ジャパンEVラリー白馬2015へ参加:報告編

2015年7月18,19日の日程で開催されたジャパンEVラリー白馬2015に参加・出展してきました!EVsmartブースにキャンペーンのお土産(車載スマホホルダー)を持っていったわけですが、おかげさまで来場者の何と半分の方々にキャンペーンにご参加いただきました。

ジャパンEVラリー白馬2015へ参加:報告編

EVラリー白馬の出発前には充電計画を立てていたはずなのですが、今回はもうEVで2万5千キロも運転しているはずの私でも予想外のことが発生し、計画の修正を余儀なくされました。おおげさですが、、
そういうわけで、報告として記録を残しておきたいと思います。東京を出発・白馬でイベントに参加、その後東京に戻る、という流れです。

目次

  1. 白馬への行きのルート
  2. ホテルでの目的地充電
  3. 白馬からの帰りのルート

白馬への行きのルート

IMAG0262まず出発は17日11時38分、走行可能距離373kmでのスタートです。この走行可能距離は「標準値」と呼ばれ、夏なら無理なく達成できる数値となります。充電計画時には、この数字から、実際に走行する予定の距離を10%増しにして引き算し、走行可能距離を計算していました。データを見やすくするため、トリップメーターをリセット。トリップAのところで、往復通して記録を取っていきたいと思います。
充電計画では、往路の経路充電は長野県東御市(とうみし):中央公民館長野県長野市:道の駅中条の二か所。首都高を経由して、関越道をどんどん下っていきます。途中でちょっとトイレ休憩のため、嵐山PA下りに入ってみると急速充電器が空いています。ここで10分ほど止まっている間に「ついで」充電し、走行可能距離は289km→323kmにアップ。雨も降っておらず、雲は多いものの、高速も空いており快適です。

IMAG0267関越道から上信越道に進むと、だんだんと登り坂がきつくなってきます。予定の東御市中央公民館に行くため高速を東部湯の丸ICで降り、現地に到着しました。ここまでの走行距離は201.4km、平均消費電力は209Wh/km。標準値の基準は200Wh/kmですので、このペースで坂を登り続けると約5%程度電費が悪化=走行可能距離が表示より5%少なくなることになります。ここの急速充電器はJFE社のRAPIDAS。日本初バッテリー内蔵の急速充電器で、電力消費を平準化できるため、電気の基本料金を抑えたり、ピークシフトをすることができる優れものです。
しかしなんと!接続してみるとエラー。以前の充電記録を見てみると、モデルSでは充電できたという方がいらっしゃるようですが、なぜか何度やっても充電できません。まあそのために余裕を持って充電計画を組んでいるので、気にせず次に行くことにしました。後で他のモデルSオーナーの方に聞いたところ、2回続けて充電した場合、2回目はエラーになったとのこと。充電器の過熱が原因なのかどうかは分かりませんが、原因が分かったところでどうしようもありません。

IMAG0271次の予定は道の駅中条。走行距離は256.2km、平均消費電力204Wh/km。まだ坂は続いていますが、少し消費が落ち着いてきました。この時点での走行可能距離は126km、白馬までは30kmあまりですから問題はありませんが、なるべく現地で充電せずに済ませたいという当初の意図がありますので、こちらでちょっとだけ休憩することにしました。
そしてここの充電器はハセテックQCシリーズ!実はこれはモデルSとは互換性のない充電器なのです。シクシク。ここまで来ないと分からないとは、、実際に試してみましたが見事エラー。なんと、二回も連続で充電できない充電器に当たってしまいました。
今回、JFEが2回目NGというのは知りませんでしたし、道の駅中条に設置されている充電器は写真がなく、ハセテックQCシリーズだとは実際に行くまで分かりませんでした。後でいらっしゃる方のために写真を撮りました。

