FCVと1カ月生活記【第2回】東京=岐阜往復レポート

自動車評論家の塩見智さんが「燃料電池車はEV所有を望む集合住宅民希望の星か!?」をテーマに、ホンダ『クラリティFUEL CELL』と1カ月をともにした生活レポート集中連載。第2回は東京から岐阜県への往復ドライブレポートをお届けします。

FCVと1カ月生活記【第2回】東京=岐阜往復レポート

首都圏以外の水素ステーション事情は?

クラリティ FUEL CELL(以下、FC)生活が始まった。走行感覚はバッテリーEVと変わらない。イグニッションをオフにした後、ほぼ毎度「コンコンコン」とも「カチカチカチ」とも聞こえる音がする。これはEVにはない。ホンダに尋ねると、発生した水を車外に排出する音、もしくは(次回始動時に備え)車内の水素圧力を調整している音が考えられるとのこと。なるほど。音が気になって不快というわけではなく、むしろ興味がわく。排ガスではなく水を排出するのだ!

さてICE(Internal Combustion Engine=内燃機関=エンジン車)はエネルギーを液体の化石燃料の状態で、EVは電解液(イオンというべき?)の状態でそれぞれ車載するのに対し、FCVは圧縮水素を気体の状態で車載する。製造(精製)、流通、使用(走行)、廃棄というクルマのライフサイクルを通じ、どの仕組みが最も高効率かという議論が、技術、政治、経済、環境の各方面の思惑が絡み合いながら、長年世界中で行われているが、FCVが乗用車でも一定のシェアを獲得することはあるだろうか。

というマクロの視点はもちろん重要だが、ユーザーの立場でFCVを考えた場合、最も気になるのは必要な時にエネルギーを補給できるかどうかということだ。

関東地方には水素ステーションが約50カ所ある。東京なら10km走っても見つからないということはまずない。これを十分と感じるか否かは人それぞれだろうが、一点、深夜営業がないことは頭に入れておく必要がある。

では首都圏以外のステーション事情はどうか。日本全国で約80カ所。なんと6割超が関東に集中していることになる。当然非常に少ない地域もある。都市部以外での水素ステーションの見つけやすさを調べるとともに、クラリティFCの実際の燃費性能を計測するため、一泊二日で遠出してみることにした。

太平洋ベルト地帯に沿って西を目指す

クラリティFCには大小ふたつの水素タンクがあり(乗員スペースを稼ぐために分割)、容量は合計141リッター。このタンクに最大70Mpa(700気圧)で圧縮した水素を、重量にして約5.0kg充填することができる。カタログによれば、JC08モードで750km(EPAモードでは約589km)走行することができる。

行き先はどこでもよかったのだが、東北や北陸地方には水素ステーションが極端に少ないため、FCV初心者として、大都市が連なる太平洋ベルトに沿って西進することにした。

前夜、東京都練馬区のステーションで満タンに。当日は新東名高速ルートで315.8km離れたとよたエコフルタウン(豊田市のステーション)へ。3.0kg(3666円)を充填した。燃費は105.3km/kg。ただしこれは正しい数値ではない。

というのも充填前にスタッフが申しわけなさそうに「古い機械なので圧力が弱く本来の満タンにはなりません」と言ってきた。気体なので入る量は圧力次第だ。本来は定められた70Mpaで入れ続けて止まったところが満タンなのだが、このステーションは愛・地球博(2005年開催)で設置したおそらく国内最古の機械のため、仕様として30〜40Mpa程度の圧力しかかけられないそうだ。

別の機会に東京・芝公園の水素ステーションでも一時的な不具合によって低圧力での充填を余儀なくされた。充電施設にも存在する性能差、当たり外れは水素ステーションにもある。

エンジン車換算でおよそ9.3km/ℓ程度のエネルギーコスト

さらに67.5km走行してセントレア空港敷地内のステーションへ移動。ここは機器が新しく「ここで入れると皆さん燃費が悪くなるんです」とスタッフ。要するに圧力が十分で水素がたくさん入るので、満タン法での燃費値が悪くなるという意味だ。

