EVユーザーの本音を聞きたい! PART.2〜目的地充電は予約したい、よね?

使いやすく美しいデザインの普通充電器を提供する『PLUGO』が実施したEVユーザーへのグループインタビューに『EVsmartブログ』が協力したコラボ企画。後編では、EVを使う中で感じた課題や今後への期待などについて語っていただきました。

EVユーザーの本音を聞きたい! PART.2〜目的地充電は予約したい、よね?

普段の充電はどうしてる?

後編ではまず、普段(拠点ガレージ)の充電環境について質問しました。EVユーザーさんたちは、いつも、どこで充電しているのでしょうか。

実は、ディープなEVユーザーが集まったものの、集合住宅住まいで拠点ガレージには充電設備がない方が大半でした。日常的に近くの充電スポットで急速充電をするパターンで、篠原さん、やすひらさん、みやさん、もぎさん、テスカスさん、大川さんと、8人中6人がこのグループでした。

ちょっと変化球は、サンシャインさん。自宅は一戸建てなのですが、「EVを買ったのをきっかけに電気工事士の資格を取った」そうです。それで自分で工事して普通充電用コンセントを設置しています。ただ、ZESP2の会員にもなっているので、いつもは近くの日産ディーラーで充電しているとのこと。

もうひとり、みやさんも電気工事士の資格保持者で、外にある洗濯機用のコンセントを充電で使えるように配線しなおしたそうです。ただ、「延長コードを使うので、歩いている人がつまずいてしまうかもしれない」のが心配で、非常用でしか使っていないそうです。

また年に3万キロほど乗るというヘビーなテスラユーザーのやすひらさんは、EVを買うにあたって「安い駐車場と急速充電器が近くにある賃貸住宅を探した」そうです。初手からEVが生活の中心にある感じです。とはいえ、EV用充電設備がある賃貸住宅を探しても、現状ではほぼ皆無、なのが辛いところです。

寄本編集長自宅の200Vコンセントと充電ケーブル。

外出先での充電はどうしている?

では外出先での充電方法はどうでしょうか。はじめに、充電のためのeMPカード(連携のメーカー充電カードを含む)を持っているかどうかを確認してみると、テスラ乗り2名と大川さんはカードなし。日産&ホンダのEVユーザーはメーカーが発行している充電カードを所有していました。

eMPネットワークの充電器を使う際には、あらかじめ登録した充電カードで認証します。

ランニングコストが上乗せになるのでカードは持っていない/やすひらさん
「あった方が便利かなとも思うがランニングコストが上乗せになるので持つ意味があまりない。普段は無料充電が基本で、遠出の時はスーパーチャージャーしか使わない。自分のライフスタイルで多い長距離のクルマでの移動は、愛知と東京の往復くらいだから、今のところ不便は感じていない」

カードの種類では、日産「ZESP2」の所有者が3人でした。ただ、ZESP2は徐々に期限が切れていき、更新ができません。その後はどうするかが、ユーザーの悩みどころになっているようです。

利用頻度が半端ないのでZESP3は悩みどころ/革さん
「急速充電器の利用頻度が半端なく多い。(ZESP3のように)10分の回数で課金されると途方もないことになるのでZESP3にするかは悩んでいる。大阪に行くまでに片道だけで10分×15回くらいは充電するので、10分×40回の急速充電料金を含んだ月額1万1000円(3年定期契約の場合は月額9350円)のプランでも足りない月が多くなりそうで……」

カードを持っていないと激しく面倒/大川さん
「リーフを買ったときにはZESP2が月に2000円で契約できた。ZESP3のプレミアムプランは3年契約でも月額2750円〜なので、費用対効果が合わないなとは感じている。ただ、出かけた先でNCS(現在はeMPネットワーク)の充電器を有料で使う機会は少なくない。カードを持たず、ゲスト登録して使うのは激しく面倒で。だからこそ、便利に使えて予約もできる『プラゴ』の普通充電器に価値があるとも思っている」

実際、カードなしでNCSの急速充電器を使う手続きは、大川さんが言うとおり「激しく面倒」です。EVの普及率がまだ雀の涙的な現状でさえ経路上での急速充電器(設置口数)の不足が指摘されている状態なので、これから多様なEVが増えて(輸入EVには充電カードを用意していないケースも多い)、認証手続きが今のややこしいままだったらどうなってしまうんだろうと心配です。

EVに関して不満なことは?

