テスラ『Model3(モデル3)』で、淡路島へ取材に出かけ、東京=淡路島(鳴門)を往復してきました。テスラが独自に設置しているスーパーチャージャーも活用し、テスラ以外の電気自動車との違いを体感することもできました。モデル3にたっぷり乗った実感とともに、いろいろと考えたことをお伝えします。まずは往路編からお楽しみください!
EVsmartを運営しているアユダンテに、モデル3が納車されたのは日本でのデリバリーが始まってすぐの9月13日でした。ブログチームとしては、ぜひロングドライブを試したい。ちょうど、淡路島への取材予定があったので、モデル3で往復してきました。
リーフ用のケーブルで自宅充電できました
半蔵門近くの駐車場からモデル3を借り受けて、満充電でスタートするために私(寄本)の自宅で普通充電。私が持っているケーブルは日産リーフの200V用です。車種が異なるケーブルが使えるかどうかちょっと心配だったのですが、EVsmartブログチームリーダーでこのモデル3のオーナーでもある安川さんに確認すると「問題ないはず」とのこと。車載されている J1772(普通充電用プラグの規格)アダプターで繋いでみると、問題なく満充電にすることができました。
液晶パネルの写真でわかるように、モデル3、というかテスラ車では「充電電流」の量を車両側で設定できます。ケーブル側のコントローラーとどんなプロトコルでやりとりしているのか詳しいことは知りませんが、車種を超えて充電できるのはテスラ車の「賢さ」ですね。
画面クリーニングモードに、納得
出発前にいろいろいじっていて気付いたのが、液晶パネルに「画面クリーニングモード」があることです。
ご承知のように、モデル3をはじめとするテスラ車にはハード的なボタンやレバー類が少なく、モデル3でもトランクやグローブボックスの開閉など、ほとんどの操作は液晶パネルで行います。ことに画面が夜間モードの黒基調になった際、どうしても指跡が目立つのですが、いろいろいじっているうちに「ディスプレイ」設定のメニューに「画面クリーニングモード」があることを発見しました。画面中央の「長押しして終了」ボタンをしっかり3秒くらい押し続けないと解除されないので、パネルの指跡をきれいに拭き取ることができます。
それにしても、黒基調の画面になるとディスプレイはまるで鏡です。ボタンを押そうとしているのは同行したライターの木野さんですが「こんな顔は出したくない」というので、目線を入れておきました。とても楽しそうに笑っています。まあ、すぐに慣れてしまうのでしょうが、今までにないインターフェースの楽しさもモデル3の大きな魅力です。
渋滞時のオートパイロットはとっても便利!
東京・世田谷をスタートしたのは日曜日の午前10時前。東名高速を快調に走って、のつもりが、厚木を過ぎたあたりから長い事故渋滞に巻き込まれてしまいました。
もちろん、オートパイロットをON。ハンズフリーではないので、ステアリングに手を添えておく必要はありますが、とても優秀な運転支援機能です。多くの車種で、完全に停止した後の再発信時はアクセルペダルを軽く踏んだり、手元のボタン操作が必要だけど、モデル3のオートパイロットはかなり長く停車した後でも自動で前車に追従してくれます。
車間距離もディスプレイの「オートパイロット → クルーズ車間距離」で調節します。とくに問題はないんだけど、渋滞せずに走れている時などは、ディスプレイのタッチパネルで変更するのがやや面倒だし、目線が前方から離れるのでちょっと危ない。車間距離設定くらいはハード的なボタンがあってもいいのにな、とは感じました。
※コメントでご指摘いただきました。右ダイヤルを左右に操作することで車間調整ができるそうです!
