今年に入って、テスラ独自の急速充電設備「スーパーチャージャー」の開設ペースが加速しています。10月には全国で37カ所目、今年だけで11カ所目となる「鳥取」がオープン。他メーカー電気自動車との「利便性」の差がますます拡大していきます。
※冒頭写真は9月23日にオープンした大阪-天王寺SC。
9月以降、一気に5カ所がオープン
「いきなり150万円!」という驚愕の値下げを実現したモデル3の販売が好調な中、2021年になって、テスラ独自の急速充電インフラである「スーパーチャージャー」の新規開設ペースが加速しています。
9月だけでも、「熊本」「大阪-天王寺」「大津」「新潟」、そして10月に「鳥取」がオープン。全てのスポットが「V3」と呼ばれる最大250kWの超高出力を誇る充電器で、大阪ー天王寺は5基、そのほかのスポットはすべて4基が並ぶ複数台設置です。
『EVsmart』スポット情報ページ
テスラスーパーチャージャーはそもそも複数台設置が基本となっていて、2〜8基、おおむね4基以上が設置されています。大阪-天王寺が5基という奇数の設置基数となっているのは全国でも初めての珍しいケースです。設置場所である「天王寺公園茶臼山エントランスエリア」を管理する近鉄不動産から提供いただいた写真を確認すると、5台分の駐車(充電)スペースに5基のスーパーチャージャーが並び、左端駐車区画の横に、東光高岳製のCHAdeMO規格50kW器が1基設置されています。
駐車スペースには「TESLA PARKING」と書かれていますが、テスラ以外のCHAdeMO規格で充電する電気自動車は、この左端の共用区画に停めて充電してください、ということです。
全国37カ所(2021年10月3日現在)のリスト
テスラの公式サイトには、全国(もっと言うと世界の)のスーパーチャージャーのリストが紹介されています。開設時期も地域も順不同で、テキストでの紹介がズラリと並んでいて、さすがにこれだけ増えてくると新設スポットを探すのも大変、と感じたので、開設順のリストを作ってみました。
日本全国のテスラ「スーパーチャージャー」リスト
| 開設順 | 名称 | 場所 | タイプ | 公称最大出力 | 基数 | 開設年月 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 東京-六本木 | 東京都港区 | V1/V2 | 120kW | 2 | 2014年9月 |
| 2 | 神奈川 横浜 | 神奈川県横浜市 | V1/V2 | 120kW | 4 | 2014年9月 |
| 3 | 東京-お台場 | 東京都江東区 | V1/V2 | 120kW | 4 | 2014年11月 |
| 4 | 神戸 | 兵庫県神戸市 | V1/V2 | 120kW | 4 | 2014年12月 |
| 5 | 大阪 | 大阪市北区 | V1/V2 | 120kW | 4 | 2015年2月 |
| 6 | 東京-丸の内 | 東京都千代田区 | V1/V2 | 120kW | 2(※1) | 2015年3月 |
| 7 | 盛岡 | 岩手県盛岡市 | V1/V2 | 120kW | 6 | 2016年1月 |
| 8 | 仙台 | 宮城県仙台市 | V1/V2 | 120kW | 4 | 2016年1月 |
| 9 | 倉敷 | 岡山県倉敷市 | V1/V2 | 120kW | 4 | 2016年3月 |
| 10 | 長野 | 長野県長野市 | V1/V2 | 120kW | 4 | 2016年7月 |
| 11 | 浜松 | 静岡県浜松市 | V1/V2 | 120kW | 4 | 2016年7月 |
| 12 | 岐阜羽島 | 岐阜県羽島市 | V1/V2 | 120kW | 4 | 2016年11月 |
| 13 | 高崎 | 群馬県玉村町 | V1/V2 | 120kW | 4 | 2016年12月 |
| 14 | 福岡 | 福岡県須恵町 | V1/V2 | 120kW | 6 | 2017年2月 |
| 15 | 佐野 | 栃木県佐野市 | V1/V2 | 120kW | 4 | 2017年9月 |
| 16 | 御殿場 | 静岡県御殿場市 | V1/V2 | 120kW | 6 | 2017年12月 |
| 17 | 甲府 | 山梨県甲府市 | V1/V2 | 120kW | 6 | 2018年1月 |