1.4kg(1694円)を充填。ここまで383.3km走行し、4.4kgを充填したことになる。燃費は87.1km/kg。基準がないから良いともとも悪いとも判断がつかないが、かかった5360円という費用は、レギュラーガソリンを130円と仮定すると、約41.2ℓ分に相当する。このため燃費9.3km/ℓのICE車と同じ費用がかかったことになる。EV/PHEVに比べて経済的とは言えない。ただ時折雨天で、結構ハイペースだったことは書き添えておくべきだろう。

なんとなく名古屋でうなぎでも食べて帰ろうと考えていたが、近くの岐阜県関市も鰻を出す店が多いと聞きつけ、興味がわいて北上した。鰻には背開きして蒸してから焼く関東スタイルと、腹開きして蒸さずに焼く関西スタイルがあるが、関も蒸さずに焼くスタイルが主流という。地元の有名店「辻屋」へ。パリッとしていてうまかった。

高速道路SA/PAに水素ステーションは、ない。

翌朝。帰路に中央道ルートを選んだ。ところで全国の自動車専用道路のSA/PAに水素ステーションがどれくらい存在するかをご存知だろうか。答えはゼロ。ないのだ。

クラリティFCのカタログ上の航続距離は750km(EPAでは579km)。7掛けとして525km(同406km)。多くのEVよりも航続距離は長いが、充填には必ず一度高速道路を降りなくてはならない。これはFCVで遠出する際の心理的な障壁となる。

とはいえ中央道ルートでの岐阜〜東京は約390km。何もなければ途中で充填せずに帰ることができるはずだし、取材なので何かあれば降りて水素ステーションに立ち寄ればよい。

中央自動車道は愛知県〜東京都を結ぶ大動脈のひとつだ。東名高速がおおむね直線的なルートなのに対し、中央道は山間部を縫うように通っていて、全体的に曲線の連続だ。加えて南アルプス山脈を避けるため、ひらがなの「く」を90度右に倒したような大きな迂回部分がある。

もうひとつの違いは、東名高速が比較的フラットなのに対し、中央道はアップダウンが多い。今回、このアップダウンによって天国と地獄を交互に味わい、ずいぶん心をかき乱された。FCVでも登りでは車載燃費計が示す航続可能距離の減りが速く、下りでは遅い。大きな駆動用バッテリーを搭載して回生するEVやPHEVのように、下りで減りが遅いどころか航続可能距離が大幅に増えることはないものの、減りは遅いし、わずかながら駆動用バッテリーを積むため、多少増えることもある。

航続距離性能が十分に長いPHEVは別にして、EVやFCVの場合、登りが続く区間では、航続距離の減りの速さから、まず心にさざ波が立ち、やがて次の充電スポット、水素ステーションへ到達できるかどうかで頭の中がいっぱいになる。充電チャンスがあったのに面倒だからとスキップして後悔するのは“EVあるある”だが、FCVの場合、高速道路上で充填のチャンス自体がない。後悔するなら出発前の計画のいい加減さに対してということになる。

けれども、これが下り区間に転じ、走行しても航続可能距離が減らなったり増えたりすると、とたんに登り区間での心配はどこかへ吹き飛び、一気に心に平和が訪れ、強気に転じ、やがて万能感に変わる。エアコンを使いたいだけ使い、走行ペースも上がる。

このままでは、東京まで帰れない……?

