マツダさんの Well To Wheel 計算は正しく、電気自動車のライフサイクルCO2排出はガソリン車より多いのか?

最近よく聞くWell To Wheel (WtW)。油田から車のタイヤまでという意味で、実際にエネルギーのもととなる資源の採掘から、車が走るところまでのエネルギー消費を合計してみても、電気自動車は環境にやさしいのでしょうか? マツダさんのWtWのロジックを検証します。

自動車メーカーのマツダさんはマツダ「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言2030」で、電動化戦略に触れています。特に、その中でWell To Wheelに関しては、CSR特集(スクリーンショット: 1 2(該当部分) 3 4)で語られている内容が興味深く、

ライフサイクルの後半になると、バッテリーの性能を維持するためにバッテリー交換が発生するため、小さいバッテリーサイズのEVと、内燃機関車のCO2排出量はほぼ同じになりました。

とのこと。ホントでしょうか?

(注/Well To Wheelはウェル・トゥ・ウィールと読みます)

実際にマツダさんが参照している論文はこちら。マツダの社員の方5名と工学院大学の方2名が書かれたもので、内容そのものは検証したところ大きな問題はありませんでした。しかし、当該論文は多くの前提が使われており、一部の前提は古く現実に即していないため、そこから導かれた論文の結論は現実的ではない、というのが私の見解です。

マツダさんの論文の計算式を使って、前提条件をいくつか現実的な値に変えた結果で、電気自動車が75kWhという大容量バッテリーを搭載したとしても、「少なくとも日本国内において」同等車格のガソリン車よりもWell To Wheelで、CO2の排出は少なくエコである、という点を確認してみましょう。

目次

前提条件

(単位kg-CO2eq)ガソリン車電気自動車
シャーシ42194219
エンジン12740
モーター01070
インバーター0641

ガソリン車と電気自動車のサイズをほぼ同じとし、シャーシを製造するにあたっての排出量は同一と仮定します。エンジンはガソリン車にのみ存在し、モーターとインバーターは電気自動車にのみ存在します。これ以外で大きなものは、電気自動車の電池がありますが、これは次で別途試算します。ガソリン車にはこれ以外にトランスミッション(注、電気自動車にもギアはありますが、変速機能・バックギアは必要ありません)や排気系・触媒といった大物がありますが、ここでは計算に入れません。

部品名メンテナンス間隔

[km/メンテナンス]

CO2排出

[kg-CO2/メンテナンス]

論文
タイヤ40000108JLCA
鉛蓄電池5000019.5JLCA
エンジンオイル100003.22JLCA
クーラント270007.03JLCA

こちらがメンテナンスに必要な排出です。タイヤと鉛蓄電池はガソリン車と電気自動車両方に存在します。一方エンジンオイルとクーラントはガソリン車のみに存在します。当該論文には、ガソリン車では必要で電気自動車には不要なブレーキ交換が入っていませんが、当記事では無視します。

またマツダさんの論文では電気自動車のバッテリーに寿命があるという前提で、16万キロでバッテリーを交換するサイクルをメンテナンスに含めています。しかし世界中の350台のテスラモデルSを対象にした調査から、現実に25万7千キロでバッテリー劣化が10%に達するというデータがありますので、バッテリーの交換は不要とします。

最後にクルマの寿命が来て、廃車にするときのリサイクルに関する排出です。こちらは、マツダさんの論文では分解するところまでの排出に限定されており、そのあとの処理についてはスコープ外となっています。また分解するための排出はガソリン車も電気自動車も同等という前提です。そのため、今回の計算およびデータには、この排出は含めていません。

ただ気になるのはバッテリーの廃棄ですよね。バッテリーを分解したのち、廃棄する場合のデータについてはまだ情報が少なく、唯一IVL 2017(2019年版には含まれていません)には15kg-CO2eq/kWhとの数値があります。つまり、35.8kWhのバッテリー容量を持つ電気自動車については537kg、75kWhについては1125kgのCO2が廃車時に排出されると考えてよいと思います。この数値を、最後に足して比較すればよいでしょう。

