各国のガソリン車禁止・ディーゼル車販売禁止の状況

【保存版、2022/10/05更新】2016年2月ごろに北欧を皮切りとして始まったガソリン車やディーゼル車の新車販売禁止。日本でもその動きが見られ始めたところですが、他国での状況をまとめます。2022年9月には米国ニューヨーク州で、2035年までに純電気自動車、プラグインハイブリッド車、燃料電池車以外の内燃機関を積んだ車両の新車販売を完全に禁止することを決定しました。カリフォルニア州の決定に続く形です。

ガソリン車やディーゼル車はガソリンや軽油を燃料として、エンジン内部で燃焼させて爆発させ、その勢いで車軸→タイヤを回転させて走行させる仕組みの車です。ガソリンは原油の中から取り出したり精製した炭素が5つ(ペンタン)から10個(デカン)くらいまでの炭化水素、軽油は14個から20個くらいまでの炭化水素(原油のより重い成分)のこと。細かい点では異なりますが、ガソリン車もディーゼル車も似たような仕組みでできています。ガソリン・軽油を燃焼させると酸素と反応して二酸化炭素と水が生成されますが、その過程で不完全燃焼して有害な一酸化炭素、窒素酸化物(NOx)、PM2.5が発生します。これらのほとんどは排気ガス浄化装置によって取り除かれますが、排出されるごく一部が問題となっているわけなんですね。

時は2016年2月。ノルウェー最大の政党であるノルウェー労働党のJonas Gahr Støre氏が2030年に新車をすべてゼロエミッションにするとの声明を発表。ゼロエミッションとは、排出がない、すなわち100%電気自動車を意味します。その後6月に当時与党連合を構成していた中道右派(保守党を中心とする)と野党連合を構成していた中道左派(労働党を中心とする)が、2025年にすべてのガソリン車・ディーゼル車の新車販売を禁止すると発表したものですから、大騒ぎになったわけです。この発表からは、電気自動車以外は売ってはいけない、というように理解できるわけですが、その後ノルウェー気候大臣Vidar Helgesen氏が禁止はしないが、強いアクションを取ってゼロを目指すとツイート。いずれにしろ法制化はされていないものの、国全体がその方向に動き出しました。

