『電気自動車が「本当にエコ」か疑問の声も!』って記事の指摘って本当?

人の数だけ意見はあります。電気自動車シフトが正しいのかどうか、賛否両論があるのは当然のことですが、日本で「はびこって」いる誤解を集約したかのような記事があったので、突っ込んでみることにしました。著者である平塚さんには、会ったこともないし、何の先入観もありません。

実は半数近くの回答者が本当の電動車を選んでいる

EVsmartブログ編集長の寄本です。私はそもそもフリーランスのライターで、2018年の秋、ネコ・パブリッシングの『E-MAGAZINE』(Amazonにリンク)という紙雑誌から記事執筆のオファーを受けて、以前から自分でも使っていた充電スポット検索アプリ『EVsmart』デベロッパの社長であり、EVsmartブログで情報発信をしていたアユダンテの安川さんへのインタビューを企画。取材ついでの「僕にも書きたいことが山ほどあるんですよぉ」という四方山話から「じゃあ編集長やって」てなことになり、今に至っています。

仕事として関わる以前、EVsmartブログの一読者として面白いと感じていたのが『「騙されるな、空前の電気自動車(EV)ブームは空振りに終わる」は間違いだらけ?』(2018年8月29日)という記事でした。国際投資アナリストが、環境コンシャスなのは電気自動車ではなくてLPG自動車だと論ずる記事の「間違い」を、ひとつひとつ「本当ですか!それは驚きですね」と指摘していく内容でした。

読者として楽しむには痛快ですが、昨年12月、安川さんから自動車ジャーナリストの岡崎五朗さんの記事に対して『岡崎五朗氏『EVシフトは誰のため? その裏に潜む投資マネーとユーザー無視の実態』の指摘って本当?』っていう記事を書きたいと相談された時には少し困惑しました。かなり昔のことですが、週刊SPA! という雑誌で編集部のUさんや今もCOTY選考委員として活躍するOさんらとともに『オートランドSPA!』という自動車情報ページを立ち上げた頃、当時、ジャーナリストとして活躍を始めていた五朗さんと挨拶を交わしたことがありました。その後ご無沙汰はしていますが、五朗さんは電気自動車をことさらに敵視しているわけでもなく、昨年急逝した共通の友人と電気レーシングカートのチームで奮闘していることも存じてました。

てな個人的な事情はともあれ、他人(まして知人)の書いた記事への反論をこっちの記事にすることに、SNSで特定の誰かを批判する(個人的にそういうのは避けるようにしています)ような戸惑いを感じていたわけです。

でも、今夜も仕事を終えて夕食とともに2合ばかりの焼酎をいただき、ベッドに入ってスマホをいじいじしていたら……。思わずベッドから起き出してPCを起動しちゃうくらい「これは誤解に反論しておかねば」と感じる記事に遭遇してしまったのです。もともとエンジニアである安川さんのようにデータを示しつつ理路整然、とはいきませんが、一本書いておきたいと思います。

【その記事】

電気自動車が「本当にエコ」か疑問の声も!10年以内に買いたいクルマは「ハイブリッド車」が約3000人中で1位

『クリッカー』という自動車メディアに、平塚直樹さんという方が書いた記事です。

記事自体は2000字に満たない短信です。JAFが実施したアンケートで「約9割が(普段の生活で)環境やエコを意識」しているユーザーのうち、41.3%が「10年後の主流になっているのはハイブリッド車」と回答したことをクローズアップした上で、電気自動車は本当にエコなのか? という疑念を提示するコメントを紹介する内容になっています。

まず、その論拠となっているアンケート結果について、回答の内訳を視覚的にわかりやすい円グラフにしてみました。

意図的に電動車の色を濃くしてみました。さすがはJAFのアンケートに回答する方々です。BEVとPHEVの合計は45.9%と、ほぼ半数に達しています。つまり、本当の電動車と呼べるBEVとPHEVが主流になると考えている方が、ハイブリッド車の41.3%よりも多いのですが、この記事では「10年後に主流となるクルマもハイブリッド車が1位」という見出しに集約されてしまっています。

理想はFCVって、誰が言ってるの?

