【保存版、2022/10/05更新】2016年2月ごろに北欧を皮切りとして始まったガソリン車やディーゼル車の新車販売禁止。日本でもその動きが見られ始めたところですが、他国での状況をまとめます。2022年9月には米国ニューヨーク州で、2035年までに純電気自動車、プラグインハイブリッド車、燃料電池車以外の内燃機関を積んだ車両の新車販売を完全に禁止することを決定しました。カリフォルニア州の決定に続く形です。
ガソリン車やディーゼル車はガソリンや軽油を燃料として、エンジン内部で燃焼させて爆発させ、その勢いで車軸→タイヤを回転させて走行させる仕組みの車です。ガソリンは原油の中から取り出したり精製した炭素が5つ(ペンタン)から10個(デカン)くらいまでの炭化水素、軽油は14個から20個くらいまでの炭化水素(原油のより重い成分)のこと。細かい点では異なりますが、ガソリン車もディーゼル車も似たような仕組みでできています。ガソリン・軽油を燃焼させると酸素と反応して二酸化炭素と水が生成されますが、その過程で不完全燃焼して有害な一酸化炭素、窒素酸化物(NOx)、PM2.5が発生します。これらのほとんどは排気ガス浄化装置によって取り除かれますが、排出されるごく一部が問題となっているわけなんですね。
時は2016年2月。ノルウェー最大の政党であるノルウェー労働党のJonas Gahr Støre氏が2030年に新車をすべてゼロエミッションにするとの声明を発表。ゼロエミッションとは、排出がない、すなわち100%電気自動車を意味します。その後6月に当時与党連合を構成していた中道右派(保守党を中心とする)と野党連合を構成していた中道左派(労働党を中心とする)が、2025年にすべてのガソリン車・ディーゼル車の新車販売を禁止すると発表したものですから、大騒ぎになったわけです。この発表からは、電気自動車以外は売ってはいけない、というように理解できるわけですが、その後ノルウェー気候大臣Vidar Helgesen氏が禁止はしないが、強いアクションを取ってゼロを目指すとツイート。いずれにしろ法制化はされていないものの、国全体がその方向に動き出しました。これを機会に世界中が同調していくわけですが、それをまとめてみます。
《国別のまとめ》
| 国名 | 規制開始年ガソリン車・ディーゼル車 | ガソリン車・ディーゼル車 | プラグインハイブリッド車 | 2020年度の新車販売台数 | 決定度 | リンク | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ノルウェー | 2025 | 販売禁止 | 販売禁止 | 141405 | 与党連合を構成していた中道右派(保守党を中心とする)と野党連合を構成していた中道左派(労働党を中心とする)が合意して発表。2021年11月にCOP26の共同宣言にも署名。 | 両連合の合意 ノルウェー気候大臣のツイート COP 26宣言 | |
| スウェーデン | 2030 | 販売禁止 | 販売禁止 | 292024 | 環境大臣かつ与党スウェーデン緑の党のスポークスパーソンであるIsabella Lövin氏がスウェーデンだけでなく、EU全体で規制すべきと発言。2021年11月にCOP26の共同宣言にも署名。 | 環境大臣の発言 COP 26宣言 | |
| オランダ | 2030 | 販売禁止 | 販売禁止 | 357414 | オランダ与党、労働党(PvdA)が提議して、オランダ議会下院を通過。 2021年11月にはCOP 26の共同宣言に署名。 | ニュース記事 COP 26宣言 | |
| ドイツ | 2030 | 販売禁止 | 販売禁止 | 2917678 | ドイツ連邦参議院を通過。ドイツの規制はEUやUNECEの規制に影響を与える 2017/9/24の選挙を前にメルケル首相は雑誌SUPERilluのインタビューに答え、ガソリン車・ディーゼル車の販売禁止を指示。具体的な時期として2040年を示唆 | ドイツ連邦参議院の決議に関するニュース記事 メルケル首相発言に関するニュース記事 | |
| フランス | 2040 | 販売禁止 | 販売禁止 | 1650197 | フランスの国務大臣権環境連帯移行大臣のニコラスユロが、政府の発表としてリリース | 政府発表 | |