これを機会に世界中が同調していくわけですが、それをまとめてみます。

《国別のまとめ》

国名 規制開始年ガソリン車・ディーゼル車 ガソリン車・ディーゼル車 プラグインハイブリッド車 2020年度の新車販売台数 決定度 リンク
ノルウェー 2025 販売禁止 販売禁止 141405 与党連合を構成していた中道右派(保守党を中心とする)と野党連合を構成していた中道左派(労働党を中心とする)が合意して発表。2021年11月にCOP26の共同宣言にも署名。 両連合の合意 ノルウェー気候大臣のツイート COP 26宣言
スウェーデン 2030 販売禁止 販売禁止 292024 環境大臣かつ与党スウェーデン緑の党のスポークスパーソンであるIsabella Lövin氏がスウェーデンだけでなく、EU全体で規制すべきと発言。2021年11月にCOP26の共同宣言にも署名。 環境大臣の発言 COP 26宣言
オランダ 2030 販売禁止 販売禁止 357414 オランダ与党、労働党(PvdA)が提議して、オランダ議会下院を通過。 2021年11月にはCOP 26の共同宣言に署名。 ニュース記事 COP 26宣言
ドイツ 2030 販売禁止 販売禁止 2917678 ドイツ連邦参議院を通過。ドイツの規制はEUやUNECEの規制に影響を与える 2017/9/24の選挙を前にメルケル首相は雑誌SUPERilluのインタビューに答え、ガソリン車・ディーゼル車の販売禁止を指示。具体的な時期として2040年を示唆 ドイツ連邦参議院の決議に関するニュース記事 メルケル首相発言に関するニュース記事
フランス 2040 販売禁止 販売禁止 1650197 フランスの国務大臣権環境連帯移行大臣のニコラスユロが、政府の発表としてリリース 政府発表
イギリス 2035 販売禁止 販売禁止 1630806 英国首相のボリス・ジョンソンが元々計画されていた2040年から5年間の前倒しを2020年2月に発表。11月にさらに5年の前倒しへ。2023年9月スナク英首相により2035年に後ろ倒しへ。 政府発表
スペイン 2040 販売禁止 販売禁止 851325 2018年に首相のペドロ・サンチェスがエネルギー転換政策の一環としてプランを発表。ただ、首相が属する政党だけでは過半数に足りないため、他の政党から承認を得る必要がある 政府発表
アイルランド 2030 販売禁止 販売禁止 88324 2018年に首相のレオ・バラッカー氏がアイルランドを「気候変動へのアクションを取るリーダーにしたい」と発言。泥炭や石炭の使用の禁止も含めた’プロジェクト・アイルランド2040’の一環として発表。 2019年6月に、アイルランド政府は更に踏み込んだClimate action plan(気候変動対策プラン)を打ち出し、2030年までの電気自動車販売目標を ・乗用車84万台 ・電気トラック、バン9万5千台 ・電動バス1200台 としました。2030年までにガソリン車とディーゼル車の販売は禁止されます。 Climate action plan(英語)
アイスランド 2030 販売禁止 販売禁止 9369 2018年に首相のカトリーン・ヤコブスドッティルが気候変動戦略の一環として発表。2021年11月にCOP26の共同宣言にも署名。 政府発表に関する記事 COP 26宣言
スロベニア 2030 販売禁止 販売禁止 53694 2017年に政府がガソリン・ディーゼル車(プラグインハイブリッド車は除く)の新車販売を2030年までに禁止すると発表。2021年11月にCOP26の共同宣言にも署名。 ニュース記事(英語) COP 26宣言
イスラエル 2030 販売禁止 販売禁止 216954 2018年10月にエネルギー省Yuval Steintz氏がガソリン・ディーゼル車を電気自動車と天然ガスで走るトラックに代えるプランを発表。 2021年11月にはCOP 26の共同宣言に署名。 ニュース記事 COP 26宣言
中国 2035 HV(ハイブリッド車)のみ許可 規制なし 23432840 2020年10月に政府が新しい計画を発表。 日経アジアの記事
カナダ 2035 販売禁止 販売禁止 1537388 2021年11月にCOP 26の宣言に署名。 COP 26宣言
アメリカ(一部の州のみ) 2035 販売禁止 販売禁止 14575347 カリフォルニア州が2022年8月、ニューヨーク州が2022年9月に、2035年までにICE新車販売を完全に禁止することを決定。CARBステート(マサチューセッツ、ニューヨーク、ニュージャージー、コロラド、コネチカット、デラウェア、メイン、メアリーランド、オレゴン、ペンシルバニア、ロードアイランド、バーモント)もこれに続くと見られる。 カリフォルニアの決定を伝える記事 ニューヨークの決定を伝える記事 Advanced Clean Cars II
コスタリカ 2021 販売禁止 販売禁止 23210 2018年に新大統領のカルロス・アルバラド氏が、自らの就任式で表明 ニュース記事
香港 2035 販売禁止 販売禁止 37036 2021年3月に香港政府がEV普及のためのロードマップを発表。 ロードマップの内容
オーストリア 2035~2040 販売禁止 販売禁止 257721 2021年11月にCOP 26の宣言に署名。 COP 26宣言
アゼルバイジャン 2035~2040 販売禁止 販売禁止 4548 2021年11月にCOP 26の宣言に署名。 COP 26宣言
ベルギー 2035~2040 販売禁止 販売禁止 431491 2021年11月にCOP 26の宣言に署名。 COP 26宣言
カンボジア 2035~2040 販売禁止 販売禁止 3490 2021年11月にCOP 26の宣言に署名。 COP 26宣言
カーボベルデ 2035~2040 販売禁止 販売禁止 567 2021年11月にCOP 26の宣言に署名。 COP 26宣言
チリ 2035~2040 販売禁止 販売禁止 194128 2021年11月にCOP 26の宣言に署名。 COP 26宣言
クロアチア 2035~2040 販売禁止 販売禁止 36047 2021年11月にCOP 26の宣言に署名。 COP 26宣言
キプロス 2035~2040 販売禁止 販売禁止 10061 2021年11月にCOP 26の宣言に署名。 COP 26宣言
デンマーク 2035~2040 販売禁止 販売禁止 198165 2021年11月にCOP 26の宣言に署名。 COP 26宣言
エルサルバドル 2035~2040 販売禁止 販売禁止 6139 2021年11月にCOP 26の宣言に署名。 COP 26宣言
フィンランド 2035~2040 販売禁止 販売禁止 96403 2021年11月にCOP 26の宣言に署名。 COP 26宣言
リヒテンシュタイン 2035~2040 販売禁止 販売禁止 1510 2021年11月にCOP 26の宣言に署名。 COP 26宣言
リトアニア 2035~2040 販売禁止 販売禁止 48162 2021年11月にCOP 26の宣言に署名。 COP 26宣言
ルクセンブルク 2035~2040 販売禁止 販売禁止 49609 2021年11月にCOP 26の宣言に署名。 COP 26宣言
マルタ 2035~2040 販売禁止 販売禁止 5503 2021年11月にCOP 26の宣言に署名。 COP 26宣言
ニュージーランド 2035~2040 販売禁止 販売禁止 119609 2021年11月にCOP 26の宣言に署名。 COP 26宣言
ポーランド 2035~2040 販売禁止 販売禁止 79200 2021年11月にCOP 26の宣言に署名。 COP 26宣言
バチカン(法王聖座) 2035~2040 販売禁止 販売禁止 データなし 2021年11月にCOP 26の宣言に署名。 COP 26宣言
ウルグアイ 2035~2040 販売禁止 販売禁止 34857 2021年11月にCOP 26の宣言に署名。 COP 26宣言

