電気自動車の維持費:テスラモデルSの1年点検

電気自動車テスラモデルSの納車(2014年9月8日)から1年。維持費はどうでしょうか。2015年9月16日に1年点検を受けました。交換部品は2点、費用は3,341円でした。

電気自動車の維持費:テスラモデルSの1年点検

テスラにはエンジンオイルがなく、1000km点検がありませんので、今回が初めての点検ということになります。これまでにも全く故障がなかったわけではなく、TPMSのコンピュータ交換(空気圧センサーがエラーになる)、車載充電器交換(家庭での充電のパワーが少し低下する)などは保証で対応していただいていました。今回の点検に出す前、個人的に気になっていたポイントは、車内からのわずかなきしみ音(Aピラーとパーセルシェルフ付近)、フロントトランクと側面モールのわずかなズレ程度でしたので、それをメールでサービスの方にお伝えしておきました。
車は駐車場から持って行っていただき、その日のうちに持って帰ってきていただきましたので、1年点検はその日のうちに終了。代車を持ってきていただくこともできますが、今回は外出の予定がなかったので代車はお借りしませんでした。

点検の明細はこの記事の一番下にそのまま入力してあります。

点検で交換されたものは、ワイパーブレード2本とエアコンのフィルターだけでした。この2点の部品の交換については、サービスの担当者の方から電話がかかってきて、交換するかどうかを確認されました。まあどちらも頑張って使えばもっと使える部品ではありますが、よいタイミングなのでお金を払って交換することにしました。ワイパー右側はボッシュ製でアッセンブリ交換、左側はゴムだけのようです。
液体モノは、クーラントとウォッシャー液ですが、クーラントはバッテリーのクーラントでしょうか。多少は減ってしまうのか、若干心配ではあります。

シアプレートボルト、というものが脱落したり緩んだりしていたようなのですが、このシアプレートというのが何なのか分からなかったので質問してみました。どうやら、バックで駐車するときに、下回りでタイヤ止めに当たる近辺にある部品のようで、何度か軽くぶつけたりしているとボルトが緩んだり抜けたりするようです。高いタイヤ止めのある駐車場に停める方は、私のようになってしまうかも知れません。その「シアプレート」が落下しなければいいけど。。

明細の最後にはタイヤ溝の数値が記載してありました。確か新品タイヤの溝はものにもよりますが、8mm程度なんですよね。するとどのタイヤも半分以上溝が残っていることになります。この点検時の総走行距離3万キロのうち、冬以外の分(冬はスタッドレス装着)を1万キロとすると、走行は2万キロほど。溝の残りを考えると、3万から3万5千キロくらいは走行できてしまいそうです。これ、一応2t越えの重量級でミシュランPilot Sports 3というスポーツタイヤなんですが、、思ったよりかなりタイヤの持ちはよいようです。

「下まわりトルク確認」という項目が明細にありますが、担当されたメカニックの方によると、緩みはないが増し締めは行った(!?)とのこと。このおかげかどうかは分からないのですが、プラシーボ効果か、乗り心地がしっかりしてP85Dに近づいた気がします(笑)

電気自動車の維持費にはご興味のある方も多いと思いますので、今後、維持費のようなものが発生したら、また記事にして記録を残していきたいと思います。電気自動車はエンジンがなく、ラジエーターも高温にはならないため、エンジンオイル、オイルフィルター、ATF、クーラントなどの定期的な交換は必要ありません。またモデルSのように回生ブレーキが強い車ではほとんどブレーキを踏まないため、ブレーキパッドの減りも極端に少なく、欧州車や米国車のようなブレーキパッド交換・ブレーキディスク交換の頻度は低くなるようです。日本車はもともとパッドもディスクも硬いので交換頻度は低いですね。

1. 一年目点検
修理内容:Month/12500 Mile/20000 km Service (with Air Suspension)
・クーラントの補充
・ウォッシャー液の補充
・RKE電池交換
・下まわりトルク確認
部品
BATTERY TRANSMITTER, TYPE CR2032 (2006794) 2個 0円
工賃総合計&その他の項目 0円

2. 消耗品交換
修理内容:Wiper Blades – Pair
ワイパーブレードに拭き残し、拭きむらを確認
・新品ブレードに交換
修理内容:Filter – Particulate
HVACエアフィルターの汚れを確認
・新品エアフィルターに交換
部品
BLADE, WIPER, PASSENGER, RHD (1028704-00-A) 1個 624円
WIPER BLADE ASSEMBLY – DRIVER SIDE – RIGHT HAND DRIVE (1051947-00-A)
1個 1791円
Carbon filter (1035125-00-A) 1個 926円
工賃総合計&その他の項目 0円

3. シアプレートボルト緩み
修理内容:Shear Plate – Rear Subframe LH
シアプレートボルト脱落を確認
・新品シアプレートボルトを取り付け
・トルク確認済み
修理内容:Shear Plate – Rear Subframe RH
シアプレートボルト脱落を確認
・新品シアプレートボルトを取り付け
・トルク確認済み
部品
BOLT, M5X15MM LONG, BUTTON HEAD,TORX (1003397-00-A)
2個 0円
工賃総合計&その他の項目 0円

4. Perform courtesy inspection.
修理内容:Courtesy Inspection
・故障メモリー点検:故障メモリーなし (16/Sep/15).
・ファームウェアバージョン点検:最新版に更新 6.2 (101.69.2).
・12Vジャンピングポストの端子点検:異常なし
・ウォッシャー液補充
・お客様のチャージケーブル点検:正常に充電可能 @40amps.
・ホイルナットの締め付け確認:175Nm
・タイヤ空気圧点検、調整:310 kPa front、310 kPa rear.
・タイヤ溝の点検[mm]:
(Outer) (Center) (Inner) (Pad)
LF: 4.5 5.0 5.0 9.0
RF: 4.5 5.0 5.0 9.0
LR: 4.5 4.5 4.5 9.0
RR: 4.5 4.5 4.5 9.0
工賃総合計&その他の項目 0円

この記事のコメント(新着順)4件

  1. いつも、非常に参考になります。
    来年4月に一年点検が来ますので、とくに参考になりました。
    当方は大阪なんで、サービス体制が不十分な気がします。向上してくれればいいのですが。

    また、次の記事を楽しみにしています。

    1. 山口様、コメントありがとうございます。大阪では、そのうちテスラの認定を受けてるビーライトさんで点検を受けられるようになるのではないでしょうかね?

  2. さすがテスラ、チャージケーブルまで点検するんですね。
    わたしはプリウスPHVに乗っていますが、チャージケーブルはノータッチでした。
    デーラーに教えておこう!

    1. 尼子様、コメントありがとうございます。モデルSにはチャージケーブルは標準付属ではないのですよ。ケーブル付きの家庭用充電器(ウォールコネクター)が逆に標準になっていまして、普段の充電のときはケーブルは充電器側のものを使うのです。なので、何のケーブルをテストしたのかは不明です(汗

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


この記事の著者


					安川 洋

安川 洋

日本アイ・ビー・エム、マイクロソフトを経てイージャパンを起業、CTOに就く。2006年、技術者とコンサルタントが共に在籍し、高い水準のコンサルティングを提供したいという思いのもと、アユダンテ株式会社創業。プログラミングは中学時代から。テスラモデルX P100Dのオーナーでもある。

執筆した記事