999323
5東京電力8813799323
6中部電力8613499323
7北陸電力9414699323
8関西電力8813699323
9中国電力10516399323
10四国電力10015599323
11九州電力8112699323
12沖縄電力11517899323

さてどうでしょうか?
いくつかのことが言えると思います。

  1. リーフと新型プリウスの排出量は、平均的に見れば若干リーフのほうが少ない
  2. モデルSは、レクサスLS600hの約三分の一のCO2を排出する。車両が大型になると、ガソリン車の燃費が相対的に悪化するのに対し、電気自動車は悪化の度合いが少ない
  3. 沖縄のように、石炭発電依存度の非常に高い地域では、リーフより新型プリウスのほうがCO2排出量が少ない
  4. 今後、再生可能エネルギーの割合が増加すれば、電気自動車のCO2排出量は減少する

Composite image of a happy young woman is standing with her hands in the airいかがでしたか?計算だらけで疲れたと思いますが、原子力発電所稼働実質2基のみの2015年度の実際の数値を使っても、電気自動車は、CO2の排出の点からは十分エコである、と言えることがお分かりだと思います。あの燃費の王様のプリウスより少ないくらいなのですから。

この記事のコメント(新着順)85件

  1. 初めまして。
    現在大学に在学中の者です。
    大変興味深く本ブログを読ませて頂きました。
    ここでの算出方法等を卒業論文で利用してもよろしいでしょうか。

    1. ななな 様、コメントありがとうございます。もちろん構いませんが、出典を明記していただければ幸いです。何か誤りがあった場合はこちらの問題ですので。

  2. 多くの電気自動車は夜間に充電されるのではないでしょうか。そうだとすると単純にエネルギーミックスを用いてはいけないと思います。

    1. てーく 様、コメントありがとうございます。
      時間帯別のエネルギーミックスは色々ありますよね。夜間の電力は、排出係数が大きくなる傾向にあります。
      しかしそれ、ちょっと都合の良い考え方である気もします。

      EVがなかったらその電気、発電しなくて良かったものでしょうか?恐らく、EV充電の分がない状態で、ベースロード(石炭)は一定の値になっているはず。EVのようにデマンドで持ってくる電気は、LNGであると考えることもできます。今度は私の言い方が、都合がよい言い方に聞こえませんか?

      LNG火力の排出係数は、日本の平均排出係数より小さいです。またこちらの記事では、私が分かりやすくするため計算式で出していますが、現実の平均排出係数は、439gとなっています。
      https://e-lcs.jp/news/detail/000265.html
      記事では627gを使っていますので、私の計算は約30%、電気自動車に不利に計算しています。

    2. 安川様
      ご回答ありがとうございます。
      「いろいろある」この言葉に尽きると思います。
      前提条件の決め方が非常に難しく色々な前提に基づいた色々な意見があります。
      我々や地球にとって一番良い選択が出来るよう私も勉強したいと思います。

  3. エネルギーに対する走行効率はどんな感じなんですか?
    F1のPU(パワーユニット)は走行効率が55%を超えます。電気自動車がどのくらいか気になります。

    1. 艱難辛苦顎マスク様、コメントありがとうございます。あまり詳しくなく、どこから図ってどこまでの損失を見るのか、というところかと思いますが、その55%というのはガソリンに含まれているエネルギーの、何パーセントを、最高出力時に取り出せているか、という数値の理解でよいでしょうか?例えばアイドリングしているときの効率は0%ですよね?走行中でも、低いギアと高いギア、回転数、負荷の重さによって当然効率は変わると思います。全く同じ比較になるかどうかは分かりませんが、仮に電気自動車の充電に使う電気が交流で、通常の家庭の200Vから充電したと仮定すると、以下のようなロスがあります。
      ・充電器=90%、これは電池に入る電気が90%くらいになることを意味します。10%は充電器と電池内で熱になります。
      ・インバーター=95%、これは電気をモーターに供給する装置ですが、その時の変換ロスを意味します。5%はインバーターでの熱になります。
      ・モーターからタイヤまで=95%。5%はモーターやギアボックスの熱・音・そしてタイヤのゴムの摩耗などになります。
      結果的に総合効率は81%くらいでしょうか?

  4. ド素人の質問です。電気自動車は走行時だけで言えば確かにCO2は排出しませんが、現在の技術ではバッテリーが不可欠ですよね。そのバッテリーについてですが、製造だけでなくリサイクルされるまであるいは処分するまでを含めた場合の環境負荷はどうなんでしょうか。エンジンは鉄屑ということは分かりますがバッテリーは原料に使われる物質を想像する限りあまり環境に良くない気がします。環境負荷=CO2だけでなく水質や土壌汚染の観点からはどうなのでしょうか?ご存じでしたらご教示いただきたく、お願いいたします。

    1. ひろりん 様、コメントありがとうございます。
      ご指摘の機論は、ライフサイクル排出量(LCA)と呼ばれ、マツダさんの論文が有名です。
      https://blog.evsmart.net/electric-vehicles/electric-is-cleaner-mazda-lca/
      こちらの記事では、その論文で用いている非現実的な前提条件にメスを入れ、分析し、結論として、電気自動車のほうが生産からリサイクルまでを総合しても、排出が少ないことを証明しています。

  5. こんにちは。
    こんにちは。
    素晴らしい記事ありがとうございます。
    EVはバッテリーの自然放電の他にバッテリーの温度管理でも結構な電力を使いますね。特に高温低温環境で駐車中の消費電力は無視できません。EVは走らなくても電力を使い続けるわけです。
    EVの台数が増えると「あまり使われないEV」の台数もどんどん増えます。これは社会全体で相当の環境負荷になるのではと愚行しております。

    1. のぶ 様、コメントありがとうございます!

      >>特に高温低温環境で駐車中の消費電力は無視できません。

      そうですね、40℃以上の高温時はバッテリーをそのままにするわけにはいかないので、停車中でも冷却が入ります。低温時は-30℃くらいまでは、バッテリーヒーターは入りません。すなわち、駐車中の消費電力は無視できるくらい小さいです。

  6. 「エコ」という時、エコノミーなのかエコロジーなのかで意味が全然違います。
    環境にうるさい人が、この辺をほとんど気にしないのはホントに面白いです。

    エコノミーは安いってことですが、本気でエコロジーをやると間違いなく高く付きます。
    ハイブリッドシステムはマジでエコロジーです。だから高い。
    電気自動車はエコノミーです。エンジンも駆動系も必要ないので、間違いなくハイブリッドより安くできます。

    でもそれ以上に問題なのは、蓄電池というモノの性質です。
    どんな電池にも内部抵抗というものがあり、充電する時は内部抵抗分電圧を加えなくてはなりません。
    逆に放電する時は、内部抵抗分出力電圧は下がります。
    つまり、充電時100の電気を入れても、放電時絶対に100出てきません。

    時々「いやいや100%近く出るよ」と言う人が居ますが、その場合電流しか計算してません。
    電力は電圧×電流です。充電時と放電時では電圧が変わるんです!騙されない様に!

    要は、たとえリチウムイオン電池でも、100電気を突っ込んでもいいトコ87出て来るか…古くなればこれも下がります。
    だから、電気を充電して使うって事は、黙って13%の電気を捨てる事です。
    大容量のNaS電池なら、25%は行くでしょう。内部温度が300℃ある電池が効率よかったらびっくりです。
    環境にうるさい人、是非ここを知って下さい。
    そうすれば、「再生可能エネルギーを、充電して使おう!」なんて能天気な事は言えなくなるはずです。

    再生可能エネルギーだけで行くなら、電気が出て来た時にすぐ使う、出てこない時は電気は使わないという考え方に変えないとダメなんです。
    今まで通り、好きな時に好きなだけ使うなんて有り得ません。仙人にならないと…
    環境大好きなそこのあなた。できますか?

    1. 環境と聞いたら泥棒と思え 様、コメントありがとうございます。
      当記事における電気自動車の電費は、コンセントからで考えています。つまりご指摘の充電ロスも含んだ数値となっています。

      電気を捨てる、などという極端な言い方は科学的ではないと思います。そんなこといったら、ガソリンエンジンは熱として、ガソリンを捨てながら走行するのでしょうか?損失は損失として、しっかり定義し、比較するのが正しい科学的態度かと思います。

  7. こんにちは 
    このようなものをみて 
    https://www.youtube.com/watch?v=dCWoHJreaMQ
    ここにきました。
    それでなんですが
    石炭やLNGが計算の分母に入ってるのでしょうか?
    二酸化炭素を減らそう = エコ だとしたら
    石油依存率だけではでは無いようなきがします。
    私の読解力がなく石炭もLNGもその他二酸化炭素を
    排出する発電を計算に含んでいた場合はすみません。

    1. 通りすがりのふみや 様、コメントありがとうございます。

      はい、各発電方式による、排出量を計算して集計しています。計算過程も記事中で公開していますので、ぜひ、ご自身の目で検算されてください。

  8. 非常に勉強になりました。
    既出でしたらすみません。
    電気自動車の製造工程で掛かるエネルギーが莫大と聞いたことがあります。(ガソリン車と違って)
    是非、こちらの計算も見てみたいです!