《都市別のまとめ》

都市名 規制開始年 決定度 リンク
アムステルダム 2030 2020年に、2005年以前に作られたディーゼル車の市内への通行禁止から始め、徐々に規制を強化。2030年に全てのガソリン、ディーゼル、プラグインハイブリッド車の通行禁止 ニュース記事
アテネ 2025 2016年のC40市長サミットにて、2025年までに全てのディーゼル車の通行禁止とする目標を他3都市と掲げる ニュース記事
バルセロナ 2020 2006年以前に製造されたディーゼル車及び、2000年以前に製造されたガソリン車は通行禁止 ニュース記事
マドリード 2025 2016年のC40市長サミットにて、2025年までに全てのディーゼル車の通行禁止とする目標を他3都市と掲げる ニュース記事
ブリュッセル 2030 2019年5月に通行省のトップ、パスカル・シュミット氏がディーゼル車とガソリン車の完全禁止目標に言及 ニュース記事
コペンハーゲン 2030 2017年にC40化石燃料フリー道路宣言に署名。2025年から電気バスのみ走行、2030年までに中心地へのガソリン・ディーゼル車乗り入れ禁止 ニュース記事
ロンドン 2030 2017年にC40化石燃料フリー道路宣言に署名。2025年から電気バスのみ走行、2030年までに中心地へのガソリン・ディーゼル車乗り入れ禁止 ニュース記事
オックスフォード 2020 2020年から中心地の6つのストリートでEV以外の走行禁止、その後2035年から範囲を拡大し、中心地でガソリン。ディーゼル車乗り入れ禁止 ニュース記事
ローマ 2024 市長のVirginia Raggi氏が2024年までにディーゼル車を禁止する事を自らのFacebookページで宣言 市長のFacebookページ
ミラノ 2030 2017年にC40化石燃料フリー道路宣言に署名。2025年から電気バスのみ走行、2030年までに中心地へのガソリン・ディーゼル車乗り入れ禁止 ニュース記事
パリ 2025 2016年のC40市長サミットにて、2025年までに全てのディーゼル車の通行禁止とする目標を他3都市と掲げる ニュース記事
海南省 2030 地方政府が2019年3月に、2030年までにガソリン車を販売禁止する事を明言 ニュース記事
ロサンゼルス 2030 2017年にC40化石燃料フリー道路宣言に署名。2025年から電気バスのみ走行、2030年までに中心地へのガソリン・ディーゼル車乗り入れ禁止 ニュース記事
シアトル 2030 2017年にC40化石燃料フリー道路宣言に署名。2025年から電気バスのみ走行、2030年までに中心地へのガソリン・ディーゼル車乗り入れ禁止 ニュース記事
ブリティッシュコロンビア州 2025 2019年5月に、2025年までに販売される車両の10%をゼロ・エミッション車両(ここではPHEV、FCVも含む)にし、2040年までに州内すべてのガソリン車を禁止する ニュース記事
ケベック州 2035年 2020年11月に、2035年までにガソリン・ディーゼル車の新車販売を全面禁止することを発表 ニュース記事
バンクーバー 2030 2017年にC40化石燃料フリー道路宣言に署名。2025年から電気バスのみ走行、2030年までに中心地へのガソリン・ディーゼル車乗り入れ禁止 ニュース記事
メキシコシティ 2025 2016年のC40市長サミットにて、2025年までに全てのディーゼル車の通行禁止とする目標を他3都市と掲げる ニュース記事
ケープタウン 2030 2017年にC40化石燃料フリー道路宣言に署名。2025年から電気バスのみ走行、2030年までに中心地へのガソリン・ディーゼル車乗り入れ禁止 ニュース記事
キト 2030 2017年にC40化石燃料フリー道路宣言に署名。2025年から電気バスのみ走行、2030年までに中心地へのガソリン・ディーゼル車乗り入れ禁止 ニュース記事
オークランド 2030 2017年にC40化石燃料フリー道路宣言に署名。2025年から電気バスのみ走行、2030年までに中心地へのガソリン・ディーゼル車乗り入れ禁止 ニュース記事

そういう意味で完全に規制が法制化されているのは米国のCARB Statesと中国(2019年から実施決定、政府発表・中国語)のみ。ドイツは法制化に非常に近く、フランスとイギリスがそれに続く感じでしょうか。またノルウェーやスウェーデンはもともと発電グリッドの再生可能エネルギー比率が高く、ガソリンとディーゼルがなくなっても特に困らないという事情もありそうです。なお米国のCARB Statesというのはちょっとややこしいのですが、カリフォルニアのCARB=カリフォルニア州大気資源局が規定する規制を導入している州、という意味で、コネチカット・デラウェア・メイン・メリーランド・マサチューセッツ・ニュージャージー・ニューメキシコ・ニューヨーク・オレゴン・ペンシルバニア・ロードアイランド・バーモント・ワシントンの13州とワシントンDCになります。

※2017/8/22追記:8月15日にメルケル首相が9月24日の選挙を控え、「Germany must eventually follow other European countries in banning the sale of new gasoline and diesel cars」と発言。また販売禁止の時期としてイギリス・フランスの2040年を示唆。ドイツにおいて自動車産業は国内最大の輸出産業であり80万人を雇用する主要産業。正式な販売禁止のときが刻々と近づいている印象を受けます。

※2017/9/29追記:9月27日に中国政府は2018年から実施を検討していたポイント式の規制を2019年から実施することにしたと発表。具体的には非常に細かい内容になるのですが、NEDC基準でおおよそ300km走行可能な電気自動車1台につき4.4ポイント程度、プラグインハイブリッドは2ポイント取得できる仕組みになっており、そのポイント数が2019年度においては総販売台数の10%に達する必要があるようです。これを計算すると実台数ベースでは約2.3%ということになりそうです。詳細ご存じの方、ぜひコメントください。

※2020/9/25追記:9月23日にカリフォルニア州知事のニューサム氏は、州内でのガソリン・ディーゼルの新車販売(PHEVを含む)を2035年までに禁止すると発表。またカリフォルニア州大気資源局は2045年までに州内を通行するすべての中型・大型車が無排出車両になるよう、法改正への準備も始めました。

これらの規制を行う理由はいったいなんでしょうか?