さらに、記事の中盤では電気自動車への「懐疑的な声」を紹介しています。

「電気自動車に関していうと、燃料を燃やしている場所が、車内か発電所か、というだけでどこかで燃やしていることに変わりがない」

「クルマでCO2を出すか発電所でCO2を出すのかの違い」

そうですね。だから、発電も脱炭素へ向けて進むべきなのだと思います。

さらに、「理想は燃料電池自動車なんだろうが、水素ステーションがガソリンスタンド並みの数になるのは今世紀いっぱいかかると思う」というコメントが続きます。

脱炭素社会実現に向けて、広く普及する自動車の「理想」が燃料電池車(FCV)というのは、このアンケートに回答した誰かの個人的意見なのでしょうけど、今のところあまり正しくありません。水素ステーションを「ガソリンスタンド並みの数」に増やすのは経済的合理性に反しているし、天然ガスから二酸化炭素を排出しつつ水素を生成していることや、700気圧で高圧タンクに水素を充填するための冷却や圧縮に消費する電力を考慮すると、脱炭素に向けて理想的な大衆車の動力とはいえません。これは話せば長いことですし、エネルギー多様化の方策としての水素活用を否定するわけではなく、よりベターな活用方法もあるんじゃないの? と思うので、改めて別記事でまとめてみたいと思います。

次に提示されるのが「電気自動車に興味はありますが、地方だとまだまだ充電のことも外出先でどこでも出来るわけではない」という意見です。

記事ではさらに「充電スポットなどの設備がまだまだ整備されていない地域もあり」と論じているのですが、…… えっと、それはどこのことでしょうか?

そもそも、電気自動車のメリットはガレージにコンセントがあれば自宅で充電できることです。個人的に新潟県の奥只見にある「ランプの宿」には何度か泊まったことがあり電気無しで過ごす夜も嫌いではないですが、電気が来てない家って、日本にそんなにあるのでしょうか。

「充電スポット」がいわゆる急速充電器だとしても、日本国内のチャデモ規格急速充電スポット数は現時点で約7700カ所。年々減少しているガソリンスタンドの数が全国で3万くらいなので、ざっくり1/3くらいのイメージで、「整備されていない地域」を探すのはなかなか難しいことです。

私は2013年に一充電航続距離が120km程度の改造電気自動車で日本一周しました。急速充電スポット数は全国で1300程度だったと記憶しています。当時はさすがに北海道を急速充電だけで駆け巡るのは難しく、苫小牧から札幌〜小樽〜ニセコ〜長万部〜函館と、道南エリアを「かろうじて」という感じで走り抜けました。でも、今ではそれのほぼ6倍、北海道でも宗谷岬、知床あたりまで「ちゃんと走れるな」という充電スポットが整っています。実際、兵庫の片田舎の実家に帰省する際も、急速充電スポット(探し)で困ることはありません。

「充電スポットなどの設備がまだまだ整備されていない地域もあり、電気自動車を使うのは難しいと考えている人」が多いというのは、意外と近所にある急速充電器の存在を知らない人が多い。また、執筆者である平塚さんがご存じないだけではないかと思います。

一方で、日本の電気自動車用充電インフラにはまだまだ課題があるのは事実です。わかりやすく例示すると「高速道路SAPAへの高出力器複数台設置」と「集合住宅と、宿泊施設など目的地充電用の普通充電設備の普及」を急ぐべきという点に集約できます。

若い世代ほど、興味なし

この記事で「とどめの一撃」とばかりに示されているのが、日本政府が発表した「2030年半ばまでに国内で販売する新車からガソリン車の販売をなくす」という目標に対する意見です。「かならず達成できる」から「達成できない」まで、5段階に分けた選択肢で、「達成は難しい」「達成できない」というネガティブな回答を選んでいる割合が、以下のようになっています。

