中国で進展するEVバッテリー交換方式の『ビッグ3』~NIO, Aulton, Geely

中国で電気自動車のバッテリー交換システムを進めているのはNIOだけではなく、AultonやGeelyも含めて「ビッグ3」となりつつあります。『ChinaAutoReview』元編集長で、中国のEV情報をポッドキャストやSNSで発信しているLei Xing さんから英文記事を寄稿いただきました。今回は全文日本語訳でご紹介します。

中国で進展するEVバッテリー交換方式の『ビッグ3』~NIO, Aulton, Geely

【原文英語記事】
NIO, Aulton & Geely : a look into China’s EV battery swapping “Big 3”

中国EV市場でバッテリー交換が旋風を巻き起こす

ガソリン車のようにかかる時間は数分で、使い切ったバッテリーをフル充電済みのものに交換できるとしたら、EVを充電するために何時間も待つ人はいないでしょう。

このビジネスモデル及びテクノロジー・イノベーションは新しいものではありません。イスラエルのスタートアップ企業Better Placeが10年以上前に初めて開発し、現在は中国のEVセクターで旋風を巻き起こしています。Better Placeはパイオニアではありましたが規模を拡大できませんでした。しかしNIO、Aulton(奥動新能源)、Geely(吉利汽車)が完成に近づけています。ここ数週間で、中国のスマートEVスタートアップ、バッテリー交換オペレーター・サードパーティー、自動車メーカー、各分野でのリーダーすべてが中国と世界でのバッテリー交換拡大戦略に関する大きな発表をしました。

9月29日、NIOは中国で500番目のバッテリー交換ステーションをオープンしました。当日中にその数はトータルで504(10月12日時点で535)に達し、既存のステーションを含めてこれまでに累計400万回以上の交換が行われました。今年始め、NIOは2021年中に中国国内で最低でも700(以前は500)、2025年までに世界で4,000(国外は1,000)のステーションをオープンする予定であると発表しました。

同日、AultonはNIOキャピタルやBAIC BJEV(北京新能源汽車股)などからシリーズBで15億元(約268億3,165万円)を得て、現在までに合計35億元(約626億718万円)の資金を調達しました。社は2025年までに、100の国内都市に1万の交換ステーションを作る目標を立てており、充電できるEVの台数は1,000万台になります。

9月26日、Geelyは2025年までに中国国内で5,000のバッテリー交換ステーションを作る計画であると発表しました。社で初のステーションは重慶市に2020年9月にオープンしたばかりです。以降、事業は国内で10の省に広がりました。

以上により、2025年までにNIO、Aulton、Geelyで合わせて1万9,000のバッテリー交換ステーションが作られることになります。中国でのバッテリー交換におけるプレイヤーは決して彼らだけではないのですが、事業拡大に関しては最も積極的な計画を立てています。よって私は3社をEVバッテリー交換の『ビッグ3』と呼びます。

さてバッテリー交換ビジネスのテクノロジー、価格、サービスにおいて、3社の違いは何でしょうか。バッテリー交換は見世物か、それとも実際に利益を生むのか。この新しいビジネスモデルが出てきた背景とその将来性はどのようなものか。詳しく見ていきましょう。

NIO~BaaS(バッテリー・アズ・ア・サービス)

Better Placeがもうすぐ倒産するところだった2012年に、NIOの創始者でCEOのWilliam Li(李斌)氏はスマートEVスタートアップ設立を真剣に検討しており、バッテリー交換は鍵となる戦略で強みになると考えていました。テスラにとってのスーパーチャージャーネットワークのように、バッテリー交換は今、NIOが他社と一線を画す鍵となっています。

ただしNIOはバッテリー交換だけの会社ではありません。2014年にNIOパワーグリッド・テクノロジーを用いた次世代のバッテリー交換へのアプローチを導入した際、ユーザー体験をより良くすることに焦点を当て、複数の充電ソリューションを提供することを目標としました。戦略のコアはNIOの充電・交換・アップグレードが可能な「スマートパワー・サービスシステム」をベースとしています。バッテリー交換がこのシステムを支え、さらにNIO独自のスーパーチャージャー、目的地充電、そしてサードパーティのオペレーターが提供する公共充電が補完します。2018年5月に最初のバッテリー交換ステーションが操業開始して以来、535のステーションが10月12日時点までにオープンしました。加えて2,438台の充電器を382のスーパーチャージング・ステーション、3,033台の充電器を542の目的地充電ステーションに設置し、サードパーティの充電器は国内全体で41万台あります。