| イギリス | 2035 | 販売禁止 | 販売禁止 | 1630806 | 英国首相のボリス・ジョンソンが元々計画されていた2040年から5年間の前倒しを2020年2月に発表。11月にさらに5年の前倒しへ。2023年9月スナク英首相により2035年に後ろ倒しへ。 | 政府発表 | |
| スペイン | 2040 | 販売禁止 | 販売禁止 | 851325 | 2018年に首相のペドロ・サンチェスがエネルギー転換政策の一環としてプランを発表。ただ、首相が属する政党だけでは過半数に足りないため、他の政党から承認を得る必要がある | 政府発表 | |
| アイルランド | 2030 | 販売禁止 | 販売禁止 | 88324 | 2018年に首相のレオ・バラッカー氏がアイルランドを「気候変動へのアクションを取るリーダーにしたい」と発言。泥炭や石炭の使用の禁止も含めた’プロジェクト・アイルランド2040’の一環として発表。 2019年6月に、アイルランド政府は更に踏み込んだClimate action plan(気候変動対策プラン)を打ち出し、2030年までの電気自動車販売目標を ・乗用車84万台 ・電気トラック、バン9万5千台 ・電動バス1200台 としました。2030年までにガソリン車とディーゼル車の販売は禁止されます。 | Climate action plan(英語) | |
| アイスランド | 2030 | 販売禁止 | 販売禁止 | 9369 | 2018年に首相のカトリーン・ヤコブスドッティルが気候変動戦略の一環として発表。2021年11月にCOP26の共同宣言にも署名。 | 政府発表に関する記事 COP 26宣言 | |
| スロベニア | 2030 | 販売禁止 | 販売禁止 | 53694 | 2017年に政府がガソリン・ディーゼル車(プラグインハイブリッド車は除く)の新車販売を2030年までに禁止すると発表。2021年11月にCOP26の共同宣言にも署名。 | ニュース記事(英語) COP 26宣言 | |
| イスラエル | 2030 | 販売禁止 | 販売禁止 | 216954 | 2018年10月にエネルギー省Yuval Steintz氏がガソリン・ディーゼル車を電気自動車と天然ガスで走るトラックに代えるプランを発表。 2021年11月にはCOP 26の共同宣言に署名。 | ニュース記事 COP 26宣言 | |
| 中国 | 2035 | HV(ハイブリッド車)のみ許可 | 規制なし | 23432840 | 2020年10月に政府が新しい計画を発表。 | 日経アジアの記事 | |
| カナダ | 2035 | 販売禁止 | 販売禁止 | 1537388 | 2021年11月にCOP 26の宣言に署名。 | COP 26宣言 | |
| アメリカ(一部の州のみ) | 2035 | 販売禁止 | 販売禁止 | 14575347 | カリフォルニア州が2022年8月、ニューヨーク州が2022年9月に、2035年までにICE新車販売を完全に禁止することを決定。CARBステート(マサチューセッツ、ニューヨーク、ニュージャージー、コロラド、コネチカット、デラウェア、メイン、メアリーランド、オレゴン、ペンシルバニア、ロードアイランド、バーモント)もこれに続くと見られる。 | カリフォルニアの決定を伝える記事 ニューヨークの決定を伝える記事 Advanced Clean Cars II | |
| コスタリカ | 2021 | 販売禁止 | 販売禁止 | 23210 | 2018年に新大統領のカルロス・アルバラド氏が、自らの就任式で表明 | ニュース記事 | |
| 香港 | 2035 | 販売禁止 | 販売禁止 | 37036 | 2021年3月に香港政府がEV普及のためのロードマップを発表。 | ロードマップの内容 | |
| オーストリア | 2035~2040 | 販売禁止 | 販売禁止 | 257721 | 2021年11月にCOP 26の宣言に署名。 | COP 26宣言 | |
| アゼルバイジャン | 2035~2040 | 販売禁止 | 販売禁止 | 4548 | 2021年11月にCOP 26の宣言に署名。 | COP 26宣言 | |
| ベルギー | 2035~2040 | 販売禁止 | 販売禁止 | 431491 | 2021年11月にCOP 26の宣言に署名。 | COP 26宣言 | |
