300万円で300km! 30kWh中古リーフから『KONA Casual』の新車に買い換えます

2018年12月、EVsmartブログ編集長を引き受けたのを契機に「150万円で150km」を求めて購入したマイカー電気自動車の日産リーフAZE0(30kWh)を、ヒョンデの新型EV『KONA』に買い替えることにしました。グレードは車両本体価格約399万円の「Casual」。バッテリー容量は48.6kWhです。

満充電でも150kmが怪しくなってきた……

2018年12月、EVsmartブログ編集長を引き受けたのを契機に、車両本体価格154万3000円で購入したマイカーの中古リーフ(AZE0=バッテリー容量は30kWh)を買い換えることにしました。

理由はおもに2つあります。まず、リーフに丸5年乗ってきて、そろそろACCとかちゃんと装備している「進化したEV」を所有したいなという物欲が頭をもたげてきたことです。参考までに、上京して結婚後、私のマイカー履歴を振り返ってみると……

●トヨタ ランドクルーザー プラド/約3年

●三菱 RVR オープンギア/約3年

●アルファロメオ 155 TS(並行輸入)/約8年

●アウディ A4 Avant quattro/約3年

●アルファロメオ GT TS/約8年

(その後、約5年はマイカーなし)

●日産リーフ(中古)/約5年

って感じ。リーフ以外は全部新車で購入。とくにクルマ愛好家って遍歴ではないですけど、並行輸入車だった左ハンドル&マニュアルの155は、今でも手放したこと(下取り額はタダ同然)を後悔しているくらい大好きな愛車でした。ご覧の通り、EVをマイカーにしたのはリーフが初めて。市販EVのバリエーションも増えてきたし、初代リーフが開発された頃に比べて市販EVは飛躍的にいろいろ進化しているし、CEV補助金が手篤いうち(リーフは中古だったので補助金はなし)に、そろそろEVの新車をマイカーにしたいな、という思いが大きくなっていたのでした。

もうひとつの理由は「満充電でも150kmの航続距離が怪しくなってきた」こと。購入時に12セグだった駆動用バッテリーは、昨年12月、10セグになってしまいました(関連記事)。購入直後、満充電で200km程度だった航続可能距離表示が、今では150km程度になっています。

航続可能距離表示が150kmというのは「150km先の急速充電スポットまで走れる」ということではありません。少しは余裕をもって充電スポットに到着する必要があるので、高速道路のロングドライブで走れる距離は実質100kmくらいです。私は黒鯛の筏釣りやゴルフが趣味なのですが、走れる距離が実質100kmでは三浦半島の筏や、千葉とか山梨の大衆的ゴルフ場へ出かける際にも必ずどこかで経路充電する必要があります。

まあ、ちょい足し急速充電をするのをそれほど負担とは感じてないですが、ちょっとした釣りやゴルフくらいは無充電で往復できるほうが便利なのは当然です。500万円以下程度の予算で、30kWhリーフに比べたら格段に進化した新車EVの選択肢が増えている中、よし、買い換えるぞ! と決断した次第です。

目指せ「300万円で300km」~65kWhは「too much」

マイカー新車EVに私が求める最優先の条件は「300万円で300km」の性能です。私が住む東京都にはEV購入への補助金制度があり、国の制度と合わせると100万円ちょっとの補助金を活用できます。実質的な負担が300万円程度で、おおむね300km程度(片道150kmほど)を余裕をもって走ることができるEVであれば問題はない、という考え方です。

私が購入を決断したヒョンデのKONAには、バッテリー容量が48.6kWh(航続可能距離456km ※WLTCモード)の「Casual」と、64.8kWhのバッテリーを搭載した「Voyage」(同625km)、「Lounge」「Lounge two-tone」(同541km)の4グレードが設定されています。

