日産リーフ中古車の初代後期型、電池容量30kWh「AZE0」Xのエアロスタイルが納車になりました。すでに1ヶ月点検を終えて「ZESP2」のカードもGET。これから、中古のリーフ(電気自動車)購入を検討する方に役立てていただけるよう、実際に買ってみてわかった「事実」を整理してみます。
『EVsmartブログ』チームに新加入したライターが、自腹でマイカーEVの購入を決意。何を買うか、真剣に検討するシリーズ企画の第三弾。まずは、私が実際に購入した日産リーフ(中古車)の概要を紹介します。
日産リーフX エアロスタイル
初度登録:平成28(2016)年1月
電池容量:30kWh(電池容量計12セグ)
走行距離:22,811km
車両本体価格:1,543,000円
整備など:58,240円
販売諸費用(車検代行料など):67,210円
リサイクル預託金:9,650円
合計支払額:1,678,100円(価格はすべて税込金額)
電気自動車購入を真剣に検討するシリーズの前回記事『電気自動車購入は「中古車」が得? 候補車種の中古EVを探してみた!』を書いたのが昨年12月17日ごろのこと。日産リーフ30kWhの「X」か「G」の「エアロスタイル」というモデルに的を絞り、さっそくカーセンサーnetで地域を「関東」に絞って検索。170万上限(車両本体価格)の予算想定で3台の購入候補をリストアップしました。
善は急げと、まずは2台の販売店にアポイントを入れ、12月19日、最初に下見に行った埼玉県下の日産ディーラー系中古車店で出会ったのが、今回購入したリーフです。あとの2台と比べて5〜10万円ほど安かったのですが、必須条件としたLEDヘッドランプを装着。メーカーオプションでそこそこ値の張る「BOSE サウンドシステム」まで装備されていました。
距離はそれなりに走っていますが、電池はしっかり12セグ。内外装ともに状態はよく、200V用の普通充電ケーブルが、プチプチの緩衝材がしっかり巻かれたままの新品状態で付属していました。「なぜ新品?」と営業担当者に聞くと、前オーナーは「24kWhからこの30kWhに乗り換え、新型の40kWhを購入した。24kWhの時から使っていたケーブルがあったから、この車に付属していたケーブルは未使用のままだった」とのこと。
つまり「EV慣れした、リーフを愛するオーナーがキレイに乗ってきた1台」と想定。1万円の手付金を打ち、即決で購入へ、ということになりました。結果的には諸経費込みの総額で170万円以下に収まりました。車両価格の予算を150〜170万円に設定して「30kWhリーフのエアロスタイルを狙う」という作戦は、まずは成功だったと思っています。
アルミホイールなどにこだわらず、エアロスタイル限定という縛りを外せば、さらに10〜20万円くらい安い相場で状態のいい中古車を探せるはずです。
東京都では中古車でも自動車税などが免除!
支払総額のうち、販売諸費用がなんだか安いことにお気づきでしょうか。今回購入した中古リーフはちょうど最初の車検が切れるタイミングだったので、2回目の車検を受けて納車されました。車庫証明は自分で取って、納車も自分が販売店に足を運んだので、諸費用の内訳は、検査登録代行料と検査登録費用が4万円ほど、あとは自賠責が約2万7000円。普通は加算される、自動車税、自動車重量税、自動車取得税は0円です。
電気自動車(PHEVを含む)への優遇税制の恩恵です。このうち、自動車重量税は国の補助。自動車税と自動車取得税は東京都の場合、初年度登録から5年以内であれば中古車でも全額が免除されます。
【参考記事】『電気自動車の補助金と税金』
こうした優遇制度は自治体によって違います。東京都のほか、新潟県や愛知県、京都府などでも自動車税などのEV・PHEV優遇制度があります。実は今回、埼玉県の中古車店で購入したために、見積には自動車取得税などが入っていて、いったん諸税を含んだお金を入金。車検を受けたら無料だった! ので返金してもらう、という珍事がありました。(私もきちんと確認していませんでした)
中古車店の営業担当者も、都道府県をまたいで中古EVを売るケースは少ないらしく、優遇制度も複雑で、こうした「うっかり」が起きたようです。ちょっと面倒ではありますが、自分でもお住まいの地域の制度を確認しておくのがオススメです。
ちなみに、任意保険はディーラーがすすめてくれた保険ではなく、自分でネット申し込みするコストパフォーマンスの高いやつに加入しました。車両保険まで入ると1年目の差額は5万円以上で、地味に得した気分です。1000円だけですが、電気自動車割引(中古でもOK!)もありました。
中古車リーフを買うと「ZESP2」が実質4年間無料!