リチウムイオン電池の製造時排出

電気自動車に搭載される電池の製造時排出の前提は以下の通りです。

文献正極タイプCO2排出

[kg-CO2eq/kWh]

Zackrisson et al.LFP166
Majeau-Bettez et al.NMC200
LFP250
Amarakoon et al.NMC121
LFP151
Ellingsen et al.NMC172
マツダ論文平均値LFP/NMC177
マツダ論文平均値

(NMCのみ)

NMC164
IVL 2019 最悪値NMC106
IVL 2019 中央値NMC83.5

表の上から6個のデータがマツダさんの論文で使用されているデータで、実際の計算にあたってはこれらの平均値が用いられています。表にも、「マツダ論文平均値」として記載しています。

マツダ論文平均値より下にある数字3つは私が引用もしくは計算した数字です。まず最初の「マツダ論文平均値(NMCのみ)」は、当該論文にあった6つの数字のうち、日本・米国・欧州では乗用車用の電池としては使われていないLFPを除いて、よく使用されているNMCに限定したものです。原論文は中国も対象にしているのでLFPを含めているのでしょうね。

その次のIVL2019というのはこちらの論文で、スウェーデンのIVL Swedish Environmental Research Instituteという団体が2019年に出している、最も最近の数値になります。実はIVL Swedish Environmental Research Instituteは2017年にも同様の研究結果を出しており、その時の電池製造にかかる排出は1kWhのバッテリー当たり150-200kgと、マツダさんの論文の数値と同等だったのですが、その後の電池生産規模の拡大に伴う効率化により、排出量を1kWhあたり61-106kgと推測しています。この値のうち、最大値106kgと中央値の83.5kgを前提に含めてみたいと思います。

燃費基準

マツダさんの論文では、地域別に排出を分析しており、燃費基準においては各国の燃費基準値が使われています。これはある意味公平に見えるのですが、こと日本においては、アイドリング時間が長く取られており、加減速が少なく、高速走行の含まれないJC08基準はガソリン車に非常に有利です。また道路でドライバーが乗っても、実際にJC08基準値を誰も達成できないのですから、現実的な前提とは言えません。

そこで公平かつ現実的な基準値として、当サイトでも常に用いている米国EPA基準を用いたいと思います。当然ガソリン車も電気自動車も同じ基準を用います。電気自動車の電費の記事でも解説していますが、JC08基準と同様、EPA基準でも、電力は外部から給電した電力量を使用しており、充電・放電ロスは数値に含まれています(=ガソリン車に対して公平)。

今回具体的に車を想定するのは難しいのですが、ガソリン車はせっかくなのでMAZDA 3のSKYACTIV-X搭載、X PROACTIVEのWLTCモード燃費から、試算でEPA燃費を求めたいと思います。WLTCはグローバルで標準化された燃費であり、JC08>>WLTC>EPAの順に、基準が厳しくなっています。

ちょっと待てよ! なんでちゃんとEPAで認定されている数値を使わないのか? 実はこの車両、米国では2.5リッターSKYACTIV-Gエンジン搭載車しか設定されておらず、日本の(より進化した)2リッターSKYACTIVE-Xエンジン搭載車はラインアップされていないのです。WLTC値とEPA値の変換はDavid Roper氏が計算された式があり、WLTC値はEPA値の1.121倍と推定可能です。換算後のEPA燃費推定値は15.3km/lとなります。

電気自動車はと言えば、今回75kWhということでテスラ モデル3 ロングレンジを比較対象にしましょう。EPA電費は26kWh/100miなので6.19km/kWhです。