まず、価格はCasualが399万3000円~。補助金使って300万円の条件をクリアします。大容量バッテリーを搭載したグレードは、装備を抑えたVoyageでも約452万円~、Loungeの2グレードは489万5000円~なので、国と東京都の補助金を合わせた110万円を使ってもちょっと条件をはみ出してしまいます。

そうは言っても「バッテリー容量が大きくて航続距離が長いほうが安心じゃないか」と考える方は多いでしょう。でも、私のマイカーの使い方は年間走行距離が8000kmいくかどうかって感じで街乗り中心。月イチ程度のゴルフや釣りも、往復300kmも走れば十分です。Casualの航続可能距離はWLTCモードで456km。8掛けとしても約365kmは走れます。

さらに提言しておくと、私はいろんな新型EVに試乗する機会がありますが、バッテリー容量が60kWhを超えるような高級EVに乗る度に、マイカーにするには「too much だなぁ」と感じています。航続距離が長いのはもちろん便利です。でも、バッテリー残量への不安が軽減するのに比例して、走るために使っているエネルギー(電気)への意識が薄れることを実感します。せっかくEVに乗っていながら「エンジン車と同じような気持ちで日々を過ごすのは、もったいない」というのが、私個人の感覚です。

また、奮発して大容量バッテリーのEVをマイカーにしてしまうと、日常的な、たとえばスーパーへ買い物といった時には重くてでかいバッテリーを「いつも運んでいる」ことになります。KONAの場合、48.6kWhのCasualの車重は1650kgですが、64.8kWhでフル装備のLoungeは1790kgと140kg、装備控えめのVoyageでも1730kgで80kg重くなります。購入予算とバッテリー容量を抑えるのは、日常的な軽快さを手に入れることでもある、と思っています。

大容量バッテリーのEVを購入して、後から少しバッテリーを減らして軽くするなんてことはできません。現時点で私が自分にちょうどいいと思うのが「300万円で300km」という基準です。私の場合、クルマ遍歴で紹介した2台のアルファロメオでも、音やパワーが痛快に気持ちいい3リッターV6エンジンではなく、2リッターのツインスパークを選びました。エンジン車と比較するのは適切とは言えないけど、まあ、そんな感じの選択です。

迷ったのは『DOLPHIN』と『EX30』

もちろん、迷うことなくKONA Casualに決めたわけではありません。比較検討する車種として迷ったのは、KONAのLoungeグレードと、BYD『DOLPHIN』、ボルボの『EX30』でした。簡単な比較表にしておきます。

KONA

Casual

KONA

Lounge

DOLPHIN

DOLPHIN

Long Range

EX30
車両価格399.3万円489.5万円363万円407万円559万円
CEV補助金65万円65万円65万円65万円65万円
東京都補助金45万円45万円45万円45万円45万円
実質購入価格289.3万円379.5万円253万円297万円449万円
バッテリー容量48.6kWh64.8kWh44.9kWh58.56kWh69kWh
航続距離(WLTC)456km541km400km476km560km
車両重量1650kg1790kg1520kg1680kg1790kg
回生パドルスイッチ×××

あまり細かく論じてもややこしいのでポイントを絞って説明すると、まず価格。「300万円で300km」を満たすのはKONA CasualとDOLPHIN。KONA LoungeとEX30は少し階層が上がって「400万円で400km」という感じになります。

KONAの場合、Loungeで標準装備になっている車線変更アシスト機能付の高速道路ドライビングアシスト2や、ヘッドアップディスプレイ、電動サンルーフ、本革シート、後席シートヒーター、スマホのワイヤレスチャージ、デジタルキー、スマートテールゲート、BOSEプレミアムサウンドシステム、ARナビなどが、Casualではオプションで追加することもできません。

デジタルキーとスマートテールゲートはできれば欲しいと思ったし、これだけ装備が違ってバッテリー容量が約16kWh(i-MiEV1台分!)も違うんだから「圧倒的にお買い得なのはLoungeだよな」と迷いました。また、予算オーバー気味にはなりますが、EX30は魅力的だしブランドイメージが良く、マイカーにすると「ちょっとオシャレな人じゃない?」的なイメージアップになるかも、と迷いました。