| カンボジア | 2035~2040 | 販売禁止 | 販売禁止 | 3490 | 2021年11月にCOP 26の宣言に署名。 | COP 26宣言 | |
| カーボベルデ | 2035~2040 | 販売禁止 | 販売禁止 | 567 | 2021年11月にCOP 26の宣言に署名。 | COP 26宣言 | |
| チリ | 2035~2040 | 販売禁止 | 販売禁止 | 194128 | 2021年11月にCOP 26の宣言に署名。 | COP 26宣言 | |
| クロアチア | 2035~2040 | 販売禁止 | 販売禁止 | 36047 | 2021年11月にCOP 26の宣言に署名。 | COP 26宣言 | |
| キプロス | 2035~2040 | 販売禁止 | 販売禁止 | 10061 | 2021年11月にCOP 26の宣言に署名。 | COP 26宣言 | |
| デンマーク | 2035~2040 | 販売禁止 | 販売禁止 | 198165 | 2021年11月にCOP 26の宣言に署名。 | COP 26宣言 | |
| エルサルバドル | 2035~2040 | 販売禁止 | 販売禁止 | 6139 | 2021年11月にCOP 26の宣言に署名。 | COP 26宣言 | |
| フィンランド | 2035~2040 | 販売禁止 | 販売禁止 | 96403 | 2021年11月にCOP 26の宣言に署名。 | COP 26宣言 | |
| リヒテンシュタイン | 2035~2040 | 販売禁止 | 販売禁止 | 1510 | 2021年11月にCOP 26の宣言に署名。 | COP 26宣言 | |
| リトアニア | 2035~2040 | 販売禁止 | 販売禁止 | 48162 | 2021年11月にCOP 26の宣言に署名。 | COP 26宣言 | |
| ルクセンブルク | 2035~2040 | 販売禁止 | 販売禁止 | 49609 | 2021年11月にCOP 26の宣言に署名。 | COP 26宣言 | |
| マルタ | 2035~2040 | 販売禁止 | 販売禁止 | 5503 | 2021年11月にCOP 26の宣言に署名。 | COP 26宣言 | |
| ニュージーランド | 2035~2040 | 販売禁止 | 販売禁止 | 119609 | 2021年11月にCOP 26の宣言に署名。 | COP 26宣言 | |
| ポーランド | 2035~2040 | 販売禁止 | 販売禁止 | 79200 | 2021年11月にCOP 26の宣言に署名。 | COP 26宣言 | |
| バチカン(法王聖座) | 2035~2040 | 販売禁止 | 販売禁止 | データなし | 2021年11月にCOP 26の宣言に署名。 | COP 26宣言 | |
| ウルグアイ | 2035~2040 | 販売禁止 | 販売禁止 | 34857 | 2021年11月にCOP 26の宣言に署名。 | COP 26宣言 |
《都市別のまとめ》
| 都市名 | 規制開始年 | 決定度 | リンク |
|---|---|---|---|
| アムステルダム | 2030 | 2020年に、2005年以前に作られたディーゼル車の市内への通行禁止から始め、徐々に規制を強化。2030年に全てのガソリン、ディーゼル、プラグインハイブリッド車の通行禁止 | ニュース記事 |
| アテネ | 2025 | 2016年のC40市長サミットにて、2025年までに全てのディーゼル車の通行禁止とする目標を他3都市と掲げる | ニュース記事 |
| バルセロナ | 2020 | 2006年以前に製造されたディーゼル車及び、2000年以前に製造されたガソリン車は通行禁止 | ニュース記事 |
| マドリード | 2025 | 2016年のC40市長サミットにて、2025年までに全てのディーゼル車の通行禁止とする目標を他3都市と掲げる | ニュース記事 |
| ブリュッセル | 2030 | 2019年5月に通行省のトップ、パスカル・シュミット氏がディーゼル車とガソリン車の完全禁止目標に言及 | ニュース記事 |