検証

今回の検証にあたっては、ガソリン1リットルを燃やした場合に出るCO2排出を2320g(出典)と仮定しました。

Well To Wheelでは、原油を採掘・精製してガソリンスタンドまで輸送するために必要な排出、電気を発電するために必要な燃料の採掘・輸送に必要な排出も加える必要があります。マツダさんの論文ではGaBiというライフサイクルアセスメント企業が出しているデータを参照して、これらの排出を計算しているとのことでした。このGaBiのデータは、ソフトウェアで購入したり、Excelで購入することも可能なのですが、ライセンス契約において数値を公開することが禁じられているのです。そのため私も実際に日本におけるレギュラーガソリンと、日本における電力の排出原単位(単位当たりのCO2排出量)を購入したのですが、計算に使ったGoogle Sheetをそのまま公開することはできませんでした。あらかじめご了承ください。

では結果です。(スマホの場合は指で左右にスクロールできます)

走行距離バッテリー容量新車10000km20000km30000km40000km50000km60000km70000km80000km90000km100000km110000km120000km130000km140000km150000km160000km170000km180000km190000km200000km
ガソリン車5,4937,2589,02310,79512,66814,45216,22417,98919,86221,63423,41825,19027,06328,82830,60032,38434,25736,02937,79439,56641,458
電気自動車・マツダ論文前提条件35.8kWh12,25513,26614,27715,28916,40817,43918,45019,46120,58121,59222,62323,63424,75325,76526,77627,80728,92629,93730,94931,96033,099
75kWh19,18020,19121,20322,21423,33324,36425,37526,38727,50628,51729,54830,55931,67932,69033,70134,73235,85136,86337,87438,88540,024
電気自動車・106kg-CO2eq/kWh75kWh13,88014,89115,90316,91418,03319,06420,07521,08722,20623,21724,24825,25926,37927,39028,40129,43230,55131,56332,57433,58534,724
電気自動車・84kg-CO2eq/kWh75kWh12,19313,20414,21515,22616,34617,37718,38819,39920,51821,53022,56123,57224,69125,70326,71427,74528,86429,87530,88731,89833,037

横軸にクルマの走行距離、縦軸で、ガソリン車と電気自動車のWell To Wheel排出量が比較できるようになっています。電気自動車については全部で4パターン。最初の二つはマツダさんの論文の前提通りに35.8kWhバッテリー搭載車と75kWhバッテリー搭載車を比較したもの。その次はマツダさんの前提ではなく、2019年の新しい電池の製造時排出のデータを使った試算で、最も排出量の多い106kg-CO2eq/kWhのパターンと中央値の83.5kg-CO2eq/kWhのパターンを出してみました。

電気自動車については、廃車時に35.8kWhのバッテリー容量を持つ電気自動車については537kg、75kWhについては1125kgの排出を追加してみることを忘れないでください。

どうですか?

背景が緑になっているところは電気自動車のほうがWell To Wheelで排出が少ない走行距離、赤はその逆となっています。よく言われているように新車時は電気自動車のほうが排出が多いですが、マツダさんが前提としているバッテリーの製造時排出値を用いても、9万キロ走行時点で電気自動車のほうが、排出量が少ないことが分かります。

最も現実に近いと思われるIVL 2019の平均値を用いると、

9万キロで、バッテリー75kWhを搭載する電気自動車テスラモデル3ロングレンジのほうが、ガソリン車MAZDA3 X PROACTIVE 2WD(6EC-AT)よりWell To Wheelで排出が少ない

ことが分かります。廃車時のリサイクル分を入れても11万キロ。

結論として、「ガソリン車と電気自動車は、Well To Wheelすなわちライフサイクルでの排出は同等か、9-11万キロ以上走行する場合は電気自動車のほうが少ない」と言っていいのでしょうか?

