EVユーザーの本音を聞きたい! グループインタビュー PART.1〜EVライフは幸せか?

使いやすく美しいデザインの普通充電器を提供する『PLUGO』がEVユーザーの本音を探るグループインタビューに『EVsmartブログ』が協力。前編(全2回)では、実際に所有して、乗って感じる「電気自動車の光と影」を語っていただきました。

※冒頭写真は、予約可能な普通充電器『PLUGO BAR』。

後編記事はこちら

参加したEVユーザーのみなさん

『PLUGO』(プラゴ)は、いつでも簡単に予約できる電気自動車用普通充電スタンドをはじめ、デザイン・テクノロジー・サービスの3つを軸に、モビリティとエネルギーを取り巻くさまざまな事業を展開しているベンチャー企業です。コンセプトは、電気自動車を取り巻くすべてを「おもてなし」に変えること。「SUSTAINABLE INNOVATION」をキャッチフレーズに、さまざまなプロダクトやサービスの開発を進めています。

さて、「おもてなし」を具現化するためにはEVユーザーの本音を知ることが必要不可欠。EVsmartブログではプラゴの理念に共鳴し、2021年8月にも共同アンケート調査を実施しました。

今回は、さらに深く詳細な「本音」を探るため、グループインタビューを企画。ディープなEVユーザー8人に集まっていただいて、さまざまな話を伺いました。司会は、EVsmartブログの寄本編集長です。

小雨降る寒い冬の日曜日、『プラゴ』本社に参集したのはこんな人たち(ハンドルネームでご紹介 ※順不同)です。

●革さん

革職人ですが、地元の千葉県では地域の活性化につながる事業にも協力。EVは。荷物が積めるのはこれしかないということで『e-NV200』。いろいろと「ひどい目にあっている」と笑います。最近、『リーフ』を追加しました。

●サンシャインさん

2年半前に『リーフ』のオーテック仕様、40kWhを購入。自宅にソーラーを設置しています。そもそもは蓄電池を検討していて、だったらEVなら便利に使えるのではと考え、V2Hの可能な『リーフ』になったそうです。とはいえV2Hが未導入なのは内緒です。

●大川社長(プラゴ代表取締役)

学生時代から『スカイラインR34』、『エクストレイル』、『ムラーノ』などを乗り継ぎ、海外赴任から戻ったタイミングで『リーフ』の40kWhを購入。EVを購入したら「今までとは違う生活スタイルになった」そうです。

●やすひらさん

初めてのマイカーが『テスラ モデル3』という、ネイティブなEVユーザーです。いろいろ検討したいたところ、デザインに一目惚れして自然に『モデル3』になったと言います。

●みやさん

過去に『インサイト・ハイブリッド』で電気のワクワク感を感じて、『フィット・ハイブリッド』に乗り換えたら「なんでエンジンがかかるんだろう」という疑問がわき、デザインが気に入ったこともあって『リーフ』に乗り換えたそうです。今は、2021年11月に『テスラ モデル3』をポチって納車待ちです。そろそろ納車予定かも。

●もぎさん

今の『リーフ』になる前は『レガシー』に16年間乗ったというスバリスト。電気だからというよりは、『リーフ』独特の加速感に魅了され、もう少し乗ろうと思っていた『レガシー』から買い換えてしまいました。

●篠原さん

もともとはバイク乗りで30歳を過ぎてから車の免許を取得。『アコード』『BMWミニ』『プラド』などを乗り継いだ末、雑誌『カーグラフィック』で記事で見てデザインに惚れた『ホンダe』を衝動買い。夕刊フジで『EV放浪記』を連載しています。EVsmartブログにも記事を寄稿していただいています。

●テスカスさん

普段の生活でマイカーを持つ必要性を感じることはなく、ずっとカーシェアライフを送っていたものの、『テスラ モデル3』のカーシェアがなかったので、乗るには買うしかないと思い立ってマイカーにしたそうな。テスラ専門ブログ・フォーラム『テスカス』を運営しつつ、EVsmartスタッフに加入しました。

マニアックなクルマ好きから、初マイカーがEVという方まで幅広く。でも、みなさんそれぞれにEVをフル活用している、ちょっと濃いめの猛者揃いです。全員が男性とはなりましたが、こうしてまとめてご紹介すると、EVユーザーにもいろんな方がいらっしゃることが改めて実感できますね。

EVにどんな魅力を感じてますか?

では、みなさんの本音を紹介していきましょう。とはいえ8人すべての意見を紹介するのは難しいので、質問ごとにポイントをピックアップしていきます。まずは、「EVにどんな魅力を感じてますか?」という質問への回答です。

首都高とかでの合流がラク!/やすひらさん

「もともと運転があまり好きではなかった。高速道路は怖いし駐車も煩わしいと思ってたので。でもEVはレスポンスが良くて首都高での合流もラク。お手頃なレンタカーのエンジン車だと思うようにコントロールできないことがあったのですが、EVはそういう不安がまったくない」

意識が高い方々との人脈が広がる!/革さん

「自宅でV2Hをやっているほか、敷地に上水道をひかずに地下水を使っています。その関係で町と協定を結んで災害拠点にもなっている。SDGsや社会貢献などに興味をもっている社会的関心の高い人たちをお会いすることも多く、ビジネスチャンスになることも」

充電友達の輪が広がっていく!/篠原さん

「充電しているときに、知らない人と話すようになった(あー、たしかに! という声が複数の人から漏れました)。こないだはリーフでタクシーをやっている人と話ができて、情報量が半端なくて、すごく楽しい」

エアコンつけて車中泊しても静か!/みやさん

「キャンプするのが好きで車中泊もしていたが、EVならエアコンつけっぱなしでもアイドリングなんてしないし静か。快適に過ごせるのがいいと実感している」

司会の編集長が、逆に「EVを買って後悔している人は?」と聞くと……、誰も手を上げませんでした。

EVに乗って変わったことは?

