2017年ヨーロッパでの再生可能エネルギー比率が30%を超えた

SandbagAgora Energiewendeが発行した「The European Power Sector in 2017」レポートによると、ヨーロッパ全体での再生可能エネルギーの比率が30%を超えたとのこと。原文はこちら。画像は原文からFig.2を引用したもので、著作権は原作者にあります。

EU electricity generation by fuel type
EU electricity generation by fuel type
当レポートではKey Findings(要約)として以下の内容を挙げています。私自身が専門でない領域なので誤訳があるかも知れませんが、もし業界の方がいらしたら間違いを指摘していただけると助かります。レポートのページではなんとExcelによるデータのダウンロードまで提供されています。

1. New renewables generation sharply increased in 2017, with wind, solar and biomass overtaking coal for the first time. Since Europe‘s hydro potential is largely tapped, the increase in renewables comes from wind, solar and biomass generation. They rose by 12% in 2017 to 679 Terawatt hours, putting wind, solar and biomass above coal generation for the first time. This is incredible progress, considering just five years ago, coal generation was more than twice that of wind, solar and biomass.

2017年、再生可能エネルギーによる発電は急激に増加し、風力・太陽光・バイオマスの合計が石炭による発電量を初めて超えた。欧州での水力発電の開発は成熟しているため、この再生可能エネルギーの増加は、風力・太陽光・バイオマス発電によるものである。この三つの発電量は2017年に12%増加し679TWh(679兆ワット時=6,790億キロワット時)に達し、石炭発電による発電量を初めて超えたことになる。5年前には、石炭発電が風力・太陽光・バイオマス発電の2倍以上だったことを考えると大きな進展である。
※訳者注、日本の2015年度の受発電電力量は8,640億キロワット時で、そのうち風力・太陽光・バイオマスは25億キロワット時。欧州では日本の送受発電電力量の実に78%以上の電力をすでに風力・太陽光・バイオマスだけで(水力発電を除いていることに注意)発電していることになる。

2. But renewables growth has become even more uneven. Germany and the UK alone contributed to 56% of the growth in renewables in the past three years. There is also a bias in favor of wind: a massive 19% increase in wind generation took place in 2017, due to good wind conditions and huge investment into wind plants. This is good news since the biomass boom is now over, but bad news in that solar was responsible for just 14% of the renewables growth in 2014 to 2017.

しかし再生可能エネルギーの成長は、より地理的に偏ったものになっている。ドイツと英国だけで、過去3年間の再生可能エネルギーの成長の実に56%を占めている。特に風力発電が成長している。2017年には風力が何と19%も増加している。これは、風の状況が良かったこと及び風力発電設備への投資が大きかったことに起因している。バイオマスのブームが終わったことを考えれば、風力が急増したことは良いニュースではあるが、逆に太陽光は2014年から2017年の間にわずか14%しか成長していない。

3. Electricity consumption rose by 0.7% in 2017, marking a third consecutive year of increases. With Europe‘s economy being on a growth path again, power demand is rising as well. This suggests Europe‘s efficiency efforts are not sufficient and hence the EU‘s efficiency policy needs further strengthening.

2017年に消費電力は0.7%増加し、3年連続の増加となった。欧州の経済が再度成長曲線に乗ったことで、電力需要も増加している。これは、欧州における消費電力効率の向上が充分でなく、EUの消費電力効率に関する法律を強化しなければならないことを意味する。
※訳者注、消費電力効率を向上=省エネ

4. CO2 emissions in the power sector were unchanged in 2017, and rose economy-wide. Low hydro and nuclear generation coupled with increasing demand led to increasing fossil generation. So despite the large rise in wind generation, we estimate power sector CO2 emissions remained unchanged at 1019 million tonnes.(以下略)

発電事業者におけるCO2排出は2017年には大きくは変化せず、経済の成長とともに増加した。水力発電や原子力発電が増加せず、電力需要が増加したため、化石燃料による発電が増加した。風力発電の大幅な増加にも関わらず、我々は発電セクターのCO2排出は変化せず、1019百万トンになると推測している。

5. Western Europe is phasing out coal, but Eastern Europe is sticking to it. Three more Member States announced coal phase-outs in 2017 – Netherlands, Italy and Portugal. They join France and the UK in committing to phase-out coal, while Eastern European countries are sticking to coal. The debate in Germany, Europe’s largest coal and lignite consumer, is ongoing and will only be decided in 2019.

西ヨーロッパは石炭を減らしてきているが、東ヨーロッパは石炭発電を継続している。EUの3つの加盟国が2017年、新たに石炭発電をなくす方向であると発表した。オランダ・イタリア・ポルトガルである。すでにフランスと英国は石炭発電をなくす方向であり、計5か国となる。東ヨーロッパの諸国は石炭発電に依存している。ドイツは欧州における最大の石炭と褐炭の消費国であるが、ドイツでも石炭・褐炭をなくす方向で議論が行われており、2019年に結論が出る予定である。
※褐炭は不安定で輸送にあまり適さないため日本ではあまり使われていません。

以下は、上記レポートを読んでの私の感想です。
再生可能エネルギーへの移行は、欧州ではかなり真剣に進んでいる印象を受けました。どうやったらこんなに風力発電を増やせるのか想像もつきませんが、日本だって風が吹かないわけじゃないと思うので、せめて日本では発電電力量の約31%を占める石炭発電分だけでも、再生可能エネルギーに置き換えられれば良いのではないでしょうか。ちなみに31%は2,678億kWhであり、欧州の風力・太陽光・バイオマス合計の6,790億kWhの約4割。国土が狭いので簡単にはいかないと思いますが、将来のために。


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