  9.  CCSCモデルを探していたら「材料物理数学再武装」というのが見つかりました。なかなか分からない工業製品の安全率の決定の仕方、正規分布がなぜできるのか?鋳造工学でのクボりノフの式の導出、疲労強度の破壊力学と転位論の組み合わせ方、鉄鋼材料の熱処理でみかけるTTT曲線、トライボロジーにおけるペトロフとクーロン則の組み合わせ方、などなど。工学の学理を俯瞰した形で人工知能の原理に迫るというのは参考になりました。

  10.  CCSCモデルは工学の暗部を抉り出している。実は、機械の摺動部の耐久面圧は材料強度の1/1000。その回答を今までの学者ははぐらかしてきたきらいがある。なのでトライボロジー分野における境界潤滑問題(トライボロジー)は諸説乱立していて収拾がついていないとある大学の先生に聞きました。しかし機械の設計を根底から覆す可能性があるなら地球環境の保全の重要技術の一つではないでしょうか。

  11. CO2排出の話ではないのですが、もし世界中がEV化を進めたらリチウム等のバッテリーを構成する材料の価格が上昇し、電気自動車が自動車を必要とする一般消費者が買えるような値段にならない可能性とかも出てくるのでは?そういった問題も含めて、EV化は問題点だらけだと思います。劣化したリチウムイオン電池を低コストで再生出来る技術があればいいんですけど…そういうのってあります?

    1. dabio様、コメントありがとうございます!リチウムの埋蔵量は結構あって、生産量も増加する一方です。
      https://www.bloomberg.com/news/articles/2019-07-28/the-lithium-mine-buildup-is-outpacing-the-electric-car-boom
      リチウムの埋蔵量
      https://www.statista.com/statistics/268790/countries-with-the-largest-lithium-reserves-worldwide/
      リチウムの生産量
      https://www.statista.com/statistics/606684/world-production-of-lithium/
      埋蔵量はおそらく採掘会社が掘り出す鉱石の重量の単位で、生産量はリチウム金属としての量なので単純比較はできないと思いますが、今後ナトリウムを使うことも視野に入ってくること、リチウムのリサイクルも可能であること(現在はコストが高いので行われていません)から、需要には問題がなさそうに思います。どっちかというとニッケルのほうが足りなくなりそうな。

      >>EV化は問題点だらけ

      それ以外にどのような問題点があるのでしょうかね。化石燃料車は化石燃料車で、石油を採掘し続ける必要があるわけなんですが、石油は、リチウムなどより政情的に不安定な国に依存しているようにも思えます。

  12.  内燃機関側では境界潤滑の新理論CCSCモデルが登場しているようです。さらにエンジンは進化するでしょう。

    1. トライボファン 様、コメントありがとうございます。どんどん進化するのは素晴らしいことだと思います。
      ただ世界が目指しているのは、例えを挙げて申し上げるなら、CO2排出を半分にするというようなことです。電気自動車であれば、再生可能エネルギー発電比率を上げていくことで(究極的には購入後の排出はゼロも可能)達成が可能なのですが、内燃機関では燃費を二倍にすることはどうしても不可能です。これが、各自動車メーカーが電気自動車に舵を切っている理由です。

  13. 「自動車に関しては、購入するときの価格、維持費、そして燃料代(電気代)ですよね。この記事では、これらは対象から外します。」とありますが、これを対象外としたのでは議論にならないと思います。例えば、電気自動車のバッテリーは非常に高価で希少な金属類が使われていますが、これらを材料化するときに半端でないエネルギーが使われているはずです。走行時のエネルギー消費・CO2排出量ということでなく、車を生産して走らせる、寿命が来たので廃棄する、のサイクル全体で考えるべきと思います。現時点に至っては、この記事よりももっと精密な議論が必要なのではないでしょうか?

    1. 化学のおじさん様、コメントありがとうございます!

      >>例えば、電気自動車のバッテリーは非常に高価で希少な金属類が使われていますが、これらを材料化するときに半端でないエネルギーが使われているはずです。

      当記事では車を入手して以降の、温室効果ガス排出に絞って計算を進めていますが、これ以上のいわゆるすべての原材料の製造にまで戻っての温室効果ガスを計算することは、ライフサイクル・アセスメントと呼ばれています。ライフサイクルでの排出にはもちろん本記事での計算のように、購入してからの排出も含まれますので、大型セダンやSUVのような車両においては、どうやっても電気自動車より排出を少なくすることはできません。
      問題は小型車で、この場合のライフサイクルでの排出には、電池の製造時排出が大きなファクターを占めています。この排出の元は、電池を製造するのに必要な電力に由来する排出だとされています。詳細は、様々な前提をおいて計算している論文が多く出ていますので、そちらをご覧ください。
      そしてそれらの論文でいつも前提に置かれているのが、電力由来の排出が、火力発電を中心とする比較的汚い発電ミックスです。しかし現実には、電池メーカーは温室効果ガスを削減するため、再生可能エネルギーによる発電などを活用して、製造時排出をかなり低減しています。ご存知のとおり、これは毎年減少していくもので、例えばテスラは2019年末までに、米国ギガファクトリーでの電池製造における電力をすべて再生可能エネルギー化すると発言しています。
      このような電力でバッテリーを製造する場合、小型電気自動車の排出はライフサイクルで見ても、同等サイズのガソリン車より少なくなるのです。これらは変動していく前提により大きく計算結果が変動することと、近い将来には同じ結果となることが明確なため、当記事では詳細には計算していません。
      なお多くのメディアや既存自動車メーカーは、誤って、電気自動車の製造時排出がずっと高いままであるかのような情報を流しています。これは誤りなだけではなく、事実を誤認させようとする意図があると考えて良いでしょう。

  14. CO2どうこうを置いておいても、エネルギー効率などからEVの方が良かろう、というのはもっともな話なんだけど、そもそも、車を減らせばこういう問題は無くなるわけで・・・
    そういった、より高次なレベルでの解決策を模索する方向性が見えないのが日本のダメなところに思う。
    欧州はEV推進どうこう以前に、電車などの公共交通を中心に据えた都市システムを再構築しているのだが、日本はなぜこういう大局的な見方ができないのか不思議。

    1. 工学者の端くれ様、コメントありがとうございます。日本は公共交通が進んでいる方だと思います。地方都市で電車を走らせてもご存知のように赤字がかさみ、消費者の負担になってしまうというジレンマもありますね。
      車を減らすのは税金をかけるくらいしかいい方法はないように思います。まあそれだと経済に対して悪影響がありますので(消費を押さえれば経済は縮小)、結局CO2とか省燃費みたいな話になっちゃうわけです。。

  15. 大変、面白い記事で読ませて頂きました。
    プリウスのCO2排出量に疑問があります。
    カタログ値ですとZVW51で最大値で62g/kmとなっておりますが、
    これは虚偽ととらえているのでしょうか?
    私は工学系のはっきり言ってしまえば、TOYOTA系列の触媒、
    所謂、排気ガスに関する所属の端くれなのですが、
    先方の割り出した結果とあまりにもかけ離れていたので、
    結果に関して、ご教授願えると幸いです。

    1. toshi_A様、コメント・ご質問ありがとうございます。62g/kmというのは、おそらくZVW51(最新型のプリウスA/Sグレード)の、JC08燃費37.2km/lを基準にして、1lのガソリンを燃焼させると2320gのCO2が発生しますから、2320[g-CO2]/37.2[km/l] = 62g-CO2/kmという計算で算出された数字だと思います。この基準で語るなら、新型リーフe+のJC08基準交流電力量消費率125Wh/kmをベースに計算する必要があります。そうすると、リーフは東京電力617g-CO2/kWhに対し、617[g-CO2/kWh]x0.125[kWh/km]=77g-CO2/kmとなります。

      では当サイトで標準的に使用している米国EPA基準で見てみましょう。
      まずプリウスですが52MPG(miles per gallon)ですから22.1km/hとなります。すなわち2320/22.1=105g-CO2/kmですね。リーフe+は31kWh/100miですから617[g-CO2/kWh]x31[kWh/100mi]/1.609/100=119g-CO2/kmとなります。