**20代/65.9%

30代/61.3%

40代/56.9%

50代/46.6%

60代/35.6%

70代/27.5%

80代以上/20.1%**

あまりにも年代による差が明確で面白いので、JAFのグラフを引用しておきます。

若い人ほど、ガソリン車をなくするなんて「無理!」と思っているという結果です。これは、何を示唆しているのでしょうか。思いつくことを箇条書きしてみます。

**●環境破壊のツケを次世代に押しつけてるんじゃねーよ。

●どーせ、政府の「方針」なんて実現しないでしょ。

●まだまだ、ぼくらの世代にもエンジン車を楽しませてくれよ。**

といったところでしょうか。さらに考察すると、若い世代ほどモビリティ電動化、ひいては自動車への興味がないということかも知れません。

そんな若者のみなさんに、電気自動車にぞっこんの50代オヤジである私からいくつか提言しておきます。

**●電気自動車はエンジン車より気持ちいい乗り物ですよ。

●世界はエンジン車から電気自動車にシフトしてますよ。

●日本のユーザーが求めないと、日本のメーカーは僕らが欲しいEVを作ってくれないですよ。**

実は、ゼロエミッションであることは電気自動車の魅力のほんのひとかけらでしかありません。静かなままに、意のままに操れる加速感の気持ちよさ。自動車で移動するために消費するエネルギーの大きさに気付き、それまでよりも少しは地球に優しい行動をしようと気付かせてくれること。ちょっと大袈裟に言うと、ライフスタイルを環境コンシャスにしようという気付きとモチベーションを得られることが、 簡単に言うと「楽しくて気持ちよくて、臭くない」のが、電気自動車の本当の魅力だと、私は思っています。

(再読してわかりにくいと感じたので、少し修正しました。2021.3.5)

サーキットで100分の1秒を競うような走りのポテンシャルではまだまだガソリンエンジンの魅力が勝っている点があるのはわかりますけど、普通の人の日常生活で使うモビリティとして、電気自動車のほうがエンジン車より優れている(個人的見解です)のです。

てなことを、ちゃんと電気自動車に乗ったこともない若者や、電気自動車ガー! の先入観に凝り固まっている人に言ってもまったく伝わらないんですけどね。

と、改めて元情報ソースとなっているJAFのアンケート結果のリリース(2021年2月26日)を確認すると、クリッカーの記事はほぼリリースのコピペだったことに気が付きました。ただし、リリースでは「機能性を追求するだけでなく、見て運転して楽しいクルマが増えるといいと思います」といった意見も紹介されていましたが、記事では触れられていませんでした。つまりは、執筆者である平塚さんご自身が、電気自動車ガー! とか、ハイブリッドで十分でしょ、という思い込みを前提としてこの記事を発信されたのだろうと推察します。

でもね、「見て運転して楽しいクルマ」としては、エンジン車より電気自動車のほうが気持ちよくて魅力的(おまけにデザインやパッケージングの可能性もでかい!)ですよ、という私の思い込みも、ぜひEVsmartブログ読者のみなさんや平塚さんにお伝えしておきたいと思うのです。

そもそも、私たちユーザーにとって自動車は、メーカーが発売してくれたモデルから自分のライフスタイルや目的、予算に合った車種を選ぶことしかできないプロダクトです。また、過去の事象に回答者の思いが左右されるアンケート結果から未知の「針路」を見出すのは困難で、マーケティングの名を借りたポピュリズムを繰り返すうち、気が付くと日本のディーラーではミニバンと軽自動車が幅を利かせるようになっていたりします。

自動車のように人生や社会への影響が大きい製品の、進むべき正しい未来を見出すには、ときに消費者のニーズがまだ気付いていない「正解」を創出して突き進む、大きな意図や戦略が必要なのだと思います。

おっと、気が付くと5000字近く、かなりエモーショナルな反論記事となってしまいました。日本でもひとりでも多くの方が、少しでも早く電気自動車の魅力に気付いてくださることを願っています。あ、あと、できればメイドインジャパンで、お手頃で魅力ある電気自動車の選択肢が増えますよーに。

(文/寄本 好則)

良記事でした。

「若い人ほど、ガソリン車をなくするなんて「無理!」と思っている」というアンケート結果から私が感じるのは、残念ながら、若い人ほど低所得なので、そもそも高価格のEV車に乗る機会がない&現在のEV価格を踏まえて、無理!と言っているのかなと感じました。

