2020年9月16日、Groupe PSA Japanが100%電気自動車であるNEW『SUV e-2008』の日本発売を発表しました。バッテリー50kWh搭載。9月29日(火)19時から、公式YouTubeチャンネルでオンライン発表会が行われます。
日本市場で最もEVバリエーションが豊富なメーカーに
プジョーNEW『SUV e-2008』はBセグメントと呼ばれるコンパクトなSUVです。エンジン車であるNEW SUV 2008の日本導入とともに発表されました。
Groupe PSA(グループPSA)では、BセグメントとCセグメント専用に、BEV(バッテリー電気自動車)からICE(エンジン車)まであらゆる動力源に対応できるCMP (Common Modular Platform)およびe-CMPと呼ぶ車両プラットフォームを開発。居住空間やラゲッジスペースの利便性や快適さを変えることなく、ユーザーが好みのパワートレインを選択できる戦略を打ち出しています。
合理的に大容量電池を搭載することも前提にしたプラットフォームによって、従来型のプラットフォームに比べて約30kgの軽量化や、電池温度管理性能や静粛性を向上させることができているそうです。
グループPSAには、プジョーのほか、シトロエンやDSオートモビルなどのブランドがあります。e-CMPを活用した電動化ラインアップの充実は本拠地である欧州だけにとどまることなく日本でも加速中。7月2日にはプジョー『e-208』、さらに7月29日にはDSオートモビルの『DS3クロスバックE-TENSE』の日本発売を発表しました。日本導入時期はまだ未発表ですが、欧州ではシトロエン『ë-C4-100% ëlectric』がすでに発表されており、そう遠くないうちに日本でも発売されると思われます。
ふと気が付くとグループPSAが、テスラと並び日本市場で最も電気自動車の車種バリエーションが豊富なメーカーになっている、ということですね。
電池容量もボディサイズも、日本の街にちょうどいい
SUV e-2008の駆動用バッテリー容量は50kWh。同じe-CMPを採用しているe-208やDS3クロスバックE-TENSEと同じです。モーターの最高出力は136ps(100kW)、最大トルクが260Nmで、一充電航続距離はJC08モードで385kmと発表されました。欧州でのWLTP値は206マイル(約332km)とされているので、実状に近いEPAモード換算では約184マイル(約296km)となります。
電動車として十二分な性能を備えているのはもちろんですが、注目に値するのがコンパクトなボディサイズです。現行モデルに比べて全長が+145mmの4305mm、全幅は+30mmで1770mmとなったものの、SUVとしてはコンパクトであることに加え、全高は現行モデル比ー20mmの1550mmに抑えられ、多くの立体駐車場に対応できるよう配慮されています。
SUVらしく、クラス最大級とアピールする434ℓ(リアシート使用時)のラゲッジ容量を確保できているのも、e-CMPの恩恵とのこと。リアシートを倒せば1467ℓの収納空間が現れます。
参考までに、いくつかの車種との比較表にしておきます。
サイズと電池容量、価格を比較!
| 全長×全幅×全高(mm) | 電池容量 | 価格 | |
|---|---|---|---|
| プジョー SUV e-2008 | 4305×1770×1550 | 50kWh | 約429万円〜 |
| プジョー e-208 | 4095×1745×1445 | 50kWh | 約390万円〜 |
| DS3 クロスバックE-TENSE | 4120×1790×1550 | 50kWh | 約499万円〜 |
| 日産リーフ e+X | 4480×1790×1560 | 62kWh | 約441万円〜 |
| 日産 アリア | 4595×1850×1655 | 65kWh〜 | 約540万円〜 |
| Honda e | 3895×1750×1510 | 35.5kWh | 約451万円〜 |
SUV e-2008の価格は、ベースグレードである「Allure」が429万円。フルLEDヘッドライトや18インチアロイホイールなどが追加される「GT Line」で468万円です。価格的には、e-208とHonda eの中間くらいですね。e-208もいいけど、もう少し使い勝手が……と感じていた方にとっては「待ってました」の選択肢になるのではないでしょうか。
先進運転支援システム(ADAS)を全車標準装備
駆動用バッテリーの保証は8年、16万km。アクティブセーフティブレーキ、アクティブクルーズコントロール(ストップ&ゴー機能付き)、また車線間の走行位置を任意に選べるレーンポジショニングアシスト、などの機能をもつ最新の先進運転支援システム(ADAS)を標準装備しています。
小径ステアリングを採用し、メーターなどの視認性や操作性を高め、快適なユーザーインターフェースを実現する「3D i-Cockpit」も、なんというか肩の力が抜けた先進のデザインコンセプトだと感じ、「かなり良さそう」という印象(試乗して確かめたい!)です。
一点、EVファンの方であればご承知のように、e-2008は日本ではチャデモ規格での急速充電(最大50kW)対応ですが、欧州車なので「V2H」や「V2L」機能(車両からの給電)は備えていません。アウトドアシーンで活躍することが想定できるSUVでもあることですし、せめてAC100Vのアウトプットコンセントを装備してくれていたらなぁ、と感じます。
また、急速充電はチャデモ規格に対応していますが、プジョーを含めたグループPSAでは充電カードなどの会員制度は用意していません。ユーザーは必要に応じてNCSカードや日産ZESP3(日産車以外でも加入可能)に自分で加入することになります。
もっとも、チャデモ給電口からの「V2L」などには対応している日産リーフもAC100Vのコンセントは備えておらず、来年デリバリーが始まる日産アリアも今のところ装備する予定はないということでした。テスラ車も、サイバートラックにはコンセントが付くようですが、モデルS、X、3などにはありません。ついでに言うと、Honda eはアドバンスという上級グレードにはコンセントが装備されます。
実際、災害時の「動く蓄電池」として電気自動車を活用するにも、コンセントがなければチャデモ給電に対応した別売りの高価で重い専用機器が必要です。電気自動車にはAC100Vのコンセントを装備するのが、世界の潮流になればいいのにな、とぼやいておきます。
ちなみに、200V3kWの普通充電ケーブルは標準装備。200V6kWの普通充電にも対応。スマートフォンアプリで充電予約とエアコン作動などの操作ができる「eリモートコントロール」にも対応しています。デリバリー開始は、NEW SUV 2008が10月中旬以降、NEW SUV e-2008が11月以降を予定しているとのこと。
さらには、「EVとガソリン車をより自由に選んでいただくことを狙い」として、EVモデル向けに1.52%の特別低金利が利用できるとのこと。日本の電気自動車市場に、魅力的な1台が加わりました。
9月29日(火)19時から、公式YouTubeチャンネルでオンライン発表会が行われます。
(文/寄本 好則)