| コペンハーゲン | 2030 | 2017年にC40化石燃料フリー道路宣言に署名。2025年から電気バスのみ走行、2030年までに中心地へのガソリン・ディーゼル車乗り入れ禁止 | ニュース記事 |
| ロンドン | 2030 | 2017年にC40化石燃料フリー道路宣言に署名。2025年から電気バスのみ走行、2030年までに中心地へのガソリン・ディーゼル車乗り入れ禁止 | ニュース記事 |
| オックスフォード | 2020 | 2020年から中心地の6つのストリートでEV以外の走行禁止、その後2035年から範囲を拡大し、中心地でガソリン。ディーゼル車乗り入れ禁止 | ニュース記事 |
| ローマ | 2024 | 市長のVirginia Raggi氏が2024年までにディーゼル車を禁止する事を自らのFacebookページで宣言 | 市長のFacebookページ |
| ミラノ | 2030 | 2017年にC40化石燃料フリー道路宣言に署名。2025年から電気バスのみ走行、2030年までに中心地へのガソリン・ディーゼル車乗り入れ禁止 | ニュース記事 |
| パリ | 2025 | 2016年のC40市長サミットにて、2025年までに全てのディーゼル車の通行禁止とする目標を他3都市と掲げる | ニュース記事 |
| 海南省 | 2030 | 地方政府が2019年3月に、2030年までにガソリン車を販売禁止する事を明言 | ニュース記事 |
| ロサンゼルス | 2030 | 2017年にC40化石燃料フリー道路宣言に署名。2025年から電気バスのみ走行、2030年までに中心地へのガソリン・ディーゼル車乗り入れ禁止 | ニュース記事 |
| シアトル | 2030 | 2017年にC40化石燃料フリー道路宣言に署名。2025年から電気バスのみ走行、2030年までに中心地へのガソリン・ディーゼル車乗り入れ禁止 | ニュース記事 |
| ブリティッシュコロンビア州 | 2025 | 2019年5月に、2025年までに販売される車両の10%をゼロ・エミッション車両(ここではPHEV、FCVも含む)にし、2040年までに州内すべてのガソリン車を禁止する | ニュース記事 |
| ケベック州 | 2035年 | 2020年11月に、2035年までにガソリン・ディーゼル車の新車販売を全面禁止することを発表 | ニュース記事 |
| バンクーバー | 2030 | 2017年にC40化石燃料フリー道路宣言に署名。2025年から電気バスのみ走行、2030年までに中心地へのガソリン・ディーゼル車乗り入れ禁止 | ニュース記事 |
| メキシコシティ | 2025 | 2016年のC40市長サミットにて、2025年までに全てのディーゼル車の通行禁止とする目標を他3都市と掲げる | ニュース記事 |
| ケープタウン | 2030 | 2017年にC40化石燃料フリー道路宣言に署名。2025年から電気バスのみ走行、2030年までに中心地へのガソリン・ディーゼル車乗り入れ禁止 | ニュース記事 |
| キト | 2030 | 2017年にC40化石燃料フリー道路宣言に署名。2025年から電気バスのみ走行、2030年までに中心地へのガソリン・ディーゼル車乗り入れ禁止 | ニュース記事 |
| オークランド | 2030 | 2017年にC40化石燃料フリー道路宣言に署名。2025年から電気バスのみ走行、2030年までに中心地へのガソリン・ディーゼル車乗り入れ禁止 | ニュース記事 |
そういう意味で完全に規制が法制化されているのは米国のCARB Statesと中国(2019年から実施決定、政府発表・中国語)のみ。ドイツは法制化に非常に近く、フランスとイギリスがそれに続く感じでしょうか。またノルウェーやスウェーデンはもともと発電グリッドの再生可能エネルギー比率が高く、ガソリンとディーゼルがなくなっても特に困らないという事情もありそうです。なお米国のCARB Statesというのはちょっとややこしいのですが、カリフォルニアのCARB=カリフォルニア州大気資源局が規定する規制を導入している州、という意味で、コネチカット・デラウェア・メイン・メリーランド・マサチューセッツ・ニュージャージー・ニューメキシコ・ニューヨーク・オレゴン・ペンシルバニア・ロードアイランド・バーモント・ワシントンの13州とワシントンDCになります。