EVが良く思われない原因はEVの特性を大多数の人に認知されていないというのが主な理由ですが、私の周りでEVの特性を十分認知している人でも

「高速道路SAPAへの高出力器複数台設置」

「集合住宅と、宿泊施設など目的地充電用の普通充電設備の普及」

が殆ど進んでいないという現状を理解していて購入予定車の選択肢から外している人も多数いました。

やはり、遠出のレジャーが趣味の人に充電の順番待ちを味合わせたくはないので他人にもEVは勧め辛いのも事実です。

どのような力が働いて「高速道路SAPAへの高出力器複数台設置」が阻まれているのか知りませんが、これが進まないと国内では良いイメージにはなりません。

今年はトヨタからもSUVのEVが販売されそうですので、インフラ整備を妨げる勢力も弱くなっていく事を望みます。

「高速道路SAPAへの高出力器複数台設置」

「集合住宅と、宿泊施設など目的地充電用の普通充電設備の普及」

「水素スタンドの大幅増加」

が進んだらやっとエンジン車主流の時代が終わり、EVとFCVで主用途に応じてライフスタイルに合っている方を選んで購入するという時代が来ると予想します。

毎回,記事を興味深く拝見させていただいております。

この記事と似たようなテーマで,イギリスの Fully Charged Show が非常にわかりやすいアニメをYouTubeで公開していました。

EVSmartさんで,日本語の字幕をつけたりしていただけたら面白いんじゃないかなと思いました。

ぜひやっていただけないでしょうか。

JAFニュースを読んでみました。

非常に興味深かったのは25.6%の人が10年後の主流をEVと答えたことです。解答者のほとんどはEVに乗っていないと思われる中でEVの評価が高いということです。

FCVは期待されていませんね。一般の人は意外に冷静なのではないでしょうか?

解答者がクルマを持っているかどうか?さらにどんなクルマを持っているのか?を示せばより突っ込んだ事が分かったと思います。JAFは分かっているでしょうから、ある意味日本の自動車産業の現状に危機感を持ったかもしれません。

若い人はクルマそのものにあまり興味を示しません。「2030年代までに出来っこない」と思っているのは大人(おじさん達)を信用してないせいだと思いますよ。

この事は日本の社会全体を考えれば健全な反応だと思います。クルマ離れが進めば全体数も減って行きます。8千万台という保有台数はどう見ても多すぎます。

若い人には期待したいですね。

寄本様の熱い記事も頼もしく感じました。

ここで、ひとつ気になるのが、元記事の方ではPHVと記載されていて、PHEVではありませんよね。

PHVはプラグインハイブリッドであって、ハイブリッドの電池容量を上げて充電装置を追加したもの。ハイブリッドに含まれているのが現状ではないかなぁ?プリウスもPHVですよね、三菱がPHEVと称していますが、BMWもPHVだったと、、

電動車のくくりはPHとPHV、EVとCEVではありませんでしたか?

ですから、PHとPHVを合算すると61.6%、対してEVは25.6%、、ハイブリッドの圧勝とも言えますが、

元記事の語句を勝手に変更して、我田引水な記事でもって、間違ってますよっていうのは、あんまりねぇ、、、

あ、今回メインのWIN10PCで記入してますんで、つまらん突っ込みしているモンと同一人物です。

20代後半ですが、電気以外にも、水素、ここ最近では合成燃料も本格的に動きが出始めているように感じますので、はっきり言って脱炭素に絶対的な正解はなくて、これからは各々のライフスタイルや趣味趣向に向いた形で動力源を選ぶ時代が来るのではないかと感じていますね。

oyabun様、コメントありがとうございます。PHVとはトヨタさんの用語であり、グローバルにはPHEVという用語が一般名詞として定着しています。

https://en.wikipedia.org/wiki/Plug-in_hybrid

ここにトヨタのPHVもPHEVの分類に入ることが明記されています。当サイトでは、日本を含む世界から、電気自動車に関連する情報をお伝えしたいと思っています。そのため、用語はグローバルに統一して、プラグインハイブリッド車のことはPHEVと呼称するようにさせていただいております。

元記事は明らかにタイトルがミスリーディングであると言えるでしょうね。

YOU様、コメントありがとうございます。

>水素、ここ最近では合成燃料

水素や合成燃料は、今のところコストでガソリンや電気を超えるめどが立っていないというのが私の認識です。

そのため、脱炭素の要素技術であることには間違いないですが、5-10年のスパンで実用になるかというと、それはあり得ない。現時点での正解は再エネおよび(運輸部門については)電気自動車以外にない、という考えが一般的だと思います。

