電気自動車で一充電航続距離を左右するのは「電費」です。速度を抑えたほうが省電費なのは当然として、はたして80km/h巡航と100km/h巡航で、どのくらいの違いがあるのでしょうか。東名高速道路、東京=海老名SAの往復で試してみました。
出発地点とゴール地点の標高差はさほどでもない
7月25日土曜日、世の中は4連休中ですが、EVsmartブログは休みません。早朝4時起きで、海老名SAに増設された急速充電器の撮影に出かけたついでに、以前から気になっていた実験をやってみることを思い立ちました。
それは、電気自動車の電費が「80km/h巡航」と「100km/h巡航」で、はたしてどのくらい違うのかってこと。空気抵抗は速度の二乗に比例、また加速時にはさらに増大するので、速度を抑えた方が電費がいいのは当然です。でも、具体的にどのくらい違うのか、明確に比較したデータは目にしたことがありません。ならば、自分でやってみるしかないですよね。
実験区間は東名高速道路の東京IC=海老名サービスエリア間、距離は約31kmです。今回は、往路(下り線)で80km/h巡航、復路(上り線)を100km/h巡航で走ってみることにしました。
スタートとゴール地点の標高差が気になるので、Yahoo! でβ版のサービスが提供されていた『ルートラボ』で調べておこうと思ったら、サービスが終了してました。ので、あくまでも参考までにGoogleマップで徒歩ルート検索した標高差グラフを示しておきます。結論として、途中のアップダウンはあるもののスタートとゴールに大した標高差はありません。
本当は、巡航速度を入れ替えてもう一往復すれば完璧なんですが、それはまたの機会で勘弁してください。あと、冒頭写真が助手席からの片手撮影でブレ気味なのもご容赦を。
80km/h 巡航〜往路の電力消費は17%
往路出発時、環八のマクドナルド前の信号待ちで撮影したメーター表示です。電池残量は69%。トリップをリセットして「0」にしました。
往路の巡航速度は、オートクルーズで80km/hに設定。一番左の車線をタンクローリーに付いて走りました。タンクローリーも80km/h巡航だったようで、ほぼ全線ランデブー。私のリーフのオートクルーズは前車追従式ではないので、設定速度をもう少し上げると頻繁に追い越ししなきゃいけないことが多いのですが、80km/h巡航では抜かれるばかり。スムーズに巡航することができました。
海老名SA到着時のメーター表示、なのですが、うっかり急速充電器を挿した直後に撮影したので、1%上昇しちゃってます。到着時は52%になっていたので、消費した電力は17%分ということになります。
私のリーフは電池容量30kWhですが、リーフスパイで計測したSOHが約87%。正味の容量は約26kWhです。したがって、東京ー海老名の往路31.4kmで消費した電力量は、「26×0.17=4.42kWh」という計算になります。
**【80km/h 巡航〜往路の電費】
●約7.1km/kWh
●約140Wh/km**
100km/h 巡航〜復路の電力消費は20%
厚木で下りてUターンして。海老名SA上り線で往路出発時とほぼ同じ70%まで急速充電。トリップを再び「0」に戻しました。
復路の巡航速度は、オートクルーズを100km/hに設定。三車線の中央車線を走りましたが、何度かトラックに引っ掛かり、優しくアクセルを踏んで追い越しました。
東京ICで高速を下りて、環八に出る前に路肩に寄せて撮影したメーター表示です。走行距離は31.3km、電池残量はぴったり50%。出発時は70%だったので、ちょうど20%、「26×0.2=5.2kWh」の電力を消費したことになります。
**【100km/h 巡航〜往路の電費】
●約6.0km/kWh
●約166Wh/km**
20km/h の巡航速度アップで電費は約16%悪化
こうして明確に計ってみると、「約166Wh/km だって? ダメじゃん!」って感じです。結論として、100km/h 巡航すると 80km/h 巡航に比べて約16%電費が悪くなる、ということです。
ちなみに往復ともにエアコンは22度設定で普通に使っています。今まで当てずっぽうで「100km/h巡航で7km/kWhくらいかな」なんて思っていたのですが、少しスピードを上げるだけで思った以上に電気を使っちゃうんだぁと痛感しました。
この実験は渋滞を避けるため深夜や早朝といった怪しい時間にやる必要があるので、いつになるかはわかりませんが、往路と復路の巡航速度を入れ替えた検証も、機会を見つけてやってみたいと思います。
(取材・文/寄本 好則)