この検証結果は【現時点では】という但し書き付きです。

当記事の計算ではIVL 2019の中央値86gを用いて計算しました。しかし、Northvoltやフォルクスワーゲン、テスラのように、電池生産に100%再生可能エネルギーを使うとコミットしているメーカーもあります。IVL 2019ではこのような場合、電池の製造時排出は61g-CO2eq/kWhの値を推測しています。これによりバッテリーの製造時排出は27%も減少します。

さらに、電力会社は毎年排出量の削減を図っています。今後各電力会社において再生可能エネルギーの割合が増加し、排出量が低減することにより、ガソリン車が電気自動車のライフサイクル排出量を、Well To Wheelで下回ることは恐らくないものと推測できます。

(安川 洋)

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電池交換不要というのは無理があると思います。

Tesla Model Sは100kWhで日産Leafは40-62kWhという差があり、電池劣化は大幅に大幅に抑えられる一方で製造時のCO2排出量も大きくなります。

そもそも価格が1000万円近い車種なので現実的な比較だとは考えられません。

現実的には電池の劣化と不具合が重なった10年落ちの電気自動車は誰も買わないと思います。

実際にはその時点の性能は1割未満の差でも中古車市場でガソリン車以上に避けられるでしょう。私なら避けます。

電池の劣化は電気自動車の寿命自体を規定するものと考えた方が現実的で、ガソリン車の方が電気自動車より物理的な寿命や走行可能な総距離数が長いものと考えて計算するのが適切でしょう。

最後に高速道路や冬の暖房を考えればEVやHEVとガソリン車のCO2排出量の差はさらに小さくなります。

一方で今後原発再稼働が実現すれば日本での電力におけるCO2排出量は減るものの、政治的な理由でヨーロッパではクリーンなエネルギーと認めないような動きもありそうです。

この辺りは楽観的な予想に基づくべきではありません。再生可能エネルギー自体の環境負荷もあります(森林や農地を転用したり)。

いずれにせよ11万キロという走行距離は割と長いです。

自分の場合はそもそも11万キロに全く届きそうにないので今後の再生可能エネルギー移行を想定してもガソリン車の方が環境に良さそうです。

感覚的で申し訳ありませんが、小生の理解とよく一致すると思いました。ご記載のとおり、エネルギー構成に依存しますので、EVの製造地と利用地によって変わることに留意すべきと思いました。EVをCO2削減カウントの対象とした場合、現行国ごとのカウントになっていますのでどのように算入するのでしょうか。さらにユーザーとしては、9万kmほどが分岐点とすれば、車のはボディやサスペンション等の耐久性を伸ばしてほしいと思います。日本車に比べてボディ剛性が高いと言われているドイツ車でも、10万kmほどでボディバランスが悪くなり、それが主な理由で買い替えてきました。その場合の走行距離は10万kmに届いていませんので、小生の場合EVはあまり意味がないことなりそうです(上記数値に進展がないとした場合)。

LCAが計算の元になってるんだろうけど、あれって工場建設に関することが何も入ってないんだよね。

つまりアマゾンの密林を全て切り開いてEV工場作っても環境に良いって式になる。

まぁ過去の記事に書いても意味ないんだけどね。

現在ではEV懐疑論は各国で出てるよ

EVのバッテリー劣化については異論があります

国産N社のEVは自分自身の経験として7万km走行時点で新車時と比べて満充電時の走行可能距離が約半分となり100km程度しか走行出来なくなりました

片道にして50km、出先で充電するのに30分以上かけて80%充電

とても地方在住者には使えたモノではありません

何事もバランス 様、コメントありがとうございます!

日産の初代リーフについては、電気自動車一般の課題というより、製品自体の課題だと考えています。実際、そのあとに出荷された新型リーフ(2017年発売開始)は、4年後の今、10万キロで12%程度の劣化という方が1名(業務使用)。通常の使用においては18万キロくらいまで劣化なし、という報告を聞いています。現行の電気自動車は、余程過酷な環境で使用しない限り、20万キロの寿命は充分あると考えてよいと思います。