喉元過ぎれば熱さ忘れる。再び登り区間となると、不安に見舞われる。EVユーザーにとってその“あるある”はいまさらかもしれない。しかしFCVで走行中の浮き沈みには、EVの比ではない重みがあるのだ。

どうして下りでもっと燃費走行をしておかなかったんだ! と自分を責めても遅い。中央道は諏訪南ICと小淵沢ICの間に標高1015mの最高地点がある。そこを登りきった時点で残り距離が航続可能距離を超えていた。……帰れない。

登りとはいえ、朝充填したのにこれほど激しく航続可能距離が減るのはなぜだろうか。主要因はハイペース過ぎることだが、猛暑によるエアコン酷使や、一部区間でゲリラ豪雨によって走行抵抗が増加する不運もあった。それにしても……。

ただこの先は最高地点からの下りだ。残り距離と航続可能距離の関係も好転するはずと信じ、走行を続けた。その通り、残り距離は減るのに対し、航続可能距離はほぼ減らない。数字が近づき、同じになり、逆転した際、万物への感謝を気持ちが芽生えた。

一難去ってまた一難。南アルプス市を過ぎ、あとはひたすら下りかと思いきや、今度は富士山に近づき、再度標高が上がる。北杜市の辺りで残り145kmに対し航続可能距離は142km、大月市で残り92kmに対し航続可能距離は91kmと、微妙に“ショート”の状態が続く。心臓に悪い。大げさな表現に思えるかもしれないが、この事実を知ればそうではないとわかっていただけると思う。山梨県内にある水素ステーションは甲府市の1カ所のみ。長野県にステーションはない。つまり高速道路を降りても充填できないのだ。

一喜一憂を繰り返し、なんとか東京へたどり着き、出発前に充填した練馬のステーションへ戻ることができた。現状、FCVでの遠出にはEV以上の綿密な計画が必要ということを痛感した。904.7km走行し、10.2kg(1万2863円)を充填。トータル燃費は88.7km/kgだった。ICE なら9.1km/ℓのクルマと同じ費用(ガソリン1ℓ130円換算)がかかったことになる。

次回はクラリティFCの日常の使い勝手について報告したい。

【短期集中連載インデックス(予定)】
第1回●静かなる燃料電池まつりが始まった(2020年9月8日)
第2回●岐阜=東京往復レポート(2020年9月20日)
第3回●水素ステーションの現状
第4回●まとめ

(取材・文/塩見 智)

この記事のコメント(新着順)21件

    1. 今は改善されたのかもしれません。半年前の取材時には充填してくださる方に直接こう言われたのです。

  1. 安川様、返信ありがとうございます。

    | 輸入水素に移行した際

    液化水素の比重は0.07程度ですので、LNG用と似たような船で運搬するにしても、単純計算でLNGの1/7くらいの重量しか運べません。
    こちらも、液化水素の比重を変更できるわけではないので、技術の進展でどうにかなる要素がありません。
    LNGのまま輸入したほうがよほどマシかと思います。

    kgあたりの発熱量は(水素=天然ガスの3倍弱)なので、一回の運搬で得られるエネルギーに換算しても(水素=天然ガスの半分未満)となり、元が取れません。
    https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcombsj/53/163/53_16/_pdf/-char/en

    |「天然ガスは不滅」シナリオ

    「天然ガスは不滅」シナリオを推進するのであれば、水素の備蓄や運搬の問題点を指摘するだけでよいように思います。
    もっとも、送電網の大規模な出力調整は水力、ガス火力、蓄電池の三択なので、そうすぐにガスの出番が減ることはないと思います。
    天然ガスの事業者、造船業者、その他が、水素受け入れ基地の技術的目途もないのに水素社会()をゴリ押ししているのが、官庁とのおつきあいなのか、トップ(≠技術者)が何も考えていなくて実働部隊が逆らえないのか、謎です。

    これ以上は話題が逸れすぎるので、別の機会にします。
    駄文失礼いたしました。

    1. 「液化水素の比重は0.07程度ですので、単純計算でLNGの1/7くらいの重量しか運べません」という事は
      同じ体積のタンクで運んだ時
      LNGの重量1/7も軽いから、運搬エネルギーは少なく済む
      しかもLNGの3倍弱の発熱量もある
      (だから水素はロケット燃料に利用される)
      水素の長所の説明ではないのか?

