2019年10月2日、東京都江東区東雲に『東京ベイ スーパーチャージャーステーション』がオープンしました。テスラジャパンのスーパーチャージャーとしては国内で22カ所目、東京都内では六本木、丸の内、お台場に次いで4カ所目のスーパーチャージャーステーションとなります。
小型の「アーバンスーパーチャージャー」を8台設置
今回の東雲「東京ベイ」に設置されたのは、120kW(公称)のスーパーチャージャーよりも小型で出力72kWの「アーバンスーパーチャージャー」です。アーバンタイプが設置されるのは京都(リーガロイヤルホテル京都に4台)に次いで2例目となります。
設置された台数は8台。各充電器には「1A、1B」「2A、2B」「3A、3B」「4A、4B」と2台1組で番号が振ってあります。これは、各組ごとに引かれている150kWの電源を2台に分割して使用しているからとのこと。
ちなみに、120kWのスーパーチャージャーは各所で4〜6台(鳴門は8台!)設置されています。この場合もおおむね2台1組に対して145kWの電源が引いてあり、先に接続した充電器で最大出力を発揮。急速充電は常にフルパワーが出るわけではないので、後から接続した充電器では余剰分の電力が供給される仕組みになっているそうです。
10月19日〜20日には試乗イベントを開催!
テスラジャパンでは『東京ベイ スーパーチャージャーステーション』のオープンを記念して、10月19日(土)と20日(日)の2日間、この『東京ベイ スーパーチャージャーステーション』でテスラ車の試乗イベントを開催します。
モデルS、モデルX、モデル3の試乗が可能とのこと。参加希望の方は、下記リンクのフォームから申込してください。
『東京ベイ スーパーチャージャー 試乗イベント』申込ページ(テスラジャパン)
約150カ所の「デスティネーションチャージングステーション」も独自に整備
オープン記念のトークライブで語られているように、CHAdeMOの急速充電器や200Vの普通充電器が使えることに加えて、スーパーチャージャー、そしてホテルなどに設置されているテスラ専用の「デスティネーションチャージング」の充電設備を独自に整備しているのが、テスラの大きなアドバンテージです。
全国のデスティネーションチャージングステーションは約150カ所。出力は10〜16kWで施設によって異なりますが、通常の200V15A=3kWの普通充電の数倍の出力で充電することが可能です。充電料金もほとんどの場所で無料(一部有料。詳しくは EVsmart でスポット毎にご確認ください)です。
スーパーチャージャーでも、充電会員カードなどによる面倒な認証などの手間はなく、プラグを挿せば自動的に認証されて利用料金は登録したクレジットカードに課金されるシステムになっています。
このスマートさをCHAdeMOや他メーカーにも見習ってほしい
日本国内に設置されている公共の急速充電施設に目を転じてみると、テスラの専用充電設備に比べて「なんでそうなるの?」という点が目に付きます。
まず、出力とスポット当たりの設置台数です。CHAdeMOの急速充電器は最大出力が50kW。最近、新電元の90kW器が登場していますが、設置されているのはまだ全国で10数カ所程度だけ。もっとも、日産リーフe+ 以外、日本国内で発売されているテスラ車以外の電気自動車(EV)やPHEVは50kW以上の高出力を受け取ることができないので、なかなか普及しないのもやむなしではありますが。
ジャガー「アイペイス」やメルセデス・ベンツ「EQC」といった80〜90kWhの大容量電池を搭載した新登場の高級EVが、日本では相次いで「最大50kW」対応になってしまっているのは、とてももったいないことだと思います。
さらに、利用頻度の高い首都圏の主要高速道路SAですら、CHAdeMOの急速充電器が複数台設置されているのは、東名の海老名、足柄、中央の談合坂などの2台がやっと。1台だけのSAPAはもちろんのこと、2台設置のSAでも休日の午後などには充電待ちが発生するのは当たり前といった状況になってきています。
テスラが単独で整備しているスーパーチャージャーは4〜8台の複数台設置をしているのに、より利用ニーズが高いはずの主要高速道路SAPAで1台、せいぜい2台しか急速充電器が設置されないのは、今後の電気自動車普及を考えると「まったく足りない」としか言いようがありません。
また、道の駅やコンビニなどでは、20〜30kW程度の出力の充電器が「急速充電器」として広がってしまっているのも悩ましいところです。
前述したように、テスラのデスティネーションチャージングステーションはいわゆる「普通充電」ですが、出力は10〜16kW、多くの施設で最大16kWでの充電が可能です。経産省では充電器の出力に応じた従量課金の制度などが検討されているようですが、新しい電気自動車ユーザーが、こうした充電器の出力の違いなどを理解して適切に使いこなすのは、なかなか大変なことだと思います。
先だって、アイペイスで兵庫まで遠征した際には、コンビニの20kW充電器を活用させてもらいましたが、ほんとに、笑っちゃうくらい電気が入っていきませんでした。アイペイスの電池容量は90kWh。20kW器で30分フルに充電できたとしても10kWhで、約11%しか入らないですから、当然といえば当然の感想なんですけど。ほぼ空から満充電にする(そんなことしないけど)ためには、10回くらいおかわりしなきゃいけないことになります。
日本国内で高出力急速充電器、そして複数台設置が進まないのは、高圧受電のコストが障壁だといわれてきました。たとえば、今回の東雲のスーパーチャージャーで考えると、150kW×4系統=最大600kWですから、たとえば東京電力エナジーパートナーで契約する場合、基本料金が1,815円/1kWなので、基本料金だけで月額約109万円、電力量料金が1kWhあたり15〜16円程度必要です。
テスラジャパンでは電気料金の負担形態などについては「開示していない」ということですが、普通に考えればテスラが負担して、それが車両価格にも反映されていると思われます。つまり、高出力での充電サービスを利用できる対価としてユーザーが分担して負担している、と考えることもできます。
私は日産リーフのユーザーなので、月額2000円のZESP2、しかも中古車のキャンペーンで実質4年間無料の恩恵にあずかっていますが、高速道路に急速充電器を増設するために必要であれば、適切な負担が課せられることに異論はありません。
テスラと他メーカー、CHAdeMOというかNCS(日本充電サービス)のスタンスの差は、ユーザー目線があるかないかの違いではないかという気がしてなりません。先頃、NCSを解消して「株式会社e-Mobility Power」が事業を継承するという発表もありました。テスラの「ユーザー目線」を見習って、テスラ車以外でも快適な充電環境が日本に広がることに期待しています。
(寄本好則)