この手の議論は飽きた。わざわざCO2を持ち出さなくても、原油が限りある資源であることを考えるならば、代替できるものは代替したほうがいい。原油は、自動車の燃料だけに使用されているわけではない。自動車の燃料以外に6割以上使用されているので、そちらに回したほうがいい。ガソリン車とEVのCO2排出量がほとんど同じで、排気ガスが大気汚染を引き起こすのならなおさら。持続可能な社会を作りたいなら、ガソリン車は止めるしかない。

暖房用に使われる原油のほうが、原理的には代替すべきですけどね…

電熱線はさすがに非効率ですが、ヒートポンプや太陽熱やその他でも電力より熱のほうが容易です。移動が難しいので近くで利用する必要がありますが

航空機や船は、特殊なものを除いて、人や物資の輸送に使う旅客機や大型貨物船を電気で代替するのにはまだ技術的ハードルは(EVよりも)高そうです

航空機はバッテリー含めたパワーウェイトレシオが、船は単純にサイズが大きければそれだけバッテリーも必要になるのでコストが問題になる。(船舶用超大型ディーゼルエンジンは自動車用より変換効率は良いから比較優位の問題もある)

d様、コメントありがとうございます。

残念ながら間違いです。当比較の現時点では、MAZDA 3 X PROACTIVE 2WD 6EC-ATとテスラモデル3ロングレンジを比較して9-11万キロという値を出しましたが、これはバッテリー容量も75kWhと大きく、性能も:

ガソリン車:4460x1795x1440, 132kW/224Nm

電気自動車:4694x1933x1443, 192kW/430Nm

と、電気自動車のほうが性能は圧倒的に上回っています。そして、重要なことは、来年以降、毎年、ガソリン車の排出は走行距離に応じて増加するのに対し、電気自動車の排出は電力会社の低炭素化によって、毎年少しずつ減少し続けるということです。ガソリン車を使う限り、低炭素化を進めるには、低燃費化しか方法がなく、限界が近づいています。再生可能エネルギーの比率が高まることにより、電気自動車のライフサイクルでの排出は半減させることすら可能です。最後の結論のところにまとめてありますので、よろしければお読みください。

興味深い記事ありがとうございます。

なかなかこういう試算を目にする機会が無く、参考になりました。

算出頂いた数字のみを見ると、ガソリン車とEVのCO2排出量は思ったほど差が無いですね。84kg-CO2eq/kWhで10万km時で3%、15万kmまで引っ張って14%削減くらいですか。EVはもっと劇的なものだと思っていました。

温暖化を気に病むなら、ガソリン車とEVどちらも有害という印象です。

この程度ならSUVのような大型車や過剰な動力性能の乗用車を規制する、または効率的な交通網に投資するほうが先かなと思います。

Skyactiv Xは・・うーんという感じですね。過給機にマイルドハイブリッドまで入れて、ずいぶん大柄で高コストに見えます。普及価格帯の車には展開が難しいでしょうね。

kii様、コメントありがとうございます。

ちょっと表の見方が違います。今回はマツダさんの論文の前提が(恣意的に?)古くガソリン車に有利なデータを使用していることにより、結論が現実と大きく乖離している点を指摘していました。

実際には同格の車両で比較した場合、バッテリー容量は35.8kWhとのことですから、10万km走行時点でEVはガソリン車に対し-17%の排出となります。

別の方へのコメントでも書きましたが、この-17%、毎年少しずつ広がっていくのです。ガソリン車の燃費は、販売したらもう変わりません。しかし、EVの排出は毎年、自動的に減っていくのです。

解説どうもありがとうございます。

なるほど。マツダの論文はちょっと前提がずれているように感じますね。

ただ、EVってCO2排出削減の切り札で、なんとなく排出量1/2、1/10というオーダーをイメージしてましたので、-17%でも正直あまり印象は変わりません。

35.8kWhの場合、航続距離の実用性や充放電回数増によるバッテリー劣化が気になります。似たようなオーダーならハイブリッドの方が普及が早くて実用的なので良さそうですが、近年のヒステリックなCO2削減圧力に対しては団栗の背比べですね。