大きく分けて二つあると考えられます。一つは地球温暖化です。Wikipediaによれば、20世紀後半から地球は温暖化してきており、このままでは東京23区の一部を含む土地や洋上にある比較的小規模な島は、海面下に水没してしまうという研究がなされています。そしてこの地球温暖化の原因となっているのがGHGすなわち温室効果ガスで、その主たるものが二酸化炭素CO2とメタンCH4によるものということなのです。これは学説ではありますが、京都議定書にあるように、国レベルで国際的な合意がなされており、日本も含めて世界中の国がCO2の排出を減らすことに合意している、という状況になっています。この学説に異論を唱える人も多くいらっしゃいますが、様々な利害が絡む192もの国が締約しているという点は重く見るべきかと思います。

もう一つの理由は大気汚染です。欧州ではディーゼル車の推進により、ディーゼル車の販売台数のほうがガソリン車の販売台数より多くなってしまっており、排気ガス内のNOx濃度が基準値を超えている日が増えています。NOxは空気内に含まれる窒素が高温で圧縮され酸素と化合することによって発生するのですが、比較的低圧縮であるガソリン車では問題が少なく、原理的にガソリンエンジンよりは高圧縮にしなければならないディーゼル車において比較的問題になりやすいのです。マツダではこのディーゼルエンジンを低圧縮化するSKYACTIV-D技術によりNOxの発生を抑えていますが、欧州メーカーはNOx吸蔵還元触媒という特殊な触媒でNOxから酸素を奪って窒素に戻したり、尿素SCRというシステムで尿素を吹き付け、NOxをやはり還元して窒素に戻す仕組みを採用していました。

ディーゼルエンジンではNOxをエンジン側で少なくなるようにするとPM(いわゆる黒い「すす」やPM2.5など)が増加し、逆にPMを下げるとNOxが増えるというトレードオフの関係があり、DPFというフィルタでPMを取り除いているので、DPFがすぐ詰まってしまうという課題を避けるために、エンジンからのNOx排出はある程度仕方ない部分があります。そうなると吸蔵還元触媒や尿素SCRに頼るしかないわけですが、前者は劣化の問題があり、後者は尿素の消費量(タンクに搭載)や交換頻度が問題になってきます。結果としてどこかでバランスをとる必要があるわけですが、NOxの排出規制値が厳しくなればなるほど限界が近づく技術となっています。

日本の自動車メーカーは海外市場の販売台数が非常に多く、国内比率が低いのが特徴です。今後大規模マーケットである中国、欧州、米国での規制が進むにつれ、車両の電動化比率は少しずつではありますが上げていかざるを得ない状況にあると言えるでしょう。

2024年12月でのメモ追記

2022年2月28日にて、変形導入(ザルかも知れません)

https://www.fleetnews.co.uk/news/latest-fleet-news/electric-fleet-news/2022/02/11/first-zero-emission-zone-to-go-live-at-the-end-of-february

「内燃機関(ICE)車両とハイブリッド車は市内に入るのに料金が課せられる」

「ゾーン内に駐車して移動しない車両には料金は適用されません」

コスタリカは2021年のPHEVを含めてエンジン車を禁止となっていますが、ニュアンスが違うようです。正確には、「輸送手段からガソリンと軽油を排除する。」…「内燃機関は明示的に禁止されることはありません。」となっています。

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S259012301930060X#:~:text=Many%20news%20outlets%20interpreted%20these,mean%20is%20a%20complicated%20one.

電気自動車を巡る動きには、いささか驚きました。

車が大容量の蓄電池に急速充電するシステムとなり、充電できる場所を増やした場合、電力供給システムに対して極端なインパクトを与えることとなります。

電力インフラの整備はkWh(電力量)ではなく、kW(電力)ベースで議論する必要があり、基本的には最大容量(kW)に対応した施設整備が必要となるからです。

一方、負荷の平均容量と最大容量の差が大きくなると、電力インフラのシステムとしての有効性が低下するため、今まで「電力負荷の平準化」が進められて来ましたが、電気自動車の充電のように大容量でピーキーな負荷特性を宿命とするシステムは、原理的に電力インフラとの相性が悪くならざるを得ません。

真に社会にとって有益な判断を行うためには、電力インフラも含めた冷静な議論が必要と思いますが、現段階では車だけに着目した近視眼的な議論となっているような気がします。

ちなみに、夜間充電するのであれば太陽光のエネルギーを活用することは困難で、基本的には原子力か、化石燃料による発電に依存することとならざるを得ませんが、このようなエネルギー源への依存性を高めることの是非も含めて、課題は多いように思います。

※太陽光・風力発電の有効性については、時間軸での不安定性を度外視したkWh(電力量)ベースの議論が多いのですが、kW(電力)ベースでの検討が必要なエネルギーインフラの整備という点から言うと、結局原子力か化石燃料によるベース発電施設を併せて整備せざるを得ない上、上記のような負荷の条件では、再生可能エネルギー由来の電力を利用できない場合がある点も、要注意と思います。

E-PowerRduce様、ご意見ありがとうございます。おっしゃる通り、電力インフラを含めた全体のエコシステムとして考えていかなければなりませんね。

さて急速充電時の電力ですが、最近は150kWや320kWの充電器がどんどん設計・開発されており、おそらく来年以降にはこれらの高出力充電器が一般的に入手可能になっていくと思います。これらの一部はすでに、電力網から直接入力を取るのではなく、蓄電池で一回バッファして、電力網プラス蓄電池の電力で充電する仕組みになっているものになっています。

http://www.jfe-technos.co.jp/ev-battery/index.html

↑28kW入力(低圧の範囲で収まります)で50kW充電を30分可能な急速充電器

http://electricmobility.efacec.com/ev-qc45batt-quick-charger/

同様ですが、このメーカーは350kWの充電器も出しています

また実際にテスラスーパーチャージャー8基の充電設備を考えてみます。これを直接グリッドに接続すると仮定すると、150kWx8/2(2基で1セット150kW)=600kWの電力が必要です。

https://www.ieiej.or.jp/dddata/zu-01.gif

600kWの契約電力だとおおよそ10,000m2くらいの延床面積のビルとなるのですが、これ中規模ビルくらいなんですよ。実は大した契約電力でもないのですよね。

YasukawaHiroshi様

早速のご回答、ありがとうございました。

ご紹介頂いた蓄電池で電力をバッファリングするシステムは、現段階ではトランスを設置しなくても良くなる等のエンドユーザーメリットを売りとしているようですね。

蓄電池が電力供給網に対する負荷の平準化に寄与できる程度の大きなキャパを持っていれば有益かもしれませんが、現在の状況を見ると、やはり電力インフラも含めた議論が欠如しているように思います’。