前回記事にも少し書いたように、今、日産ディーラー系の店で中古車リーフ(販売価格が48万8000円以上)を買うと、日産ゼロ・エミッションサポートプログラム2(ZESP2)の「使いホーダイプラン(月額2000円で日産販売店とNCS加盟の急速充電器が使いホーダイ)」が2年間無料、さらに月額料金約2年分に相当する4万8000円分の商品券がもらえるというキャンペーンが実施されています。
新型リーフを新車で購入しても、こんな特典はありません。以前の「ZESP」の場合、中古車で加入するのはかなり面倒だったのですが、現在の「ZESP2」はむしろ中古車ユーザー大歓迎だと理解できます。
もちろん、加入の申し込みをしました。ただし、ZESP2に入会するには、日産カードに加入(月額料金などはそのカードで決済。初年度会費は無料だけど、2年目以降は会費が年額1250円)することが条件。また、申し込んでからZESP2のカードが届くまでに1か月ほどかかります。今回の私の場合、昨年12月末に申し込み、ZESP2カードが手元に届いたのは1月30日でした。とはいえ、中古車店営業担当者のサポートもあって手続きはスムーズに運びました。
日産リーフは『Nissan Connect EV』というスマホアプリでバッテリーの充電やエアコンを遠隔操作できるのですが、このアプリを使うには、ZESP2に入会後『NissanConnect EV(カーウイングス)』という日産が提供するユーザーサイトに登録し、ディーラーで車両側のTCU(通信装置)を専用端末でオンにしてもらう必要があります。
無事にZESP2のカードも届いたので、2月2日、近所の日産ディーラーへ1か月点検に行きTCUをオン。アプリも使えるようになりました。納車から約1か月、ようやく、ちゃんとしたリーフオーナーの仲間入りができました。これから4年間は、2年目以降の日産カード会費、年額1250円だけでNCSの急速充電器を使うことができます。
気になる電池の劣化状態を健康診断!
中古リーフを購入して、やっぱり気になるのが動力用メインバッテリーの劣化状態、いわゆる「SOH=States Of Health=初期と比較した容量維持率や抵抗上昇率」です。今回の車の容量計は12セグとはいえ、日産ではセグごとの容量維持率を公表していません。下見の時にも中古車店の営業担当者に「SOHは測定してないですか?」と確認しましたが「は? SOSって何ですか?」とキョトン顔。悪気なくご存じないようです。(SOSはちょっと話を盛りました。w)
マニアックなリーフオーナーの間では、車両側のOBD2(On-board diagnostics)端子にネット通販などで入手できるスキャンツールを装着してECU(Electrical Controll Unit)にアクセス、『Leaf Spy Pro』というスマホアプリを使ってバッテリーセルの状態などを計測する方法が知られていますが、基本的にメーカーではユーザーが勝手にOBD2端子にツールを接続することを認めていません。
ここはひとつ、客観的にプロの手を借りて、購入した中古リーフの健康診断をお願いすることにしました。
訪ねたのは、日本EVクラブの仲間でもあり、最近、ヴィンテージ車をEVに改造して復活させるプロジェクトでマスコミにも注目されている株式会社オズコーポレーションの古川氏です。
改造EV用のパーツやバッテリーが山積みされているファクトリーを訪ね、健康診断を開始。まずは、プロ用のスキャンツールでシステム各部に異常がないことを確認して「いよいよ電池のSOHを測定」という段階で、古川さんが取り出したのは、なんとiPhoneです。「SOHを確認するには、これが一番手軽で便利」と、Leaf Spy Proでの測定となったのでした(笑)。
「電圧とか見るのに、できるだけ電池が空の状態で来てくれると面白いかも」といわれていたので、この日の移動距離を考えながら充電量を調節。ファクトリーまで約1kmを残して航続可能距離表示が消えるという、我ながら見事なあんばいで到着していました。さて、気になる測定の結果は……。
SOHの数値は「87.84%」