再生可能エネルギーは2016-2030年の間に2.1~3.1倍の成長を見込んでいるそうで、発電資源に占める割合は5.7%から、ざっくり15%くらいになって、CO2削減は1割ほどでしょうか。15年費やしての伸びとしては小さいと感じます。

それでも技術の進歩への期待はありますし、状況は年単位で変わっていくでしょうね。

kii様、コメントありがとうございます。

>なんとなく排出量1/2、1/10というオーダーをイメージしてました

実際に2030年にエネ庁が言っているような電源構成になると仮定すると:

https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/tokushu/ondankashoene/co2sakugen.html#topic02

先ほどの、35.8kWhの電気自動車とガソリン車の比較では、-30%くらいになると思います。厳密な計算ではありませんが、大体そのくらい。もちろん、石炭火力が足を引っ張っています。もし日本がこの2030年の電源構成を実際に実現したら、先進国では最も低炭素化が進んでいない国になるかもしれません。低炭素化後進国ですね。。

>再生可能エネルギーは2016-2030年の間に2.1~3.1倍の成長を見込んでいるそうで、発電資源に占める割合は5.7%から、ざっくり15%くらい

上記資料から20-22%と推測されているようです。私の、-30%の見積もりは再生可能エネルギー比率21%で計算しました。

いずれにしろ、カリフォルニア州では2045年に再生可能エネルギー発電100%を目指していますし、ドイツは現時点ですでに総発電電力量の46%をも再生可能エネルギーで発電しています。日本が10年先の2030年時点で「22%くらいしかできないんだよー」というのは、かなり政策が弱い(=国民全体の興味も、ですよね)と言わざるを得ないと思います。

カリフォルニア:https://leginfo.legislature.ca.gov/faces/billNavClient.xhtml?bill_id=201720180SB100 法律なので読みづらいですが、"California sb 100″で検索いただければ解説記事等も出てきます。

ドイツ:https://www.reuters.com/article/us-germany-power-outputmix/renewable-energys-share-of-german-power-mix-rose-to-46-last-year-research-group-idUSKBN1Z21K1

こういう検証記事は素晴らしいです、ぜひ論文になってほしいくらいです。

ライフサイクルアセスメントはここ10年くらい言われているけど、まだまだ微妙な感じがしていたので、今以上に議論が活発化すべきと思っています。

全く話は変わって、EVじゃなくてもLCA的には電車もかなりCO2を出すと思うんですがこういうのとEVを比較するとどうなんでしょうか(レールを交換するたびに大量に鉄を使い、大量に鉄を使う関係で大量にコークスを使い、さらにはコークスは莫大なエネルギーを使って石炭から作っているので…)。あまり調べてもまじめな内容が出てこないので気になります

たかてぃ様、コメントありがとうございます。

電車ですね、、これについてはあまり調査を見たことがありません。電池を搭載していないので主にレールと電力かと思いますが、消費電力は私も確実なデータは手に入れたことがありません。多分電鉄会社さんなどは自社のデータはお持ちだと思います。何キロワット時使って何キロ走行したかなど。。ただちょっと検索した限りでは、まず1kWhあたりの消費電力では満員時は明らかに電車の勝ちだと感じました。問題は半分乗車でもまだ低排出なのか(私見ではこのくらいならまだまだクルマよりは低排出)、じゃ過疎地域のような場合にラッシュ時もそれほど満員にならない場合、電気バスに置き換えた場合などの試算はいずれ必要になると思います。

レールは耐用年数が長いというのもあり、1km走行あたりの排出は少ないのではないでしょうか。

とはいえ勤務先で過去に営業で使っていたリーフは結構いいペースでセグメント(フル充電位置計)が減っていって、最後は9セグメントくらいになっていて使い物にならなかった。感触的にここが使用終止容量、年間3万㎞程度で5~6年使ったのかな?