| 18 | 名古屋-名城 | 名古屋市北区 | V1/V2 | 120kW | 6(※1) | 2018年4月 |
| 19 | 木更津 | 千葉県木更津市 | V1/V2 | 120kW | 6 | 2018年9月 |
| 20 | 京都 | 京都市下京区 | アーバン | 72kW | 4 | 2018年12月 |
| 21 | 東京-東京ベイ | 東京都江東区 | アーバン | 72kW | 8 | 2019年10月 |
| 22 | 広島 | 広島市西区 | アーバン | 72kW | 8 | 2020年2月 |
| 23 | 大阪 豊中 | 大阪府豊中市 | V1/V2 | 120kW | 8 | 2020年3月 |
| 24 | 鳴門 | 徳島県鳴門市 | V1/V2 | 120kW | 8 | 2020年6月 |
| 25 | 名古屋-星が丘 | 名古屋市千種 | アーバン | 72kW | 8 | 2020年7月 |
| 26 | 川口 | 埼玉県川口市 | V3 | 250kW | 4 | 2020年12月 |
| 27 | 東京-赤坂 | 東京都港区 | V1/V2 | 120kW | 4(※1) | 2021年3月 |
| 28 | 神奈川 湘南 | 神奈川県藤沢市 | V1/V2 | 120kW | 2 | 2021年4月 |
| 29 | 伊賀 | 三重県伊賀市 | V3 | 250kW | 4 | 2021年6月 |
| 30 | 松戸 | 千葉県松戸市 | V3 | 250kW | 4(※1) | 2021年7月 |
| 31 | 函館 | 北海道函館市 | V3 | 250kW | 4 | 2021年7月 |
| 32 | 東京-代官山 | 東京都渋谷区 | V3 | 250kW | 4(※1) | 2021年7月 |
| 33 | 熊本 | 熊本県熊本市 | V3 | 250kW | 4 | 2021年9月 |
| 34 | 大阪-天王寺 | 大阪市天王寺区 | V3 | 250kW | 5 | 2021年9月 |
| 35 | 大津 | 滋賀県大津市 | V3 | 250kW | 4 | 2021年9月 |
| 36 | 新潟 | 新潟県新潟市 | V3 | 250kW | 4 | 2021年9月 |
| 37 | 鳥取 | 鳥取県鳥取市 | V3 | 250kW | 4 | 2021年10月 |
| Tsukuba | 茨城県つくば市 | coming soon | ||||
| Tokyo-Hibiya | 東京都千代田区 | coming soon | ||||
| Kanazawa | 石川県金沢市 | coming soon | ||||
| Kobe | 兵庫県神戸市 | coming soon | ||||
| Koriyama | 福島県郡山市 | coming soon | ||||
| Ritto | 滋賀県栗東市 | coming soon | ||||
| Ida | 長野県飯田市 | coming soon | ||||
| ※表内「名称」はテスラ公式サイトのスポット詳細ページにリンク。 ※ リスト作成はテスカスさん運営の『Tesla Wiki』などを参照させていただきました。 (※1)利用時間などの制限があります。 |
ほとんどのスポットが365日24時間利用できますが、表内の(※1)は、商業施設やホテル駐車場に設置されていて、利用時間などの制限がある場所です。詳細は各スポットの情報ページを参照してください。
2014年の4カ所から始まり、2015年に2カ所、2016年7カ所、2018年4カ所、2019年1カ所、2020年5カ所と、着実にネットワークを拡大してきましたが、2021年は10月初旬の現時点までにすでに11カ所がオープン。さらに「つくば(茨城県)」や「東京-日比谷」はもうすぐ(おそらく年内には)オープンと噂されています。
ちなみに、「coming soon」はテスラ公式サイトの案内を元にしましたが、滋賀県の「Ritto」は、おそらく9月にオープンした「大津」のことだと思われます。また、長野県の「Ida」や「Kanazawa」は長いこと「coming soon」のままになっていて、逆に「coming soon」にリストアップされていなかった場所に突然オープンすることもあるので、あくまでも「参考情報」です。
リーフユーザーとしては「うらやましい」限り