SOHの数値は「87.84%」でした。正直、90%台後半さえ期待していたので、ちょっとがっかりです。正確な原因はわかりませんが、充電履歴を見ると、急速充電が246回、普通充電が45回。付属の充電ケーブル未使用状態だったことから「自宅にケーブル付き普通充電器も設置して、大切に乗られた個体」と都合よく想像していたのですが、週に1〜2回の急速充電中心で使われてきた車であることがわかりました。
古川さんが電池などを再利用するために仕入れていた事故車リーフのデータを見せてもらうと、約5万1000km走行の同じ30kWh(AZE0)で、SOHが93.86%という個体もありました。この車の充電履歴は、急速充電342回、普通充電1341回です。普通充電でじっくり充電すると電池セル電圧のばらつきなどが補正されるとも聞いています。2台の測定だけで判断するのは早計ですが、やはりこまめな普通充電を中心に使う方が、電池劣化を抑えられるようです。
そんなわけで、自分でもさっそくOBD2スキャンツールをAmazonで購入。アプリをダウンロードして、いつでも測定できるようにしました。私のスマホはiPhoneで、Amazonのレビューを見ると「接続できない!」悲鳴も多かったのですが、古川さんが使っていたのもiPhoneだったので、ツールの写真を撮っておいて確認しつつ購入。iPhone用にはアンドロイド用のBluetooth接続モデルより少し高価なWi-Fi接続モデルを探す必要があります。
「Wi-Fi接続って、ルーター設定とかしなきゃいけないのかな、面倒だなぁ」と思っていたのですが、当てずっぽうで接続を試みると、スキャンツールを端子に接続しただけで、設定→Wi-Fiの「ネットワークを接続」の画面に「Wi-Fi_OBD2」が表示されていました。計測するには、このWi-Fiに接続してアプリを立ち上げるだけ。あっけないくらい簡単でした。
2日後、普通充電で満充電にして自分で計測してみると、SOHが「88.24%」になっていました。リーフオーナーのブログで「電池復活走法」が紹介されているのを見たこともありますが、どうやら、本当にSOHが復活することがあるのかもしれません(今回の数値改善は誤差の範囲かとは思いますが)。これからは、自宅での普通充電を中心に使い、時々SOHをチェックしながら、大事に乗っていきたいと思います。
ちなみに、OBD2スキャンツールは、30kWhリーフに装着したまま走行すると、ブレーキ制御などの不具合が起こることがあるという情報もあったので、停車時に装着して測定するだけにしておきます。繰り返しになりますが、スキャンツールなどの使用はメーカーは認めていないので、あくまでも自己責任です。
今回購入した『OBD2スキャンツール WiFi版』(Amazon)
また、1か月点検に行ったディーラーで「現在のSOHを教えてほしい」とお願いしてみたのですが、やっぱり教えてくれませんでした。補機用12VバッテリーのSOH数値は94%と教えてくれて、まだ当分バッテリー交換の必要がないであろうことはわかったのですが……。
中古車情報サイトでリーフを検索している時にも、容量計のセグ情報すら明記されていないケースが多いことが気になりました。中古車リーフの選び方として「安ければ多少セグ欠け(容量劣化)していてもいい」というニーズはあるはずですが、ちゃんとした情報がなければ使える電池容量や航続距離を考えるにも曖昧な判断を強いられます。メーカーとしては「メーター表示で十分じゃないか」ということなのでしょうが、短・中距離EVといえる中古リーフを上手に活用するには電池マネージメントが大切ですし、ユーザーとしてはより深くマイカーを理解して乗りたいのが心情です。今後、リーフの中古車市場を健全に活性化するためにも、できればSOHを明示してくれないものかと感じます。
ちょっと長文になってきましたので、今回はこのくらいにしておきます。
次は、高速道路で少し遠出してみたレポートをお届けします。
(寄本好則)
電気自動車購入検討レポート第一弾
『2020年まで待てない! 今、買うべき電気自動車を比較検討「コストパフォーマンス」編』電気自動車購入検討レポート第二弾