※2017/8/22追記:8月15日にメルケル首相が9月24日の選挙を控え、「Germany must eventually follow other European countries in banning the sale of new gasoline and diesel cars」と発言。また販売禁止の時期としてイギリス・フランスの2040年を示唆。ドイツにおいて自動車産業は国内最大の輸出産業であり80万人を雇用する主要産業。正式な販売禁止のときが刻々と近づいている印象を受けます。
※2017/9/29追記:9月27日に中国政府は2018年から実施を検討していたポイント式の規制を2019年から実施することにしたと発表。具体的には非常に細かい内容になるのですが、NEDC基準でおおよそ300km走行可能な電気自動車1台につき4.4ポイント程度、プラグインハイブリッドは2ポイント取得できる仕組みになっており、そのポイント数が2019年度においては総販売台数の10%に達する必要があるようです。これを計算すると実台数ベースでは約2.3%ということになりそうです。詳細ご存じの方、ぜひコメントください。
※2020/9/25追記:9月23日にカリフォルニア州知事のニューサム氏は、州内でのガソリン・ディーゼルの新車販売(PHEVを含む)を2035年までに禁止すると発表。またカリフォルニア州大気資源局は2045年までに州内を通行するすべての中型・大型車が無排出車両になるよう、法改正への準備も始めました。
これらの規制を行う理由はいったいなんでしょうか?大きく分けて二つあると考えられます。一つは地球温暖化です。Wikipediaによれば、20世紀後半から地球は温暖化してきており、このままでは東京23区の一部を含む土地や洋上にある比較的小規模な島は、海面下に水没してしまうという研究がなされています。そしてこの地球温暖化の原因となっているのがGHGすなわち温室効果ガスで、その主たるものが二酸化炭素CO2とメタンCH4によるものということなのです。これは学説ではありますが、京都議定書にあるように、国レベルで国際的な合意がなされており、日本も含めて世界中の国がCO2の排出を減らすことに合意している、という状況になっています。この学説に異論を唱える人も多くいらっしゃいますが、様々な利害が絡む192もの国が締約しているという点は重く見るべきかと思います。
もう一つの理由は大気汚染です。欧州ではディーゼル車の推進により、ディーゼル車の販売台数のほうがガソリン車の販売台数より多くなってしまっており、排気ガス内のNOx濃度が基準値を超えている日が増えています。NOxは空気内に含まれる窒素が高温で圧縮され酸素と化合することによって発生するのですが、比較的低圧縮であるガソリン車では問題が少なく、原理的にガソリンエンジンよりは高圧縮にしなければならないディーゼル車において比較的問題になりやすいのです。マツダではこのディーゼルエンジンを低圧縮化するSKYACTIV-D技術によりNOxの発生を抑えていますが、欧州メーカーはNOx吸蔵還元触媒という特殊な触媒でNOxから酸素を奪って窒素に戻したり、尿素SCRというシステムで尿素を吹き付け、NOxをやはり還元して窒素に戻す仕組みを採用していました。
ディーゼルエンジンではNOxをエンジン側で少なくなるようにするとPM(いわゆる黒い「すす」やPM2.5など)が増加し、逆にPMを下げるとNOxが増えるというトレードオフの関係があり、DPFというフィルタでPMを取り除いているので、DPFがすぐ詰まってしまうという課題を避けるために、エンジンからのNOx排出はある程度仕方ない部分があります。そうなると吸蔵還元触媒や尿素SCRに頼るしかないわけですが、前者は劣化の問題があり、後者は尿素の消費量(タンクに搭載)や交換頻度が問題になってきます。結果としてどこかでバランスをとる必要があるわけですが、NOxの排出規制値が厳しくなればなるほど限界が近づく技術となっています。
日本の自動車メーカーは海外市場の販売台数が非常に多く、国内比率が低いのが特徴です。今後大規模マーケットである中国、欧州、米国での規制が進むにつれ、車両の電動化比率は少しずつではありますが上げていかざるを得ない状況にあると言えるでしょう。


