※冒頭写真は静岡県の富士カントリークラブに設置された最大出力6kWの普通充電器。
EVオーナーは男性が9割、年代は40~60代が約8割
【アンケート概要】
調査対象:EV/PHEVオーナー
調査方法:インターネット
調査実施期間:2023年1月27日〜2023年1月31日
アンケート回収状況:498件
EVオーナーに限定した今回のアンケートでは、回答者の92.8%が男性、6.6%が女性という結果となりました。また、20代は4%、30代は12.9%、40代は25.1%、50代は33.7%、60代は20.9%、70代以上は3.4%で、10代はいませんでした。40〜60代で全体の約8割を占めています。EVを所有するのは男性の中年層が多いことがわかりました。
住んでいる都道府県をたずねたところ、東京都と神奈川県はそれぞれ12.7%、埼玉県は6.2%、千葉県は6%と、首都圏の1都3県で全体の3分の1以上を占める結果となりました。特筆したいのは愛知県で、9.8%と全体では3位でした。愛知県は人口1万人あたりのEV/PHVの普及台数がトップの岐阜県に次いで全国2位(※)で、人口も東京・神奈川・大阪に次いで4番目に多いことから、この結果になったことはうなずけます。
(※)2009~2021年の都道府県別の電気自動車(EV・PHV)の普及状況(補助金交付台数、次世代自動車振興センター調べ)を、人口1万人あたりでENECHANGEが算出。
EV/PHEVの普及はEVが多数派〜昨年のEV購入者が急増
保有しているのはEVが87.1%、PHEVが11.6%とその差は歴然でした。また、オーナー歴は3年以上が41.3%と最も多かったものの、1年未満は37%で、昨年EV購入者が急増したことがわかります。
車種はEVの草分け的存在である日産リーフが30.5%と最も多く、昨年6月にデビューした日産サクラは9.3%、日産アリアは3.3%と、日産が全体の4割以上を占めました。テスラは15.4%のモデル3を筆頭に、モデルX・モデルYと併せて、全体のおよそ2割を占める人気を示しました。
EVの特性や性能に魅力を感じて購入した人が7割以上
EVを購入した理由は、「EVの特性や性能に魅力を感じるから」が73%、「ガソリン車に比べてランニングコストが安いから」が55.9%、「補助金・減税など税制優遇措置が受けられるから」が51.2%、自宅で充電できるからが47%と、EVの特性や性能に魅力を感じ、コストなどの実用面でも選ばれていることがわかりました。
EVの用途は、買い物が最も多く75.8%、ドライブは60.6%、通勤・通学は52.6%、旅行は48.4%、家族・親族の送迎は36.6%となりました。日常の移動手段としてや休日の充実化のためにEVを利用していることが伺えます。
EVオーナーの75%以上は自宅にEV充電器がある
自宅に専用のEV充電器があると答えた人は75.6%で、共有のEV充電器があるのは1.8%、ないと答えた人が22.6%となりました。また、住まいに関しては、戸建て(購入・賃貸)が76.8%と多く、集合住宅(賃貸・分譲)は22%で、そのうちの8割にはEV充電器付きの車室がないことがわかりました。
外出先の普通充電に消極的な理由とは?
外出先で普通充電器を利用するかについては、積極的と答えたのが53.9%、消極的と答えたのは46.1%と二分化される結果となりました。消極的である主な理由として「充電時間の割に航続距離がのびないから」が58.6%、「充電料金が割高に感じるから」が41.4%となりました。
EVのバッテリー容量が大きくなった反面、国内の普通充電器の多くが未だ3kWであることから、外出先で充電にかかる時間と費用が割に合わないと感じていることがわかります。
また、「利用したい場所に設置されていないから」は39.2%と、EV充電器の普及にもまだまだ課題は多いようです。
急速充電も設置台数などの拡充を!
急速充電について不満に思っていることは「設置台数が少なく、待ち時間が発生することが多い」が57.1%、「設置場所が少なく、利用したい場所にない」が49%となり、半数以上の人が急速充電器設置の充実を求めていることがわかりました。また、「30分の充電時間により行動が制限される」が39%、「EV以外の車が停車していて、利用できないことが多い」が23.4%の人が不満に思っていました。
充電カードの契約費用分を使い切れない?
現在、充電カード(eMPカードやZESP3など)を契約しているEVオーナーは64.2%、契約していないのは35.8%でした。契約していない人のうち、過去に契約していたものの解約した理由として最も多かったのが「費用に見合う利用ができなかったから」が64.5%でした。また、一度も契約をしたことがない理由としても「費用に見合う利用が見込めないため」が73.8%と最も多くなりました。
ほとんどの充電カードは月額料金を支払った上で、急速充電や普通充電を各カードの発行会社が設定する料金で利用することができます。発行会社やプランによって月額料金や都度利用料金の設定は様々ですが、月額の負担に見合うほど急速充電器を利用するか不確かであるため、充電カードの契約に二の足を踏んでいるEVオーナーが多いようです。
EVの使い勝手は、搭載する駆動用バッテリー容量で大きく変わります。でも、EVを所有するオーナーの満足度を左右するのは、EVそのものの性能だけではありません。アンケートの結果からは、基礎充電や目的地充電(普通充電器)や、経路充電(急速充電器)などのEV用充電インフラの拡充が、ユーザーの満足度を高めるためには必須であることも読み取ることができました。
◎お知らせ
回答いただいた方の中から抽選で50名に、EV充電エネチェンジで利用できる充電クーポンをお送りする予定でしたが、50名に1,000円分、他のみなさまにも全員に500円分の充電クーポンをお送りすることにしました。
3月9日(木)に、アンケート回答時にご記入いただいたメールアドレスに充電クーポンをお送りしておりますので、ご確認ください。
文/宮手 有美花