    2. mirai様、コメントありがとうございます。タンクが軽いのはいいのですが、その分ちょっとしか運べないので運搬効率は良くないんですね。

  2. 水素については、(水素ステーションで当面の利用分を保管するのでなく)
    国家備蓄レベルの大量備蓄をする手段がありません。
    今後も進展の見込みはありません。
    (消火器サイズのボンベ×10億本で備蓄というわけにはいきませんので)

    一部でも全部でも輸入するなら石油と同じく国家戦略としての備蓄が必要ですが、大量備蓄する手段はありませんので、「直近の使用分だけを国内でちまちま生産する」シナリオしか成立しません。
    もちろん、ソーラー電源や風力のように毎日おかわりが得られるのなら、備蓄は不要です。

    天然ガスであれば、常温数気圧で液化するので、コンクリート製で直径30mから50mくらいの円筒タンクをいくつも用意すれば、国内消費量の数週間分~数か月分を備蓄しておけます。
    水素は700気圧でも液化しないので適当に数百気圧まで上げるとしても、高圧に耐えられる超大型タンクか極低温に耐えられるタンクを開発する必要があります。
    マイナス253度以下を保って10年単位で長期保存するのは無理ゲーです。
    知る限りでは、国家備蓄レベルの水素タンクを作成する方法について、検討して速攻でさじを投げたメーカーはあっても、開発継続中のメーカーはないと思います。

    窒素をくっつけてアンモニアに変換するなどすれば何とかなるのかもしれませんが、アンモニアから水素に戻すためのエネルギーをどこかから調達しないといけません。

    水素について都合の悪い話は、挙げはじめるとここに書ききれませんが、周知されていないですよねえ………
    質が悪いのは、「国家規模での、具体的な数値を伴う全体のシナリオ」が全く成立していないのに、個々のプレイヤーによる「自分の担当分だけ」のシナリオは成立しているように見えてしまうことだと思います。

    ※それを差し引いても、FCVバスの乗り心地の良さはガソリン車に戻れないと感じるのが何とも……

    1. mira様、コメントありがとうございます。備蓄の話は何とか話を逸らしている感じなのでしょうか。
      ちょっと考えてみたのですが、今まで、なぜ天然ガスの事業者が、一生懸命になって水素を推進しているのかがちょっと理解できてきました。天然ガス→水素への移行を図ろうという点もあるのだと思いますが、輸入水素に移行した際、その輸入に絡むビジネスだけでなく、水素を国内で(CO2を排出したうえで)緊急時にいくらでも作れるようなインフラが必要と考えれば、「天然ガスは不滅」シナリオが書けますね。

  3. 水素の厄介さを知るモノとしては、部品内側に金メッキするの?金属透過どうしているの?極低温で持って来るの?高圧で水素を扱う対策はどうするの?どの位で性能低下するかな?水素は金属を通り抜けちゃうんですよ、だから金メッキしたりするんですが、メッキって高圧が掛かると膨張する金属に行うとクラック入るんで透過阻止効果が低下して、水素を高圧で扱うって、ハードル高くね?って、、
    哀しいけれど、高圧水素って意外と筋の悪い技術になってしまうので、燃料電池は拡大せぬまま終わるんじゃないかなぁ?って、思います。
    高圧水素インフラって、急速充電器とは比較にならないレベルで金が掛かります。

    ブレークスルー技術が出てきたら何とかなるんですが、電気自動車もリチウムイオン電池の登場と進化で何とかモノになったんで、水素の金属透過阻止に関するブレークスルー技術の登場を期待されて、トヨタさんとかも見切り発車されているんでしょう。

    ところでエアコン起動時の電流超過等と、電磁ブレーカーの相性の悪さをd43f氏は問題視されているのかな?
    起動時の電流は定格運転時の電流量とは全く別ですから、従来型のブレーカーだとそこらの融通が利くんですけれど、、
    オール電化の場合、夜間充電と夜間温水加熱が被るので、6kwを200vで30A、温水器が30Aとしてエアコン稼働の6Aが来ると、余裕を持って60A以上が必要になってしまいますよね、80Aとかになっちまいます、ウチの電力会社が60Aまでですから、そして80A対応の電線引かれてますかな?その場合は引き直しなんですよね。
    あ、私の部屋のブレーカーは、美しか南の島ば海に沈めるつもりか!ってんで、20Aですけれど、4.3kw200Vエアコンを使って居たりします。
    電子レンジの同時稼働はブレーカーが落ちます。
    それ以外だと大丈夫なんですが、電子ブレーカーになったら容量上げる事になるでしょうね。