また、エネルギー全体から見て電力に対する依存性が一層高まる点も要検討であり、電力の供給計画との整合、広域災害時の対応性’(広域・長期間に渡る停電、電力制限等)など、普及に先立って解決しておくべき事項が先送りになっているように思います。

この種の大電力消費システムについては、エネルギー消費の総量を踏まえた面的な計画と規制を含めたルールの整備(大容量なバッファの義務付け等)が前提とならなければならないと思います(勢い余って後手に回ってしまっているように思いますが、冷静に議論すべきです)。

なお大都市圏はエネルギー需要の密度が高く、その抑制が求められていますし、大都市圏を除く地方都市等では、延べ面積10,000㎡を超えるような建物は実際問題として非常に少なく、相対的に電力供給に対するインパクトが大きくなります。

本年4月より延べ面積2,000㎡を超える建築物は建築物省エネ法による規制の対象となっており、この程度の規模でも「大したことはない」とは言えなくなっています。

E-PowerRduce様、建築物省エネ法についての情報ありがとうございます。確かに10000m2の建物はそれほど多くはないですね。

>蓄電池で電力をバッファリングするシステムは、現段階ではトランスを設置しなくても良くなる等のエンドユーザーメリットを売りとしている

現状はそうなのですが、二番目のポルトガルの会社はEV業界では案外有名で、320kWの充電設備を作ったりもしています。これにも蓄電池が搭載されていますが、さすがにこの規模では低圧供給では不足します。これから150kW以上の急速充電器がどんどん欧米では設置されていきます(EPAは具体的に設置計画を承認しています)が、それらに蓄電池が採用されていけば、グリッドへの負荷は低減できると思います。

ちょっと話しの流れから外れるかも知れませんが、良く電気自動車を議論するときに、規模を数字できちんと語る必要があると考えております。この点は私がこのブログを始めた経緯でもありまして、あまりにも多くの記事や情報が間違った数字に基づいて書かれている現状はあまり良くないなと思っております。

E-PowerRduce様は当然ご存じのことかと思いますが、主にこれを読まれている方のために。実際、先ほどの150kW x 8ストールの充電設備(テスラのスーパーチャージャー)は、米国ではよく見られる、160km-320kmごとに設置されている設備の標準形です。これを東京から100km先の沼津に設置した場合、160km先は愛知県豊川市、さらに190km先は京都府京都市となります。このくらいの間隔で、10000m2級の高層オフィスビル程度の消費電力が発生するという話をしているわけなのですよね。以前トヨタのエンジニアの方も

https://blog.evsmart.net/ev-news/electric-vehivle-future/

こういうお話をなさっていたようなのですが、実際に計算してみると間違いだということが分かると思います。

ご沙汰してます。alternative fuelはヨーロッパではやかましく言われています。仕事相手がヨーロッパなので年に数回はあちらに滞在します。ほんとに日常的に良く聞きます。しかし、水素社会と言う事はまずに耳にしない。そして、テスラは向こうでは日本より確実に浸透しています。街はずれの小さなオーベルジュでもテスラの充電設備があります。水素を日常的に使うインフラ網とその設備の設置費用と液体水素を造る行程に必要なエネルギー。現在、それに取り組むコストと人的エネルギーを考慮すると。大陸での自家用車は電気。エクステンダー付き。というのがここ10年先くらいの彼らの考え方です。何故なら彼等はの自家用車のサイクルは日本よりも遥かに長い。大抵の車が8年15万キロを目安にしている。EVの弱点は一つ、バッテリーの寿命。これを何らかの手段で克服さえすれば、少なくとも各メーカーが水素ではなくEVの方が手っ取り早く日常に近く環境に優しいと謳えると判断をした。それに世間の波はEVです。取り残されてはいけないとドイツの巨人たちも焦り出した。当分はEVだ。いずれにしてもテスラはモータリゼーションにおいて革命を起こした。動力がEV以外でも革新的な要素が大きい。だからヒットしているんだと思う。色んな経緯があったにせよ何故そこをトヨタは評価しなかったのか?そんな車を手にすることは車好きにおいても楽しみだ。残念ながらオリンピックナンバープレートを希望したので納車が10月にずれ込んだが待ち遠しい。最期のガソリン車としてAMG63も検討中だ

9月にオーナー様、コメントありがとうございます!欧州では環境問題に敏感な方が多いですよね。

欧州では車の平均速度が高いらしいので(特にドイツ?)、電気自動車はなかなか難しいと言われてきました。でも少しずつ普及しているようで、困難を少しずつ乗り越えていっているんだろうな、と思います。水素燃料電池車もBMWは確か圧縮水素では200km/hで走行した場合にステーション間隔をすごく狭くしなければならず、そのため液体水素をかなり研究していたと記憶しています。まあ今のところは超急速充電プラス大バッテリーで乗り越える感じなのでしょうね。

いつも興味深く読ませていただいています。

ヨーロッパやインドで発表された「脱 内燃機関」といった印象の報道にはいささか唐突な

印象で受け取っています。

(インドは土俵を変えることにより自動車先進国に挑む可能性が・・・)

昔乗用車のエンジンを劇的に変化させるきっかけとなった「マスキー法」の様に、実現困

難な目標を掲げて進歩・変化を促す意図でしょうか?