      ※どちらの電力消費率の数字(125Wh/kmも31kWh/100mi)も、コンセントからの数字になります。

      どちらのケースもわずかにプリウスのほうがリーフより良いですね。当サイトでは実燃費を使って概算を出しています。そのため、多少数字のずれはありますが、どうしても電気自動車のほうが実燃費と燃費基準での値の乖離が少なくなる傾向にありますので、実燃費を使うと少し電気自動車のほうがCO2排出量は少なく見える傾向にあります。

      当サイトでは、一つの科学的基準である日本のJC08カタログ基準を使用していません。その理由は、あまりにも低速走行が多く、現実のユーザーの体感値との乖離が多くて、まったく参考にならないからです。特に電気自動車のことを調べているユーザー様にとっては、「長距離を走れるかどうか」すなわちある程度高速道路での走行をベースに考えており、高速走行の評価をほとんど行っていないJC08基準を使う意味がないのです。

  16.  ダイセル播磨の久保田博士が自動車の劇的な低フリクション化を展望できる境界潤滑理論(機械の摩擦理論)を内燃機関シンポジウムで発表していました。つまりHVエンジンはさらに進化する可能性があるということです。

    1. 科学技術ウォッチャー様、コメントありがとうございます。
      それは良いことだと思います。
      ただ仮に新技術で効率が二倍になっても、二酸化炭素の排出は半分にしかなりません。現時点で、例えばハリアーハイブリッドクラスの燃費の車が二倍の燃費になって、やっと欧州の新基準をクリアできるかどうか、というところです。

  17. 植物由来の燃料を使うディーゼルエンジン車が最もCO2排出量が少ないのは明らかだと思います。
    これならガソリンスタンドなど既存のインフラがそのまま使えるので失業者が出ることもありません。燃料を国内生産できるので国防の観点からも有効です。
    石油会社は何時までも原油の輸入・精製に頼っていては将来がありません。藻から作るバイオディーデルなど自社での燃料生産に本気で取り組むべきです。

    1. Bokka様、コメントありがとうございます。ディーゼルは実は、CO2排出という意味ではそもそもガソリンエンジンより少なく、温室効果ガス排出削減としてはよい施策だったのです。しかし欧州で問題になった点は、CO2以外の排出の点。高圧縮であることによるNOxやPM 2.5の問題などが現時点ではまだ完全に解決されたとはいえず、欧州ではディーゼル車は新車販売シェアをどんどん減らしており、現時点ではとうとうガソリン車の登録のほうが多くなってしまいました。今後もディーゼル車は中古車価格=買取価格の減少が予測されており、割高な車、という認識をされつつあります。バイオディーゼルの排出ガスをさらに最適化する、もうワンステップ上の技術とコスト削減が実行できなければ、最終的により排出のクリーンな電気に移行が進むと私は考えています。

  18. 昨年のNatureにこんな論文も出ていますよ.
    Plotz et al. (2017) CO2 Mitigation Potential of Plug-in Hybrid Electric Vehicles larger than expected, 7: 16493, DOI:10.1038/s41598-017-16684-9

    PHEVの方がEVよりも製造+走行のライフサイクル全体で低炭素であることが明らかになったそうです.
    なぜなら電池製造は多量のCO2を排出するにもかかわらず,EVはその電池の使用効率が低いから.
    Liイオンバッテリー由来のCO2排出量はPHEVが0.6t,EVが2.6t(この論文ではPHEVは6kWh,EVは26kWhで100kg-CO2/kWhとしている).一方,PHEVでエンジンやギヤボックスに由来するCO2排出量は0.6tだそうです.
    Nature誌の査読が通った論文なので,信頼性は高いでしょう.
    今後EVのバッテリー容量が増加するにつれて,その差はますます開くことになると思われます.

    PHEVはガソリン車とEVの両方の要素があるから無駄が多いと誤解している人が多いかもしれませんが,実はそうでもないのですよ.結局のところ,少ない電池を高効率で使うことになるPHEVの方が低炭素なのです.

    なぜ,いままでEVはガソリン車よりもCO2排出量が少ないとされてきたのか?
    それはガソリン車がひと昔前の10km/L程度の燃費,EVが24-30kWh程度をモデルにしていたからです.確かにそれらの条件であれば,上記の計算法で比較するとEVの方が総CO2排出量が少なくなります.
    しかし,自動車メーカーはガソリン車の燃費を向上させてきていますし,EVはバッテリー容量が増える傾向にあります.
    CO2排出量が逆転するのは当然の帰結かもしれません.

    1. silicate2様、リンクの数に制限がかかっているかも知れませんね。論文のリファレンスありがとうございます。全部は拝見していませんが、簡単に言うと、製造時のCO2排出は、バッテリー抜きだとさほど変わらない可能性が高いが、バッテリーはkWhでCO2排出が決まるため、自動車単体で見ると容量の大きな車両はCO2排出が大きくなるということですね。
      40kWhというのは、今の電気自動車ではあまり標準とは言えないと思います。これからは最低55kWhくらいから。そして、現在2022年くらいまでに発売される予定のほとんどの電気自動車は、slilcate2様が挙げられている燃費の良いガソリン車であるカローラ・フィット・ノートなどより大きいサイズであり、単純に比較すべきでもないように思います。すべては前提によるのですよね。

      例えば一つの例としてテスラモデル3(まだショートレンジは未発売ですが一応55kWhで計算します)くらいの車両を挙げてみましょう。サイズはほぼレクサスISと同じくらいでしょうから、
      レクサスIS:14.5km/l=160g-CO2/kmですので10万キロだと16t。12万キロだと19.2t。
            諸元4.680×1.810×1.430 1,640kg
      テスラモデル3 55kWh:126MPGe=6km/kWh(これはEPAのwall-to-wheelなので損失は計算しなくてOK)ですので10万キロだと日本の排出係数0.531kg-CO2/kWhの場合は8.85t。製造時は175kg-CO2/kWhとすると9.625t。合計は18.5tくらい。12万キロだと20.2t。
            諸元4.690×1.930×1.440 1,610kg

      ミッドサイズセダンだとBEVがちょっと悪いようにも見えます。しかし以下の条件も考慮してみてください。
      – 製造時CO2は製造場所の電力ミックスにもよる。パナソニック-テスラ連合は、ネバダ州でのバッテリー生産の電力は100%再生可能エネルギーを「目指す」(現状は違うと思います)としています。
      – 走行時CO2は充電場所の電力ミックスに依存する。日本国内の排出係数は年々低下していっています。
      – 世界中で蓄電設備が増加し、これにより再生可能エネルギーの比率はさらに高まる見込みです。

      現状でほぼ、ミッドサイズのセダンにおけるCO2排出量は製造時も含めてほぼ同等か、ガソリンハイブリッド車のほうが若干少ないと言えますが、長い目で見るとガソリン車はCO2排出量は変化しないのに対し、電気自動車はグリッドのCO2排出係数の改善の恩恵を受けることができるので、日本国内では、8-10年間保有した後の総排出量という意味ではあまり変わらないか、電気自動車のほうがCO2排出が低くなる可能性があるということでしょうか。
      グローバルに見ると、CO2排出係数の低い先進国においては、電気自動車のほうが製造時CO2まで入れてもおそらく総排出量は少なくなると考えられます。

      それなら中国ではガソリン車にすべきなのか?というとそうでもないのではないでしょうか。中国では、走行しているガソリン車の燃費は当然ですが日本国内の最新のハイブリッド車などより悪く、206g-CO2/km程度となっているようです。そのため、多少グリッドのCO2排出係数が大きくても、案外電気自動車のほうが排出が少なくなるのかも!?

      現時点ではPHEVについてはおっしゃる通りですね。

  19. Yasukawaさま
    コメント欄の文字数に制約があるようで引用文献を表記できませんでした.
    Romare論文は上にある私のコメントのリンク先で読めます.
    Qiao論文は下記です.
    Qiao et al. (2017) Comparative Study on Life Cycle CO2 Emissions from the Production of Electric and Conventional Vehicles in China, Energy Procedia, 105, 3584-3595.

    いずれの論文でもLFPとNMCの検証を行っていて,LFPとNCMとでは製造時のCO2排出量には大差がないことが証明されています.

    > EVのバッテリー抜きの製造時CO2が、ガソリン車より高いというのがどうも理解できません。

    すくなくとも,EVはバッテリーを抜きにしてもガソリン車を下回ることはないようです.
    YasukawaさんがリンクしているCleaner Cars from Cradle to Grave (2015)の資料のFig.ES-2を見ても,バッテリーを除いたEVとガソリン車の製造時CO2排出量はほぼ同等です.

    上で行った計算で,(1)バッテリーを除いたEVの製造時排出量はガソリン車と等しい,(2)電費8km/kWh,(3)充電効率90%,(4)バッテリー由来を150-200の下限の150kg-CO2/kWh,とEVからの排出量が少なくなるように条件を緩めて計算すると,40kWhのEVの製造時と10万km走行時のCO2排出量の合計は22.6t
    これなら燃費の良いガソリン車(22.9t)と互角です.

