Honda eでつぎはぎ日本一周にチャレンジする企画の第5回。三重県を訪ねる機会があったので「みだれ打ち(都道府県単位で日本一周達成を目指す)」することに。歴史ロマンあふれる名所めぐりやEV仲間との交流を楽しんできました。
イベント参加ついでに三重県を周遊
三重県多気町のリゾート「VISON(ヴィソン)」で2026年5月16~17日に開催されたミーティング「EV Camp VISON 2026」に参加してきました。イベントについては編集長のレポートをお読みください。
筆者も、テスラオーナーズクラブジャパン(TOCJ)に誘っていただき、Honda eオーナーズクラブの一員として参加しました。いろいろ声をかけてくださる方も多く、夜はV2LでBBQを楽しむなど、EVキャンプらしい時間を過ごすことができました。
で、せっかく行くのだから、ついでに三重県を回りたい、と考えたわけです。多気町はちょうど三重の真ん中あたり。まず南部の熊野エリアなどを走って、戻ってきてEVキャンプに参加、帰りがけに県北をめぐる、という周遊プランです。
昼過ぎに東京を出発して、三重県境に到達したのは午後8時ごろ。四日市の湾岸夜景などを眺めつつ、国道を南下します。伊勢オートモール(玉城町)のパワーエックスで三重県で初(東京からは3回目)の充電タイムになりました。深夜でしたが近くのファミレスが営業中。軽食をとりつつ、ネットで宿を探します。
バタバタで予約した宿でもEV充電ができました!
伊勢にも見どころはたくさんあるのですが、観光は翌日以降と割り切って、紀勢自動車道で尾鷲市まで移動することにしました。予約したのはシティホテル望月という宿。バタバタの当日予約だったにもかかわらず、なんとEV充電器が使える宿でした。駐車場にピヨチャージの3.2kW充電器が8台あって、深夜着にも関わらず車室も空いていました。ラッキーです。
夜明け前にチェックアウトしたので充電時間は約4時間半でしたが、ほぼ満充電。幸先の良いスタートが切れました。まずは三重県の南端・紀宝町を目指します。
紀伊半島南部は、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一角を成す歴史スポット。熊野三山やその巡礼路「熊野古道」が有名で、三重県にも巡礼路のひとつ「伊勢路」があります。
地質の関係なのか、奇岩の名所が続々。無数の海蝕洞が連なる「鬼ヶ城」、名前通りの「獅子岩」、巨大な岩がそのまま御神体になっている「花の窟(いわや)神社」などなど。古代から続く信仰のかたちを垣間見せてくれます。
名瀑の景色を楽しみながら6kW普通充電
和歌山県境で折り返し、山中へ進路を取ります。飛雪の滝(紀宝町)という観光スポットを訪ねてみました。30mの高さから水が落ちてくる滝壺の周囲がキャンプ場になっています。到着してみると充電スポットの青看板が。駐車場にエネチェンジの6kW充電器が4台設置されていました。せっかくなので充電することにします。
運転席から滝が眺められるように駐車。水が流れ落ちる音が届いてきます。のどかです。キャンプ場の人が「滝壺で泳げますよ」と勧めてくれました。夏なら飛び込んじゃうかも。日本各地のEV用充電器には景色の良いところがたくさんありそうですが「充電中に滝で癒される充電器」は珍しいと思います。キャンプしている間に充電できるのもいいですね。
続いて目指したのは「三県境」。3つの県境が一点で交わる三県境は全国各地に点在していますが、三重県には9ヶ所も。その理由は飛び地です。村が丸ごと飛び地になっている和歌山県北山村があるために、熊野川流域に三重、和歌山、奈良の三県境が5つも密集しています。
標識がそっと立っている程度で、地味な地理スポットではあります。ただ、明治の初めに、熊野川の木材運搬を通じて結びつきが強かった和歌山県への編入を村の住民が強く望んだ、なんて飛び地ストーリーを知ると、眼下の川が趣深く感じられるのでした。
さらに瀞峡(熊野市)や丸山千枚田(同)などに立ち寄って、海岸沿いに戻ります。道の駅海山(紀北町)で再び経路充電。ここはeMPの充電器ですがEV充電エネチェンジアプリと連携した「EVおでかけ充電プロジェクト」の対象スポットで、ビジター用のコード入力などは不要でした。
国道260号を走って伊勢志摩エリアへ向かいます。リアス式海岸は、次々と景色の良い場所が出てくるので、つい寄り道してしまいます。日没は夕陽スポットとして知られる桐垣展望台(志摩市)で楽しみました。
日が暮れてきたので宿&充電器探し。充電器のある宿がベストですが、こういう行き当たりばったりの旅だと、なかなかそうもいきません。検索すると、鳥羽市内にFLASH(テンフィールズファクトリー)のCHAdeMO・NACS両規格対応充電器があって、その近くの宿を取ることができました。
FLASHは格安の従量制料金(44円/kWh)で会員登録も不要、クレカやQRコードで決済できるという、リーズナブルな充電器です。今回は30分でSOC70%まで回復させてから、宿にチェックインすることができました。
遭遇したおじさんの優しさで夫婦岩の日の出を堪能
