米国Electrify Americaが、2022年からCHAdeMO規格の充電器を段階的に廃止していくと発表しました。今まで充電規格が統一されてこなかった弊害に関して論じる記事を米メディア『CleanTechnica』が報じています。全文翻訳でお届けします。
Electrify America To Phase Out CHAdeMO In 2022by Steve Hanley on『CleanTechnica』
複数の充電規格が存在すると、単純に不便
私たちはみんな、EV革命に成功してほしいと思っていますし、そのためには克服すべき障害があることも分かっています。電気自動車の価格を下げ、航続距離は伸ばす必要があります。また大統領は充電器がもっと必要だと言っているのですが、どのような充電器でしょうか。現在米国では、テスラ、CHAdeMO、CCS(コンボ)の3つが主な充電規格となり、それぞれ独自のコネクターがついています。CHAdeMOをCCSのポートに挿すことはできませんし、テスラ・スーパーチャージャーのプラグを直接日産リーフに挿すこともできないのです。
確かにアダプターはありますが、充電のパフォーマンスが悪くなりがちですし、たくさんのアダプターを運んでまわりたい人がどこにいるでしょうか。また様々な充電会社の機器を使うためにアカウントを作る必要も出てきます。
なぜこうなってしまったかには理由があるのですが、そこは問題ではありません。統一規格が無いのは馬鹿げています。ガソリンポンプを使うのにアダプターはいりません。カンバーランド・ファームズでポンプについているノズルは、エクソンのものと同じなのです。どちらでもクレジットカードをスワイプし、ガソリンを入れ、気分良く出ていくのです。しかしEV充電には様々な方法があるせいで、人々は混乱し、不安になっています。
混乱し、心配している人々は新しいテクノロジーを敬遠しがちです。EV革命にターボチャージを加えるには、充電プロセスを簡単にしなければなりません。充電ケーブルを取り出し、挿し込み、充電し、その場を離れる。大騒ぎする必要もありません。まったく、シンプルにできないものですかね。
Electrify Americaは私の思いを分かってくれたに違いありません。来年の早い時期から「段階的にCHAdeMO充電器を廃止する」と発表したのです。日産アリアでさえ米国内ではCCS規格を採用した状況で、新しいEV充電器にCHAdeMOコネクターをつける意味はありません。今現在、Electrify Americaが提供する電気のうち、CHAdeMOコネクターを通るのはたった5%しかありません。
6月に出されたElectrify Americaの投資計画には、2022年1月からEV充電器にCHAdeMOコネクターを設置しないと書いてあります。
「Electrify AmericaはCycle 3 の投資で電動化の未来にフォーカスし、私たちのステーションでは独自規格メーカー以外にはCCSを標準装備とします。これによりすべての自動車メーカーが共通の単一規格を使うようになってユーザーの混乱を収め、投資資金と操業コストを減らし、究極的にはEVのさらなる普及を促すことが予測されます」
EV革命を前に進めたいならば、これらは良い事しかありませんね。
Electrify Americaの決定を後押しした1つとして、テスラユーザーがSetec Powerアダプターを使いCCS充電ケーブルを利用できるようになったというのが挙げられます。このアダプターは充電を50kWに制限しますが、社の顧客でCHAdeMOを使う人が減った理由はこれかもしれないのです。
稀なケース
もしCHAdeMOを使用する車両を所有しているのでしたら(基本的には日産車ですが、他にもあります)、Electrify Americaネットワークには今も800のCHAdeMO充電器があります。BlinkやEVGo、ChargePointもCHAdeMO充電を引き続きサポートします。
ただ、カリフォルニアに住んでいる人にとって話は違います。ゴールデン・ステイト(カリフォルニア州)ではカリフォルニア州大気資源局(CARB)がElectrify Americaを管理下に置いていますが、他の州では米国環境保護庁(EPA)が管理しています。カリフォルニア州内の充電ネットワークでCHAdeMOが占める割合は7%に過ぎませんが、現行のプランでは産業のトレンドを鑑み、計画変更も考慮しながら、CHAdeMO充電器を設置し続けることになっているのです。
様々な規格があると混乱が生じ、コストもかかります。ロシアと中国の鉄道線路は違うので、国境を越える際には遅延が生じて余計なコストがかかります。ここで問題にすべきはどのシステムがベターなのかではなく、統一規格がないせいで大損害が出るということなのです。電気自動車の世界では、消費者に電気自動車を選ばない口実を1つ与えることになります。ネットワークを1つ選んで推進してください。皆にとって良いですし、メーカーにしても長期で見れば安くなるのです。
それだけでなく、CHAdeMOとは発音しにくい単語です。単にマーケティングの観点から見ても、電気自動車を心地よく所有する障害になります。今こそCHAdeMOに別れを告げ、解放される時です。そしてCCS基準を採用するようにイーロン・マスクを説得できれば、北米では単一規格となり、EV革命への大きな後押しとなるでしょう。
(翻訳・文/杉田 明子)
