白馬村で4回目の『白馬EVシェアリング』開始〜今年は『コムス』を無料で貸出

長野県白馬村で今年も『白馬EVシェアリング』が始まります。環境省が進めている国民運動「COOL CHOICE」に賛同し、白馬村が二酸化炭素排出抑制対策事業として実施するもので、4年連続4回目。今年は1人乗りの超小型電気自動車『コムス』を無料で1週間利用できます。

白馬村民と村内事業者へ1週間無料貸出

長野県白馬村で、8月10日から11月1日まで『白馬EVシェアリング』が実施されます。この取組は、環境省が進めている国民運動「COOL CHOICE」に賛同し、白馬村が二酸化炭素排出抑制対策事業として行うもので、今年で4年連続4回目の実施となります。

1回目が日産リーフ、2回目がフォルクスワーゲン e-Golf、3回目はあえてバッテリー容量の小さな30kWhの日産リーフ(各2台)がシェアカーとなりました。今年は、1人乗りの超小型EVである『コムス』(トヨタ車体)2台がシェアカーとなります。

【白馬村公式サイト】

令和3年度「白馬EVシェアリング」

貸出は無料、期間は1週間(火曜日〜月曜日)となります。今、まさに夏休みシーズンまっただ中。白馬へ遊びに行くから利用してみたい! という方もいらっしゃるでしょうが、貸出の対象は「白馬村民と白馬村の事業者限定(おひとり様一回、一事業者につき一回)」です。

環境への関心が高い白馬のみなさんに「使い方」を実感してほしい

私も関わっている「日本EVクラブ」と白馬村は長い付き合いで、日本EVクラブの支部である「白馬EVクラブ」も意欲的な活動を展開中。白馬EVクラブの尽力もあり、白馬村では早くから電気自動車用の200V普通充電設備設置費用に上限4万円の補助金を出す『EV自動車用普通充電設備設置に対する助成制度』を実施しています。電気自動車普及にとって、自宅ガレージでの「拠点充電」の環境を整えることがとても大切。白馬村以外にも、こうした制度が広がるといいな、と思っています。

北アルプスに抱かれて清冽で豊かな水に恵まれた白馬村では水力発電(村営の小水力発電所もある!)が盛んで、千葉大学の倉阪秀史教授と認定NPO法人環境エネルギー政策研究所(ISEP)が運営する『永続地帯ホームページ』のデータによると、2020年度、白馬村の「地域的電力自給率」は103.7%(うち太陽光発電は0.4%)に達しています。つまり、白馬村内で充電した電気自動車は、まさしくゼロ・エミッションで走行できることになります。

2013年から続く『ジャパンEVラリー』の舞台でもあり、2019年12月には、全国の地方自治体では3番目となる「気候非常事態宣言」を採択。村内には『Hakuba SDGs Lab』という環境保全とSDGsの勉強会や、『POW(Protect Our Winters Japan)』というウィンタースポーツのプレイヤーを中心にした「雪山を守る」世界的な活動団体の日本拠点が置かれているなど、そもそも環境への意識が高い村でもあります。

1人乗りの超小型EVは、軽自動車よりも省スペースで身軽なモビリティである反面、1人しか乗れないこともあって「どう使う?」かが広がりにくい面があります。環境意識が高い白馬村のみなさんが、どんな使い方をしてくれるのか楽しみです。

記者発表の場で最初の予約者を取材できました

『白馬EVシェアリング』は白馬村が実施する取組で、日本EVクラブがプロデュースを受託しています。というわけで、私も日本EVクラブのスタッフとして、8月5日、白馬村役場で行われた記者発表へ行ってきました。

白馬村に到着後、村役場で受け取ったナンバープレートを取り付けたり、白馬村のキャラクターである「ヴィクトワール・シュヴァルブラン・村男Ⅲ世」をデザインしたステッカーを貼り、登坂能力の確認を兼ねて北アルプスを背景にした絶景写真が撮れる「野平の桜」と呼ばれるスポットへ、私も1台のステアリングを握って試走しました。

斜度は10%くらいはあるでしょう。タイトなコーナーが連続するワインディングの上り道は、体重80うんkgの私が乗っていてもアクセルべた踏みでおおむね30km/hくらいの速度は維持して登り切ることができました。市街地などの平坦な道では軽快な走り(最高速度は60km/hという制限があるものの)を楽しめました。

ちなみに、市販されているコムスの充電は100Vコンセントを使用しますが、今回のシェアカーは特別に200Vの仕様になっています。村の助成制度で200Vコンセントを設置している家や施設では、そのコンセントを使ってこのコムスを、100Vコンセントよりパワフルに充電できます。

試走と撮影を終え、記者発表に備えて役場エントランス前の芝生にコムスを置いて準備していると、役場への用事で通りかかった女性が「あ、EVシェアリングですね。もう予約できるんですか?」と興味しんしん。さっそく役場で申し込みをして、8月10日〜16日まで、今年第1号の予約をGETされました。

予約第1号となったのは、白馬村在住の中山千夏さん。八方尾根のスキー場でアルバイトをしていて知り合った地元の方と結婚し、白馬に住んで3年目とのこと。白馬EVシェアリングのことは、村で配布された「自然エネルギーについてのチラシ」の告知で知って、チャンスがあれば借りてみたいと思っていたそうです。

「白馬村で暮らすようになってから、年々深刻化する雪不足の問題などを実感していて、自然エネルギーや環境保全への関心が高まってきました。EVに乗るのは初めてです。10日から16日まで、お盆休みの期間に借りられたので、この超小型EVで白馬村を楽しみたいと思います」(中山さん)

白馬村ではCOOL CHOICE賛同事業として『白馬村クールチョイス新聞』を発行していて、その制作も日本EVクラブが受託、取材や執筆などは私が担当しています。先日、このEVシェアリング告知などを掲載した「夏号」を配布しましたが、今年もう1回、「冬号」ではEVシェアリング利用者のレポートも紹介できるとベターなので、改めて中山さんの感想などを取材させていただけるといいな、と思います。

ちなみに、例年開催している『ジャパンEVラリー』は、電気自動車をはじめとする電動車で白馬村へ集まろう! というイベントで、今年も10月23日(土)、白馬五竜で開催予定。参加募集が始まったら、EVsmartブログでも改めて紹介します。

昨年も同じ時期での開催でしたが、山の高みには雪も降り、山裾を紅葉が彩る白馬の晩秋は最高でした。プラグイン車やFCVにお乗りの方、また「どこかで借りてでも参加するぞ!」というみなさん。10月の白馬でお会いしましょう!

(取材・文/寄本 好則)