EVOCとTOCJが「富士河口湖まちフェス2019」に参加し、EVの展示・試乗とV2X実演を行う

2019年10月6日(日)に、山梨県の富士河口湖町役場で 「富士河口湖まちフェス2019」が開かれ、2,500人あまりの人が訪れました。地元の企業や団体が参加するお祭りですが、EVオーナーズクラブ(EVOC)とテスラ・オーナーズクラブ・ジャパン(TOCJ)では、電気自動車(BEV)の展示と試乗、BEVから電気を取り出して家電製品を動かす(V2X)実演を行う形で参加してきました。

TOCJとEVOCが「富士河口湖まちフェス2019」に参加し、EVの展示・試乗とV2X実演を行う

イベントの概要

日時:10月6日(日) 10:00〜16:00
場所:富士河口湖町生涯学習館前芝生広場、富士河口湖町役場ロビー
主催:富士河口湖まちフェス実行委員会(事務局:富士河口湖町 政策企画課 政策調整係)

TOCJとEVOCによる展示&試乗のほか電動バイクや電動アシスト自転車も集合

TOCJでは、テスラのモデルS、モデルXに加え、最新のモデル3を展示し、会員が来場者に説明を行いました。また、会員所有のモデルSを使って添乗試乗を行いました。

最新のテスラ・モデル3に興味津々だったお父さんと息子さん。「フランク」にもビックリされていました。ご本人たちの承諾をいただき掲載しています。
最新のテスラ・モデル3に興味津々だったお父さんと息子さん。「フランク」にもビックリされていました。ご本人たちの承諾をいただき掲載しています。

TOCJと並んでブースを設けたEVOCでは、複数台の三菱i-MiEVと日産リーフを展示したうえ、会員所有の「日産リーフ(40kWh)」を使って添乗試乗体験を提供しました。

また、先月の台風15号による千葉の長期・広域停電を踏まえ、「EVから電気を取り出して利用する」ことが可能であると示す目的で、「V2Xデモンストレーション」を行いました。具体的には、三菱i-MiEVの「10型(2010年モデル、後のGタイプとほぼ同じで、16.0kWh搭載)」と「Mタイプ(東芝製SCiBを10.5kWh搭載)」から電気を取り出して、IHヒーター複数台を使って、鶏の唐揚げ、フライドポテト、サツマイモ揚げ、茹で枝豆を調理実演して見せて来場者にふるまったほか、一緒にブースを構えた「イエローエイト(yellow8)」社が持参した同社製の豆を挽いてコーヒーを淹れるマシンを駆動して、コーヒーを淹れる実演も行いました。このコーヒーも来場者にふるまわれました。

また、「Aventulife」社は、近々発売する電動アシスト自転車を2車種展示して説明を行いました。

「Aventulife」社が間もなく発売する電動アシスト付き折りたたみ自転車。なんと、シートポストが電池になっている。インホイール・モーター部分もコンパクトで、外見からは分からない。小さめの折りたたみ自転車によくある16インチのホイールを採用。2輪ともディスクブレーキ付き。
「イエローエイト」社が間もなく発売する電動アシスト付き折りたたみ自転車。なんと、シートポストが電池になっている。インホイール・モーター部分もコンパクトで、外見からは分からない。小さめの折りたたみ自転車によくある16インチのホイールを採用。2輪ともディスクブレーキ付き。
シートポスト下部からモーターへは、電源ケーブルを繋げる形。
シートポスト下部からモーターへは、電源ケーブルを繋げる形。
折りたたむと軽自動車の荷室にも詰めるコンパクトさ。
折りたたむと軽自動車の荷室にも詰めるコンパクトさ。
電気自動車に積んで行って、現地で電気アシスト自転車でポタリングも可能。全て電気でまかなえる。
電気自動車に積んで行って、現地で電気アシスト自転車でポタリングも可能。全て電気でまかなえる。