ビジネスモデルが残念ながら時期尚早だった(2000年代の終わりに、EVはまだ広く認知されていませんでした)ことを除いて、Better PlaceとNIOで違ったのは、前者が車を作らず後者はバッテリー交換テクノロジーを埋め込んだ車両を自前で作り上げたことです。したがってNIOは中国で多数の都市にステーションを拡大し、Better Placeよりも多くのユーザーに届けることができたのです。

現在ユーザーはNIOのバッテリー交換ステーションに行き、5分で新しいバッテリーパックと交換(交換そのものにかかる時間は3分間ほどです)できるのですが、これはガソリンタンクを満タンにするのと同じくらいの時間です。すべてのプロセスは今年4月中旬にローンチしたNIOの第2世代バッテリー交換ステーション(パワースワップ・ステーション2.0。4月15日に北京で初号機が稼働し、10月12日までに330がオープンしました)で、自動で行われます。ステーションの前に運転して行き、車内のスクリーンにあるコントロールボタンをクリックすると、作業が開始されます。正しい位置に停車するメカニズムになっている交換台の上まで車は自動運転で行き、タイヤを正しい位置に合わせます。交換が終わったら、バッテリーが正しくインストールされたか、またバッテリーシステムにバグがないか検査が行われます。その後、車は自動運転で交換装置から自ら出てきて、ユーザーが運転するための準備を終えます。

ステーションでは、すべてのバッテリーパックに綿密な電気的パフォーマンスの検査がされます。問題がなければバッテリーは充電され、次のユーザー用に準備されます。しかし何かあれば、システム内のバッテリーすべての安全面を確保するため、バッテリーは修理のためにラインから取り出されます。NIOはバッテリーパック、車両、バッテリー交換ステーション、クラウドベースのスケジュール管理システムで1,500ほどの特許を取得しました。交換プロセスそのものにも特許取得済みの独自技術である「ベイボルト・ロッキング・メカニズム」が使われており、バッテリーのサポートに適切な強度を保ち、何千回もの分解・取り付けにも耐えられるようになっています。このロッキング・メカニズムだけでも20の特許が使われています。

パワースワップ・ステーション2.0には14のバッテリースロットと13の充電済みバッテリーが備え付けられ(※スロットの1つは使用済みバッテリーの回収用)、1日に312回のバッテリー交換ができます。交換効率が目覚ましく上がり、前世代の機種から3倍の量となりました。加えて車両が自動運転でステーションに入れるよう、各ステーションには視覚認識技術を最大に活かす239のセンサーと4つのクラウドコンピューティングシステムが採用されています。

料金に関しては、2020年10月11日以前に車両を購入したユーザーには無料バッテリー交換サービスが永久保証されます。2020年10月12日以降に購入したユーザーには、月6回までの無料交換がつき、追加料金は(新しいバッテリーの電力量-使用済みバッテリーの電力量)kWh x (地域の電力料金+サービス料)となります。よってkWhあたりでは周辺の急速充電より少し高い価格が請求されます。

場所も重要です。NIOは戦略的に、バッテリー交換ステーションをできるだけユーザーに近い位置にオープンしています。ユーザーはステーションから3km以内にある住宅を「交換ステーション地区家屋」と呼びます。現在NIOユーザーの約30%が交換ステーション地区に住んでおり、2025年までにそのシェアは90%まで増加すると予測されています。NIO は石油化学製品大手のシノペック(中国石油化工集団)とも協業しており、大きなガソリンスタンド跡地をバッテリー交換ステーションの拡大に活用しています。事実、4月に北京でオープンした初のパワースワップ・ステーション2.0は、2社の戦略的パートナーシップが締結された後、シノペックのガソリンスタンドのすぐ隣に建てられました。シノペック自身も伝統的な石油製品販売からオイル、ガス、水素、電気、燃料以外のビジネスを統合したエネルギーサービス・プロバイダ―として変化を加速させています。これから先数年で、NIOをメインのパートナーとしながら5,000のバッテリー充電・交換ステーションを設置する計画を立てています。