ちなみに、ハード的な操作スイッチとして備えられているのは、ステアリング左右のレバーとダイヤルボタンのみ。それぞれの機能を整理しておくと……。
右レバー
●運転モード切替(DとN、R。Pはレバー先端のボタンを押す)
●クルーズコントロール(下に1回)とオートパイロット(下に2回)スイッチ。オフは上に1回 など
左レバー
●ウインカー
●ヘッドライトのハイビーム切り替え
●パッシング
●ウオッシャー(先端のボタンを押す) など
右ダイヤル
●オートクルーズ(オートパイロット)の速度設定
●音声認識のスイッチ など
左ダイヤル
●ミラー位置調整
●オーディオの音量調整 など
右レバーを下に1回押すと前車追従のクルーズコントロールがONになり、2回押すとステアリングのサポートが加わってオートパイロット状態になります。走っている途中でステアリングのサポートだけONにしたい局面があったのですが、どうやらそれはできません。
※これまたコメントでご指摘いただきました。オートパイロット中に自分でアクセルを踏むと、速度調整がマニュアル状態になるそうです。とはいえ、ブレーキ踏むとAPとともにステアリングのアシストは解除されるでしょうし……。実際の使い勝手は次の機会にレポートします。
あと、オートパイロットで走行中、トラックが急に割り込んできたりして手動で強引にハンドルを切ろうとすると、オートパイロットが強制的に解除される際、ガクンッと急な挙動をするのが気になりました。
モデル3(テスラ)は完全自動運転を目指して鋭意前進中のはず。許容範囲ではありますが、マニュアル車で培ってきた運転感覚とちょっとしたズレがあるのは、やむを得ないことでもあるのでしょう。
浜松でスーパーチャージャーを初体験
電池残量41%で新東名浜松SAに到着。スマートインターチェンジでいったん高速を下り、SAに隣接した『ぷらっとパーク NEOPASA浜松』にあるスーパーチャージャーで充電しました。
ここには、120kW器が4台設置されています。それぞれの充電器には「1A」「1B」「2A」「2B」と番号が振られていて、ABでペアになっている充電器は電源を共有しているので、隣り合わせで充電しようとすると先に充電していたクルマの余剰分出力でしか充電することができません。なので、先に「2A」で充電していたモデルX(さっき、駿河湾沼津でも充電していたクルマ)とは間を空けて「1A」で充電しました。
いったん高速を下りてスーパーチャージャーへ行くのはいかがなものかと思っていたのですが、ことに下り線はスマートインターを出てすぐの場所。充電器脇の6段ほどの階段を上がると、すぐそこがSAの施設です。これは便利。こんなことなら、ここまで昼食を我慢しておけば、時間を節約できました。
一度高速を下りることで、通行料金は若干余計にかかります。今回のETCの記録を確認すると「東京→浜松スマート=4150円」「浜松スマート→神戸西本線=5840円」「神戸西本線→津名一宮=1620円」合計で1万1610円でした。最近の高速道通行料金は曜日や時間で変わって複雑ですが、E-NEXCO の料金検索で同じルートを調べてみると1万750円。860円だけ高く付いたようです。
近くの山の稜線に並んだ風車を眺めながらソフトクリームを食べつつ休憩。30分で93%まで充電できました。スーパーチャージャー初体験にちょっと浮かれて充電開始直後の出力を確認し忘れたんですが、ディスプレイの表示を見ると約30分で39kWh充電できたようです。素晴らしい。
浜松SAにチャデモの急速充電器は50kWが1台のみ。充電待ちになる可能性は高いし、30分充電しても20kWhくらいしか入らないでしょう。通行料金が少し高くなるのは悩ましいですが、4台の充電器が並んでいる上に実質的に「チャデモ器の倍以上」を実感できる高出力は魅力です。
高出力器の設置は「EVメーカーのサービス」をますます実感
ここのところ、大容量電池搭載車で何度かロングドライブをレポートしてきました。
●ジャガー I-PACE で長距離実走レポート:東京〜兵庫【往路編】
●ジャガー I-PACE で長距離実走レポート:東京〜兵庫【復路編】
