電気自動車の価格はバッテリーコストが下がり2022年までにエンジン車に優る競争力を獲得する

ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス(BNEF)が「2022年には電気自動車はエンジン車と競争できる価格になる」とするレポートを発表したことを、アメリカのメディア『Clean Technica』が伝えています。バッテリーの調達コストが劇的に下がっていることが、電気自動車の価格が下がる大きな要因とされています。

元記事:Electric Cars Price Competitive In 2020 As Battery Costs Plummet by Steve Hanley on『CleanTechnica』

グローバルなエネルギー経済研究機関であるブルームバーグニューエナジーファイナンス(BNEF)のアドバンストトランスポートチームは、電気自動車の価格がいつ既存の自動車と同じ水準の価格になるのかというテーマを常に分析してきました。

2017年、チームはその時点で10年以内の2026年に拮抗するとしました。その時の人々の反応は「すごい!電気自動車の時代はすぐそこに来ている」というものでした。わずか1年後の2018年、BNEFはそれが2024年になると言い出しました。

そしてさらに1年が経過した2019年、BNEFは予想をさらに修正してきました。2022年(たった3年後!)には、電気自動車は既存のガソリンやディーゼルで動く車両と競争できる価格になると発表したのです。

バッテリー調達コストは劇的に下がりつつある

なぜ、こんなにも急激に予測したタイムスパンが短くなったのでしょうか? その理由は、バッテリーのコストが急激に下がったからです。

2015年にアメリカの中型車では、バッテリーのコストが車両価格全体の57%を占めていました。今年は33%です。BNEFによると、2025年までにバッテリーのコストは車両全体のわずか25%になると予測されています。

価格の均衡はまずヨーロッパの大型車両に起こり、次に交通セクターに広がるでしょう。『ThinkProgress』が伝えたレポートでは、BNEFがもっと多くの(電気自動車用)部品が世界中の工場で作られ経済規模が大きくなることによって、電気モーターとパワートレインコントロールシステムの値段が3分の2になると予測していることを付け加えています。

価格均衡が達成された後、消費者はどの車を買うかの決定を、車両価格よりもブランドの好み、スタイル、パフォーマンス水準、もしくは常に目新しいものを追い続けたいという判断基準で選ぶようになり、電気自動車革命を推し進めるためのインセンティブ(優遇税制など)はもはや必要なくなります。

電動化の加速は車だけではない

さらにBNEFは、バッテリー価格の下落は建設現場、船舶、航空機等、ほかの交通機関にも影響を与えると指摘しています。例として、コマツは次の声明とともにバッテリー駆動式ミニショベルを導入しました。

「当該機は、コマツがこれまで培ってきたハイブリッド建機やバッテリーフォークリフトの技術をベースに、新たに開発した充電器や高電圧変換ユニットなどを搭載し、同出力のエンジン車と同等の掘削性能を発揮しつつ、ゼロエミッションや騒音の大幅低減を実現した、環境と人にやさしい機械になっています。排気ガスや騒音を気にしながら行っていた病院や学校、住宅街での作業や、排気ガスがこもるトンネルや建物内などでの作業で、その実力が大いに発揮されます」

『CleanTechnica』は今までにも多くの電動フェリーや船舶の話題を取り上げてきました。スウェーデンとデンマークの間を航行するステナラインは、保有する船舶軍にバッテリーと電気モーターを加えることにしました。「バッテリーのサイズとコストが両方下がり、空気中に排出されるガスも完全に無くなりますし、バッテリーで動く船舶によるオペレーションは既存の石油で動く船よりもよりエキサイティングなものになります」と、ステナラインのCEO、Niclas Martensson氏は言います。

Nicolas Zart氏が頻繁に書くトピックとして、より小さく、安いバッテリーにより、電気飛行機やeVTOLへのシフトの加速も取り上げられています。私達『CleanTechnica』チームは、電気自動車価格の均衡が訪れるのが待ちきれません。待機時間はもうすぐ終わりになるでしょう。

(翻訳と文・杉田 明子)