米国カリフォルニア州は、自家用車のBEV比率を上げるよう規制を設けるなど、大気汚染改善策としての電気自動車推進に早くから積極的です。今回の発表では、段階を踏んでゼロ・エミッション以外のトラックを全面禁止にする方針を打ち出しました。
アメリカ国内でのさまざまな報道などを要約して、ポイントを紹介します。
ガソリン・ディーゼルエンジンのトラックは販売禁止へ
米国カリフォルニア州大気資源委員会(CARB=California Air Resources Board)は、6月25日に世界で初めてトラックのメーカーにゼロ・エミッション規制の適用をする決定をしました。2045年までには排気ガスの出るガソリン車やディーゼル車は販売が禁止になり、ゼロ・エミッション(走行時にCO2を排出しない)である純電気トラックおよび燃料電池トラックのみが販売を許可されることになります。
カリフォルニアの決定を受けて、ワシントンDCの他、コネチカット、メイン、マサチューセッツ、ニュージャージー、オレゴン、ロード・アイランド、バーモントなど7つの州も同じ規制を取り入れようとしています。
この規制により、トラックメーカーは2024年から2035年の間にゼロ・エミッション車両の販売比率を上げることを求められています。具体的には2035年までに、クラス2b~3の中型車で55%、クラス4~8の大型車で75%、トラクターの40%を無排出車両にしなければならず、最終的に2045年には新車の無排出車両比率を100%にする必要があります。
カリフォルニアで現在登録されている車両は合わせて約3,000万台あり、そのうち約200万台がトラックですが、光化学スモッグの70%、ディーゼル車から出る煤の80%がトラック由来で、大気汚染の大きな要因となっています。
カリフォルニア州知事のギャビン・ニューサム氏は「有色人種のコミュニティや子供は最も汚染された空気を吸う環境に強制的に置かれていますが、今日の投票で、すべての子供たちのための、より健康的な未来に近づきました」と語っています。州によると、規制により2040年までに900万ドル(約9億6,700万円)の医療費を節約、900人以上の早期死亡を防ぎ、1,700万トンの二酸化炭素排出量を削減できると試算されています。
法案のための公聴会では反対意見も出ました。トラック・エンジン・製造者協会会長(The Truck and Engine Manufacturers Association)のジェド・マンデル氏は、水素や電気トラックが普及していないのには様々な理由があるとし、これらの車両はガソリン車よりも高くつき、充電(水素補給)インフラも十分ではないと話しました。
水素燃料電池車については先日お伝えしたニコラ・モーターズが上場を果たしたり、日本でもトヨタが頑張っていますが、まだエンジンに取って代われる具体的な策が見えてきていません。一方で電気自動車の価格は徐々に下がり始めており、充電インフラも急ピッチで整備されています。環境が整うのにはそこまで時間はかからないでしょう。物流を支えるために長距離運転が常になる大型トラックに関しての重要な課題と言えば、他には航続距離になりますが、先日テスラがセダンタイプのモデルSで航続距離640キロ超えを達成するなど、バッテリー技術も進歩しています。テスラのセミトラックも来年には発売予定で、カリフォルニアの空気はもうすぐ文字通り一変することになるでしょう。
【参照記事】
・California shakes up auto industry, says all vans and trucks must be electric by 2024
・California Takes Bold Step to Reduce Truck Pollution
・California’s Landmark Electric Truck Rule Targets ‘Diesel Death Zone’
(文/杉田 明子)