地元山梨の「笹本自動車」では、同社が販売する輸入電動バイク「XEAM(ジーム)」シリーズの3車種を展示して説明を行いました。

原付免許で乗れるもの(水色)と、原付二種の青いモデル。
原付免許で乗れるもの(水色)と、原付二種の青いモデル。
3機種展示されたXEAMシリーズのうち、最も問い合わせが多い最新モデル。バッテリーは日本製で、本体にも残量表示機能が搭載されている。
3機種展示されたXEAMシリーズのうち、最も問い合わせが多い最新モデル。バッテリーは日本製で、本体にも残量表示機能が搭載されている。
水色のモデルの、シンプルながら見やすいディスプレイ。
水色のモデルの、シンプルながら見やすいディスプレイ。

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まちフェスとは

まちフェスは、富士河口湖町の地元住民の有志が中心となり、住民が参加できる機会を設け、地域の魅力を再認識できるようにしようと2015年に始まりました。参加者どうしの協力の中から、世界遺産に相応しい町づくりをしようと動いてきたわけです。

役場の庭に設けられたメインステージでの「南京玉すだれ」の実演。この後が「筑波山のがまの油売り」でした。
役場の庭に設けられたメインステージでの「南京玉すだれ」の実演。この後が「筑波山のがまの油売り」でした。

「まちフェス」という名称での開催は今年で5回目ですが、歴史はもっと長いそうです。「河口湖町」と「勝山村」、「足和田村」が2003年に合併して「富士河口湖町」ができたことを記念して行われた行事や、その後2006年3月に「上九一色村」の南部地区、精進・本栖・富士ヶ嶺の三地区が合併して、現在の富士河口湖町が誕生したのを記念したいくつもの行事の延長線上に、この「まちフェス」があると考えると、「16年の歴史がある」と言えるようです。

子供たちに人気だった、マシュマロ焼き体験。地元の団体が提供。
子供たちに人気だった、マシュマロ焼き体験。地元の団体が提供。

なお、この2006年の合併により、富士河口湖町は、富士五湖のうちの4つの湖と、富士の麓に広がる「青木ヶ原樹海」、それに「富士ヶ嶺高原」を有することになり、日本有数の「湖水と高原の町」になった形です。合併時の人口は、25,565人、8,518世帯で、面積は従来と比べて1.5倍に広がって158.51k㎡となりました。

今年のまちフェス

参加者の概数は、駐車場の駐車台数を使って予測を行い、各イベントへの参加者の数、出店の売り上げ数などを参考に確認をおこなっているそうですが、2018年の参加者数は「およそ2,000人」でした。実行委員会によると、今回の2019年は、駐車台数から予測すると、昨年を上回る「2,500人ほど」になる、とのことでした。

防災関連の展示や体験もあり、山梨県が持つ「地震体験車」も参加した。お爺ちゃんと一緒に東日本大震災地震を体験してきたお孫さんたち。ビックリした〜とため息交じりで話していた。
防災関連の展示や体験もあり、山梨県が持つ「地震体験車」も参加した。お爺ちゃんと一緒に東日本大震災地震を体験してきたお孫さんたち。ビックリした〜とため息交じりで話していた。

今年は、地元の食品販売、雑貨販売をはじめ、生協の「パルシステム」や、地元メディアの「CATV河口湖(ケーブルテレビ局)」や「FMふじやま(FM局)」、「国際交流協会」や「シルバー人材センター」、「山梨県自閉症協会」など、合計28の団体が出店を出した。また、和太鼓の演奏やフラダンス、吹奏楽の演奏から「筑波山のがまの油売り」や「南京玉すだれ」の実演など、さまざまな出し物が行われていました。地元、富士河口湖高校の吹奏楽部の演奏も素敵でした。

この縫いぐるみも「電動」だ。側面に付いた電動ファンで膨らまし続けているので。換気機能付きの作業衣のような仕掛けだ。
この縫いぐるみも「電動」だ。側面に付いた電動ファンで膨らまし続けているので。換気機能付きの作業衣のような仕掛けだ。

V2Xへの参加者の反応

今回は、2台の三菱i-MiEVから「MiEVパワーボックス(「リーフtoホーム」「EVパワーステーション」と同じニチコン製)」を使って電気を取り出して、IHヒーター2台を使って、鶏の唐揚げ、フライドポテト、サツマイモ揚げ、茹で枝豆の調理を実演して見せました。