次に、EVに乗っていて感じる「不満や困ったこと」について聞いてみました。前編では、EVを買ったことを後悔している人はひとりもいなかったのですが、ちょっとした不満とかはあるはずです。

意見として多かったのは、急速充電器に関する課題でした。

高速道路の急速充電器の数が少ない!/司会の寄本編集長
「急速充電器を設置している高速道路のSAPAは増えてきたけど、ほとんどが1カ所に1台だけ。充電待ちに遭遇することが少なくない。EVsmartブログでも頻繁に取り上げてますけど、とくに高速道路網への高出力器複数台設置を進めてほしい」

急速充電器の設置場所にも配慮を!/やすひらさん
「サービスエリアの出口付近に急速充電器があって、駐車場に戻れないことがある。大黒も新しい充電器まで行くとトラックレーンを逆走しないと駐車場に戻れない」

首都高大黒PAに設置された最大90kWの6口器。

ユーザーの使い勝手向上に期待!/みやさん
「公共の急速充電器は、充電ケーブルが重かったり汚れてたりしていてスマートじゃない。ユーザーの使い勝手が向上する技術やサービスの普及に期待したい」

30分という時間は何をするにも微妙!/大川さん
「急速充電の時間が原則1回30分というのが微妙。ちゃんと食事をするには短いし、トイレに行くには長すぎる。あとは、高出力の急速充電器が増えて、もう少し充電が早く、たっぷりできるようになるといいと感じている」

30分だとトイレに行って買い物などをするだけでも忙しい!/もぎさん
「30分だとご飯は食べられないので、コンビニでパンを買って食べるとか、普段はトイレに行ったりするくらい。せめて、45分くらいほしい」

急速充電器の設置場所は、不便なだけでなく、筆者自身の経験で「危険を誘発している」と感じることすらあります。設置場所の制限もあるのでしょうが、事故が起きてからでは遅いので、一刻も早い改善が必要ではないでしょうか。

急速充電の時間が30分上限なのは微妙という指摘には複数の人が賛同していました。一方で、「自分が待たされる側になったときを考えると(30分制限は)仕方がないのかも」(やすひらさん)という意見にも、複数の人が同意していました。ちなみに、1カ所に複数台が設置されているテスラのスーパーチャージャーでは、一部の人気場所を別にすれば、今のところストレスを感じるほどの待ち時間は発生していないようです。

そう考えると、最も早い解決法は複数台の高出力急速充電器を設置することではないかと思うのですが、どうでしょう。あるいは、充電が終わったら自動で駐車スペースに止めてくれる自動運転があるといいのですが、充電器を増やすより時間がかかりそうです。

他には、こんな意見もありました。

バッテリーのレトロフィットを!/革さん
「バッテリーのレトロフィット(旧型を改良して新しい機能を追加すること)がほしい。私が所有している『e-NV200』の電池容量は24kWhなので、長距離移動に使うには制約が多くなる。たとえば、40kWhの新しいバッテリーを古い車種にも積めるようにしてほしい」

EVユーザーにとってバッテリーは切実な課題ですし、環境面からもレトロフィットは必要だと感じます。自前でのバッテリー交換は現行法ではほぼ不可能と言えるくらいハードルが高いため、メーカーによる対応が必須でしょう。

プラゴでは予約可能な普通充電器を展開中。

こうすればもっとよくなるという点は?

さらに、EVユーザーから見て「こういうサービスがあればもっと便利にEVを使える!」という意見。期待を込めてご紹介します。

目的地の普通充電を予約できるように!/革さん
「寝ている間に充電しようと思って充電器のあるホテルに行ったら、車中泊の人が止まっていた。泊まってないけど充電できる、宿泊しても充電できないというのは、泊まる人にとってはかわいそう。eMPではなく独自の課金でもいいので、充電器を予約できるようにするか、全部の駐車スペースに充電器を付けるかして欲しい」

パーキングメーターで充電を!/篠原さん
「パーキングメーターで充電できるようにできないか。もちろん駐車料金はちゃんと払う」

普通充電器に長いケーブルを!/みやさん
「宿泊施設の普通充電スペースでは、エンジン車が停まっていてEVが充電できないこともある。ケーブルが長ければ、充電スペースに関係のない車が停まっていても伸ばして充電できる」

アカウントから引いてくれるシステムを!/やすひらさん
「CHAdeMOで、せめてICカードが使えるようにできないのか。eMPカード会員(もしくは提携カード所有者)以外はゲスト登録でクレジットカードしか使えないし、手続きが面倒臭い。テスラは、(プラグアンドチャージで)勝手にアカウントから引いてくれる。使う時にいちいち認証する必要がないからストレスフリー」

宿泊先などでの目的地充電は、日本でも注目度が高まり始めています。目の前に充電器があるのに充電できない! なんて状況が多発するのは、EVユーザーのストレスがマックスになりそうです。目的地充電施設の「予約」は今後の必須機能かもしれません。

課金については議論が盛り上がりました。急速充電の認証にストレスを感じているユーザーが多いことがわかります。テスラはプラグアンドチャージなので、余計な作業がありません。それと比較して、EVユーザーの多くが、現行のeMPのシステムには改善点がある感じているということです。

これとは別に、ショッピングモール等での課金について、「ショッピングモールなどの駐車場なら出庫時にチケットと一緒に認証できるといい。駐車券と別の所に充電の支払い機があると若干のストレスになる」(やすひらさん)、「何十台も充電器が並んでいる駐車場だと、離れた場所の認証器を操作する時に番号がわからなくなって困ったりする」(みやさん)という意見もありました。

駐車場の料金支払いにナンバー認証が登場して何年にもなります。それなら充電器も、というのはとても自然な要望だと思いました。

普通充電器、こうすればもっと増えるはず!