●日産リーフe+ で90kW急速充電と日帰り約750kmのロングドライブを試してみた。
日産リーフのe+でも、最大50kWでは力不足で「もっと充電したい」と感じます。電池容量90kWhのアイペイスや80kWhのEQCではいわずもがな。テスラのスーパーチャージャーは公称120kWの出力ですが、今回、最大時は130kW以上出ていました。やはり、このパワーと複数台設置は大きな魅力です。
とはいえ、リーフe+が受け入れ可能な充電出力は約70kW程度。また、70kWh以上の大容量電池を搭載したEVは当然高価な高級車になってしまうので、今後EVが普及するとしても、ホンダeが提唱している35.5kWhくらい、せいぜい50kWhくらいまでの容量が「大衆車」の標準になっていくだろうと個人的には考えています。とすると、車両側の受け入れ可能な出力は最大で50kW程度が当面のスタンダードになるでしょうから、スーパーチャージャーのような高出力器を公的な充電器としてあまねく複数台設置するのは「過剰」です。
チャデモの新規格で設置されると噂の150kW器では、1台に150kWの高出力を提供するというよりも、2分割して複数台が同時に充電できることを構想しているようですし、それが正解だと思います。
ポルシェはタイカンの日本導入に向けて150kW器の充電ネットワークを独自に構築することを表明しているように、100kW超えの高出力充電網の整備は、高級車を発売するメーカーが高級車ならではのサービスとして展開すべきものと考えることができます。
と、常々考えていたので、日本進出当初からスーパーチャージャーやデスティネーションチャージャーの独自ネットワークを構築してきたテスラの姿勢は「とても正しい!」ことを実感するスーパーチャージャー初体験となったのでした。
淡路ハイウェイオアシスでCHAdeMO充電も試してみた
19時過ぎ、15%を残して淡路ハイウェイオアシスに到着。翌日は、淡路島での取材が終わったら鳴門海峡を越えて鳴門スーパーチャージャーまで行ってできるだけ充電して復路をスタートする算段です。ここから宿泊先のホテル→取材先→鳴門と走るには15%ではギリギリだし、CHAdeMOのアダプターを使った充電も試したかったので、ここで軽く充電しておくことにしました。
レストランのラストオーダーが19時15分だったので、まずは同行の木野さんにレストランへ走ってもらって、私一人で充電器を探しました。日産の44kW器は、施設からかなり離れた駐車場の端っこにありました。しかも、先客リーフが充電中。しょうがないので隣りの区画にモデル3を停めて、なにはともあれ夕食です。
私が建物に入った時には、すでに2階のレストランへ上るエスカレーターには「終了」の看板が出ていましたが、木野さんから「無事に注文できた」という電話は受けていたので大丈夫。『みけ家』という店で「淡路玉葱御膳」をいただきました。ご飯にのった天ぷらから味噌汁まで見事なタマネギづくし。写真左上の生の皮ごとタマネギは持ち帰りのお土産用です。
まだ未開封だったCHAdeMOアダプターを初使用。充電時にだらりとなるのはご愛敬ってところでしょうか。ここでは、ラグビーワールドカップ準決勝のラジオ中継を聞きながら、約28分で15%から35%まで充電。44kW器ですが出力は最初から最後まで36〜39kW程度でした。復路を含めた充電についての詳細は、復路編で報告したいと思います。
宿泊するホテルには21時頃到着。本当は19時くらいには到着してラグビー中継を観戦するつもりで出発時間を決めたのですが、事故渋滞にはまった2時間分、きっちり遅くなってしまいました。ホテルに充電器があればハイウェイオアシスでの充電は割愛できたのですが、このホテルにEV用充電設備はありませんでした。今回は取材先の方の紹介でホテルを決めましたが、これからはEV用充電器の有無も、ホテル選びの大事なポイントになりますね。
以上。往路編のレポートでした。復路編も近日中に公開予定です。お楽しみに!
(寄本好則)
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