さらにNIOは、中国の主要高速道路沿いに100を超えるバッテリー交換ステーションをオープンしており、2022年2月上旬に始まる中国春節の前に「5縦断、3横断、4都市クラスター(北京、上海、深圳、成都/重慶)」と呼ばれる高速道路上にバッテリー交換ネットワークを完成させるプランを立てています。

しかしNIOは、航続距離の不安や長い充電時間を解消するバッテリー交換だけのためにこれらすべてを行っているわけではありません。むしろバッテリー・アズ・ア・サービス(BaaS)と呼ばれるビジネスモデルを提供するためなのです。2020年8月に始まったこのサービスによってユーザーはバッテリー無しで車両を購入することができるようになり、イニシャル・コストは7万元(約125万円)減りました。ユーザーはサブスクリプションモデルに登録し、毎月バッテリーの「リース」にお金を払います(70kWhで980元≒1万7,000円、100kWhで1,480元≒2万,6,000円)。パワースワップ・ステーションではさらに選べるバッテリーサイズの選択肢が多く、ニーズによってサブスクのアップグレードやダウングレードもできます。NIOはバッテリーの購入や所有を取り扱うバッテリー・アセット会社を設立し、BaaSモデルに登録したユーザーにバッテリーパックをリースしています。

さらにNIOはノルウェーでES8のデリバリーをスタートし、バッテリー交換とBaaSモデルを欧州に輸出し始めました。最初の4つのステーションはテュフ ラインランドCEマーキングとテュフマークを獲得し、今年末までに操業が始まります。2022年にはノルウェーの5つの都市でバッテリー交換ステーションがオープンする予定です。

バッテリー交換とBaaSで、NIOは「一石数鳥」の効果を出しています。充電へのアクセスが簡単でないユーザーの航続距離や充電時間に関する不安を和らげ、国内でのより長いロードトリップを可能にし、車両購入の初期費用を下げ、バッテリーサイズのアップグレード・ダウングレードの自由を提供しました。

Aulton~まとめて20秒で交換

信じるか信じないかはあなた次第ですが、Aultonはバッテリー交換の真のパイオニアかもしれません。社はBetter Placeよりも10年も前、2000年にビジネスモデルのリサーチを開始しました。State Grid(国家電網)やSouthern Grid(中国南方電網)と協力し、初期のバッテリー交換ソリューションや商品のパイロット版が2008年の北京オリンピック、2010年の上海万博、2010年の広州アジア競技大会で使われました。現在は自らを世界最大の商業バッテリー交換オペレーターと主張し、1,600以上のバッテリー交換特許と世界で初めてバッテリー交換設備でのCEマークを取得しました。

公式の会社概要によると、Aultonは「EVバッテリー交換サービス、バッテリー・ライフサイクル・マネージメント、バッテリー交換ステーション商業オペレーションにフォーカスした新エネルギー車両モビリティ・ソリューションのプロバイダー」です。社は「バッテリー交換機器のメーカーであり、電気乗用車・商業車のサービスオペレーター」でもあります。

バッテリー交換を商業サービスに組み込み始めた黎明期には、Aultonは販売台数において中国で6番目に大きい自動車メーカーのBAICグループ及びその親会社のBAIC BJEVと戦略的パートナーシップを組みました。BAIC BJEVは中国の大手EVメーカーで国内のタクシー会社に多くのEVを供給してきました。社が出しているEUシリーズEVをベースにしたバッテリー交換可能な電気タクシーの多くが、選ばれた都市で実際に使われています。ここ数年でAultonのサービスはさらに複数の都市に拡大し、EVのモデルも増やしています。

社によると、8月末時点で24の都市で481のバッテリー交換ステーションが操業中もしくは建設中で、1,700万回以上のバッテリー交換を終えたということです。またAultonが一緒に開発した、合計22のバッテリー交換可能なモデルが14のOEM(GAC AION S、BEIJING EU5, Hongqi EQM5 Roewe Ei5を含む)からすでに市場に出ています。