普通充電器のユーザーインターフェースについてもいろいろな意見が出ました。駆け足で紹介しましょう。

告知の液晶があるといい!(もぎさん)
「充電器にお店のロゴを表示したりキャンペーンを告知できるような液晶があるといい。小さいお店でも設置する価値が増える気がする」

液晶に広告を流せば収益性アップにも!(革さん)
「液晶に広告を流せるようにすれば(充電器の)収益性も上がるのでは。設置者が収入を得られると薦めやすいし、普及しやすくなる」

使用中の充電器が遠くからでもわかるように!(やすひらさん)
「どの車が充電中なのか、遠くから見てもすぐにわかるようにしてほしい。例えばAの充電器なのか、Bなのか、コントローラー側から確認できるといい」

充電器のデザインも大切だ!

プラゴがこだわっている充電器のデザインについても、いろんな意見が飛び交いました。

デザインがいいと気分が上がる」(テスカスさん)
美しいデザインの充電器をいろいろな所に設置してほしい。実家の方にはまだ充電設備が少ないし、もう少し見た目を意識したデザインになっているといい」(サンシャインさん)
国産メーカーも、コントロールボックスをもう少し格好良くしてくれるといい」(やすひらさん)
今の充電器のデザインは、なんとかしてほしいという印象。カッコイイから使ってみたいという人は出てくるはず。デザインにこだわっていいと思う」(篠原さん)

日本のデザイン、がんばってください!

これから設置場所が激増していくであろう普通充電器。デザインがカッコいいのは、EV普及全体のためにも大切です。グループインタビュー終了後には、『プラゴ』で開発中の新しい普通充電器を集まったEVユーザーが実際に操作してみて、感想を伝える機会もありました。

というわけで、2回シリーズでお届けしたレポートが長文記事になったことでお察しのように、実際のグループインタビューも2時間以上の長時間におよぶ充実した内容となりました。参加いただいたみなさま、本当にありがとうございました!

(取材・文/木野 龍逸)

この記事のコメント(新着順)12件

  1. やっとたどり着いた急速充電器に、PHEVがで~んと充電していたりすると、殺意が芽生えることがある。最近あの大きい三菱のPHEVの売れ行きが良いみたいで、バッティングすることが多くなった。この先、軽のEVが売り出されたらこんな事が多くなるんだろうな。あのバッテリーの大きさなのに、急速OKなんて。販売する際に、きちんとマナーを徹底して欲しいです。

    1. EV乗り様、コメントありがとうございます。急速充電器が必要な時に、十分な数がない、というのはとても困りますよね。こればかりは、どんどん車の数が増える中で、マナーに訴えても無理なものの一つだと思います。これから、99%の初心者の方々が電気自動車のユーザーになっていきます。我々は、どんどん自動車メーカーや政府・地方自治体に対し、このような充電環境ではダメだ、ということを伝えていくことを続けていきたいと思います。

    1. Akihiro様、コメントありがとうございます。自宅充電がどうしても難しいケースもありますね。

  2. 充電出力が大きい充電器の場合特にそうですが、時間制充電料金のままだとEVの違いによる充電料金の格差は広がるし、大容量のEVが充電するほど充電器設置者は損することになります。やはり充電量による料金設定が必要になると思います。しかし、すでに時間制充電料金の充電器が普及している現在、それらを充電量で計量する充電器に置き換えるのはコスト的にも時間的にも難しいと思います。また、大出力の充電器を設置しても利益が期待できないのでは、設置しようという事業者も増えないでしょう。
    そこで、充電器は現状のままで充電機能と利用電力量の計測は別にしたほうがいいと思います。既存の充電器にスマートメーターを取り付け、利用した充電量を計測できるようにする。それだけでは料金の請求ができないので、利用者個人を電気の利用者として登録できるようにする。現在は家屋や事業所単位で電力会社は電気料金を請求していますが、電力会社が個人に対して料金請求ができるようにすればいいと思います。それを経営が厳しい新電電にやらせればいい。電気料金は新電電各社に自由に決めさせ、1つのアカウントを作れば、全国どこの充電器も利用できるようにすれば利用者にとっても便利です。
    そうすれば、利益が出そうな場所であれば積極的に充電器を設置するし、新電電同士の競争もあるので料金は適正な価格になると思います。
    現在の充電インフラの問題点は、充電器を設置しても利益が期待できないので、充電器を設置したい事業者が増えないこと。また、場所に関係なく充電料金を徴収するためには、e-Mobility Powerに加盟するくらいしかありません。充電器に安価なスマートメーターを取り付けて料金を徴収できるようにすれば充電器を設置したい事業者が増えるのでは?