  4. 既存住宅に充電設備を設けるハードルはいくつかあります。
    一つは分電盤の位置で平成以降に建築された住宅は洗面所など駐車場から遠い位置にあるため配線が10mを超えることもザラで設置費用は何十マンです。
    もう一つは通常一戸建は40Aですが200V充電で60A契約が必要で基本料金が1000円以上あがります。
    オール電化家庭はさらにハードルがあがり60Aを超えると非現実的で充電中風呂に入れないとかエアコンつけられないなど様々な制約ができます。
    よって自宅充電はこれら制約を飲めるごく一部の人限られます。
    多分年間数万キロ走行する人でないと難しいのではないでしょうか。

    1. d43f様、再度のコメントありがとうございます。

      >分電盤の位置

      なるほど、そういう場合もありますよね。どうしても引き込みが大変な場合には、特例を申し込んで別途低圧を引き込むことも可能です。このほうが安くなる場合もあるでしょう。何十万とのことですが、ケースバイケースではないでしょうか。

      >通常一戸建は40Aですが200V充電で60A契約が必要で基本料金が1000円以上あがります

      40A!それは結構家電が少ない家庭ですよね。すべての家庭の平均が35Aです。これには一人暮らしのアパートも含まれるんですよ。なお、40A-60Aまで上げると、基本料金は
      https://www.tepco.co.jp/ep/private/plan/standard/kanto/index-j.html
      572円上がります。1000円以上は上がりませんし、楽天でんきなど、基本料金無料の会社を使えば80Aでも100Aでも契約は可能です。

      >充電中風呂に入れない

      今の電気自動車はすべてタイマーというものが付いていまして、充電開始時刻を調整できます。電気を多く使用する機器の使用時刻を避けて充電するように設定すればよいです。またこれから新築されるようなご家庭では、HEMS対応機器にすれば、自動的に家庭内の負荷状況を見て最適な充電電力に調整されますので便利です。

      なお、以前もご指摘させていただいたかも知れませんが、全く関係のない記事へのコメントはできる限り避けていただけますと幸いです。こちらはFCVに関する記事となっておりますので、ご了承をお願いいたします。

      エアコン暖房 660W 6.6A
      冷蔵庫 250W 2.5A
      家中の照明の合計 200W 20A
      IHジャー炊飯器 1300W 13A
      プラズマ42型テレビ 360W 3.6A
      電子レンジ

  5. 自宅充電の人は確かにEVの恩恵は受けやすいです。
    が、かなりの少数派でしょうね。
    賃貸と集合住宅の人は難しいですし、自宅充電に設備投資も何万円もかかりますよね。
    その上ガソリン車よりも圧倒的に高いですから現時点では趣味人の道楽の範囲だと思います。

    1. d43f様、コメントありがとうございます。
      自宅充電、マンションだと難しいですよね。日本では一戸建ての住宅の割合は50%程度と言われており、これらのほとんどの方が自宅で充電可能だと思われます。
      また賃貸駐車場を利用されている方も、電気さえ来ていれば充電設備を設置することは可能です。充電設備といったところで、自宅用なら200Vコンセント1個でもいいわけなので、5万円かかったとしてもほとんどが工賃だと思います。
      https://blog.evsmart.net/home-charging/
      ↑当サイトでも、マンションや賃貸住宅の充電器設置事例をどんどんご紹介してく予定にしています。

