2027年に軽EV発売を目指すEMTが横浜にR&Dセンター開設/説明会で「日本の自動車会社」をアピール

株式会社EMTが神奈川県横浜市港北区に研究開発専用拠点「EMT R&Dセンター」を新設しました。8月31日にはメディア向けの「EMTA R&D Vision」説明会を開催。2027年に発売を予定する軽EVについて、エンジン車と競争力のある価格の実現を目指す方針が示されるとともに、「EMTA」があくまで日本発の自動車ブランドであることが強調されました。

2027年に日本市場で軽EV発売を予定している新たなブランド

「EMTA」とは、日本市場向けの新自動車ブランド。中国のチェリー自動車(奇瑞汽車)やオートバックスセブンなど日中5社の共同出資により2025年1月に設立された株式会社EMTが展開します。2027年に軽自動車規格のEVを第一弾モデルとして投入し、2029年までに4車種を展開する計画を掲げています。

ブランド名の「EMTA」は「Easy, Made To All」に由来し、「すべての人の日常を幸せにする」ことを目指します。ブランドプロミスには「Daily Magic」というキーワードを掲げ、「ちょうどいい」「楽」「Wow」という3つのキーワードで、等身大の心地よさを追求する姿勢を示しています。経営体制は、南京汽車や上海汽車、フォードなどでキャリアを積んだ何暁慶氏がCEO、日産自動車で初代『リーフ』のプログラムダイレクターを務めた山本浩二氏がCTO、Stellantisジャパン代表や日産販売会社社長を歴任した打越晋氏がCMOという顔ぶれです。

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横浜のアネスト岩田本社内にR&Dセンターを開設

EMTは2026年7月21日、神奈川県横浜市港北区に研究開発専用拠点「EMT R&Dセンター」を開所しました。実はこの場所、塗装機器やコンプレッサで知られるアネスト岩田の本社敷地内です。

勤務するスタッフの最大収容人数は50名程度とのこと。事務所代表はCTOの山本浩二氏が務め、商品企画・ベンチマーク調査、設計スペック決定、国内適応実験、法規・認証対応、車両品質保証、市場品質改善、新モデルデザインなど、日本国内でのR&D業務全般を担います。

EV開発の基本的なコンセプトは「Daily Magic」

8月31日のメディア向け説明会「EMTA R&D Vision」では、山本CTOが改めてR&Dセンターの存在意義を語りました。「私たちのKPIはテクノロジーのスペックではなく、お客様の笑顔である」という山本氏の言葉が象徴するように、軽EVをはじめとするEMTAの電気自動車によって顧客に新たな価値を提供していく姿勢が示されました。

基本的なコンセプトとして示されたのが「Daily Magic」というキーワードです。具体的には、OTAで納車後も機能や走行性能、航続距離を継続的にアップデートする「Magic SDV」。スマートフォンを持って近づくだけで解錠・起動し、シート位置やミラー、エアコン設定を乗る人ごとに自動で切り替える「Magic Sync」。ゼロから新規開発した軽EV専用プラットフォームに、eアクスルと床下バッテリーを搭載し、V2H/V2Lにも対応する「Magic EV」。そして日本の複雑な道路環境に対応し、エンドツーエンド方式のレベル2運転支援を目指す「Magic Drive」の4つのポイントが説明されました。

さらに、開発が大詰めを迎えている2027年発売の軽EVにおける現在のチャレンジとして示されたのが、「日本品質」の作り込みです。9月から国内適合実験を本格スタートさせるほか、Magic SyncとMagic SDVは日本チームが体験設計を主導し、Magic EVやMagic Driveは日本の道路環境に合わせた最終チューニングを進めるとのこと。ブランドロードマップとしては、日本市場への第一弾投入から、第二弾モデル以降の海外展開、第三弾、第四弾モデルによるグローバル展開の拡大を経て、開発・生産ともに日本で完結する「メイドインジャパン」を実現することを長期的な到達点として描いています。

説明会で強調されたのは「日本の自動車ブランド」であること

今回の説明会を通じて繰り返し強調されたのは、EMTAがあくまで「日本の自動車ブランド」であるという点でした。

品質担当の茂木氏は、EMTAが目指す品質を「当たり前品質」と表現します。壊れない、安全、耐久性がある、日本の生活動線に合っている、直感的に操作できるなどなど。そうした「当たり前」を実現することこそが日本品質だという説明です。設計や製造そのものは中国側の拠点で進んでいますが、EMTのメンバーが現地に入り、設計段階のフィードバックはもちろん、部品サプライヤーの工程や管理にまで踏み込んでいるとのこと。第一弾となる軽EVの生産は中国で行われますが、その作り込みには日本側のメンバーが深く関与していることが説明されました。

EMTAはEVとしての新しい価値を提示できるのか?

