電気自動車用充電器の世界的大手メーカーであるABBが、イギリスの充電ネットワーク『GRIDSERVE』に最大出力350kWの超急速充電器を大規模に納入するというリリースを発信しました。海の向こうの、いろいろと羨ましいニュースです。
複数のネットワークが高出力化を競う、らしい
『GRIDSERVE』は、イギリスの再生可能エネルギー関連事業を手がける企業です。公式サイトを確認すると、電気自動車用充電ネットワークサービスだけでなく、ソーラー発電やEVのリースなど、再エネとEVを社会実装していくための事業を意欲的に行っているようです。
今回、ABBが最大出力350kWのDC超急速充電器を納入するのは、GRIDSERVEが構築する『GRIDSERVE Electric Highway』と名付けられた充電インフラネットワーク向けのもの。GRIDSERVEがイギリスで150カ所程度の充電ネットワークをもつ『Ecotricity』を買収し、さらに強化していくというニュースは、先日、翻訳記事でご紹介しました。
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このネットワークを強化していくことで、ABBのリリースによると「高速道路ネットワークの85%に加え」50カ所に設置される新しい充電拠点は「ABBの超急速DC350kW充電器によってサポート」されるとのこと。
欧州ではすでに、フォルクスワーゲンをはじめドイツの自動車メーカーなどが出資する充電インフラ企業である『IONITY(アイオニティ)※関連記事にリンク』が、最大出力350kWの急速充電網構築を進めています。ステーション数はまだ15カ所程度のようですが、もちろんイギリスでも設置が進んでいます。
つまり、イギリスではIONITYとGRIDSERVEが鎬を削りながら電気自動車用超急速充電インフラネットワークの構築が加速していく、ということになります。近所に両社のステーションができて競争されてもユーザーにとっては微妙(もっとあちこちに作って欲しいと感じそう)ですが、まあ、そのあたりは上手に計画していくのでしょう。
なんにせよ、EVシフトや再エネ社会構築に意欲的な企業によって高度な電気自動車充電インフラ構築が進んでいくというのが、まず一点目の羨ましいポイントです。
1サイトに6〜12基の充電ユニットを設置
また、ABBのニュースリリースでは、GRIDSERVE Electric Highwayの「各サイトには6~12基の充電ユニットが設置されます」とのこと。つまり、ひとつの急速充電スポット(サイト)に、6〜12基(2本出しの場合はケーブル数かも)の急速充電器が設置されるということですね。
加えて「さらに300基の 60 kW急速充電器が供給され、GRIDSERVEがEcotricityから取得した既存サイト150カ所をアップグレード」とあるのは、Ecotricityがすでに整備してきた充電スポットは「(電源の問題などがあって?)350kW器は設置できないけど、新型の60kW器で使い勝手が向上するよ」ということでしょう。
アメリカはもちろん、イギリスをはじめとする欧州、中国などでも、急速充電器は複数台設置が当然、になっているのです。
ちなみに、2020年8月4日(ちょうど約1年前)には、ABBから「ABBのTerra184充電器が日本のEV充電インフラの最新化をサポート」というリリースが発信されました。このニュースも、EVsmartブログでは記事としてお伝えしています。
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●イーモビリティパワーがABBの高出力急速充電器で電気自動車充電インフラ最新化へ(2020年8月7日)
当時の取材によると、最大出力180kWのポテンシャルがある『Terra184』から「最大90kWのケーブルを2本出し、2台が同時に充電できる仕様」になるということでした。
一朝一夕に日本でも急速充電器複数台設置が爆発的に拡大、というのは難しいでしょうから、せめてこの「高出力2本出し」が広がってくれればと期待しているのですが、実装されたというニュースはまだ横浜の公道設置実証実験のケースだけかと思います。
GRIDSERVE Electric Highwayの超急速充電ネットワークがどのくらいのスピードで整備されていくのかもまだ未知数ではありますが、公表されているプランの段階で、「高出力」「複数台設置」、また今回は細かく言及しませんでしたが「従量課金」など、日本のEVユーザーから見ると羨ましいポイントがいろいろです。
はたして、日本の充電インフラ構築を担うイーモビリティパワーは、どのようなビジョンをもち、どのように進もうとしているのか。そろそろ、きちんと取材をお願いしたいと思います。
オリンピックも電気自動車普及も、がんばれニッポン! ですね。
(文/寄本 好則)