    1. さらに言うと、集合住宅の場合は個人が要求すれば管理組合やオーナーは充電器設置を拒否できないというルール(法律)を作って、電力会社が個人に対して電力供給ができるようにすればいいと思います。管理組合の承認を得るという作業を行っていては埒が明きません。住宅の光回線を通信会社が引いているように、集合住宅でも個人に対して充電設置ができるようにすればいい。もちろん、設置費用は個人持ちになります。充電コンセントを付ける程度でいいと思いますが、収益が期待できるなら初期費用もしだいに安くなるのではないかと思います。もっと自由に充電施設を作れるような環境を作ることが重要です。

  3. 予約の時間に対する厳密な到着を保証できるのか甚だ疑問なのですが。急な用事で出かけたら何処も予約で一杯なんてかなわないです。

  4. 充電施設の予約は確実に使うことができるという点で充電に関する不安が減るものと思います。
     これから充電車両が増えていく中で、充電器であり、施設(スペース配置)であり、認証方法であり、ユーザーのマナーなど多岐に渡る問題点を解消していくことが必要なので、このような会での意見が設置者や充電ネットワーク事業者などに伝わり理解されていくといいですね。
     そこにはもちろんEVsmartさんも一翼を担っていると思います。
     その一方でユーザー間(カテゴリーで)の理解(車両の特長の違い)も必要なことではないかと思います(コメント含め)。
     

  5. 充電後の放置車両への厳しめなペナルティや、おかわり充電のシステム的な禁止が必要。

  6. 先日、納車されたばかりのVOLVO C40でビジター充電で千葉〜仙台を往復ました。
    高速のPAに充電器が増えていて良かったです。
    特に田野PAの新型50KWの充電器はビジター充電でも事前に他の充電器を使用したときにスマホにクレジットカード情報を登録してあると次からはバーコードをかざしてスマホをちょっと操作するだけで非常に簡単で便利した。
    今までのパスワード式でも一度パスワードを発行すれば一日有効で何度でも他の充電器でも同じパスワードが使えるのでそれほど不便と感じることはなかったです。
    それよりも仙台市内の日産ディーラーの90KW充電器の早さに感動しました。
    あれが高速道路上に増えたらメチャクチャ便利になります。
    あとに1つの充電器を共有するのはいただけないです。
    同じ料金で走れる距離が半分になったりするのは納得いきません。
    共有状態になったら料金も半分にしてほしいです。
    カード保有で定額で充電できる人は気にならないかもしれませんが普段はあまり長距離を走らないビジターとしては我慢できません。

    1. 従量課金が法的に可能になっているのに、このまま時間課金を続けることで被害を被る方が増えてしまいそうですね。
      90kWでスタートしたのに途中から45kWになるのでは、追加充電が必要になるかもしれず、充電計画が立てられません。大黒PAの6口充電に至っては、90kWで始めても後から2、3台が充電を開始すると25kWでの充電になってしまいます。これでは「時間泥棒」と言っても過言ではないと思います。
      欧州では従量課金が普及しているようですが、日本でも速やかに切り替えてほしいと思います。

  7. 予約は出来た方がいいです。ただしマナー問題がなく料金据置なら。
    予約より1箇所N台の方がありがたいし、普通充電モードでしか充電できないガソリン車が急速充電使うなどマナーを徹底するだけで充電待ちは激減しますよ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。


この記事の著者


					木野 龍逸

木野 龍逸

編集プロダクション、オーストラリアの邦人向けフリーペーパー編集部などを経て独立。1990年代半ばから自動車に関する環境、エネルギー問題を中心に取材し、カーグラフィックや日経トレンディ他に寄稿。技術的、文化的、経済的、環境的側面から自動車社会を俯瞰してきた。福島の原発事故発生以後は、事故収束作業や避難者の状況のほか、社会問題全般を取材。Yahoo!ニュースやスローニュースなどに記事を寄稿中。原発事故については廃棄物問題、自治体や避難者、福島第一原発の現状などについてニコニコチャンネルなどでメルマガを配信。著作に、プリウスの開発経緯をルポした「ハイブリッド」(文春新書)の他、「検証 福島原発事故・記者会見3~欺瞞の連鎖」(岩波書店)など。

執筆した記事