NIOやGeelyのバッテリー交換サービスは自社ブランド車両のみですが、Aultonのビジネスはタクシーやライドシェアリングに焦点を当てながら複数のOEMやモデルに提供されています。個人客には、少なくとも今のところサービスを行っていません。

Aultonが他と違うもう1つの点はスピードです。1年前にお披露目された社の最新バッテリー交換ステーション(4.0)は、世界最速のたった20秒でバッテリー交換プロセスが終わるそうです。そのためにAultonはフレキシブル・バッテリースワッピング・ベイ、スマート認識システム、バッテリーパック保管マネージメント、の3つのコアテクノロジーを配備しました。安全性に関しては、ステーションでは光ファイバー・マルチポイント温度測定と、バッテリーのライフサイクル・マネジメント用インテリジェント・モニタリングが使われています。さらに便利でシンプルな電子決済を提供し、ユーザーフレンドリーな仕様になっています。

バッテリー交換料金の決まり方も、NIOやGeelyと少し違っています。サービスが受けられるほとんどの都市では距離によって決まります。商業利用の顧客にとって重要な操業コスト削減のために利用回数、電力量、その他のオプションから選ぶこともできます。

NIOのようにAultonもシノペックと協業し、中国全土で3万を超えるガソリンスタンド跡地にバッテリー交換ステーションを拡大しています。

Geely~遅れてきた野心家

Geelyはバッテリー交換パーティに遅れてきたかもしれませんが、その野心では負けていません。

子会社のGeelyテクノロジー・グループは1,000人以上の人員から成る研究開発チームを作り上げてオペレーティングサービスやバッテリー交換車両アーキテクチャ開発に関する数百の特許を取得し、2017年にバッテリー交換テクノロジーの研究を始めました。

社は2021年世界インターネット大会烏鎮サミットで、E-Energeeと呼ばれる特許取得済みのバッテリー交換テクノロジーを展示しました。2020年9月に重慶でE-Energee初のバッテリー交換ステーションが稼働してから、サービスは1年で天津、浙江省、山東省、江蘇省、湖南省、海南省、安徽省など10の省・国内都市に拡大しました。

E-Energyサービスでは、満充電のバッテリーに1分以内で交換ができ、支払いは自動登録支払いサービスが使われるため、ドライバーはステーションに運転して入り、車から降りることなく自動でプロセスを終えることができます。現在のE-Energeeサービスはバッテリー交換によって長い充電時間をカットでき、効率性が非常に高いため、主に商業モビリティ車両群に使われています。急速充電よりは高くなりますが、節約した時間でさらに多くの乗客を乗せて収入を増やせるので、運転手に称賛されています。

126㎡のステーションはどこでも簡単に設置でき、毎日1,000台のバッテリーを交換できるくらいのスピードを持ちます。バッテリー交換は自動洗車場の体験に似ていて、ステーションは自社で取り扱える車種か判別し、シャシーからバッテリーを交換してワイヤレスの支払いを済ませるという作業をスムーズに自動プロセスで行います。

ステーションの別のセクションでは、自動バッテリー検査と使用済みバッテリーの急速充電が行われます。車両搬送システム、バッテリー交換システム、急速充電システムを含むすべての可動部には、1万6,000種以上の耐久テストが行われて最低10年の寿命が見込まれています。

ステーションにはユーザーと環境の安全のため、どんなに小さな危険も取り除く3層の防火システムが設置されています。また各ステーションはIoTと車両エコシステムに接続されており、例えば不具合のあるバッテリーパックを取り除く作業など、バッテリー交換ネットワークのオペレーションを最適化しています。

ステーションを現在最も使っているのはGeelyのLifan Maple 80V EVですが、ホイールベースが2,700mmから3,100mmのGeely車両ならば取り扱いが可能で、最低10年はサービスを続けられます。

Geelyの広報代表は、私がこの原稿を書いている時点で77のバッテリー交換ステーションが稼働しており、これから数週間でさらに18が追加されると話してくれました。よってNIOやAultonに比べると、そこまでの数ではありません。2025年までに5,000という目標を鑑みるに、Geelyにはビッグ3の中でも一番多くの仕事が残されています。

見世物か実益か

ここまででEVバッテリー交換『ビッグ3』の全体像と違いがおわかりいただけたかと思います。バッテリー交換というサービスは同じですが、各自そのアプローチは異なっています。