この記事のテスラって米国の郊外道路みたいにストップ&GOがあんまりない地域の車なんじゃないかなー。日本って30mごとにStop&Goがあるシビアコンディションなので

結構頻繁に急速充電してた経験がある=バッテリーの充放電サイクルが頻繁だったから?なんかセルが均等に劣化せずに一部劣化で全体に影響してるみたいな説明だった。

スマホと同じだねーなんて同僚と話してた。でバッテリー交換に70万円します。ってなって、会社から消えた。記事みたいにそんな長い距離バッテリー交換無しで行けるとは思わないけどなー

Hyse様、コメントありがとうございます。

そのリーフの充電状態はいかがですか?常に満充電で放置ではないでしょうか?初期型は、多分普通充電だと100%まで充電してしまうので、タイマーで切らない限り劣化一直線だと思います。これ自体は設計の問題とも言えると思いますが、今ではすべて解決されていると思います。

テスラのデータについては、世界中の車が登録されていますので何とも言えないですね。逆に、Stop&Goが多いと、バッテリー寿命に影響するという理由は何でしょうか?通常、バッテリーの業界では、温度が高い状況で劣化が激しくなると言われており、リーフの事例でもテキサス州などで問題が多かったと聞いています。例えば

https://blog.evsmart.net/ev-news/tesloop-480k-km-battery/

この車両などは毎日砂漠の中を急速充電だけで過ごしており、48万キロ走行で12.6%しか劣化していません。以前私が乗っていた車はこんな感じ。

https://blog.evsmart.net/tesla-model-s/battery-degradation-after-2-years/

実際のデータに基づいて判断すると、今後発売される電気自動車では恐らく、電池寿命は問題にならないと推測できると思います。逆にもしテスラより劣化する電池を使っているメーカーがあったら、そのメーカーの車は売れなくなるのではないでしょうか?そんなことがあるはずがありませんよね。

C02排出のシミュレーションって前提条件で変わるし、販売台数が変われば総排出量も変わるので、ガソリン車もEVもほぼ同じということでいいのではないでしょうか。また、今後ガソリン車1台あたりのCO2排出が大幅に下がることもないでしょう。そんなところに投資するなら、EVに転換したほうがいいと思います。

それよりも、石炭や石油の消費を減らすにはどうしたらよいかを考えたほうがいい。仮にガソリン車がすべてEVに変わったら、確実に石油消費が4割減ります。電気作るのに石油が必要だと言われても、電気は再生可能エネルギーや原子力でも作ることができます。

原油の使いみちは、化学製品が2割、自動車の燃料が4割、残り4割が電力、工場等の燃焼用、大型輸送機の燃料、家庭、事務所の暖房です。この中で大幅に原油消費を減らせるのは、自動車の燃料です。他は簡単には減らせない。自動車のEV化しか道は残されていないのです。

まあ正直、思いっきり利害関係者が書いた論文って時点で

中立性も公平性もないし、それは論文といえるのか?

エンジン派の主張であるということはいいのだが

(実はトヨタは、昔「現状の石炭火力発電を多く含む米国の電力構成であっても、PHVとEVはCO2削減に有効という試算を公表したことはある)

ドイツは現時点ですでに総発電電力量の46%をも再生可能エネルギーで発電しています

問題はそのほとんどがドイツ北部の安定した風量を生かした風力であって太陽光ではないこと

残りの半分のうち、石炭の中でもさらに二酸化炭素退出量が多い褐炭を燃料にする発電所が多いこと

この記事ではバッテリーに焦点があてられてますが、モーターとインバーターについてもマツダ論文はいい加減なんですよね。エンジンや変速機よりはるかに軽く、材料を使っておらず、部品点数も少ないのに、生産時CO2をエンジンと変速機同等としてるのは杜撰極まりない。

その他に、年々発電時のCO2も減ってるのに、2013年辺りでずっと固定しての計算など、つっこみどころありすぎです。

これらを全部加味したなら、1、2万㎞でEVが逆転しますよ。