電気自動車は寒さに弱い?〜極寒のカナダでテスラ車がどれだけ耐えられるか実験

電気自動車普及が本格化していますが、極寒地域での使用にEVは耐えうるのか不安を抱えている方も多いようです。そこで気温が-30℃まで下がるカナダのテスラオーナーが実験をしました。全文翻訳記事でご紹介します。

元記事:Tesla Cold Weather Experiment In -22°F & -31°F Temperaturesby Johnna Crider on『CleanTechnica

バージニアでもしもすべての車がEVだったら冬の交通混雑がいかにひどくなるかを論じた、ワシントンポストの社説が間違いであると証明したDirty Teslaさんの動画を、最近ご紹介しました。ここでさらにシェアしたいものが出てきました。このアカウントが体験した本人のものかは確認が取れていませんが、下の投稿を見ると渋滞に巻き込まれて16時間テスラ車に滞在し、キャンプモードを使って居心地よく昼寝もしながら、バッテリー消費は74%から61%に落ちただけだったと書かれています。

Distortion vs Reality pic.twitter.com/FFWTdB0Kzb
— Mikey Likes (@mliebow) January 6, 2022

また別のテスラオーナーは、私とある実験をしました。彼は自分のまわりにある間違った情報にヒントを得て、この実験を考え付きました。彼は自分の住んでいる場所を「カナダのテキサス」と呼んでおり、石油が強い場所です。バージニアの冬よりも、実験の際の温度はかなり低いものでした。気温は-35℃まで下がったのです。

Darryl Kolewaskiはテスラ車両のパーツやアクセサリーを取り付け・販売するCanada Electric Car Management(CECM)を経営しています。Darrylはまた、アルバータ郊外にある地元でテスラの車両群を使ったタクシーサービス業も営んでいると教えてくれました。ケロウナのタクシーはCurrent Taxiにリースされていますが、所有者はCECMです。

「テスラタクシーを始めて5年ほどになります」。社が所有する車両のほとんどはモデル3とモデルSで、Darrylが最初にテストをしたのは、2014年のモデルSでした。

彼の地元はカナダの中でも石油とガスのコミュニティとして知られており、クリーンエネルギーよりも化石燃料を好むアンチEV派が多くいます。ルイジアナに住むようなものです。EVやクリーンエネルギーに対する態度を変えるのは非常に難しいですが、Darrylは自身の家族、友人、隣人などに、EVはFUD(恐怖、不安、疑念)ほど悪くないと、熱心に見せて回っています。

実験

彼は冬期バージニアの悲惨な交通状況のインターネット・ミームが出回っていることから、非常事態にテスラがどれだかもつか試そうと考えたそうです。冬の過酷な気象条件で車内に閉じ込められたら、どれくらいの時間暖かく過ごせると思いますか?

私達が会話している時の気温は20℃近くあったのですが、Darrylの実験環境を聞いてヒーターのスイッチをまた入れたくなりました。

「僕が持っているのは約6万5,000マイル(約10万4,600km)を走った2014年テスラ・モデルS 85です。この車で実験して見てやろうと思いました」。

Darrylは平均気温が-21℃で、最低で-30℃~-35℃まで下がっていたと、こともなげに言いました。「ルイジアナではこんな経験はしないだろうね」。

そう願いますよ。

「とても寒いです。車は100%フル充電し、外に停めてキャンプモードの21℃に設定しました。ロックをし、自分は中に留まりませんでしたが、自宅外に駐車してどの位もつのか見ました」。

Darrylはバッテリーの80%を使ったところで、充電率が20%になると人が車にいない場合はシステムが自動的に落ちると説明してくれました。また人が中にいた場合、気温を21℃に留めず、エネルギーを長持ちさせるためベストを尽くすだろうとも話しました。

バッテリーは平均外気温が-21℃の中、1日と17時間持ちました。上のスクリーンショットは、1日と13時間経過した時点のものです。

「緊急事態に陥ったら、キャンプモードで21℃にはしておかないでしょう。使うパワーが少ないシートヒーターを使って、エネルギーをもたせようとするでしょうね。実験はこのようなシナリオで大体どんな感じになるか、というものです」。

まとめ

Darrylの実験とDirty Teslaの実験はともに、極限の冬季緊急事態にテスラがどれだけ耐えられるか見せてくれていると思います。両方のケースでオーナーは車の中にはいませんでしたが、このような状況ではエネルギーを保つために皆ベストを尽くすはずと双方が指摘していました。ちなみにDirty Teslaは延長実験で気温を16℃まで下げています。

個人的には、フォード・マスタング・マッハEやフォルクスワーゲン・ID.4など、他のEVを使った寒い環境でのテストをぜひ見てみたいです。

(翻訳・文/杉田 明子)