しょうがないのでそのまま宿泊予定のホテル(大町、白馬からは少し離れています)にチェックイン。この時点で走行距離は東京から287.2km、平均電費は209Wh/km、走行可能距離は88kmとなりました。287+88=375kmですから、モデルSの走行可能距離の計算はかなり正確ということがお分かりいただけるかと思います。
IMAG0274ホテルにチェックインしたら現地を見に行かなければなりません。Hakuba47に到着したのはすでに午後6時5分。走行可能距離は69kmと、まあ18日の分は十分にありますが、19日はちょっと足りなくなる可能性があります。現地の事務局の方に断って50kWの急速充電器に接続させていただき、その間に自社のテントや備品をチェック、事務局の方に挨拶させていただいたり、翌日の注意事項などをうかがって、ホテルに戻りました。
写真に写っているのはHakuba47に臨時で設置されていた日鉄住金テックスエンジ社のEV-50。カラー液晶でとても使いやすい充電器でした。初めて使いました。後ろに見えるのはゴンドラ。ゴンドラが高圧受電なので、そこから電力を持ってきているようです。

ホテルでの目的地充電

ホテルには充電設備はありません。しかし、事前にメールで丁寧に遠慮がちにお願いしてみると、専用回路の100Vコンセントを一つ無料で貸していただけるとのこと!この時点で走行可能距離は197kmまで回復していましたが、いつも持ち歩いているプリウスPHV用の100V充電ケーブルを使って充電してみました。結果は成功で、92V 12A(この写真のあとすぐに9Aに低下)で充電することができました。92V?通常の電気は100Vのはず。92Vになっているということは、回路のどこか(この場合は建物の内部にある配線)に負担がかかっており、8V分の電圧が降下してしまっているのです。12Aが流れていますので、この電圧降下による発熱はP=8×12=96Wと、100W電球1個つけっ放し程度の熱が無駄になっています。そこで、モデルS側が安全のために、9Aに電流を制限。これにより発熱は57%に下がり安全性が増しています。

いろいろ複雑なようですが、要するに今の電気自動車は賢く、接続されている電気の品質があまりよくない場合には、自動的にコンピューターがそれを検知し、負荷がかかり過ぎないように調整するということなのですね。(プロ向け:電圧降下だけでなく、アーク放電検知も入っているそうです)

IMAG0284翌朝は8時過ぎにホテルを出発したのですが、その時点での走行可能距離は227km。夜のうちに30km分(汗)が充電できたことになります。ちなみにちゃんと100V 12A定格が出ていれば、60km分充電できたはず。まあせっかくお借りできたので、充電できただけで良しとしました。
会場のHakuba47には予定通り8時30分前に出勤。しかし朝早いこともあってまだほとんどお客様はいらしていません。さっとテントの中の机を準備し、車から荷物を降ろし、ちょっと充電スポットをチェックしてみると予約が入っていないよう。せっかくなのでまたここでも少し充電させていただき、走行可能距離は302kmまで回復しました。会場には、50kWと30kWの急速充電器がそれぞれ1基設置。前日は50kW、初日は30kWを利用させていただきました。

IMAG0285会場のテントではNEXCO中日本様がお隣。周りは大メーカーばかりです。肩身は狭いけど、隣がフードトラックという好立地も相まって、来場者の数は全体としては少ないながらも好調。ついでにNEXCO中日本様で便利そうなパネルを発見!
そう、全国高速道路の充電器設置マップです。管轄なんて関係ない、という姿勢が嬉しいですね。それぞれの高速道路会社のホームページでは、それぞれの管轄区域の充電器しか見ることができません。保存版?