(それに較べて日本の行政は狸寝入りを決め込んでいる???)

そして、小型車がすべてEVに変わったときの電力インフラへの負荷ではE-PowerRduce

さんと似た危惧を持っていまして、このページでの議論でいくらか安心しました。

私は2つの実現して欲しい夢を持っています。

(1)高性能の二次電池により内燃機関が駆逐される。

(排気ガスの問題解消に加えてエンジン音が無くなって欲しい)

(2)水素製造の問題が解決され、燃料電池により「発電機所」の発電行程が電気への

直接変換になる。

(古典的な回転による発電形態から脱皮して欲しい)

水素燃料電池車の報道・解説記事は「水素ありき」の夢と「水素の生産コス

ト」の現実重視と、両方に偏っている印象を持っていまして、私は後者に傾

いています。

ここで疑問ですが

「FCVに液体水素を使えば航続距離が劇的に伸びる」

といった意見を自動車評論家の記事で時々見かけます。

液体水素は(製造に必要なエネルギーを抜きにしても)保管そのものにエネ

ルギーが必要で、長距離トラックの様な稼働率の非常に高い用途以外では

非現実的ではないでしょうか?

いつかはEV様、コメントありがとうございます!

唐突な印象もありますし、米国なんかはずっとZEVプログラムが90年代からあったわけですし、今米国にしろ欧州にしろ、ラジオ聞くだけで毎日再生可能エネルギーなんかの話が出ない日はないですね。そういう意味で日本人が知らないうちに世界が変化していってるようなイメージを自分は持ってます。

あとインドとか中国とヨーロッパの一部都市はとにかく大気汚染が問題なんですよ。それにつきると思います。日本はまあ確かに排気ガスは嫌ですが、病気になるほどではないですからね。

毎日息をしてるだけで病気になるレベルだったら、何とかしないと、という雰囲気になるんでしょう。メルケル首相は選挙を控えているわけなんですが、そこでドイツの産業界に超大きなインパクトを与える発言なんかして、ここからも、主流派はもう内燃機関からは少し距離を置こうよ、という感じなのかなと。

ディーゼルはやっぱり難しいですよ。マツダさんはうまく行ってるようですが、空気を圧縮して熱するのではどうやってもNOxが発生しちゃいます。NOxを減らすために燃料を濃くすると(還元されるから)、今度はすすが出ちゃうという。。

こんにちは、はじめてブログを拝見しました。解りやすい解説ありがとうございます。

6年間リーフに乗っていますが、テスラは素晴らしそうですね!

EVシフトによる電力危機が問題になっているようですが、原発停止の問題と似ている気がします。マクロな予測をしようとすると係数をちょっと変えるだけで結論が逆になったりするので、身の回りのミクロな問題から考えてみると、例えば我が家では屋根に9.5kWのパネルを載せて、年間12000kWh以上発電しています。

これに対しリーフの消費電力は約1200kWhです。我が家の仕事場も含めた総消費電力は年間約2500kWhなので、残りは売電しています。我が家にはもう一台ハイブリッド車があるので、これをEVに替えたとしても半分は売電できる予定です。

EVは電力消費するだけでなく蓄電池でもあるので、止まっている間グリッドに繋いでおけば、巨大な充電インフラになります。グリッド上で充放電をコントロールすれば、電力インフラへのインパクトを平坦化することも可能だと思います。

考えてみれば日本の鉄道輸送は大部分が電力で賄われています。新幹線などの電力インフラへの負荷は膨大だと思われす(新幹線は蓄電池を持っていません)が、鉄道会社はグリッドを構築してそれを乗り越えています。

もう一つは節電の浸透です。東日本大震災以前は、原発の停止=日本の産業の衰退と思われていましたが、現実には原発無しでやっていけています(議論はありますが)。我が家で売電できているのも震災後に節電を進めたためです。節電をして解るのは、電力消費が平準化することです。我が家でも真夏と真冬のピークと春秋のディップの差が20%程度になっています。これも電力インフラの安定に寄与します。

以上からEVによる電力危機は杞憂または杞憂にすることが可能だと思います。イーロンマスク氏もこのような事をおっしゃていましたよね?

Hatusetudenn様、リーフ乗りの方の太陽光発電事例のご紹介ありがとうございます!すごい量発電できていますね。

https://blog.evsmart.net/electric-vehicles/ev-and-fossil-fuel-power-station/#title03

こちらの記事で計算していますが、日本中の乗用車をすべて電気自動車に変えた場合、日本全体の発電電力量の増加分は約10%であるというデータがあります。ご自身でも検算できるようにしてありますのでご確認ください。また2011年の東日本大震災以降、ガクッと日本の消費電力は減少しましたが、

http://www5.fepc.or.jp/tok-bin/kensaku.cgi

ここで、発電電力量-総合計-3.項目固定-2010年度から2015年度まで、でデータを出力すると、

2010年 987568303

2011年 937337963

2012年 923894545

2013年 923038837

2014年 893614107

2015年 864036404(単位MWh)

で、2011年から2015年までで7.8%も全体の発電電力量は削減してきています。2010年から2015年では12.5%です。これからいくつかの原子力発電所の再稼働もあるかも知れませんし、再生可能エネルギーの増加、そして再生可能エネルギーの出力変動を抑えるための蓄電システムの普及が伴えば、2011年震災後レベルを少し超える程度の発電量に戻すことは可能かと思われます。しかもそれは、乗用車を「一気に全部」置き換えた場合の発電量ですからね。