  20. さて,以上の値を用いてクルマの製造と10万km走行時のCO2排出量の合計を計算すると次のようになります.
    燃費の良いガソリン車:22.9t,燃費の悪いガソリン車:28.5t
    EV(再エネ100%):19.6t,EV(日本の排出係数):28.9t(充電効率100%としても26.5t)
    40kWhのEVを日本で走らせると燃費の悪いガソリン車と同程度の量のCO2が排出されます.
    燃費のよいガソリン車はEVよりも排出量が20%少ない.

    文献[1]で言われているようにバッテリー容量が無駄に大きなEVはCO2排出量もそれだけ増加するのです.
    では,ガソリン車とCO2排出量が均衡するEVのバッテリー容量はどの程度か? 
    計算結果は次の通り:
    燃費の良いガソリン車と同等(22.9t)になるのは,再エネ100%の場合で59kWh,日本の電源で6kWh
    燃費の悪いガソリン車と同等(28.5t)になるのは,再エネ100%の場合で91kWh,日本の電源で38kWh
    以上により,仮に充電時の電源が再生可能エネルギー100%になったとしても100kWhのEVはそれを使用するだけで,ガソリン車よりもより多くのCO2を排出すると結論されます.

    再生可能エネルギーの普及は上の計算結果に影響を及ぼすはずです.
    そこで,次に以下の2つを仮定してみます.
    (1) 中国で再エネが普及して,将来Liイオンバッテリーを今の半分の排出量(88kg-CO2/kWh)で作れるようになる.
    (2) 日本で再エネが普及して,将来は排出係数が今の7割まで低減する.
    この条件で40kWhのEVの製造時と10万km走行時のCO2排出量の合計は22.4t
    これでやっと燃費の良いガソリン車(22.9t)と互角なのです.

    Liイオンバッテリーはその50%以上が中国で生産されていて,今後もますます増加する見込みです.世界の自動車メーカーは中国の電池メーカーから安価な電池を調達することになるのでしょう.しかしそのEV用バッテリーの低コスト生産の裏には安価な石炭火力発電と膨大な量の二酸化炭素の排出があることを知っておくべきです.

    1. silicate様、計算ありがとうございます!
      ICEVの計算には、レクサスLSハイブリッドを用いています。100kWhも搭載する必要があるのは、大型セダンまたはSUVだけだからですね。逆に、挙げられているようなICEVは中型で、恐らく同等の車両であれば60kWhまたは75kWh程度が現在の標準的なバッテリー容量になると思われます。記事中でも参照していますが、ICEVは大型になると極端に燃費が悪くなります。
      おっしゃる通り、バッテリー容量は大きい方が製造時CO2排出は多くなります。ただ比較する場合には、同一の条件を用いないといけないので、なかやか難しいですよね。

      一つ質問なのですが、そのQiao氏とRomare氏のリンクを教えていただけませんか?一度まとめてみたいと思います。その理由なのですが、いただいた計算だと、EVのバッテリー抜きの製造時CO2が、ガソリン車より高いというのがどうも理解できません。また中国でのリチウムイオン電池はLFPがほとんどで、現在いわゆる先進国で購入できる、大容量EVはLFPのものはなく(バスだけ)、NMCかNCAになっています。またNMC/NCAの製造はかなりの部分が日本、韓国、ヨーロッパで、今後米国(ギガファクトリー1)と中国(CATLなど)ではないでしょうか。そのあたりももう少し調べてみたいと思います。

  21. Yasukawaさま
    私が「たくさんある」と書いたのは,Hiroyukiさんの質問「Liイオンバッテリーの製造過程に由来するCO2排出量の計算」についてです.
    150-200kg-CO2/kWhという数値はLiイオンバッテリーの製造だけで発生するCO2量です.
    Yasukawaさんの計算では車体分が入っていません.
    ICEVで323g-CO2/kmはガソリン燃費で7km/Lですよね.悪すぎないですか?
    Yasukawaさんがリンクしてくれた「Cleaner Cars From Cradle to Grave」のFig.ES-2も,今の最新データや日本車の実燃費と比較するといろいろと値がおかしいです.

    折角なのでちゃんと計算してみますね.
    自動車の車体の製造にかかるCO2排出量は,最近Qiao et al. (2017)[2]が詳細な論文を報告しています.
    それによると現在中国で普及しているで標準的なガソリン車を1台製造するときに発生するCO2は9200kgで,EVだと14700kgだそうです.これは今中国で増えている20kWhクラスのEVに相当すると考えらます.
    この論文によるとバッテリー製造由来は2500kgなので,差し引きEVの車体分は11900kg-CO2となります.

    Liイオンバッテリ製造由来は,Romare and Dahllof(2017)[2]の報告による150-200の中間をとって175kg-CO2/kWhとします.

    ガソリン車の燃費はe燃費で報告されている実燃費データを参考にします.
    燃費が良いクルマの例として:カローラ18km/L,フィット17.2km/L,ノート15.4km/L
    燃費が悪いクルマの例として:Wish12.3km/L,C-HR12.2km/L,レジェンド12.0km/K,トヨタ86 11.6km/L
    これ以上悪いのはミニバンか輸入車しかありません.
    以上のデータから燃費が良いクルマを16.9km/L,悪いクルマを12.0km/Lと仮定します.
    1kmあたりに排出するCO2量=2.32/燃費x1000 (kg-CO2/km)

    発電に伴うCO2量は[3]による値,再生可能エネルギー0.038kg-CO2/kWh,日本の排出係数0.531kg-CO2/kWhを用います.

    EVのバッテリー容量40kWh(現行リーフ),電費7kWh,充電効率は文献[4]を参考にして普通充電で76%を仮定します.
    ガソリン車の場合にはスタンドまでタンクローリーでガソリン輸送する際にもCO2が発生しますが,EVもたまには急速充電をするでしょうから([4]によると効率51%),そこは相殺されると仮定します.

  22. > このあたりを完全に調査しているレポートは、私の知る限り一つしかありません。

    たくさんありますよ
    例えば,スウェーデン環境研究所による最近の研究の要約
    https://www.ivl.se/english/startpage/top-menu/pressroom/press-releases/press-releases—arkiv/2017-06-21-new-report-highlights-climate-footprint-of-electric-car-battery-production.html

    詳細レポートは下記リンクからダウンロードできます。
    https://www.ivl.se/download/18.5922281715bdaebede9559/1496046218976/C243+The+life+cycle+energy+consumption+and+CO2+emissions+from+lithium+ion+batteries+.pdf

    最新のデータを用いた推算によると、バッテリ起源の排出量は150-200kg CO2/kWh
    例えば100kWhのバッテリーを搭載した電気自動車では、車両のイグニッションがオンになる前から15〜20トンの二酸化炭素が放出されているそうです。
    バッテリー製造に伴うCO2排出量は工場のロケーションにも大きく依存していて、中国やインドのような電源に対する石炭火力の比率が高い国でのバッテリー製造が増えると、製造に伴うCO2排出量もますます増えることになります。

    これまでのEVは30kWh程度が主流でしたが、今後40-60kWhクラスも増えてくる見込みです。
    しかしこのレポートでは、Liイオンバッテリーの製造段階のCO2排出量についても十分に考慮しなければならず、また必要以上に大きなバッテリー容量の電気自動車を買うべきではないと結論しています。

    1. silicate様、情報ありがとうございます!これは電気自動車だけになっていて、比較が難しいんですよね。例えば
      https://www.lowcvp.org.uk/assets/workingdocuments/MC-P-11-15a%20Lifecycle%20emissions%20report.pdf
      では、ドラフトではありますが製造時CO2を記載しています。ここでは(ミッドサイズとあります)ガソリン車の製造時CO2排出はおおよそ5.6トンとあります。違う前提の論文のデータを混ぜるのはあまり良くない気はしますが、仮に100kWhの電気自動車の製造時排出を15トン、これを本文中のデータから
      100kWhの電気自動車 137g-CO2/km
      同格のガソリン車 323g-CO2/km
      とすると、車を廃車にするまでに10万キロ走行するとして、
      100kWhの電気自動車 15,000 + 100,000 x 0.137 = 28,700kg
      同格のガソリン車 5,600 + 100, 000 x 0.323 = 37,900kg
      となり、結果としてはライフサイクルで見ても、ガソリン車のほうが32% CO2排出が多いという結果になります。

  23. 興味深いブログありがとうございます。リチウムイオン電池が現在主流ですが、リチウムを精製してバッテリーを作るのに必要な電力は相当必要と聞きました。バッテリー作り、廃棄にはどのくらいCo2の排出があるものでしょうか。