      >ガソリン車よりも圧倒的に高い

      電気自動車の部品の点数はガソリン車のおおよそ1/3と言われ、可動部品の数も圧倒的に少ないので、組み立て精度が要求されず、コストは下げやすいと言われています。
      ちょうど本日、テスラが2万5千ドル台の電気自動車を作れると発表しました。いずれ、ガソリン車より安価になってしまうことは間違いないと思われます。

      これに対し、燃料電池車はスタンドに行けば充填できるという気軽さはあるものの、前の方へのコメントでも書いたように、水素ステーションの数や営業時間がネックになっています。車両の価格も電気自動車並みかそれ以上に高額です。しかし燃料電池車のこれらの問題は、電気自動車のように簡単に解決することは難しいのです。私の個人の例で言うと、年間走行距離24000kmのうち、30%分しか、自宅以外の場所で充電していません。ということは、これがプラグインハイブリッド車になったり、将来的に(メルセデスはもう出すと明言していますが)プラグインハイブリッド燃料電池車になったりすると、水素の販売量は30%に落ち込むということです。なぜなら電気のほうが安いので、自宅で充電することがメインになるからです。もちろんバッテリーが小さいので半分くらいは水素を買わないといけなくなるかもしれませんが、、
      燃料電池車の価格は、なかなか安くはなりません。可動部品点数こそ少ないものの、部品点数はガソリン車などと同等。結果として、部品点数が少なく大量生産に適した電気自動車に、価格の点で将来的に勝てることはないと思われます。

    2. 安川さん、電気技術者として突っ込ませて下さい。
      一戸建て住まいでも受電電圧により充電の可否はありますよ。100/200Vの単相三線式でさえ60A/6kVA以上の契約がないと200V充電はできませんし(契約ブレーカーが飛びやすくなる)単相2線式100V/20A以下だと100V充電も厳しくなりますんで(これも契約ブレーカーが飛びやすい)
      最近YouTubeに出てくる電気工事動画でも半世紀前の物件で引込幹線が細すぎ結局30万円前後の大掛かりな工事になった事例が複数見受けられます。安易に電気自動車を買うことが出来ない中古物件にも気をつけるべきかと。
      ※電気工事士+電気主任技術者有資格者なんで厳しい話もしますがこれは事実です。電線の太さは内線規定により電圧降下率まで規定されますので慎重に。

      もっとも当家は将来ソーラー発電+V2Hも電気工事士のスキルでいけますが。

  6. 水素の価格は、ガソリン車に対抗できるように、ガソリン車と同等程度(10km/l程度?)を想定して、水素の価格を決めています。
    つまり、ガソリン車と燃料費があまり変わらないのは、当然です。
    本来は、倍以上高い値段だったと思います。
    BEVもFCVもどっちもどっちですが、充填時間が早いFCVの方が、ガソリン車に近い走行パターンが得られると思います。
    BEVなら、テスラのSC並(100kw以上の充電器で、30分で、50kwh)でないと、ロスタイムが大きいですね。それでも、30分もかかるので、BEVの負けです。
    そして、SCの拠点の数と水素ステーションの拠点数を比べると、水素ステーションの方が多いので、これまた、BEVの負けです。
    FCVは、台数がそもそも少なすぎるので、水素ステーションで、充填待ち渋滞も発生しませんし。
    もう、今となっては、どちらも使い勝手が悪いし、割高なので、買いません。
    ハイパワーも必要ないので、HVもPHVも燃費で元が取れないので必要ないですね。
    BEVの魔力であるルーディッシュな加速なんて、エコでもなく、全く必要ないですね。
    レスポンスも、普段使いでは、ガソリン車でも、全く問題ないですし。

    1. nobubu様、コメントありがとうございます!