EVsmartブログでは、しばしば「急速充電インフラは電気自動車の性能の一部」とお伝えしています。テスラの場合、全車種で120kWクラス、モデル3など最新モデルでは250kWという超高出力の急速充電が可能。十分な航続距離を確保できる容量のバッテリーを搭載し、高速道路&幹線道路ネットワークのポイントや都市部にスーパーチャージャー網を整えていくことで、北海道から九州まで、ほぼ不安なくロングドライブを楽しめる環境が完成しつつあるところです。
一方、私はバッテリー容量30kWhの日産リーフユーザーです。急速充電の性能は最大50kWまで。まあ、バッテリーが小さいので最大50kW、なんなら40kW程度の出力の急速充電でもさほどの不便は感じませんが、その分航続可能距離が短いので、テスラのスーパーチャージャー網よりは、もっときめ細かな急速充電インフラ網が必要になります。というわけで、日産は2010年のリーフ発売以来、全国のディーラー網に急速充電器の設置を進めてくれています。
伊賀SCをリポートしようと思ったら故障してた際のレポート記事でも紹介したように、テスラは車両のバッテリー容量やスーパーチャージャー網を利用できるということを含めて「テスラ車」ならではの利便性、すなわち「性能」を提供しているのです。
要するに、テスラ車と私の30kWhリーフは、同じ電気自動車であってもまったく使い勝手が異なる車になっているということです。イーロン・マスク氏は将来的にスーパーチャージャー網を他メーカーのEVにも開放するという主旨の発言をしてくれています。とはいえ、私のリーフではスーパーチャージャーの高出力を活かしきることはできません。
『自工会豊田章男会長がEV充電インフラは「数だけを目標にしてほしくない」と指摘』と題した記事で、日本国内の充電インフラ設置に関して「もう少し自動車業界を当てにしていただきたい」、つまり、設置場所の選定などに自動車メーカーがもっているデータを活用してほしいと指摘した豊田会長の発言を紹介しました。まったくもってその通り。ことに急速充電インフラは、自動車メーカーが発売するEVの「バッテリー容量」や「急速充電受入可能出力」などの性能を考慮しながら、インフラ網の配置についてもプロデュースしてくれるのが賢明な方策です。
じゃあ、自工会が、いや、もっとはっきり言ってトヨタが、いったい、いつになったら日本国内でEVが便利に使えるようにするための動きを始め、イニシアチブを取ってくれるのか。国産車(リーフ)ユーザーとしては、加速するテスラを羨みながら、ぼんやり眺めているしかありません。
テスラは、スーパーチャージャーで儲けようとしているのではないでしょう。テスラ車の性能を担保するために、必要な設備だから投資しているのです。既存の自動車メーカーが大きなお金を注ぎ込んできた販売経費や広告などの代わりに、スーパーチャージャーなどの充電インフラ網にお金を使っています。
スーパーチャージャー設置が加速というニュースには、同じ電気自動車でも「テスラ車とそれ以外」の利便性の差が、ますます広がっていくんだなぁ(ポルシェやアウディが頑張ろうてしてくれてますが、私にとってはテスラ以上に手が届かない価格だったりします)と、しみじみ感じてしまうのでした。
最後に、最近のスーパーチャージャー開設を伝えるテスラ公式のTweetをいくつか紹介しておきます。
ああ、テスラがうらやましい。
テスラ スーパーチャージャーで関西エリアの移動をもっと便利に。新たに大阪市 天王寺、大津市の2箇所にオープン⚡日本最速の最大250kW pic.twitter.com/1gAAJj1QVL
— Tesla Japan (@teslamotorsjp) September 25, 2021
テスラのスーパーチャージャー テクノロジーを北陸エリアにも⚡️日本で最も速く、実用的なテスラの充電設備が新潟市にオープンhttps://t.co/efGR7fDZE0 pic.twitter.com/FsdgX7ocAA
— Tesla Japan (@teslamotorsjp) September 29, 2021
日本最速の充電体験を九州でも⚡️熊本市にテスラ スーパーチャージャー がオープンhttps://t.co/KKcv51eK0x pic.twitter.com/76Dw9kI5lI
— Tesla Japan (@teslamotorsjp) September 14, 2021
(文/寄本 好則)