メルセデスを作ってるダイムラー、BMWもディーゼルは止めることはないと言ってます。EVもソリューションの一つであり、ディーゼルもまたソリューションの一つであると断言してます。

窒素酸化物を無害化する尿素、これは年次点検や車検の時に補充すればいい程度のものでコストも微々たるものですよ。ユーザーが補給を気にしなくていいレベル(ランドクルーザー・プラドで補充は1.5万キロが目安)。

今北様、コメントありがとうございます!そうですね、ガソリンもディーゼルも、ハイブリッドもEVもすべてしばらくは共存するものと思います。いくつかご参考までに、、

http://europe.autonews.com/article/20170803/ANE/170809854/german-automakers-will-stop-developing-combustion-engines-in-six

Tier 1サプライヤー(日本におけるアイシンやデンソーのような会社)であるContinentalによれば、6年以内に自動車メーカーはガソリンやディーゼルエンジンの開発を中止するだろう、と予測しているとのこと。彼らはエンジンに必要な部品も供給していて、自動車メーカーが最大の顧客です。

http://fortune.com/2017/05/17/volvo-diesel-engines-tesla/

ボルボはディーゼルエンジンの開発を現時点で止める可能性がある、と発言。

http://europe.autonews.com/article/20160630/ANE/160639997/diesels-will-have-just-9-of-europe-market-by-2030-study-says

ちょっと古い昨年のレポートですが、2030年にはヨーロッパで、現在50%であるディーゼルエンジンの割合が9%にまで減少すると予測。

11/8にはEUが、現時点で2021年の95g/kmのCO2排出基準を、2025年に80g、2030年に66gにまで減らすべきという提案を提出しました。

http://www.bbc.com/news/business-41914805

ちなみに80gはガソリン車では29km/l、ディーゼル車では32.7km/l。66gだとガソリン車で35km/l、ディーゼル車で39.6km/lを達成する必要があります。これらは純粋なガソリン車・ディーゼル車ではほとんど達成不可能と考えられており、ガソリンハイブリッドやディーゼルハイブリッドは必須となりますし、追加で一部の車種は完全電気自動車にしなければ平均で達成できないと考えられています。この燃費基準はNEDC基準と考えられますので、日本のJC08より少し厳しい基準と考えられます。

正確な訳は無理ですが凡そ記事を見ると、欧州政府要人のコメントは”Cars”という表現をされています。ところが記事では”Vhicle"となっており多分政府要人の発言を拡大解釈した記者の勇み足かと。ノルウェーを除く欧州各国の政府要人には自国産業の帰趨を決める立場にある為、軽々な発言はしない筈です。わずか数年後に全ての内燃機関車を全廃すると言う事はありえない。少なく見積もっても直接雇用が10万人は下らない各国の自動車産業を潰しかねない政策を発言するとは思えません。またここ20年程新世代ディーゼルに投下した莫大な投資をしてきたメーカーが黙っている訳も無くどういったからくりか考えましたら欧州メーカーのほとんどは海外生産工場/海外モデルを持っており自国市場が収益の何割を占めるかわかりませんがざっくり言って30%であれば予想される将来のEV比率30%に合致します。”Cars"とわざわざ表現するのは”Passenger Cars”・・乗用車に限った政策で尚且つ”販売禁止”であり”製造禁止”と謳っていないのは輸出分の生産はOK!雇用も最大限守る姿勢の表れかと。世界有数のトラックメーカーがひしめく欧州で内燃機関を禁止されては死活問題。政府要人が注意深く”Cars"と表現するのもこういったトラック、農業機械、鉄道車両、定置型エンジンまでも含むことの無い様に配慮したものと思うのですが。70年代、当時のルノー公団総裁ジョルジュ・べスが利益率を求めて海外生産シフトを画策した結果、労働組合に暗殺されたのは現在の経営者、政府要人も当然知っているものと思われます

原様、コメントありがとうございます。当記事の最後部分にソースと思われる記事へのリンクを付けてありますので、そちらでぜひご自身でご確認ください。ほとんどはPassenger Carsの規制だと思いますが、モノによってはトラック等も含む可能性もあるかと思います。もちろんこの記事は自国内での規制に基づくもので、輸出分などについての規制はありません。ただ輸出先として考えられるのは中国・インド・米国がメインとなりますが、それらの国でも規制が検討されています。いずれにしろ正しい判断をするためにはもっと正確な情報が必要であることには同意ですが、全体の方向性としてすでに内燃機関の縮小への舵が切られていることは、全世界的にみて既定路線と考えて良いのではないでしょうか。

一点、もしかするとこの点を誤解されているかも知れないと考え、コメントさせていただきますが、このような規制が実際に行われたとしても、全世界での内燃機関車の製造・販売台数は増加します。それは、規制していない国や規制対象外の車両もたくさん存在するからです。結果として、内燃機関車の製造・販売台数の伸びのペースが遅くなる、ということですね。これはOPECのWorld Oil Outlookにも実際の試算込みで明らかにされています。

いつも情報有難うございます。いつか脱化石燃料から半分脱化石燃料になりました。テスラ3待てずにリーフ乗りになりました。田舎なので、常時200km県内を想定しないといけないのですが、世の中のEVの不便さバッシングも何のその、今の所何不十なく、メリットの多さにEVライフを楽しんでおります。長距離は、燃料車で、日々の生活圏はEVで。

