今年のゴールデンウイーク、私は4月29日(火・祝)、レクサスのプラグインハイブリッド車で福島市の「ふくしまスカイパーク」で行われたエアレースワールドチャンピオンの室屋義秀選手によるエアショーと「AIR RACE X 2025」の観戦に行ってきました。レクサス『RX 450h+』試乗と併せてレポートします。
※この記事はAIによるポッドキャストでもお楽しみいただけます!
室屋選手とレクサスの特別な関係
「エアレース」は、小型飛行機で巨大なパイロンの間を飛行し、タイムを競う「空のF1」と呼ばれるモータースポーツ。日本でも千葉県・海浜幕張公園で「レッドブル・エアレース・ワールドシリーズ」が行われましたが、残念ながらこのシリーズ戦は2019年に終了。それが2024年から進化した「エアレースX」のワールドシリーズとして復活! 2025年は全4戦が行われる予定になっており、その初戦がふくしまスカイパークでした。
「エアレースX」は、実際のフライトとデジタルを融合したもので、パイロットは世界各国に設置された同一のコースでフライトを行い、リモートでタイムを競います。その模様はAR技術によってオンライン配信されます。つまり、それぞれの国にいながら、リアルで迫力のあるデモフライトやタイムアタックの模様を、オンライン(YouTube)で見ることができます。
リアルでのバトルは見られませんが、そもそもエアレースが千葉で開催されていた時もARを活用し、ライバル機とのタイム差や軌道が会場のモニターにも映しだされ、リアルのフライトとARの両方を見ていたので、「エアレースX」のスタイルは全く気になりません。とはいえ、やはりほかの選手も集まってリアルに行われるほうが盛り上がるとは思いますが。
「サムライ・スタイルの絶対王者」というキャッチフレーズで参戦する室屋義秀選手を支えているのが「レクサス」です。といってもたんなる「スポンサー」ではなく、2021年からチームパートナーシップ契約を締結し、「エアレースで勝つこと」と「エアレースで新技術を創出し、もっといいクルマづくりに繋げること」をミッションに掲げ、「レクサス・パスファインダー・エアレーシング」という共同チームを設立してシリーズに参戦しています。
室屋選手のレース機「Zivko Edge 540 V3」には、レクサスと共同開発した技術が採用され、クルマづくりで培った「ドライカーボン」技術を使ったエンジンカウル、室屋選手にフィットするシート、飛行中に必要な時に必要な情報を視覚で伝えるヘッドアップディスプレイ、コンピューターを利用した工学支援システムを応用したエンジントルク計測などが採用されています。
「ふくしまスカイパーク フェスタ2025~春~」の会場にも「レクサス・パスファインダー・エアレーシング」のブースがありました。

展示されていたRZ450e。
そこに展示されていたのは、2024年に100台限定で販売したレクサスの電気自動車、 RZ450e の特別仕様車である F SPORT Performance。RZ450eは、レクサス初のBEV専用モデルで、71.4kWhのバッテリーを搭載し、航続可能距離は494km(WLTC)。最高出力は、フロントが150kW(204PS)、リアが80kW(109PS)。最大トルクはフロントが266Nm、リアが169Nm。室屋選手が空力開発を行い、航空機に用いられている空力技術を応用したカーボンウィングやカーボンターニングベインや、操作時に最も力を入れやすい握り方ができるステアリングが採用されています。
ブースには、室屋選手の手形を取った操縦桿が展示されていました。ちなみに、室屋選手が愛用しているレース専用小型機のエクステリアカラーは真っ白なゲレンデをイメージする「HAKUGIN(白銀)」とブラックに室屋選手の勝ち色であるブルーのアクセント。インテリアカラーにも専用のブルーのカラーとブルーステッチが入ったウルトラスエードシート。シートにはレクサス車のノウハウを導入したことで、断然座りやすくなったそう。競技用航空機とレクサスのEV、それぞれの技術が互いにフィードバックされているということですね。
「先読みエコドライブ」機能を活用しました!

キレイな虹が迎えてくれました。
今回、ふくしまスカイパークまでの片道約280㎞の相棒は、レクサスRX 450h+ バージョンL でした。残念ながらRZ450eではありませんが、人気のプラグインハイブリッド(PHEV)モデルです。
2.5L直列4気筒エンジンと18.1kWhの駆動用リチウムイオン電池、高出力のモーターを搭載し、EV航続距離は86km。
プラグインハイブリッドシステムでは、「EVモード」、「AUTO EV/HVモード」、「HVモード」、「バッテリーチャージモード」などを選択できますが、特筆すべきは「先読みエコドライブ」という省エネ運転支援機能です。ナビゲーションに行き先を入力すると、走行状況に合わせてEV走行とHV走行を自動で切り替え。さらに「先読み減速支援」で効率的に回生ブレーキを活用したり、「先読みSOC制御」では「満充電になって回生ブレーキ(下り坂ではエンジンブレーキのように機能します)が効かない!」とならないように調整してくれたりします。
加速はスムーズ。乗り心地は、ソフトながらもどっしりし、凹凸のある路面でも走行時は常にフラット。今回は、後席にも乗ってみましたが、シートのおさまりもよく、乗り心地も上々。片道4時間のドライブも快適であっという間でした。
ちなみにこの日の燃費は17.7km/L。プラグインハイブリッドなのでエンジンが始動する場面はありましたがレクサスならではの静粛性は抜群。このサイズのSUVで約18km/Lという燃費で走れるのは、「電動車」ならではの性能ですね。
またリアルでエアレースを観に行きたい!
「エアレースX」2025年のシーズンは、世界6か国から8名のトップパイロットが参戦しており、トーナメント方式で競われます。最高速400km/h、最大重力加速度12Gという飛行の生観戦はド迫力。
室屋選手は予選を2位で通過し、準々決勝でフランスのミカ・ブラジョー選手、準決勝でチェコのマルティ・ソンカ選手を下し、決勝にコマを進めます。決勝は、南アフリカのパトリック・デビッドソン選手と戦いましたが、惜しくも2位。
今シーズンのエアレースは、下記日程で予定されています。
第2戦:7月6日(日)
第3戦:9月6日(土)
第4戦:10月(詳細未発表)
チャンスがあれば、またリアルで室屋選手の応援に駆け付けたいと思います。
【関連情報】
AIR RACE X 公式サイト
取材・文/吉田 由美
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