いつも興味深く読ませていただいております。私もモノとしてはEVに惹かれているのですが、実用上の不便さを想像すると手を出せないでいます。 多くの記事でガソリンスタンドの減少、EV充電スタンドの増加が謳われていますが、それぞれの数を比較してもガソリンスタンドでは1箇所で数台(場合によっては10台ほど)給油できてしかも時間が短いのに対し、EV充電スタンドは1箇所で1台か良くて2台、しかも自分で数十分、さらに数十分待つ可能性があるのでは実用上勝負になりません。実用的にはスタンド数ではなくて、同時給油台数、充電台数で比較して欲しいものだと思っています。 EVの場合自宅充電がメインでしょうから都内在住の私は普段は家で充電することになるでしょうが、例えば伊豆程度に遠出する場合に途中充電しないと往復できない車では途中の充電時間、待ち時間を考えると購入はできないのが実情です。

もう一つもしご存知なら教えていただきたい事があります。石油から取れるモノの割合は決まっており、ガソリンの使用量が減っても他での使用量が減らない限りガソリンは余るのではないかと思います。EV化が大幅に進むと大量のガソリンが余ると思うのですが、そのガソリンはどうなるのでしょうか?何かに消費するのであれば環境的には今と変わらないように思えます。

安川様

確かに現時点ではそうかもしれませんが、向こうも技術 進歩しているので必ずしも有利とは限らんと考えてます。

というより、全ての動力源を電気にしたら蒸気機関車や第二次世界大戦期のレシプロ戦闘機の保存運転やクラシックカーオーナーにとっては大問題になります。

新しいものは脱炭素に貢献するべきですが、古いものを脱炭素に貢献できないと一方的に決めつけて動かなくするのは、BLMと言って像を壊すような連中と同じくらい自分としては間違っていると考えています。

実物に勝る資料なんかこの世にはないと考えていますので、静態保存よりも後世の人間に動いている姿を提供する方が魅力的だと感じています。

新しいものを作って古いものを破棄するような従来の大量生産大量消費社会の継続ではなく、古いものでも脱炭素に貢献させるようにして、新しいものと古いものを共存させて脱炭素を推進させ、後世の人間に提供できるようにするのも、今生きる我々の役目ではないでしょうか?

EVsmartブログでライターをしてる木野です。

ちょっと気になることがあるのでこちらに書き出します。

このアンケートですが、そもそも年齢層の偏りが結果にきちんと反映されていないのが気になります。

「2030年半ばまでにガソリン車を〜」の質問に対する回答を年齢別にまとめているグラフを見ると、全回答数5279に対して、20代は85人、30代は183人なのに対して、50代は1434人、60代は1808人と大きな違いがあるにもかかわらず、そのことを解説文でも説明せず、若い年代ほど「達成が難しいと考えている」と結論づけています。しかもグラフを100%で揃えているため、20代や30代の意見が実際よりも過大に評価し、見ている人に誤解を与える可能性が大きくなります。

こうしたアンケートの場合、グラフは印象を見せやすくするために使うものと、知人の統計学者から聞きました。そうすると、このグラフが印象操作のために作られたのであれば目的は達成しているなあと思いました。

もし、より正確に結果を示したいのであれば、グラフの横軸を100%にせず人数にするとか、方法はいくらでもあります。あるいは、解説文で年齢別の回答者数に違いがあることを明記してもいいと思います。そうしたことをしないのはなぜなのか、疑問を感じます。

もう一点、このグラフは「Q14」となっているので、少なくとも全体で14の質問があることになります。ひょっとすると、もっと多いのかもしれません。質問ページは閉じてしまっているので質問数が不明ですが、JAFが出したリリースでは2つの結果しか出ていません。他に何があるのか気になります。

https://jaf.or.jp/common/news/2021/20210226-001

そう考えていくと、10年先にハイブリッド車が主流になると思っているのは年齢が高い人が中心で、若い人は違う考えなのではないかとか、JAFの解説文とは違う結果が見えてくる気もします。紹介されている、「電気自動車に関していうと、燃料を燃やしている場所が、車内か発電所か、というだけでどこかで燃やしていることに変わりがない」「クルマでCO2を出すか発電所でCO2を出すのかの違い」と言う回答も、どの年齢層の人の回答なのかによって意味合いが違ってきます。年齢層の偏位が大きいので、そうしたクロス集計をしないと結果の意味を取り違える可能性があるように思います。