    1. Hiroyuki様、コメントありがとうございます。このあたりを完全に調査しているレポートは、私の知る限り一つしかありません。
      https://www.ucsusa.org/clean-vehicles/electric-vehicles/life-cycle-ev-emissions
      PDFでレポートが無料で読めますのでご覧になってはいかがでしょうか。こちらのレポートによれば、製造だけを見ると電気自動車のほうがCO2排出が多いが、実際に走らせてライフサイクルで見た場合には、電気自動車のCO2排出は同等の化石燃料車の約半分になるとのことです。

  24. 用件だけで失礼いたします。
    web掲載内容の不明点
    1、発電所及び端末までの損失は計算値の中に入いれておられますか?
      例えば、太陽光発電の為に、日夜、従来型発電所は無駄な運転をしています。
      簡単に言えば、夜になってから、従来型発電所を起動するのではなく、
      夜になる前から、従来型発電所は発電もしないで待機運転しているのです。
      いつ雨が降って太陽光発電がダウンするか分からないので、
      一日中待機運転して、無駄な排ガスを放出している発電所もあるかもしれません。
      今後、太陽光発電の為に、短時間で発電開始できるガスタービン等の
      発電システムや大型蓄電システムが必要になるでしょう。
      現状では、太陽光発電の為に、不要な排気ガスを従来型発電所は
      放出しているのです。
    今後対策する必要な点(太陽光発電の問題点)
    2、太陽光発電や蓄電システムは品質が非常に悪い(最悪)ので、従来型発電の量が減ると
      電気機器に悪影響をおよぼす確率が上昇すると思います。
      特に精密機器がどうなるか?不安である。
      例えば、最近テレビの画面が汚くなったような気がするとか、
      自宅のインターネットのWiFiの繋がりが悪いとか、スピードが遅くなったとか。
      自宅の周りに太陽光発電が増えてきた為でしょう、ノイズが非常に増えて
      きており、その簡易的なノイズ対策を、私は実施し少しは改善しましたが、
      今後太陽光発電がもっと増えてくるとどうなる事やら。
    ちょっと考えるべき点
    3、私は日本の機械産業が衰退するのでは無いかと思っています。
      それだけ従来型発電所は、種々の大小製品がたくさん使われています。
      特に大型ですので、機械の発注が減れば、いろんな産業に影響が
      出るのではないでしょうか?
      日本の技術力低下にも繋がるでしょう。日本経済への影響は?

    以上、太陽光発電万歳!と喜んで良いのか、私はわかりません。

    1. taro様、コメントありがとうございます!

      >発電所及び端末までの損失は計算値の中に入いれておられますか?

      当記事での計算は、発電電力量でしか計算していませんので、途中での損失は計算に入れていません。
      おっしゃる通り、再生可能エネルギーはベースロード電源への依存が高くなります。今後は蓄電設備を充実させることで、対応すべきかと思います。カリフォルニア州などでは、電力会社に対し、一定の蓄電設備を義務付けているようです。
      https://www.greentechmedia.com/articles/read/california-passes-huge-grid-energy-storage-mandate
      電力会社の導入例
      https://www.edison.com/home/innovation/energy-storage.html

      >太陽光発電や蓄電システムは品質が非常に悪い(最悪)ので、従来型発電の量が減ると電気機器に悪影響をおよぼす確率が上昇

      従来型の火力発電所はレスポンスが悪いため、どうしても太陽光発電の周波数変動や出力変動に耐えられませんでした。しかし蓄電システムは最近はリチウムイオン電池を使用しており(前述の南カリフォルニアエジソン社もそうです)、レスポンスは非常に高いです。
      https://reneweconomy.com.au/tesla-big-battery-outsmarts-lumbering-coal-units-after-loy-yang-trips-70003/
      このデータは分単位で記録しているようですが、実際にはms(1000分の1秒)単位で動作していたそうです。

      >私は日本の機械産業が衰退するのでは無いかと思っています。

      これに関しては、再生可能エネルギーの台頭による機械産業へのインパクトより、電気自動車へのシフトが起こった場合の、自動車産業全体へのインパクトのほうが大きいと思います。例えば電気自動車は洗濯機と同じ仕組みなので故障が少なく、自動車のエンジン等ボディショップ以外の工場はあまり必要なくなりますし、ガソリンスタンドはなくなります。車の中でもエンジンが不要になるだけでなく、オートマチックトランスミッションも不要ですし、オイルパンやファンベルト、マフラーや触媒、オルタネーターや燃料ポンプなども不要になります。オイル交換も必要なく、ラジエーターも、燃料を燃やすわけではないので、小型のもので済んでしまいます。ブレーキもほとんど減らなくなるので、基本的には交換不要となります。
      メンテナンスが減ると、自動車販売店は半分の利益を失うと言っても言い過ぎではなく、そうなると販売店は他の収益モデルを作っていく必要があると言えるでしょう。

  25. リーフオーナーです。2台目に新型リーフも発注しました。電気自動車がエコかエコでないか?エコに決まっています。排気ガスを撒き散らすこともなく水もたらしません。電気は発電所で石炭をがんがん燃やしてCO2を出してつくっているかもしれませんが、いづれCO2回収プラントが追加されれば減少するでしょう。車で分散排出されたものは回収がむずかしいでしょう。また、風力、地熱、太陽光発電なども増えることでしょう。PHVでいかに燃費が良くなったといっても、従来車の10分の1なんてことは物理的に不可能でしょう。所詮ガソリン車です。今後増加するであろう新興国での車需要に応えるためには10分の1を目標にしないといけないと思います。PHVでは無理だと思います。

  26. ヨシカワさん。今晩は。電気自動車がエコであろうとエコでなかろうと罪でも正義でもないですよね。なぜ地球に優しくなければならないのか変な議論ですよね。東名や中央道のあの莫大な数のディーゼルトラックは正義ですか?あの排気ガスはどう見ても悪の気がするのですが、電気自動車に任務や責任なんてナンセンスでは?ましてやエコが正義なんて誰が決めたんですか?僕は今Co2高濃度による植物の高光合成や防除の開発を行っています。同時に6リッターターボの6mの乗用車を考えてます。1949年の古いジャガーと古いディムラーを持ってます。全くエコでない。しかし、愉しいですよ。ただ走っているだけではニコニコしてきます。オーナーは乗りたい車に乗る。周りや社会に迷惑をかけなければ自由でいい。静で新しい価値感や好きなときに充電出来る自由。シームレスな加速が買う理由で全ていいんじゃないでしょうか。エコかエコでないかは二の次三の次で何がいけないのでしょうか。車における絶対的正義とは何より安全性でしょう。

  27. 空想に近い様な話ですが、車の全部がBEVだったら大きく変わる事って沢山ありそうですよね。
    現在車が侵入する場所に関しては『車は排気ガスが出る』という部分で様々な制約があります。例えば通気口の確保や換気設備の設置、排気ガスによる汚れ対策や清掃を考慮した設計ですね。
    特に駐車場の設計基準も変わって今よりもっと設計が楽になりそれもエコかもしれません。
    小さなところでは、知人の息子さんは車の排ガスがダメで、デパートの駐車場などでは必ずマスクを付けるとの事ですが、そう言った事が無くなるのもエコかなと感じます。
    また、ガスが出ない音が少ないっていう部分は人間だけでなく他の動植物にもメリットがあるとも思います。

    1. 3_XXX様、コメントありがとうございます。確かに排気ガスがないと、いろいろ変わってくると思います。例えばディーラー。車はデパートやモールの売り場で見るほうが良くないですか?家族で一緒に見やすいし、ついでに買い物もできる。試乗は地下駐車場から出ればよい。ディーラーさんにとっては販売コストが上がりますが、逆にメーカーにとっては見ていただける人が非常に増え、より車が身近なものになり、販売台数は増えると思います。今まではエンジン動かさないと移動できなかったのですが、大物を展示できるデパートやモールでは、電気自動車は自動して展示場所まで行くことができます。また爆発物がありませんので、保険料も安くなります。
      駐車場の大規模な換気システムも必要なくなります。普通の、ビル空調のレベルで充分になります。地下駐車場のゴーという音ともおさらばですね。
      身体障碍者の方々や高齢者の方には、電動バスが直接ビル内まで乗り込む方式が便利。例えば病院に行くにしても、ビルの前で降ろすのではなく、ビルの中に直接入って降ろす設計が可能。バスから降りる際に傘が必要ありません。車いすならバスから降りてそのまま施設内に車いすのまま乗り込めます。まあ空港なんかも直接出発ターミナル内にバスや乗用車を直付けして乗り降りできれば、利便性高いですよね。道路の地下化も容易になりますし、もし100%電動化が達成できれば(それは残念ながらあり得ないと思いますが)高速道路のトンネルなども、火災のリスクが非常に低くなりますので、もっと細くできて、コストもずいぶん安くできます。あと長いトンネル例えば首都高速中央環状線などでは、車から発する熱を下げるための冷却システムなども不要になります。バイクなんかの方々も、夏40℃を超える温度に悩まされる必要がなくなりますね(現時点で冷却システムが稼働していても40℃を超えています)。
      身近な話では、排気ガス防止のために前向き駐車指定になっている駐車場がありますが、それらはバック駐車でもよくなりますね。