そして充電器設置パネルの横には急速充電器利用実態データが。特に下の棒グラフは①とか②とか書かれているので、1基ごとのデータになっているのです。この時点(2015年5月)からは足柄は上下線とも、海老名は上りが2基化されていますし、海老名下りも2基化の予定がありますので、混雑度トップは御在所・浜松・刈谷ということになるのでしょうか。

白馬からの帰りのルート

IMAG0293さて最終日はなんだかんだで残330kmで白馬を出発。帰りは中央道経由で帰る予定だったので安曇野方面へ、道の駅アルプス安曇野ほりがねの里に。ここで買い物を少ししたのですが、クーラーボックスが一杯に(笑)そこで足りない分は車内に置きつつエアコンをかけっぱなしにして、周辺をいろいろ観光したのち蕎麦屋で遅い昼食。お食事処 きさく(十割蕎麦)(長野県東筑摩郡山形村3886-17 TEL:0263-98-3612)です。ここは他の方から紹介されたのですが、地元の黒姫産と八ヶ岳産の蕎麦100%を10割で、手打ち。そば専門店でも輸入そば粉、5割未満、乾麺使用などのお店が多いことを考えれば、ある意味レアなお店です。名前にお食事処とあるように、夜はお食事もできる居酒屋営業ですが蕎麦は専門。近くに行ったらぜひ試してみてください。「挽きぐるみ」というそばがお勧めですが、もちろん初めてなら三色(更科、挽きぐるみ、田舎)を試しても。

そんなことをしているうちに4時半を過ぎてしまったので、帰路につくことにしました。走行可能距離の残は303km。炎天下に駐車中もエアコン掛けっぱなしが効いたようです。渋滞情報をざっくり見てみると、残念なことに中央道のほうが上信越道より混雑しているように見えます。そこで再度予定変更。安曇野まで来てしまったので遠回りになってしまいますが、長野道松本ICから北上し、上信越ルートで東京を目指します。
この記事を書いている時点では上信越道 東部湯の丸SA上信越道 横川SAにも充電スポットができましたが、先週はまだ準備中。また上信越道は渋滞はありませんが、接続した関越道では渋滞が出ていたので、渋滞のお尻に当たる埼玉県の上里SA上りまで182.8kmを走行してちょっと休憩。トイレに行って戻ってくると次の車が来ていたので、すぐ充電を切り上げて出発です。上里SAでは7分間充電し、走行可能距離は156kmとなりました。

IMAG0299あとは家に帰るだけです(途中でさらにいろいろ寄り道しています汗)。到着時は残49km。元の計画ではもっと早く帰ってくる予定だったのでグランドハイアット東京スーパーチャージャーによるつもりでしたが、実質290kmを山形村から残303kmで出発し、途中少しだけ上里で追加したのもありますが、余裕で帰ることができました。総走行距離は822.1kmでした。今回は、テスラ様提供(全オーナーに1年限定)のJTBおでかけカードプレミアを使用しましたので、本来は往復で道の駅23分+上里7分の計30分で486円の電気代がかかるはずでしたが、そちらもかからず、高速代が往復で3000円(途中で1回降りてます)かかっただけでした。

1日時出発地到着時刻到着地走行可能距離実走行距離消費電力電費
27/17 11:38東京(残373km)13:41嵐山PA下り289km80.8km15.7kWh194Wh/km
313:41(充電)13:54(13分)323km
413:54嵐山PA下り15:03東御市中央公民館181km120.6km26.5kWh220Wh/km
515:08東御市中央公民館16:09道の駅中条126km54.9km10.2kWh186Wh/km
616:19道の駅中条17:31ホテル88km30.9km7.8kWh252Wh/km
7
87/19 11:29ホテル(残330km)12:22道の駅アルプス安曇野ほりがねの里318km31.7km3.5kWh110Wh/km
912:22(充電)12:44(22分)361km
1012:44道の駅アルプス安曇野ほりがねの里16:00きらく303km22.2km10.5kWh472Wh/km
1116:49きらく18:59上里SA上り145km182.8km27.3kWh149Wh/km
1218:59(充電)19:06(7分)157km
1319:06上里SA上り23:25自宅49km104.3km18.8kWh180Wh/km

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この記事の著者


					安川 洋

安川 洋

日本アイ・ビー・エム、マイクロソフトを経てイージャパンを起業、CTOに就く。2006年、技術者とコンサルタントが共に在籍し、高い水準のコンサルティングを提供したいという思いのもと、アユダンテ株式会社創業。プログラミングは中学時代から。テスラモデルX P100Dのオーナーでもある。

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