このアンケートの単純集計でわかるのは、例えば、JAFのサイトを見ている人はもしかしたら高齢化してるのかもしれないとか、寄本編集長が書いているように若い人はそもそも車に関心が低いのではとか、そういうことかもしれないなあと思いました。

あ、全年齢をまとめて分布を作るのは、アリです。だからEVとPHEVを合わせた期待値が大きいというのは、その通りだと思います。

ksev様、コメントありがとうございます。

>実用的にはスタンド数ではなくて、同時給油台数、充電台数で比較して欲しい

おっしゃる通りですね。電気自動車のリーダー格、テスラは日本国内でも、御殿場6基、浜松4基、大阪8基のように一か所に多くの充電器を設置しています。

海外では、40-50基を超える充電スタンドもたくさんあります。

>伊豆程度に遠出する場合に途中充電しないと往復できない車

伊豆と言ってもどこに行かれるかですが、ちょっとシミュレーションしてみました。23区内西側から南伊豆まで往復した場合、航続400kmの私の車だと冬はちょっと足りないくらい。御殿場で10分充電すれば戻って来れます。

これくらいだと別にガソリン車と大して変わらないですよね。トイレ休憩中に充電すればよいことになります。

>ガソリンの使用量が減っても他での使用量が減らない限りガソリンは余る

ガソリンは、原油精製物の中で最も高価値な商品です。そのため、現時点で、ガソリンは、自然に精製してできるもの以外にも、軽油分や重油分を分解して、改質ガソリンを作り、これらをブレンドして販売しています。まずはこの改質を辞めるとどうなるかというと、ガソリンだけじゃなく、軽油や重油も余るんですよね。そのため原油輸入量を減らすことができます。自然に精製してできるガソリンも余るようになった場合には、以下の方法があります。

(1) 軽油は現状でも余っていて、輸出しています。ガソリンも輸出が可能です。

(2) ガソリンが自然に精製してできる量(収量)の低い、より重い原油にシフトする。重質原油はガソリンの収量が低いので安いですが、必要な重油や軽油は取ることができます。

今まで、石油の重化学工業において、ガソリンが余ったことはありません。そのため、これらのプロセスは定着していませんし、存在もしていないのですが、技術的には可能ですし、今後石油コンビナートでは検討が進んでいくと思います。今度、機会があったら元売りの方に取材してみますね。

YOU様、おっしゃることには同意です。

>古いものでも脱炭素に貢献させる

正にその通りですね。ガソリン車の場合、すでに販売してしまった車については、残念ながら脱炭素に貢献することができません。そのため新しい車はせめて、すべて高燃費の車にする、というような工夫が必要になると思います。

それはハイブリッド化であり、PHEV化になると思います。

木野さん、長大かつ大切なコメント、ありがとうございます。

n数の偏り、気が付きませんでした。ご指摘、おっしゃる通りです。のちほど、引用したグラフにも注釈を追記します。

そういえば、私自身アンケートで社会の傾向を示す企画を実施する際は、最低でも200サンプルは集めるよう気をつけていたりします。今回の年代による回答数の偏りは、オンラインアンケートだからこその注意点とも言えそうですね。

年代別のサンプル数が85とか183というのを少な過ぎると問題視すべきかどうか?アンケート結果ですから・・ むしろこの手のグラフとしてはnが明示してあって良心的と言えるかも・・

アンケートの詳細についてJAFに問い合わせるのも一法かと。

あるいはEVsmart さんがきちんとした無作為調査をされることが最良かと思います。

EVブログを読ませて頂いています。

EVが増える事は必然ですし、既に40年くらい前から、BEVは世界中の工場で使われてました。

さて、EV乗用車ですが 根本的に 必要性 を理解できてません。

作る、売る、使う:走る、充電する 、整備や故障等、リサイクルする。

と言う環境が今後はどうなるか?