      >他の動植物にもメリット

      富士スカイラインなどは、開通してからやはり植物がだんだん後退していってしまっているそうです。人間の生活のためですからある程度は仕方ないとはいえ、減らせるとよいですね。

  28. 大局的にみていらっしゃいますね。
    内容的な分析、例えば
    ・GTCCと、今のガソリンエンジン内燃機関の熱効率の差
    ・送電ロス
    ・ストップ・アンド・ゴーによる損失。(電気自動車、ハイブリッドには回生システムがある)
    なども合わせて解説していただけると良かったです。

  29.  なぜか、発電所=火力=石油という前提の発言をする人が多くみられるので、数値で説明されていてとてもすっきりしました。
    試しに私がModel 3に乗ったらどれくらいか計算してみました。
     Model 3(Long Range)のバッテリー容量はEPAにEND-SOCが約78.27kWhとあったので、パック自体はおそらく80kWhと仮定します。
     仮にEPAの航続距離 310mile(496km)を78.27kWhで走ったとすると、6.34km/kWhで
    私は東北地方なので、東北電力の627g/kWhから99g/kmでプリウス(ZVW51)と同等のCO2排出量になりますね。
     ちなみに、今乗っているプリウス(ZVW30 MC前)の年間平均燃費は約30km/lなので77.3g/kmと環境にやさしいことも分かりました。
     残念ながらHVは、主に政治的な理由でエコカーから除外されつつありますが、決して悪いものではないと思います。
     個人的には、長距離トラック用などにディーゼルシリーズHVを実用化してほしいです。
     シリーズHVなら、エンジン負荷を一定にできるので排ガス処理も簡単になり、トルクや瞬間最大出力もクリアできるので、より小型なエンジンにできます。
     エンジンが小型化できれば、セミのようなスタイルも実現可能になって空気抵抗が減り、さらに効率がよくできます。
     よくEVと比較されるFCVは、エネルギー効率から言って筋が悪いと考えています。
    水素の生産、70MPa超まで圧縮、圧縮によって生じた熱を除去するための冷却、水素をタンクに充填するというそれぞれにエネルギーロスが生じます。
    水素から電力を取り出す際の効率も決して高くありません。MIRAIでは、SOFCより電力変換効率で劣るPEFCの効率を、わざと効率を下げて、氷点下でも発電時の熱で燃料電池内にできた氷を溶かして始動できるようにしているそうです。

    1. mania3bb様、コメントありがとうございます!
      現在の燃費は素晴らしいですね!EPA基準はだいたい時速100kmで連続走行するのと同じくらいの厳しい基準なので、なかなかハイブリッド車だとバッテリーがほとんど使えず、厳しい数字になることが多いです。長距離移動中心で考えるとどうしてもそうなってしまうのですね。そのため当記事では実燃費を使って計算しています。
      電気自動車の場合は速度が遅くなっても特に効率が悪化するわけじゃないので、そういう意味ではEPA基準はそこそこ参考になると思います。

      おっしゃる通り、ストップアンドゴーの多い運転の場合、ハイブリッドにはそれなりに存在意義があると思います。

  30. 昔、学生時代排ガスの研究をしていた者です。その中で、同じ排ガスでも発電所や焼却炉などの固定発生源のCO2と移動発生源のCO2では意味が違うことを学びました。車や船舶などの移動発生源由来のCO2は浄化再利用の技術的に対策が困難なのでなるべくを減らして、固定発生源由来のCO2を再利用や吸着などの技術を用いて減らしていくことが重要だと知りました。現に九州の佐賀市ではゴミ焼却炉からのCO2を集めイチゴなどのハウス用の成長促進の為に農家に提供する事業をトライアル中です。また、CO2は、ミドリムシなどの珪藻類の養殖にも利用され、将来的にはミドリムシから燃料を作る研究を行っています。
    電気自動車の電費向上ももっと努力していかねばなりませんが、発電事業者の燃料シナジーの変更や、排出CO2の再利用や吸着などの技術を確立する対策により固定発生源のCO2排出量が減っていけば、電気自動車の意味は更にあると言えるのではないでしょうか?

  31. 「どちらがエコか」で議論すること自体が電動車後進国である証と感じます・・・。
    私自身、PHVを所有する一方で内燃機関の車で楽しく遊ばせてもらっています。ですが、何をどう議論しても電動車しか買えない時代が近未来にあるのです・・・。
    これは欧州諸国の状況を見ればハッキリしています。
    今後は「楽しく遊べる電動車を考える議論をしていかなければ」と個人的に思っております。

  32. 初めまして。
    興味深く読ませて頂きました。
    知りたい事が分かりやすく書いてあり有難いですね。
    地球温暖化ですが、京都議定書の締結国やトランプ政権が認めているからCO2が主因という前提での試算は当然だと思います。
    しかし、平安時代の温暖な気候の説明や、御都合主義のグラフ引用など胡散臭い部分も有ります。
    NHKでも、以前は「CO2による温暖化」と放送してましたが、現在は単に「温暖化」としてるようです。
    銀河系と太陽と雲の発生が気候変動の主因とするスベンスマルクの仮説も評価されてるように思います。

    テスラが電気トレーラーを発表しましたが、充電には、1600kw/30分で3000~4000戸分の電力を必要とするようでした。
    将来的には短距離用に電気自動車、それ以外はハイブリッドというような棲みわけになるような気がします。

    1. アルマジロ様、初めまして!コメントありがとうございます。CO2はほんと難しいので私も完全に説明できるわけではありませんが、まあどんどん増えても問題ないとまでは言い切れないと思ってます。

      >充電には、1600kw/30分で3000~4000戸分の電力を必要とするようでした。

      トレーラーの充電器入力はどのくらいかは発表されていないので推測だと思いますが、1600kW(イーロンマスクは発表時、メガチャージャーと言っていたので1000kWでは?分かりませんね)と仮定してみると、30分間で800kWhの電力量。これは、日本国内の住宅1戸当たり月300kWhとすると、日に10kWhですから、80戸分。30分間という全く同じ時間で見るなら、3840戸分ということで、おそらくこの基準で話されているのかなと思います。
      まずこの電力をいきなりグリッド(電力網)から持ってくることは誰も想定していないと思います。その元のネタを書いた方はあまりご存じないのかも知れませんが、通常は蓄電池を使い、ある程度消費を平準化するのです。もう一点はこの1600kWがどのくらいの規模になるのか、ということです。
      http://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/electric_power_industry_subcommittee/001_013/pdf/013_008.pdf
      これを見ていただくと、デパートやホテル・オフィスビルなどは2000kWを超えているケースも多いのです。特別高圧受電の事業者だけで、電力供給の全体の26%を消費しています。何だか大きそうな数字が出てくるとビックリしてしまいますが、それほどでもない、ということなんですよね。

      >将来的には短距離用に電気自動車、それ以外はハイブリッドというような棲みわけ

      おそらく電気自動車のほうが安くなってしまって、ハイブリッドのほうが高級な価格になりますから、そうなるとハイブリッドを買う方は少なくなると思います。

  33. まず、『CO2排出量の大小』って事が何の意味も無いと理解された方が良いと思いますがね。

    「グラフをずらせば二酸化炭素が元凶とでっち上げた詐欺を成功させられる」と大々的に明るみに出た事件とか知らないんですか?

