テスラモデルX(電気自動車)で那須へ

2017/2/27月曜日にお休みをいただいて日曜の夜1泊で那須に行ってきました。東京から往復400km、冬はモデルXでも途中で充電が必要な距離です。那須は雪を想定していましたが気温こそマイナス2℃まで落ちたものの、晴天で積雪はありませんでした。

テスラモデルX(電気自動車)で那須へ

目次

  1. 那須への充電計画
  2. 往路
  3. 復路
  4. まとめ

那須への充電計画

東京から那須は片道200km。ちょうど旅行計画の記事に書いた例と同じで、冬には実走行距離の30%増しである往復520km分の走行可能距離が必要となります。今回はあまりちゃんとした計画を立てず、目的地である山水閣公式)になんと無料の普通充電器があることから、「まあ一晩で190km分くらい充電できれば帰りの高速でも充電できるし大丈夫だろう」という感じで出発しました。

事後ではありますが少し厳密に計画してみましょう。
私自身、まだ1500kmくらいしか走行しておらず、長距離の経験が少ないため、モデルXの電費があまりちゃんと理解できていません。標準値という、車で表示される電費をベースとして考えると、227Wh/km(1km走行するのに、100ワットの電球を2.27時間点灯する電力量を消費)または4.4km/kWhが基本となります。満充電は標準値437km。520-437=83km分が不足となり、無充電で単純往復はできないということが分かります。チェックイン午後4時、チェックアウト午前10時として今回のように旅館に普通充電器がある場合は18時間充電が可能で、標準値ベースで190km分が充電できるわけですから、437-520+190=107km分、帰宅時には残るという計算になります。実際にはそうはうまく行かない可能性があるわけですが、まああまり深く考えなくても大丈夫そうです。
特に那須からの帰路は上河内SA、都賀西方PA、佐野SA、羽生PA、蓮田SAと200kmの間に5か所も急速充電器があるわけで、一回は休憩するでしょうから、本当に必要になったらそこでしっかり充電することもできるわけです。

往路

DSC_67352017年2月26日の10:48、残359kmで出発。82%ですね。途中、お昼を食べるために日本料理 旬香(しゅんか)さんへ。ここらあたりでお昼を過ぎてしまいそうだったのと、周辺に寄り道するためにここを選びました。自宅からここまでの距離は120km、消費電力量は25.36kWhで電費は211Wh/km(4.7km/kWh)でした。高速中心だからこんなものですね。平均気温13.4℃、一応シートヒーターと暖房は23℃設定でオンにしてあります。

DSC_6740その後さらに寄り道を経て、目的地の山水閣さんには午後4:22到着。標高にして自宅からは723m上がっています。気温は5℃とそれほどは寒くありませんでした。自宅出発から目的地到着までのデータは、写真のトリップAとなり、総走行距離209.9km、消費電力量57.1kWh、平均電費は272Wh/km(3.68km/kWh)となりました。航続距離残は88km、ちょうど20%で、インジケーターが黄色になっています(もちろん最後は赤になります)。

DSC_6741到着後荷物を降ろしたらすぐ宿の方に声をかけて充電開始。ここは宿泊者のみ利用可能で、充電は無料です。帰りの電気代が全部無料になるわけではありませんが、ありがたいサービスです。駐車場のど真ん中に余裕をもって普通充電器が設置されています。充電器の時間制限はされておらず、当たり前のことではありますが、きちんと利用者のことを考えて設置されている様子が分かります。

DSC_6746夕食はとちぎ和牛

復路

DSC_6748朝食もなかなかに豪華です。

DSC_67492月27日月曜日、11:03チェックアウト。充電を終了し、航続距離残は281kmまで回復。65%です。このように最も一般的な普通充電器では出力が3kWで、テスラでは一晩充電し続けても満充電にはなりません。往路では82%→20%と、トータルで62%の電力量を消費したわけですから、一応この状態でまっすぐ帰宅すれば、ギリギリではありますが追加充電は不要な計算になります。今回、9時過ぎに普通充電器を使いたい人がいるから譲ってほしいと言われたので譲ったため、実際に充電したのは17時間弱でした。