そこに楽しさ、満足感等が残るか?

等が広がるような発展を望みます。

平穏な日々 さま、コメントありがとうございます。

何をもって「必要」とするか、これも語れば長くなりそうなテーマではありますが。

まず、個人的思い入れでいうと、記事中にも記したように、電気自動車のほうがICEよりも優れていて「楽しくて気持ちよくて、臭くない」からです。私はいまだに喫煙者で、しばしば妻に「タバコ臭い!」と鼻の前で手をパタパタされることがありますが、10年後とか、エンジン車に乗っていると、助手席に誘った女のコに「くさぁい」と手をパタパタされる日が来るのかも知れないな、と思っています。

少し大きく考えると、EVのほうが優れた乗り物であることに世界中の多くの人が気付いて、ハイブリッドを含むエンジン車と大差ない価格で買えるようになったら、エンジン車が売れなくなります。もちろん、動力やエネルギーの多様化は大切だし、乗用車を電気自動車だけにするべきとは思いませんが、現状、日本の自動車メーカーの多くが電気自動車開発で欧米や中国のメーカーから遅れ始めていることが気がかりです。

ご指摘のような「楽しさ」や「満足感」を得られる魅力的な電気自動車、そして「できればメイドインジャパンで、お手頃で魅力ある電気自動車の選択肢」が増えることを期待している次第です。

兵庫の片田舎の賃貸住みです。

下道1時間圏内の急速充電器5軒もありません。

今の所、充電器は大体空いていますがEV普及してきたらどうなるんだろうと思っています。

私も日産がZESP2でやってた時はリーフ検討していましたが、現状では電気自動車は考えられなくなりました。

集合住宅への普通充電の普及してもらえないと賃貸住みには厳しいですね。

過去記事にて機械式でも充電設備の設置は可能、賃貸のオーナーに相談して充電設備を設置した事例は拝見しています。

ですが、機械式だと充電設備の設置が可能な割合は如何ほどでしょう?(システム的に全車室に充電設備という状況は可能なのか)

平面駐車場でもコンセントがあれば充電はできると思いますが、スペースの問題はどうなのでしょうか?

普通の駐車場幅は2.5m程と思いますが、充電用の駐車場だと3mくらいは必要でしょうか?

敷地に対して駐車可能台数台数が減ってしまいます。

紹介されている集合住宅への設置事例を見ていると、コードが邪魔にならないよう駐車場端の駐車スペースに充電設備を設置していませんか?

駐車場の数を確保しつつ全車室充電可能にする現実解はありますか?

RN様、コメントありがとうございます。

機械式だと充電設備の設置が可能な割合は如何ほどでしょう?

機械式のメーカーや構造に寄るそうです。

多くの機械式には、パレットにセンサーが入っていて、枠に収まっているか、ドアが開いていないかなどのチェックを行っています。こういうタイプでは電源を配線することも可能だと思いますが、保守メーカーが大丈夫、と言わないと難しいそうです。

一度、コンサル会社等に相談されてみてはいかがでしょうか?また、取りあえずご自身で使うなら、全パレット対応できなくとも、ご自身のパレットのみ対応してもらえば充分かと思います。

平面駐車場でもコンセントがあれば充電はできると思いますが、スペースの問題

コンセントは13cmx9cm程度のサイズなので、ほとんど場所を取りませんよ。場所がないなら、コンセントで充分だと思います。平置きなら、小型のケーブル付きでもいいと思いますが、賃貸なのですよね?それでしたら自費設置の可能性が高いと思いますし、せっかく設置されても退去時には撤去しないといけないですので、コンセントのように簡便な設備でも良いのかもしれません。

今のところ、小型のケーブル付き充電器は

https://jigowatts.jp/products/ella/

これです。先ほどのパナソニックのEVコンセントと本体サイズはほとんど変わりません。ケーブルがありますから、平置きと仮定すると、やはり杭のようなものを立ててそこに取り付け、少し下側にケーブルを掛けておくケーブルホルダーみたいなフックがあった方が使いやすいかと思います。