    まあ電気自動車自体、【温暖化詐欺】を前提にしないと成立しないんでしょうな。

    正しくは『熱効率』だけです。

    排気ガスなんて今先進国で出される新車は問題にならない位クリーンで、電気自動車の優位性としては弱すぎる。

    因みに正しい“熱効率”を基準とした場合、原子力発電は『発電所での効率僅か30%』から始まり、そこから送電線のロスが約5%,充電時の交流から直流への変換ロスが約10%って所。

    幾ら本体の効率が90%だとしても、取るに値しない効率ですね。

    原子力の燃料は“有限な”ウラン鉱石。
    有害さは火力より桁違いにでかいけど、酸化反応か核分裂反応かの違いで減っていくのは同じ事。

    温暖化詐欺に騙され洗脳されてる人達って、正気とは思えないんですよね。

    ①発電したエネルギーの3割近くも要する【CO2回収】なんていう愚行が正しいと信じ込んでいる。

    ②海面が上昇していると言いつつ、ツバルだけが沈む事を説明出来ない。
    上昇なら、世界中の陸地が一様に沈むでしょう。

    ③暑くても寒くても二酸化炭素が原因
    もう滅茶苦茶ですね。
    理論も原理もへったくれもない。

    電気自動車は、風力を膨大な量を造り、発電ムラを均す様にしか充電させないなら賛成ですね。

    それも、リチウム空気電池が無ければ主力たりえませんが。

    自然エネルギーの割合が増える迄は、電気自動車は省エネにはなりえません。

    1. クライメイトゲート事件様、コメントありがとうございます。
      まず温暖化の原因が温室効果ガスである、というポイントは様々な方が議論していますが、京都議定書を締約している国は192か国もあります。
      http://unfccc.int/kyoto_protocol/status_of_ratification/items/2613.php
      トランプ政権も温暖化の原因が温室効果ガスであることを認める前提で意見を変えています。
      https://www.washingtonpost.com/local/trafficandcommuting/trump-administration-under-legal-pressure-reverses-itself-on-measuring-greenhouse-gases-from-cars-and-trucks/2017/09/28/86ae48c4-a476-11e7-b14f-f41773cd5a14_story.html
      ということで、それが正しいかどうかの判断は読者の方にお任せします。逆に言いますと、温室効果ガスの効果を認めていない方々の、科学的な論文は存在しないと思います。

      もう一点の効率について。ガソリンエンジンの効率は非常に低いです。当記事でもご覧になったかと思いますが、ハイブリッドのプリウスとリーフで、原発ゼロの状態でも、CO2排出量はリーフのほうが少ないです。またレクサスLSとモデルSではモデルSが圧倒的にCO2排出量が少ないです。このCというのは、化石燃料から来ていることに注目してください。化石燃料は、炭化水素の集まりであり、炭化水素はCとHからなる化合物です。これを燃やすことにより、CO2とH2Oつまり水ができるわけですが、このうちCO2のCは空気中から来るわけではありません。より少ない化石燃料しか燃やしていないから、だからCO2排出が少ないのですよ。効率が高い=CO2排出が少ない、なのです。
      科学的な根拠、データをもとに議論していくべきだと思います。

  34.  とても興味深く、信頼感のあるレポートでした。大学(工学部)の実験でやったガスバーナーによってお湯を沸かすのと電気コンロでお湯を沸かすのはどちらが効率がよいか?を思い出しました。ガスバーナーの方は50%位の効率で電気コンロは90%超だが、発電所の効率を加味するとお湯をつくるのは燃料を燃やす方が効率的だというのが結論でした。
     世の中、重いけどエコな車が多いのですが、軽くてエコな車を指向するのが正しいと思っています。次の乗り換えはそんな車を選択するつもりです。
     

  35. 本当に地球温暖化の原因がCO2にあるのでしょうか?
    なにかの擬似相関ではないでしょうか?

    1. とむさん さん、コメントありがとうございます。逆に、反証を挙げられれば有力だと思います。今のところは、
      https://blog.evsmart.net/ev-news/global-petrol-gas-car-ban/
      こちらの記事の下部で取り上げておりますが、産油国、大国、小国、先進国、発展途上国を含む192か国もの国が地球温暖化はCO2が原因であり、それを削減することに同意している、という事実には目を向けるべきだと思います。

  36. EVブログだからと言ってEVにひいきせず論理的、公平に分析されていると感じました。
    電気自動車は維持費が安いので財布には優しいですが、CO2排出量という観点からすると以外にもハイブリッドカーと同等なのですね。4代目プリウスはより燃費向上していますし、ガソリンエンジンの熱効率も将来向上するのであれば、ハイブリッドこそが真のエコカーなのかもしれません。ただ、原発が0%という条件下ですので、もし将来原発が復活するならばEVも十分にエコカーといえるでしょう。それぞれの方式がちょうど同じくらいのレベルで伯仲するのが面白いですね。

    1. sijoumania様、コメントありがとうございます!おっしゃる通り、原発0%の場合は新型プリウスZVW51と日本平均の発電ミックスで充電したリーフは同じくらいのCO2排出になりますね。
      https://e-nenpi.com/enenpi/cartype/12573
      ↑新型プリウス、だいたい26km/lというところでしょうか?

      26km/lだとCO2排出量は89g-CO2/kmとなり、ちょうど東京電力管内と中部電力管内で原発0で充電した場合完全に同じになりますね。

  37. 素晴らしい比較検討で勉強になりました。
    できれば次の項目も検討いただければと思います。
    1.発電のCO2発生量
    1-1 発電時以外のCO2:発電所の建設から撤去まで(50年?)に発生するCO2
      発電所は、建物、ボイラ、発電機器などの製作に多くのCO2が必要になります。
      また原子力は更に、廃棄物処理の建物も含めるとコン膨大なCO2が発生します。
    1-2 充電場所までの送電ロスを考慮する。
     例えば火力発電所は比較的消費地に近い場所に設置われていますのでので送電ロスは少ないですが、原子力は消費地からはるか遠くに建設され、送電ロスが多いです。
    2.車自体の製作に必要なCO2.
     これを考慮すると、古い車ほどCO2発生量が少なくなると思われます。

    1. Carlos様、コメントありがとうございます!
      将来的にはおっしゃるような内容も入れていきたいと思います。しかし、現時点ではそのような内容まで検討する必要はあまりないのではないかと思います。なぜなら、おっしゃっている1や2のCO2排出は、ガソリンを原油から精製し、日本全国に運び、貯蔵するために必要なCO2や、ガソリン車や(電気自動車の3倍以上の点数があると言われる)ガソリン車の部品を製造するのにもCO2が発生し、それらを総合的に比較する必要があるからです。そして、私の感覚では電力を輸送するためのCO2(1-2ですね)などはおそらく10%前後であろうことが想像できますが、ガソリンの精製や輸送・販売には10%どころではないCO2が発生すると感じています。実際に、化石燃料車と電気自動車のライフサイクル、すなわち製造時に発生するCO2まで入れて検討したレポートで有名なものはこちらです。
      http://www.ucsusa.org/clean-vehicles/electric-vehicles/life-cycle-ev-emissions
      結果として、化石燃料自動車は、ライフサイクルで見ても、はるかに電気自動車より多くのCO2を発生する、と結論付けられています。

      最後に(1-1)ですが、実際、今日本で走っている乗用車を全部100%電気自動車に変更したとすると、私の試算では日本の消費電力は現在の10%増加します。逆に言うと、(1-1)でおっしゃっているCO2は90%が電気自動車以外に由来するものだと言えます。

  38. ガソリンの輸送コストと電気の送電コストを考えた場合はどうなるかも気になります。電気自動車の場合だと火力発電に必要な化石燃料の輸送コストと送電コストの両方がかかるのでは?と思います。安川さんのブログ読んでて、とても勉強になりました。

    1. バロン様、コメントありがとうございます!おっしゃる通り、火力発電の場合は、最初に燃料を発電所まで運び、発電して送電してやっと電気は届きます。しかし化石燃料も同様です。ガソリン・経由は産油国から輸入しているわけではなく、原油から石油化学プラントで精製して作り、それを日本全国に一か所一か所輸送する必要があります。輸送する距離はといえば、ガソリンスタンドは日本全国に3万か所ありますし、発電所への輸送より輸送コストはかかっていそうですね。

  39. こちらにもCO2排出量を比較したデータがあるのですが、
    総合効率と GHG 排出の分析(財団法人 日本自動車研究所)
    http://www.jari.or.jp/Portals/0/jhfc/data/report/2010/pdf/result.pdf
    (P.91,92の右上の棒グラフ)
    電気自動車(BEV)をハイブリッド(HEV)と比較すると、CO2は約2/3に減らせるとなっています。
    また、こちらはガソリン車との比較ですが、
    https://www.nies.go.jp/social/traffic/pdf/7-all.pdf
    日本では約半分に減らせるとなっています。

    これらの結果との違いは何でしょうか?