IMG_20170227_144910帰りも少し寄り道しました。まずは道の駅 那須高原友愛の森公式)。お店は小さいですが駐車場は広いです(爆。ここの充電スポットは無料なのですが、使用前と使用後に充電器のすぐ後ろにある観光交流センターの窓口の方に声をかける必要があります。なおここでは近くの那須観光スポットの割引券も売っていますので、行かれる方は事前に立ち寄ってもよいと思います。

DSC_6755ここでは10分だけ充電しました。写真は充電開始時のもの。モデルXでも、モデルSと同様に充電中はダッシュボードに充電器出力が表示されます。この充電器は50Aだったのですが表示は37A。おそらく暖房にかなりパワーを食われていたのだと思います。一度ドアを開けてしまうと暖まった空気が全部逃げてしまうので、最初1-2分は結構なパワーを使うようです。10分後、航続距離は275km→283kmと、8km分だけ増加しました。

IMG_20170227_165622定番の那須高原チーズガーデンにも寄って、後は東京に帰ります。今回はトイレ休憩で写真の蓮田(はすだ)SA上りを利用しました。那須からは143.3km。

DSC_6760買い物中に暖房をつけっ放しにしていたのもありましたし、東北道の上りの流れが速かったというのもあって、143.3kmで消費電力量は38.1kWh、平均電費は266Wh/km(3.76km/kWh)でした。まだモデルXの標準的な電費がどのくらいなのか分かってはいませんが、標準値という基準値がおおよそ227Wh/km(4.4km/kWh)ではないかと予想していまして、それを基準にすると、今回東北道をある程度飛ばして266Wh/kmというのは17%増に当たるわけで、気温8℃というマイルドな冬ではありますが、冬季でもそれほど電費が悪化するわけではないということが分かります。もちろん今回は東北道ですので143.3kmの行程で455mも標高を下っていますから、実際にはもう少し悪くなることが予想されますね。航続距離の残は101km。あと60kmくらいですから余裕ですね。

DSC_6761蓮田SAでは19分間充電し、航続距離残は150kmまで回復。蓮田SA上りを17:16に出発します。

DSC_676218:04到着。航続距離は102km、24%残となりました。

まとめ

トータルでの電費は一つ上の写真のトリップAを見てください。400.8km走行、消費電力量106kWh、電費265Wh/km(3.77km/kWh)です。満タン時の標準値@227Wh/kmが437kmですから、今回のように10℃前後で265Wh/kmくらいだと、満タンで走行できる距離はおおよそ374kmとなります。2016-2017年は暖冬でしたので氷点下でのパフォーマンスのテストはできませんでしたが、モデルSと同様、モデルXも今のところは以下のことが言えそうです。

  • 夏であれば標準値の達成は可能そう。つまり、エアコン稼働させてメーター通りの距離が走行可能であるということ
  • 冬は標準値の2割から3割程度、航続距離が減少する。厳冬期すなわち全行程氷点下のような場合に本当に3割(295Wh/km=3.39km/kWh)で収まるかどうかは不明

この記事のコメント(新着順)2件

  1. こんばんは、はじめまして。
    こちらのブログ、興味深く読ませてただいております。
    さて、一つ質問です。宿泊地の宿で “普通充電” をされていらっしゃるようですが、 TESLAの充電口には変換コネクターなしで直接、接続できるのですか? Chademoの場合は変換アダプターを使用するのですよね? その辺を教えて頂ければ有り難いです。

    1. なもみはげ様、お世話になっております。
      テスラの場合、充電ポートはスーパーチャージャーと自宅用のウォールコネクターという充電器専用となっており、スーパーチャージャーが直流(DC)、ウォールコネクターが交流(AC)の両用となっています。
      外出先で充電する場合、チャデモ規格の急速充電器の場合は、チャデモアダプターという変換ケーブルを使います。また普通充電器の場合は、J1772アダプターという、小さな変換アダプターを充電ケーブルと車両の充電ポートの間に挟んで充電します。どちらのアクセサリーも車両に付属しています。

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この記事の著者


					安川 洋

安川 洋

日本アイ・ビー・エム、マイクロソフトを経てイージャパンを起業、CTOに就く。2006年、技術者とコンサルタントが共に在籍し、高い水準のコンサルティングを提供したいという思いのもと、アユダンテ株式会社創業。プログラミングは中学時代から。テスラモデルX P100Dのオーナーでもある。

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