前に電力会社も電柱から直接EVの充電スタンドを作れば良いのにって思っていたら、東電が、それを考えているんですね。田舎だったら土地もあるし、空白地帯とかに設置してくれると、さらにEVの行動範囲が広がりますよね。

例えば、太陽光発電所の大小様々な設備が、あっちこっちで見受けられますが、太陽光発電所が給電スタンドになったら面白ですね。低酸素社会の象徴になって良いアピールになるかも。

いつも読ませてもらっております。

自動車会社に勤めるものです。

私としては内燃機関信者でもなければ電動化信者でもなく、自動車の将来は市場が決めるものだと思っております。

ただし、現状の技術や社会のニーズに照らし合わせると10~20年でEVが主流になるというのは現実的ではないと思います。

理論上ではエネルギー密度は電池は化石燃料に確実に劣りますし、安全性能からしても化石燃料並みに一瞬で補充できるという技術は現時点ではありません。さらにトータルコストを考えると結局EVスポット整備や電池の交換等で内燃機関の車には劣ってしまいます。税制上の優遇や行政の補助にも限界があり、逆にEVが普及してくるとEVに課税するための税制が出来上がってくると思います。

また、電気自動車は内燃機関車よりも電子制御が増えるため、それもインフラ整備が乏しい地域では受けれられないと思います。50年前のランクルが砂漠の真ん中で今も売れ続けられているように、車のニーズというのは家電よりもはるかにバラエティが富んでおり、環境性能の良いHVすら世界シェアでいうとマイナーであることを考えるとEVへの期待は加熱しすぎだと思います。

ではEVはどのようなところであれば普及するのか、それは技術や政治的な要素を抜いて、かつEVがコスト的に有利になる、ユーザーがEVを選ぶ市場です。それはすなわちガソリンスタンドがない孤島や人口密度が低い地域など、限定的な用途で十分という市場ではないでしょうか。

政府はいたずらにセンセーショナルな政策をぶちまけるよりそうした地域やニーズに対して補助や税制優遇を行い、普及を促すべきだと思います。EVを政治の道具に使う政治家や、ゲームチェンジを狙ってロビー活動を行う自動車会社があまたいますが、EVはEVを必要としている人のために普及させる、それこそが人々にとって幸せになるEVの普及のさせ方ではないでしょうか。(実はEVで遅れている言われるT社は小型EVを山奥で普及させる実験をしており、航続距離が長い大型車からEV化する欧州の会社より、T社のような企業が最終的に勝ち残るのではないかと思います)

いつも読ませてもらってます 様、コメントありがとうございます!

お読みいただいているとのこと、嬉しいです。

>自動車の将来は市場が決めるものだと思っております。

おっしゃる通りですね。

>理論上ではエネルギー密度は電池は化石燃料に確実に劣りますし、安全性能からしても化石燃料並みに一瞬で補充できるという技術は現時点ではありません

これも化石燃料の特徴であり、電気自動車では多分超えることはできないでしょう。

>トータルコストを考えると結局EVスポット整備や電池の交換等で内燃機関の車には劣ってしまいます

充電スタンドは、ガソリンスタンドなどより遥かに安価で設置できます。

https://techcrunch.com/2013/07/26/inside-teslas-supercharger-partner-program-the-costs-and-commitments-of-electrifying-road-transport/

例えば米国の例ですが8ストールの超急速充電器を175,000ドル(1900万円くらい)で設置できています。ガソリンスタンドが1億円近いことを考えると数分の一ですね。また今の電気自動車はバッテリー保証が充実しており、電池交換の必要はないと考えるのが一般的です。交換しなければならないとすれば、保証の対象となりますので、メーカーが負担することになるかと思います。

https://blog.evsmart.net/electric-vehicles/ev-battery-longevity/

>電気自動車は内燃機関車よりも電子制御が増えるため、それもインフラ整備が乏しい地域では受けれられないと思います

これはあるでしょうね!発展途上国ではインフラよりも、パーツの供給が難しい面はあると思います。また化石燃料車なら騙しだまし走らせることができても、コンピュータ制御になるとそうは行かないということですよね?

でもこれは、化石燃料車においても、最近の車はすべて電子制御ですし、部品点数も非常に多く、電気自動車だけの欠点ではないように思います。言い換えますと、「古い化石燃料車を置き換えることのできない地域がある」というだけなのではないでしょうか?

>小型EVを山奥で普及させる実験

電気自動車ユーザーとしては、こういうところこそEVが苦手とする場所のように思います。実際こういう規格の車を作っても大量生産できないから結果としてコストが高くなり、売れないのサイクルに入ることは、充分予見できるのではないでしょうか?

大量に作ることにより、iPhoneはあの性能(本来開発費などから見たら、50万円以上で売るべきなデバイスです)で、たった10万円で売ることができています。車もそうですよね?

商品として最も重要なのはニーズを満たせるかどうか、次にコストですよね?小型EVはどうやってもコストを満たすことができない点、そしてコストを下げると今度はニーズを満たせないという点から、ジレンマに陥ると思います。

>T社のような企業が最終的に勝ち残るのではないかと思います

個別の企業がどのように生き残るか、戦略は様々だと思います。しかし、多くのシンクタンクや自動車メーカーが予測しているように電気自動車が増加すると仮定するなら、電気自動車の構成要素は、車両と充電ネットワークでできている、という点を理解すべきかと思います。充電できるから、日産リーフは売れているのです。充電ネットワークが利用可能にならない限り、電気自動車の普及はないと思いますし、車両のプランにネットワークが入っていない企業の成功もないと思います。