大型バッテリー搭載のBMW i3 で20日間1430㎞、充電電力量97.1kWhドライブ【吉田由美】

2019年2月にバッテリーを約42kWh(120Ah)に増量したBMW i3に、カーライフエッセイストの吉田由美が長期試乗。20日間で1430km走ったインプレッションをレポートします。

編集注※タイトルの「充電電力量97.1kWh」は、吉田由美氏が確認できた電力量の合計です。(2019/5/29 追記)

i3 の魅力って?

BMWのサスティナブルなブランドとして2014年に登場した「iシリーズ」。スポーツカータイプの「i8」と、デザインは一見地味に見えつつ、実はエコな素材にこだわり、実用性に特化した「i3」の2台体制は注目の的でした。

そしてそれらは進化しています。

「i3」の最近のトピックは、今年2月にこれまでのバッテリーに比べて約9kWh大きな42kWh(120Ah)を搭載。発電用エンジンを積む「i3 レンジエクステンダー」は航続距離が約466㎞(WLTCモード ※EPA基準で推定約320km)になったこと。これによって、より実用的になってきたからなのか、ほかのメーカーからも魅力的なEVやPHEVが続々登場しているからなのか……。このところ「i3が気になる」という人多数! 私も気になって試乗してみました。

※EPA基準アメリカ環境保護庁が提唱する測定方法による電(燃)費。JC08やNEDC、WLTCより実情に近いとされています。

先日も、とあるメディアで「i3レンジエクステンダー」を取り上げましたが、その時は「i3レンジエクステンダー」と「i8」の対決。一緒に出演されていた方は最初は「i8」に心を奪われていましたが、結果はなんと!(笑)

確かに「i3」には魅力的なことがたくさんあります。

まずはツートンのボディカラー。オーガニックな色味が多く使われているのも電気自動車のイメージに合うのかも。そして観音開きのドア。開けるときのレバーは初めての人にはわかりづらいのがむしろ気を惹くのかも。

車内を覗くと広くてフラットな床。室内にはオーガニックな素材が使われ、ダッシュボードやドアパネルにはケナフやユーカリ、シートにはペットボトルのリサイクル素材などを使うなど、サスティナブルでありつつ清潔感があってお洒落。聞くと内装に使われる素材の95%がリサイクル可能だとか。

さらに細いタイヤも燃費と空力を高めるためにブリヂストンと専用開発したタイヤを使用するなど、徹底的にこだわっています。また、軽量化のためにボディには自社製の軽くて丈夫なカーボンファイバー強化樹脂(CFRP)を使用しています。

そして何よりドライビングが楽しい!

「ワンペダルフィーリング」という、ほぼブレーキペダルを踏まずに運転できてしまう機能は i3 が先駆けです。最初は違和感を感じますが、慣れてくると運転が楽しくなる不思議。エンジンブレーキが強力にかかるMT車のような感じです。

アクセルを踏むと滑らかで勢いのある加速が楽しめ、アクセルから足を離せば回生ブレーキで電気をチャージします。私は高齢者のブレーキとアクセルの踏み間違いにはこの「ワンペダル」が有効ではないかと思います。アクセルから足を離せば止まりますから。

「ドライブモード」は3つ。「COMFORT(コンフォートモード)」ではエアコンは制限無し、スピードも最高速まで制限無し。「ECO PROモード」では最高速130㎞/hですがエアコンは使用可。「ECO PRO+(エコプロプラスモード)」になると最高速は90㎞/hに設定され、エアコンも使用不可に。つまり強制的にエコモードになるのです。

航続距離は外部充電の電力での走行可能距離が約295㎞(WLTC ※EPA基準で推定約203km)、+9リッターのガソリンを搭載できるため、電力が無くなってもエンジンで電力を作りながら約200㎞弱(WLTCで19km×9ℓ=171km ※EPA基準で推定約118km)の走行が可能です。

高速道路QCを中心に20日間で7回充電

とはいえ、電気自動車が不慣れな人にちょっとわかりづらいのは、普通充電であればゆっくり100%まで充電できますが、急速充電だと100%までは充電できないこと。私の場合、自宅に充電器が無いため、外出時に充電しましたが、中でも多く利用したのが高速道路の急速充電器でした。

今回20日間の「i3レンジエクステンダー」との生活でしたが、その間、充電したのは7回(うち1回は普通充電で充電された電力量が分からず)。わかるだけで97.1kWhの充電。走行距離はトータル1430㎞でした。

長距離ドライブしたのは、茨城県・ひたちなか市のひたち海浜公園へ往復約310㎞の日帰りドライブ。GW中にネモフィラを見に行きましたが、大渋滞の上、帰りに充電しようと思って立ち寄ったサービスエリアの充電器が埋まっていたので、そこでの充電をあきらめてガソリンを少し使っちゃいました。

そしてスーパーGTの取材で静岡県・富士スピードウェイを往復約170㎞。この時は途中、パーキングエリアで1度充電。

千葉県・成田市にある「日本自動車大学校」に取材で行ったときは、取材中に学校の普通充電器で充電していただき、さらに帰りに東関道の湾岸幕張パーキングエリアで30分の急速充電を試してみました。

少し気になったこともあります。ロングドライブでは充電時間が深夜になることも多く、30分の待ち時間はちょっと女性には怖いですね。11時過ぎぐらいになるとSAPAのお店も閉まってしまうことが多いので。それと、先客があると最大30分待たねばならないのも時間と気持ちに余裕がある時じゃないと辛いかも。

でも、とても魅力的な電気自動車であることは体感できました。急速充電できる「i3レンジエクステンダー」なら私、一緒に暮らせそうです(笑)。

(吉田由美)