後方のi-MiEV Mタイプからの電力で、、手前のコーヒーミルと珈琲マシンを動かして珈琲を淹れているところ。1,500Wまで出せるので、電子レンジやホットプレートも充分動かせる。
後方のi-MiEV Mタイプからの電力で、、手前のコーヒーミルと珈琲マシンを動かして珈琲を淹れているところ。1,500Wまで出せるので、電子レンジやホットプレートも充分動かせる。

また、「イエローエイト」社が、持参した同社製の豆を挽いてコーヒーを淹れるマシンを駆動して、コーヒーを淹れる実演も行いました。これらに加えて、ブースのPAやBGMの電源も、これらのi-MiEVから賄って行いました。

「イエローエイト」社が開発している「焙煎後の発酵が緩やかに進んで長期保存できる豆」で淹れた珈琲を試飲して、質問する来訪者の方たち。電源の無いところで、こんなこともできるのね、と驚かれていました。
「イエローエイト」社が開発している「焙煎後の発酵が緩やかに進んで長期保存できる豆」で淹れた珈琲を試飲して、質問する来訪者の方たち。電源の無いところで、こんなこともできるのね、と驚かれていました。

訪れた皆さんからの質問は、「MiEVはいくらぐらいするのか(購入価格は補助金を差し引くと156万円ほどでした)」、「停電で冷蔵庫を動かすとしたら、どれくらい保つか(Mだと冷蔵庫と若干の照明だけなら2日半から3日)」、「何ワットまで出せるか(1,500Wまで出せます)」、「満充電で何キロくらい走れるか(Mだとこの時期は100〜110kmほど)」といった質問が最も多く寄せられました。なかには「太陽光発電から、V2H機器無しでも直接充電できるか」といった少し専門的な質問もありましたが、「電池の劣化はどの程度か」というようなユーザーならではの質問はあまりありませんでした。

i-MiEVからMiEVパワーボックスを介して電気を取り出すV2Xシステム。それでIHヒーターを駆動してフライドポテトや鶏唐揚げ、ポップコーンや茹でたての枝豆を付くって見せるデモ。できたものは来場者に試食していただいたが、大好評。「停電時に心強い」と感心される方がたくさんいらっしゃった。
i-MiEVからMiEVパワーボックスを介して電気を取り出すV2Xシステム。それでIHヒーターを駆動してフライドポテトや鶏唐揚げ、ポップコーンや茹でたての枝豆を付くって見せるデモ。できたものは来場者に試食していただいたが、大好評。「停電時に心強い」と感心される方がたくさんいらっしゃった。

ただし、千葉県での長期間の広域停電の記憶が生々しいということもあり、停電時のバックアップ電源としてもEVが使える点に、最も関心が高い印象でした。中古のリーフを買って、ナンバーを切って(ナンバーを返却して)蓄電池として使うというアイディアに関心を示す方も複数いらっしゃいました。

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日本有数の高原と湖水といった自然の美しいまちに、自然に優しいモビリティーと、災害に強いV2Xが広まると良いなと、涼しい高原の風に吹かれながら思いました。

(取材・文/箱守 知己)

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この記事の著者


					箱守 知己

箱守 知己

1961年生まれ。青山学院大学、東京学芸大学大学院教育学研究科、アメリカ・ワシントン大学(文科省派遣)。職歴は、団体職員(日本放送協会、独立行政法人国立大学)、地方公務員(東京都)、国家公務員(文部教官)、大学非常勤講師、私学常勤・非常勤講師、一般社団法人「電動車輌推進サポート協会(EVSA:Electric Vehicle Support Association)」理事。EVOC(EVオーナーズクラブ)副代表。一般社団法人「CHAdeMO協議会」広報ディレクター。 電気自動車以外の分野では、高等学校検定教科書執筆、大修館書店「英語教育ハンドブック(高校編)」、旺文社「傾向と対策〜国立大学リスニング」・「国立大学二次試験&私立大学リスニング」ほか。

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