テスラ『セミ』とニコラ『クラス8』トラックの運転コストを米投資会社が深掘り

今月第1週目にナスダック市場へ上場した米スタートアップのニコラ・モーターは、水素燃料電池トラックを製造予定です。上場から1週間で株価は倍近くになっており、期待が寄せられていますが、実際、展望はどうなのでしょう? TESMANIANから全文翻訳記事をお届けします。

テスラ・セミトラックとニコラ・クラス8トラックの運転コストを米投資会社ARK Investが深掘り

元記事:Tesla Semi & Nikola Class 8 Truck Operating Costs Explored By ARK Invest by Ma. Claribelle Deveza on 『TESMANIAN

燃料電池トラックのトータル所有コストは電気トラックよりも高くつく

ニコラのトラックと水素ステーション。画像はニコラ公式より。

ニコラ・モーターが上場してから、ニコラの燃料電池「クラス8」トラックと、テスラの「セミ」の比較考察が再燃しました。ニコラが自動車業界全体のサポートを受ける中、社の成功に疑いを持っているのが米投資会社のARK Investです。

ARK Investは最近テスラの電気セミトラックとニコラの水素燃料電池クラス8トラックの所有コストを比較しました。「ニコラはトラックを運転するコストを下げるのを目標としています。しかし、水素トラックは同等の電気トラックよりもトータルで高い所有コストがかかるのです」と、ARKの最新ニュースレターには書いてあります。

グラフは ARK Invest ニュースレターより引用。青=車体コスト、オレンジ=水素/電気コスト、グレー=メンテナンスコスト。棒グラフ左がニコラ、右がテスラ。

水素そのもののコストと、水素ドライブトレインの非効率性が主な理由となり、ニコラとテスラのトラックでここまで大きな違いが出ました。しかし、ARKは水素ステーション用インフラもニコラのクラス8トラックが受け入れられるには障害となるかもしれないと論じています。

テスラのセミトラック。画像はテスラ公式より。

確かに、世界の国々は電気自動車用充電ステーションを受け入れ、スペースを作ろうとしています。例えば、ドイツ中央政府は国内のガソリンスタンドがEV充電器を提供しなければならなくなる法を施行し始めました。ヨーロッパの他の国も進んで電気自動車を受け入れ、既にEV推進をサポートするためのインフラ構築に取り組んでいます。

アジアでも、中国が先導してEVが着実に増加してきています。中国政府もEV推進をサポートするため、インフラを整備し始めました。4月には政府が100億人民元(約1,500億円)を投じて電気自動車インフラを作る計画があるというニュースが報じられました。

水素車両はいまだに世界の自動車市場へインパクトを与えておらず、ニコラは自らの地位を構築するよう尽力しなければなりません。テスラも電気自動車黎明期には似たような状況にありましたが、ニコラの場合はキング・オブ・フレイト、ダイムラー・トラックス・ノース・アメリカを含む既存のクラス8トラックメーカーと競争しなければなりません。

自家用車市場とは違い、クラス8トラック市場ではEV採用にほとんど抵抗がなく、既存メーカーは長い間EVの選択にオープンでいます。このセグメント市場の40%近くを占めるダイムラー・トラックス・ノース・アメリカも、eカスカディアと名付けられた、自前のEVクラス8トラックに投資しました。

eカスカディア。画像はダイムラー公式サイトより。

最近のニュースを見ると、テスラのセミトラックだけが大量生産に近づいているのが明らかです。先週リークされたイーロン・マスクのメールによると、テスラはセミトラックを過去2カ月小規模に生産してきており、大量生産への準備がもうすぐ整うようです。

それに比べて、ニコラは燃料電池クラス8トラックの生産を始めておらず、ARK Inverstはニコラが将来に渡っても実行に移す日が来るのか疑っています。ARKのグローバル・アセット・マネージャーは「ニコラが1つでも燃料電池トラックを納車したらARKはびっくりするでしょう」と語りました。

(翻訳・文/杉田 明子)


2 thoughts on “テスラ『セミ』とニコラ『クラス8』トラックの運転コストを米投資会社が深掘り”

  1. 二コラ、日本円で1兆円も集めたということは、少なくとも納入向け実績はあると思ってましたが…

    電動(HV・FCVも含めた)トラック、日本では超消極的ですね。
    理由は法規制で総トン数が制限されていて、重いバッテリーを入れるとその分荷物が減ってしまうから、らしいですが。

    1. ando様、コメントありがとうございます。
      さて重量制限については、日本では高速道路で車両総重量36tまで、米国では80,000ポンド=36tまでと、実は同じです!

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