日本でも先日発売されたHonda e。欧州の二酸化炭素排出量規制に対応するために開発されたともいわれ、日本国内での販売目標台数は年間1000台のみ。ところが本命の欧州ディーラーでも苦戦しているようです。何が起こっているのか、CleanTechnicaから全文翻訳記事をお届けします。
元記事:Disappointing Honda e Sales Prompt Move To Jump Into Tesla EV Credit Pool by Steve Hanley on 『CleanTechnica』
競合のルノー・ゾエに惨敗
Honda eとルノー・ゾエは似ています。両方ともバッテリー搭載の電気コンパクトカーで、価格は3万ドル(約310万円)ちょっとになります。
ゾエのセールスは急上昇しています。CleanTechnicaチームのMaarten Vinkhuyzenは最近この車を買い、とても気に入っています。他にも多くのヨーロッパ人が同じ行動を取り、ゾエは欧州で最も売れている電気自動車の1つになっています。
一方でHonda eはヨーロッパ内のホンダのショールームで惨めな姿を見せています。ヨーロピアン・エレクトリック・カー・レポートによると、今年に入ってから「これが欲しい」と手を挙げた人はたった1,000人ほどでした。
これは問題です。Honda eは企業から出る平均の二酸化炭素排出量が95g/kmを超える場合に課される巨額の罰金を避けるための車でした。Maartenからの1月のレポートによると、ヨーロッパで乗用車から出る平均の排出量は現在125g/kmとなっています。EUでは制限値を超えた場合に課される罰金が車1台当たり2,375ユーロ(約29万5千円)です。これに数百万の掛け算をするとなったら、ヨーロッパ中の企業役員に胸やけを起こさせるレシピとなるでしょう。
欧州でのホンダの市場シェアはたった1%と、その存在感は非常に小さなものです。しかし社員と直接話したMaartenは、社に罰金を払う気はまったくないと報告してきました。Honda eは事態を回避するために用意されたのですが、実際にはそうなりませんでした。ホンダがこの車を売れなければ、罰金を払うことになります。
現実を突きつけられたホンダは、最近のFCAと同じ行動をとる必要にせまられました。テスラのゼロ・エミッション枠連合に加わることです。 罰金を払うよりも、テスラに支払いをした方が安く済むのです。これはホンダがどうやって規制に従うか決めるまでの単なる時間稼ぎです。その方法は魅力的なハイブリッドや純電気自動車をもっと作る、ということになりそうです。
性能は良いが、航続距離と価格がミスマッチ
Honda eは素晴らしい車で、チーム・ホンダの技術の力作だと誰もが認めます。それではうまくいかないセールスをどう説明すれば良いのでしょうか。
航続距離です。似たような価格のルノー・ゾエは、1度の充電でHonda eよりも100マイル(約161km)ほど長く走れます。この差は小さくありません。多くの人にとって、ホンダに決めるのを難しくさせるものです。航続距離が短い、安いシティカーを作ることに集中している企業は多くいます。Honda eは値段を安くするか、航続距離を伸ばす必要があり、それもかなりの割合で、です。大きめのバッテリーを積めば良いでしょう。
この市場ではデジタル面が良くても、費用対効果が鍵となります。ホンダは、ホームランは打てたとしても、ベースを走ることや、守備も、点を得られるランナーがいる時にヒットを打つこともできない野球選手のようです。EV革命に対応する戦略が今、必要なのです。今のところその戦略が何なのか、まったく明確に見えてきません。
(※2020/11/11追記: こちらがゼロ・エミッション連合の詳細になります。)
(翻訳・文/杉田 明子)