    1. MaT様、ご質問ありがとうございます!
      後ほど再確認して週明けに再度回答いたしますが、おそらく、平均燃費だと思います。日本国内ではハイブリッドよりも燃費の良くない軽自動車や、小型・大型のガソリン車が走行しており、平均燃費は10km/l台だと思います。それに対し電気自動車は小型と大型の差が少なく、電費が良い車が多いことが、差につながっていると思います。
      当サイトでは車種を一つピックアップして、分かりやすい例として解説しています。

    2. MaT様、PCで両資料を拝見しました。前のコメントは一部当たっていると思いますが、主たる原因は別のところにあるようです。
      まず最初のJARIの資料は電源構成が2009年度のものを使用しています。私は原発がすべて停止している年度の新しいデータから試算していますので、当然JARIの資料は電気自動車に圧倒的に有利な資料となります。また後者の資料はさらに古く、2005-2007年度のデータであるのに加えて、この資料では一車種のデータを使用して計算しているようですので、たまたまピックアップした車種の違いも影響してきます。この資料の時点では比較対象のガソリン車に何を使用したかは定かではありませんが、電気自動車はi-MiEV(軽自動車)しかなく、i-MiEVの電費の良さが原発稼働時と相まって、電気自動車に非常に有利なデータになっていると言えます。
      このように電気自動車のCO2排出は、その時の電源構成によって大きく影響を受けます。今後、再生可能エネルギーによる発電が増加することにより、電気自動車のCO2排出は、現時点よりも削減できると思います。本記事の意図の一つは、現在のような火力発電主体の電源構成であっても、電気自動車のCO2排出削減効果はそれなりにあるということを確認するものでもあります。

  40. 先日、某自動車メーカーに自社の電気自動車のCMにゼロエミッションばかり強調せずに発電所からのCO2排出のコメントを述べるように意見したのですけれど、これ程、電気自動車が潜在的にCO2を排出しているとは思いませんでした。言い方は悪いかも知れませんが戦争している国の国民が私は人を殺してません、軍の兵士が殺しているのですと言っているようなものです。

  41. 地域ごとの電力会社で、九州では宮崎県は牛豚畜産関係でバイオマス、大分、鹿児島で地熱発電、家庭用ソーラーパネル設置でトップの佐賀県、佐賀玄海と鹿児島川内の二ヶ所で原発があるがエネルギーのベストミックスが計られている。 昨今福岡では下水処理で水素を製造出来るようにモデル地区を作りつつある。 色々なエネルギーの選択肢があると災害等にも強い地域作りが可能でもある。 地熱発電では蒸気タービンの劣化がセラミック技術の改善で対策済みで、アイスランドへ設置された日本製メーカーが独占している。近い将来、H2へ移行するなら下水処理場で水素は精製される時代がくるかもしれない。

  42. リアリティのある数値での比較データ参考になりました。
    PHEVも出てきているので、ぜひ比較データに追加してほしいと思います。

    PHEVは燃費が悪くなりがちな短距離走行を電気でまかない、長距離はガソリン
    を活用する。既存インフラも活用可能。
    電池はまだガソリンに比べエネルギー密度が低いので、走行距離を延ばすために
    電池搭載量を増やす必要があり、そのため近距離を走るために重い蓄電池を車に
    乗せたまま走る必要がある。
    ということで、現在の電池技術をベースに考えるとPHEVが2020年くらいまで
    は本流になるのではと思います。

  43. 原発が再稼動に向けて動いてますし、再稼動後に更に原子力発電の比率を上げてしまうのが一番簡単でエコだと思います。
    発電が不安定な自然エネルギーはベース電源にはちょっと使いづらいかと・・・。

  44. とても、論理的でよろしいアプローチと思います。しかし、ガソリン車との比較がなく、残念です。LS600hは、ハイブリッドと言えど、燃費ではなく、パワーのためのハイブリッドでしかも、2tも車重のある車です。ぜひ、リーフと、ヴィッツの比較など行っていただけると、いいと思います。

    1. 計算してみますと、ヴィッツを20km/Lと計算すると、1km走行時のCO2排出は、116となり、ガソリン車ヴィッツでもプリウスと変わらない計算になりますね。とすると、リーフは、必要なのでしょうか?

    2. subarist69様、コメントありがとうございます!
      おっしゃる通り、小型車はCO2排出量は少ないです。もちろん自転車はもっと少ないです。
      4tトラックはCO2排出量は大きいです。
      同格の車両で比較したのが今回の記事です。電気自動車ですとi-MiEVというのがありますが、おそらくダイハツ様のミラあたりと比較すると、i-MiEVのほうが排出量が少なくなると思います。ダイハツ様のミラは不要なのでしょうか。そんなことはありません。ヴィッツサイズの電気自動車は現時点では販売されていません。
      ガソリン車にはガソリン車の最適なサイズや用途があります。毎日、通勤に4tトラック乗っていく人はいませんよね?2tの大型セダンで通勤する人はいますし、軽自動車で長距離旅行される方もいらっしゃいます。何かを比較する場合、他の多くの変化可能なパラメーターを同一に保たないと、比較にならなくなってしまいます。

  45. 今までにない、発電・生産コストの比較には公平性が感じられて好感が持てます。
    政府・メーカーよりのゴリ押しの電気・ハイブリッド押しの政策には嘘ばかりで辟易しているので・・・更に「バッテリー」の寿命による交換コストも加えて欲しかったです。
    10年、ハイブリッド車を所有するには1、2回のバッテリー交換が必要だと聞いています。
    一回の交換に25万円以上のコストが必要で・・・現状では、排出ガスの排出とは別に維持するコストが発生しますが、言及されているのを見た事がありません!
    バッテリー交換の時期に来たら、乗り換えるのでしょうか??
    そんな行為が、エコなんでしょうか?
    明らかに排出ガス排出では不利ですが、ウチの愛車は38年前の外国車です。
    今でも愛着を感じて、壊れては直しの繰り返しで楽しいクルマ生活を送っていますが・・・それに政府は、重税を課して来ます!!(怒)
    海外では、旧車の数は汚染に害を成す量には全く影響無いという認識で逆に「税の軽減措置」が実施されているのが常識です。
    未来に向かって温暖化防止の対策措置を打つのに、反対なんてしませんが・・・嘘の布教活動、明らかなリスクの原発推進等の政府や一部の人間の利益の為の政策には、断固反対したいと思っています。

    1. 鎌倉様、こんにちは。コメントありがとうございます。また旧車を維持されていらっしゃること、楽しそうですね!私も余裕があればとは思います。排ガス規制の件は確かにおっしゃる通りですが、おそらく政府の意図は「いわゆる」旧車ではなく、単に古い車を買い替えさせるための経済政策の一環かと想像いたします。そういう意味で、「旧車」はあおりを食っている感じはしますね。

      バッテリー交換の件につきましては、以下の記事にまとめておりますのでご参照ください。電気自動車やPHEVでは、バッテリーは交換しないのが前提で設計されています。そのため各社保証も提供していますし、例えばテスラは走行距離無制限保証としています。バッテリーを交換したリーフの方を身の回り・ネットで探してみてください。そんなに簡単には見つからないと思います。
      https://blog.evsmart.net/electric-vehicles/ev-battery-longevity/

    2. 鎌倉さん
      私はテスラのオーナーです。EVで一番気になるのはバッテリーの寿命ですね。オランダのテスラのオーナークラブのフォーラムに挙げられたバッテリー残量に関するデータを基にデータを蓄積させバッテリーの寿命を予測しています。これによりますと、バッテリーのへたりが気になるであろう容量が80%に減少するまでに必要な距離なのは84万キロと言うことになるそうです。当方のモデルSはこの度3年で10万キロ達成しバッテリーの劣化率は2、8%でした。オランダのデータと併せバッテリー寿命(車の寿命)はかなりあり長期間愛し続けて行けそうです。オランダのタクシーの90%がテスラと言うのにも納得します。但しテスラに限りの話で他メーカーは分かりません。バッテリーもかなり進化しているようです。

  46. CO2からの アプローチは良いですね。 私は放射能ゴミの処分場が決まって居ない 原子力発電所での発電比率を上げて CO2削減をするのでなく 温泉街などの利権問題も有りますが 地熱発電や 海洋での波動発電など 日本の技術力でもっと拡大してもらいたいと思っています。 地熱発電などは海外でも日本の独壇場です もちろん石油やLNGのコージェネ発電所の効率も高く 各国に採用されています。日本人がこの事にもっと気ずいて気運を高めて欲しいと思っています。その為には BEV。PHV車両が大きく化石燃料を使わず CO2削減が図れますからね。

    1. スージーパパ様、コメントありがとうございます。地熱発電については、ご存知でしたら申し訳ないのですが、こちらの資料が非常に分かりやすかったです。結構タイムスパンが長いものなのですよね。自然破壊などと言い出すとなかなか難しくなってしまうと思いますが、アメリカのフーバーダム(記事中に高精細写真を貼ってあります)の規模を考えても、大規模水力や、自然公園内での地熱発電に手を付けないといけない時期に差し掛かっているようにも思えます。
      「再生可能エネルギー各電源の導入の動向について」資源エネルギー庁資料、2015年3月
      http://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_policy_subcommittee/mitoshi/004/pdf/004_06.pdf

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この記事の著者


					安川 洋

安川 洋

日本アイ・ビー・エム、マイクロソフトを経てイージャパンを起業、CTOに就く。2006年、技術者とコンサルタントが共に在籍し、高い水準のコンサルティングを提供したいという思いのもと、アユダンテ株式会社創業。プログラミングは中学時代から。テスラモデルX P100Dのオーナーでもある。

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