夜明け前に起床して向かったのは二見浦の二見興玉神社(伊勢市)です。白装束の人が大集結していてびっくり。知らずに訪ねましたが、夫婦岩の間に太陽が登る時期でした。遠慮して少し離れたところで日の出を待っていると、おじさんが「そこじゃ見えないから、こっちこっち」と手招き。景色と優しさにすっかり癒されました。
千葉編、茨城編と2回続けて見逃していた日の出をやっと拝んで、パールロードなどで早朝ドライブを楽しみつつ、多気町のEVキャンプ会場へ。全国から集まってきたEVユーザーのみなさんと合流します。「ホンダEV合同ミーティング」(関連記事)などでご一緒した江崎香織さんのN-VAN e:とマイカーを並べて展示しました。
Honda eオーナーズクラブの地元在住メンバー、ワイリーさんも来てくれたので、カスタム車展示にも参加。ささやかながらホンダEVの魅力をアピールすることができました。夜にはヒョンデモータークラブジャパン(HMCJ)のみなさんと合同でBBQを楽しみました。
Honda e仲間とランデブー
キャンプは1泊だけでしたが、EV仲間との交流は翌日も。キャンプには参加できなかったHonda eのばにらさん(愛知在住)が道中に付き合ってくれることに。朝のコーヒーを飲みつつスターバックスで充電してから、ランデブー開始です。
風力発電の風車が立ち並ぶ青山高原(伊賀市)、山中に突然現れる謎のソニック像(同市)、江戸時代の風情が残っている東海道関宿(亀山市)などをめぐりました。伊賀エリアは、自然の中を快走できる道がたくさん。2台で走るだけでも楽しい上に、運転をお願いして走行シーンなども撮影できるのは、「EV×絶景」企画としてはありがたい限り。
充電は、ばにらさんがよく使っているという鈴鹿市の農産物直売所「みどりのだいち」にあるFLASH充電器を教えてもらったのですが、航続可能距離が微妙に足りず。伊賀SAのeMP(90kW)で10分だけ継ぎ足しチャージして辿り着きました。
みどりのだいちには急速充電器が2基並んでいるので、2台同時に充電できます。缶コーヒーで一服しながら雑談。2人で走ると充電タイムもレジャーになりますね。
複数口の急速充電器にインフラの進化を実感
思い出したのは、Honda eに乗り始めた5年前の状況です。同じ車に乗る自動車評論家の片岡英明さんと新潟に行く機会を得ました。でも当時の急速充電スポットは1ヶ所1基が当たり前で、一緒に走っているのに充電は別の場所を選ぶという理不尽なことに。最近は充電スポットの複数口化が進んで、EVを連ねてのドライブも不自由がなくなってきました。充電インフラの進化を感じます。
今回は、洗い越しも初体験。道の上を川がそのまま横切っている場所のことです。なんとなく秘境のイメージがありましたが、朝明川の洗い越し(菰野町)は地元の人が子連れで遊びに来たりしていて、のどかな雰囲気でした。
その後、Honda eオーナーズクラブのメンバーがデザインを担当した某施設を見学に行ったら、なんと、別のメンバーが犬を連れて散歩しているのにバッタリ。自宅にお邪魔して雑談タイムを楽しみました。三重編は、EV仲間との時間を満喫できる旅になりました。
それにしても犬の散歩と縁が続きます。千葉でもワンちゃん連れの友人に出会いましたし、二度あることは三度あるというので、期待しましょう。
アプローチについて追記しておきます。バッテリー容量35.5kWhのHonda eだと、東京―三重間は充電が片道2回以上必要です。今回は、往路で東名高速の富士川SA(静岡県富士市)と道の駅とよはし(愛知県豊橋市)、復路は同じ道の駅とよはしと新東名高速の駿河湾沼津SA(静岡県沼津市)で充電しました。
往復とも使った道の駅とよはしの急速充電器は、この日本一周旅レポートでもお馴染みの従量制パワーエックスです。じつは静岡県函南町にもパワーエックスの充電器があって、東名間の移動は国道1号~23号バイパスを活用しつつ、その2ヶ所で済ませることが増えています。ただ、少し遠回りなので、今回は時間節約と疲労軽減のため、SAPAの充電器をビジター利用しました。
みだれ打ち日本一周の記録⑤
<充電スポット>
【11】富士川SA/37%→75%(19分)
【12】道の駅とよはし/14%→96%(45分)
【13】伊勢オートモール/26%→88%(40分)
【14】シティホテル望月/54%→96%(4時間30分)
【15】飛雪の滝キャンプ場/67%→75%(20分)
【16】道の駅海山/19%→79%(30分)
【17】鳥羽駅南口周辺/10%→74%(30分)
【18】スターバックス松阪川井店/30%→70%(30分)
【19】伊賀SA/10%→44%(10分)
【20】みどりのだいち/35%→85%(35分)
【21】道の駅とよはし/16%→94%(45分)
【22】駿河湾沼津SA/22%→78%(30分)
<走行距離>
三重編:890.6km / 合計:2076.3km(7日間)+ アプローチ 774.4km
<三重編の平均電費>
9.0km/kWh
<三重県の走行ルート>
取材・文/篠原知存