Better Placeが10年以上前に言うべきことを言っていたとすれば、ビッグ3は確実にやるべきことをやっています。バッテリー交換は、ここ数年でなぜ中国で急増したのでしょうか。

まず始めに、中国が新しいテクノロジーやビジネスモデルにおいて外国を追い抜くため、トップからの政策的サポートがあったことが挙げられます。

毎年行われる全国人民代表大会において、バッテリー交換の表記は2020年から2年連続で中国首相の李克強による政府活動報告に含まれていました。2020年にいわゆる『新基建(新インフラ)』建設強化の一部として初めて言及され、2021年には同じメッセージが伝えられました。2020年7月、工業情報化部の副部長である辛国斌氏は、NEVの質を伴った成長を促進するためにバッテリー交換インフラ建設を進めるよう、さらに注力すると話しました。辛氏によると、バッテリー交換モデルは北京や海南を含むいくつかの地域で試験運転がなされ、一般企業も新しいバッテリー充電や交換テクノロジーを開発するよう奨励されたということです。

2020年4月、中国財務省は30万元(約535万円)以下の新エネルギー乗用車購入に出されている補助金を2022年末まで延長すると発表しました。ただしNIOが出しているバッテリー交換モデルのEVはすべて30万元以上するので、このケースには当てはまりません。

国務院が2020年11月に発表した新エネルギー自動車産業発展計画(2021~2035年)では、建設のスピードを上げ、促進を強化する部門としてバッテリー交換が強調されています。また多くの省や都市が独自のバッテリー交換サポート用政策を発表しました。

2番目に、ビッグ3は少なくとも現時点でバッテリー交換ビジネスモデルが実用化でき、自家用車のオーナーやタクシー運転手などユーザーに歓迎されていることを証明しました。このテクノロジーはEVを所有する際の痛いポイントを解決してくれます。充電時間です。これはかなり重要なので、2020年8月に全国自動車標準化技術委員会(NTCAS)が承認した、国の基準を定める「EV電池交換安全要求」のドラフト作成の作業にはNIOも参加しました。これはEVバッテリー交換に関する初の国家基準です。

最後に、バッテリー交換ステーションは電力網を補完する蓄電ステーションとして、ピークアワーには電気を電力網に送ることも可能です。

一方で、バッテリー交換が直面する一番高いハードルは標準化及び相互運用性です。NIOは自社のバッテリー交換ステーションがNIO基準に沿う限りサードパーティにも開かれていると公にしていますが、様々な利害関係があるため言うのは簡単でも実現するのは難しい状態です。これらのバッテリー交換ステーションを作って運用するには巨額の初期費用もかかるので(数千万元と言わずとも、数百万元がほとんどです)、コストを回収して収益性のあるビジネスモデルにするには時間がかかります。

しかし中国がEVバッテリー交換の先頭を行っていることは否定のしようがなく、5年もかからずに(少なくとも中国の)どこでも見かけるものとなるでしょう。

(原文/Lei Xing 翻訳/杉田 明子)

【参照リンク】

Official statement of the ‘Big 3’.
Geely Aims to have 5,000 Battery Swapping Stations by 2025(Geely)
8 Reasons Why Geely’s Battery Swapping Tech Could Be the Future for EVs(Geely)
NIO’s Newest Generation Power Swap Station 2.0(NIO on YouTube)
NIO Power Swap Station 2.0 Starts Operation in Beijing(NIO)
The Current State of EV Battery Swapping(NIO)
A Brief History of Battery Swapping(NIO)
Chinese automakers strive to develop battery swapping business(Gasgoo)

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この記事の著者

杉田 明子

2010年代に住んでいた海外では'94年製のフォード→'02年製のトヨタと化石のような車に乗ってきました。東京に来てからは車を所有していないのですが、社用車のテスラ・モデル3にたまに乗って、タイムスリップ気分を味わっています。旅行に行った際はレンタカーを借りてロードトリップをするのが趣味。昨年は夫婦2人でヨーロッパ2,200キロの旅をしてきました。大容量バッテリーのEVが安くレンタルでき、充電インフラも整った時代を待ち望んでいます。

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