「300万円で300km」のコストパフォーマンスで考えれば、DOLPHINが抜群。ロングレンジであれば、300万で400kmのレベルです。性能面でも、発表時の試乗会取材で十二分に優れたコンパクトカーであることを実感しました。でも、マイカーにすることを考えると、そのパッケージングやデザイン、EV性能などでKONAのほうがベターという結論になりました。

EV性能という面でひとつ具体的なポイントを挙げると、回生ブレーキの強さを自在に調節できるパドルスイッチの有無です。DOLPHINやEX30は、回生パドルスイッチを装備していません。BYDはエンジン車からの違和感を少なくすることを標榜しての非装備と理解しています。ボルボの場合、回生の調整は自動で制御という考え方が基本になっています。前車に追従しながら回生強度を自動で調整してくれるのは便利(KONAでもオートは選択できます)です。ただ、下りのワインディングを走る際など、回生の強さをコースティングからワンペダルドライブまで自在に調節できるのが私は大好きで、重要なEVドライブの楽しさだと感じています。というわけで、回生パドルスイッチの有無が、KONA選択の大きな決め手になったのでした。

さらに言うと、KONAのEVはこれが2代目で、初代ではバッテリーの大規模リコールなんてこともありました(関連記事)。艱難辛苦を乗り越えて、量産EVとしては世界初といってもいいフルモデルチェンジを果たした(リーフもモデルチェンジしてますが、EVとしての基本性能向上という点では温度管理システムも追加されず……なので)のが今回の新型KONAであるということも、チョイスのポイントになりました。

グローバルではエンジンモデルにも対応していて、純粋なEV専用設計でないのは少し減点ポイントですが、EV優先の設計という新しい基準を提示したとも評価できます。試乗した印象でも、乗り味や先進運転支援などの出来映えは同じヒョンデの上位車種である IONIQ 5 にも負けていない(つまり、EQSなど超高級車は別格として、現状の市販EVで最上レベル)と感じました。

これから、トヨタや日産など日本の自動車メーカーも大衆的EV車種の開発に注力するでしょう。とはいえ、さまざまな状況を見るにつけ、「日本メーカーが今回の新型KONAのレベル、あるいはそれを超えるレベルに到達した大衆的EVを繰り出すには、早くても4〜5年はかかるだろう。それまで待ってはいられない」という判断でもあります。アルファロメオから発表された新型EVの『ミラノ』も気になりますが、たぶんフィアット500eの約550万円を超える価格になるだろうし、ステランティスのEV性能はもう少し完成度が上がるのを確かめたいので、見送りました。

改めて、いろんなレポートをお届けします

私が購入したKONA Casualで懸念しているのは、駆動用バッテリーの総電圧が269Vで、上位グレードの358Vと比べて低いことです。システム電圧は、急速充電の受け入れ可能出力に影響するはず。発表会で確認した際には、Casualでも急速充電の受け入れ可能な最大電流値は「230A」ということだったので、高速道路SAPAなどに増えている90kW器(最大電流は200A)であれば、概算で「269V×200A=53.8kW」くらい、350A流れる150kW器なら「269V×230A=61.9kW」くらいの最大出力で充電できるはずですが、実用的にどのくらいの出力になるのか、まだ試していないのでわかりません。

納車は明日、日曜日の予定(雪が心配)です。今まで、中古リーフでさまざまなレポートをお届けしてきました。今後は、新しいKONAで有意義なレポートを重ねていけるよう精進します。引き続き、EVsmartブログをご愛読ください。

ヒョンデ 新型 KONA Electric をベルリンで先取りチェック

文/寄本 好則

※冒頭写真は私が選んだボディカラー「サイバークレーメタリック」のKONA Lounge。