既存の自動車メーカーが手がけるEVは、どうしてもエンジン車の常識に縛られがちです。たとえば、テスラがスタートボタンを廃止したような、既存の常識を覆す提案はEMTAにあるのか。質疑応答の時間に山本CTOに尋ねると、すでに開発中の軽EVにはスタートボタンそのものがないとのこと。SDVとしての特性を生かし、新たな付加価値の創出にチャレンジしている段階という説明がありました。

日本市場で受け入れられるかどうかの鍵は、やはり価格ということになるでしょう。エンジン車と競争できる価格実現を目指すことを明言しており、CMOの打越晋氏は、EVは高価という思い込みや、補助金ありきの価格設定からは脱却する考えを示しました。

中国で生産したEVを日本で発売するのは、今までEVsmartブログで紹介してきた「大熊カー」のアパテックモーターズや、小型商用EVを発売したHW ELECTRO(2026年8月、東京地裁に破産申請)に似たビジネスモデルという印象もあります。

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ひとつ、先行したベンチャーとの大きな相違点になりそうなのが、EMTの株主リストにはそもそものスタートからオートバックスセブンが名を連ねていることです。アパテックモーターズやHW ELECTROはもとより、ヒョンデやBYDといったEVで日本市場参入にチャレンジするブランドは販売ネットワーク構築に苦労しています。新ブランドEMTAのEVについての販売&サービス網構築にオートバックスが本気で協力していくのであれば、日本のEV普及にとって新しい景色が拡がっていく可能性があるのではないかと感じます。

ともあれ、実車の登場が楽しみです。手が届く価格で魅力的な軽EVが発売されることに期待しています。

【関連動画】
中国大手×オートバックス 軽EVで日本参入!新ブランドEMTA 技術トップに独占取材

取材・文/寄本好則

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2027年登場の新型軽EV、期待する?
  • かなり期待!詳細を待ってる
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「日本品質」を目指す新ブランド、皆さんはどう感じましたか?ぜひコメントで教えてください!

「Wow」というキーワードが選ばれるところなど、今までと違うものを感じさせるものに期待したいところです。

ブランドプロミスには「Daily Magic」というキーワードを掲げ、「ちょうどいい」「楽」「Wow」という3つのキーワードで、等身大の心地よさを追求する姿勢を示しています。

OTAでアップデートができるのが良いですし、スータートボタンは無くしているみたいで期待ですが、物理ボタンも半分以下にしてほしいです。個人的には使わないボタンが多すぎます

スマホがキーになったりする上に個人の設定を記憶できるたり「Magic Drive」が軽EVでもできるならWow!ですね。

「メイドインジャパン」にも期待したいところ、EVモーターズジャパンのバスの出来事を考えた上でしっかりとしていってほしいところです。

オートバックス関連で気になるのは

販売&サービス網構築にオートバックスが本気で協力していくのであれば、日本のEV普及にとって新しい景色が拡がっていく可能性があるのではないかと感じます。

FLASHの設置にも期待したいです。それは単純に置くだけではなく、FLASHはNACSでも充電できます。ゆえにEVの方もNACSにて始まって欲しいかなとは強く思います。Terra Chageでも急速などNACSを始めていくそうなので、より一層、CHAdeMOとJ1772をNACSの1つにまとめていけるように期待したいです。

TerraChageから引用すると以下のようなものもあります。

宿泊施設やマンション等に向けた「NACS対応・普通充電器」の開発検討も開始いたしました。

この流れが進んでいって新規EVはNACSになり、さらに将来はV2Vなども扱いやすいケーブルで繋ぐだけになれば嬉しいかなと思っています。

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軽EVのデザインは、メッキ類の「虚飾」が無くブラックアウトしたスッキリしたデザインで好感が持てる。四隅から少しはみ出したタイヤ・フェンダーは「後付け感」が無く、この車のセールス(デザイン)ポイントの一つとして評価したいが、室内空間(室内幅)への影響がどの程度出ているかは気になるところ。
直近で発売されたBYDのラッコ(スーパーハイト系)とはやや使用(購買)層がずれる面も考えられるが、基本的には直接の競合関係になると思われる。圧倒的装備・スペック、価格を誇るラッコにどれだけ対抗できるかが興味深い。「made in japan」は強調しない方がいい。その言葉は現状では“EV後進国製”しか意味しないからだ。Cherryは“EV先進国”中国国内では中堅だがヨーロッパや東南アジアへの輸出では比較的シェアを持っている。実車が販売開始されたらBYDラッコと比較してみたい。(私の車はN-VAN e: で年末までに最初の車検を迎える。家族の次の車もEVにすると決めている。)

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