ではEVユーザーは、EVに乗ってから運転や生活スタイル、考え方などが変わったと感じたことはあるのでしょうか。これはほぼ全員、変わったことがあると言いました。

遠出がしやすくなった!/テスカスさん

「EVに乗り始めてランニングコストがすごく安くなった。燃料代がほぼ半分以下になったので、遠出がしやすくなった」

電気が減らない嬉しさ!/大川さん

「山道の帰りに電気が減らないうれしさがある。むしろ増える。バッテリー残量を予想して喜びながら帰るっていうのは、今まではなかった。ガソリンは増えないけど、電気なら増える」

走り方が変わった!/篠原さん

「自宅の電気契約を、応援したい再エネ発電所を選べる『みんな電力』に変えた。EVに乗り始めてから、電気はどこから来るのかなって考えるようになって。あとはワンペダルが画期的。ブレーキ踏むのがもったいなくて、車間距離をとるようになったりして、自動車の乗り方そのものが変わった」

意識的に環境負荷を減らす方法を考えたり、走りながら増えていく電気残量を見るのが楽しくなって結果として電費が良くなるような乗り方になったり、EVユーザーの人たちの多くは、乗る前には考えていなかったことを感じ、変わっていくことがあるようです。

EVに乗っていて困ったことは?

ではEVに乗っていて困ったことはあるのでしょうか。思いつくのは電欠ですが、実際に動けなくなった人はいるのでしょうか。

残り10%だったのが朝起きたら0%に!/やすひらさん

「箱根の目的地充電設備のない宿に予約していて、時間の関係で早く着きたかったので途中で充電もせず、宿に着いたときには残り10%くらいになっていた。でも近くに急速充電器があるのは知っていたのでそのまま眠り……。朝起きたらびっくり。ゼロ%になっていた。でも『モデル3』は少しバッファがあるので、なんとか10kmほど先の充電スポットに行ったら、充電器が故障中。さらに10kmほど登ったところにある道の駅になんとか辿り着き、ようやく充電できた。最後の坂は思い切り踏んでも30kmくらいしか出なかった。電欠の危機、唯一の体験です」

朝起きたら亀に!/革さん

「車中泊して、朝起きたら亀になっていた。そんなに使ったかなって思ったんですが、施設の中に急速充電器があるのは知っていたので、そこまでノロノロ走っていった。これはヤバかった。僕の周りには猛者が多くて、JAFを呼ぶのが抵抗あるみたいで。その人が言うには初期型『リーフ』だと亀が出てから10kmくらいは走れたと。電欠になると、最後は歩いた方が早いくらいになって、最後は息を引き取るように動けなくなるそうです……」

ちなみに革さんは、富士山の5合目でのイベントに参加した際、現場で『i-MiEV』に給電してあげたことがあるそうです。EVからEVへの充電ができると、緊急時にはいろいろ役に立ちそうです。

旅はロシアンルーレット!/篠原さん

「旅に出ている時は、充電器はロシアンルーレットだと思って楽しんでいる。EVsmartアプリで調べれば急速充電スポットの出力はわかるんだけど、あえて調べず、車載カーナビで探したスポットを利用するんです。最大出力が少なめの「はずれ」でも、それもまた旅の醍醐味だと。最近は、そもそも『ホンダe』の急速充電はあまり入らないので、50kW出力の急速充電器じゃなくてもいいやと思うようになりました」

近くの充電器は確認!/革さん

「私のe-NV200は24kWhと小さいし、1回の急速充電で回復する航続距離が短いので、長距離ドライブの時はいわゆる「各駅停車」で充電しながら走っている。充電器が壊れていることも想定して、複数の急速充電スポットが選択可能な航続距離を残して充電するようにしています。死活問題だから」

いきあたりばったり!/サンシャインさん

「急速充電は、本当にもう、いきあたりばったり。到着前に、空いていることを祈るくらいですね」

基本的には、今回のみなさんはあまり電欠の不安などを感じてはいないようでした。一般的にはEVの電欠不安が強調されることが多いように感じますが、実際のユーザーにとってはそうでもないようです。

発想の転換!?

ところで、今さらではありますが、1回の充電で走ることができる航続可能距離についてEVユーザーはどう考えているのでしょう。

大丈夫!/もぎさん

「とりあえず40kWhの『リーフ』で250kmくらい走るので大丈夫」(もぎさん)

スーパーチャージャーなら不安ない/テスカスさん

「最近はスーパーチャージャーが増えていて、本州の中での移動ならほぼ不安がない」

高速道路はいらない!/篠原さん

「『ホンダe』は、1時間走ると30分充電なので、つないでいくしかない。高速道路はあまり使わなくなりました」

スーパーチャージャーが拡充されているテスラ車ではそもそも「不安」を感じることはなく。バッテリー容量が小さいEVのユーザーとなった篠原さんは「発想の転換」をしていました。

ここに来て続々と登場している新型EVでは、一充電「300km以上は当たり前」という状況なので、航続可能距離については「案ずるにおよばない」だとは思います。とはいえ、大容量電池を搭載したEVのオーナーであっても、エンジン車とは違うエネルギーの使い方に目覚めることができるのは、自動車がEVになることの大きな意義のひとつでもあります。

たとえば、プラゴが展開する普通充電器の役割も大切。宿泊施設に設置してある普通充電器で「寝ている間に満タンにできる」のも、エンジン車とは違うエネルギーとの関係の一例です。

次回、後編では、EVユーザーとして「こうだったらいい!」という今後の要望について、EVユーザーの本音を掘り下げてみたいと思います。

(取材・文/木野 龍逸)