      >つまり、ガソリン車と燃料費があまり変わらないのは、当然です。

      そんな気がするのですが、実際には今後、水素は輸入もしくは電気分解になる予定で、コストについてはまだ不透明です。海外で褐炭を燃やし、出た二酸化炭素を集めて埋め、水素をマイナス269℃まで冷却して液化。その後液化水素タンカーで日本まで輸送します。これをやはりマイナス269℃のまま国内を津々浦々まで輸送するのが輸入水素。電気分解は今でもできますが、電力を使用しますので、1kWhの電力で電気自動車が走行できる距離は、1kWhの電力で水素を作り、その水素で燃料電池車を走行させることのできる距離の3倍にもなります。今後の水素の販売価格は、徐々に上昇するとの見方が多いと思います。

      >BEVもFCVもどっちもどっちですが、充填時間が早いFCVの方が、ガソリン車に近い走行パターンが得られると思います。

      それは違うと思います。BEVでは毎朝自宅で満タンになります。FCVは必ず水素ステーションまで行って水素を充填しなければなりません。そのため、BEVは自宅充電なら、ガソリン車よりもFCVよりも利便性が高いのです。ご指摘になっているのは「走行パターン」とのことですが、それは、電気自動車なら最初の100%の充電を使い切った時であり、300km以上走行した後の場合のみです。

      >BEVなら、テスラのSC並(100kw以上の充電器で、30分で、50kwh)でないと、ロスタイムが大きいですね。それでも、30分もかかるので、BEVの負けです。

      30分充電する必要はないのです。5分でも良いのですよ。私も良く5-10分充電しています。家に帰れさえすれば十分だからです。仮に400kmの航続距離の車で100kWで10分充電すると合計、466-500km走行できるようになります。

      >そして、SCの拠点の数と水素ステーションの拠点数を比べると、水素ステーションの方が多いので、これまた、BEVの負けです。

      充電スタンドは、そんなに必要ないのです。なぜなら、遠出するときしか使わないから。私のように年間24000km走行する人でも、自宅充電の比率は70%にもなり、30%分しか外では充電していません。その外での充電はある程度決まった経路(高速道路沿い)に集中しています。
      逆に水素ステーションは
      https://toyota.jp/mirai/station/
      例えば東京都を見ると、全部で22か所のうち、11か所が休止中で半分は稼働していません。そしてそのうち
      1か所 24時間365日営業
      4か所 午後7時ごろまで営業
      4か所 午後5時まで
      2か所 午後3時まで
      と営業時間も短く、例えば通勤に使っている方は、ステーションが開くのは朝も遅いので、土日にやっているスタンドまで行かないと充填できないのです。夜も、午後8時過ぎに充填できるスタンドは東京都内で2か所だけ。
      テスラのスーパーチャージャーは東京都内に4か所(24時間営業)、24時間365日営業の急速充電スタンドは、テスラの充電器も含めて東京都内に208か所あります。

      >FCVは、台数がそもそも少なすぎるので、水素ステーションで、充填待ち渋滞も発生しませんし。

      水素ステーションにはオンサイト式とオフサイト式があります。オフサイト式は水素量に限りがありますので、充填待ちが発生するかどうかという以前に、そもそも水素の在庫があるかどうかを事前に電話で確認してから行く必要があります。
      在庫の心配のないオンサイト式のステーションは東京都内で豊洲と大井の二か所。豊洲は豊洲市場の向かいで、大井は工業地帯の中にあります。どちらも天然ガスプラントですから、住居地域には設置できません。

  7. お疲れ様でした。
    FCVの航続距離は十分なものの、中央道はチャレンジでしたね。
    FCVもBEVでは無いだけでEVに変わりはないんだけど、充電ステーションの有るBEVよりストレスは高いのでは需要も伸びにくいですね。

    1. はい、FCEVですからEVの一種ですね。いかにEVへの充電スピードが上がってきたとはいえ、現時点ではエネルギー補給に要する時間がBEVよりもFCEVのほうが短いことが優位性でしょうか。ただおっしゃるとおり、充填する場所が見つからなければ優位をへったくれもありません。ルートの決まった車両向けとして進化していく気がします。

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					塩見 智

塩見 智

先日自宅マンションが駐車場を修繕するというので各区画への普通充電設備の導入を進言したところ、「時期尚早」という返答をいただきました。無念! いつの日かEVユーザーとなることを諦めません!

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