リビングルームのように楽しめる? 『Honda e』のHDMI端子でGoogle TVを試してみた

ソニー・ホンダモビリティの発表などもあり、EVとエンタテインメントの関係が気になります。EVはエンタメ空間になり得るのでしょうか。2020年、「リビングのような室内空間」をアピールして発売された電気自動車『Honda e』のオーナーであるスマホジャーナリストの石川温氏が「Chromecast with Google TV」を試したレポートです。

リビングルームのように楽しめる? 『Honda e』のHDMI端子でGoogle TVを試してみた

HDMI端子標準装備のクルマはまだ少ない

車内にコンセントがついているのは当たり前になりつつあるが、HDMI端子を標準装備しているクルマというのはまだ少数だと思う。

ホンダのHonda eにはセンタークラスターの下あたりにコンセントともにHDMI端子、USB端子が備わっている。HDMIに接続したデバイスから映像を出力し、ダッシュボードにあるディスプレイに映像を映し出せるようになっている。

Honda eの開発者インタビュー記事で読んだのだが、Honda eの内装はリビングを意識したものになっており、充電をしている最中でも快適に過ごせるような装備にしているということだった。街中で30分間の急速充電している間も飽きずに過ごせるようにとHDMI端子に何かを装着して、映像を楽しめればいいというコンセプトだ。

HD画質対応の「Chromecast with Google TV」を試用

というわけで、先日、グーグルから発売となった「Chromecast with Google TV(HD)」装着して、車内であれこれコンテンツを楽しむことにした。

Chromecast with Google TVとはテレビに繋げることで「スマートテレビ」にしてしまうアイテムだ。つまり、テレビでYouTubeやNetflixなどの動画サービスを視聴できるというものだ。

これまでも発売していたが、4K対応と言うことで、自宅のテレビにはマッチするものの、Honda eの小さなディスプレイにはオーバースペックであった。

しかし、9月22日に発売となったChromecast with Google TV(HD)はその名の通り、HD画質に対応しており、その分、価格も4980円と安い(4K対応モデルは7600円)。

Honda eのなかで時々、使う分にはちょうどいいスペック、価格なのではないか、ということでグーグルにお借りして使ってみることにした。

セッティングはとても簡単。Chromecast with Google TVから伸びているHDMIケーブルをHonda eのHDMI端子に挿入する。また、電源となっているUSBケーブルがついているので、こちらもHonda eのUSB端子に挿入する。Chromecast with Google TVにはコンセントに接続するUSBポートも付属していたが、それは使わずに済んだ。

あとはリモコンに、付属していた乾電池を入れて起動すれば、すぐにHonda eのディスプレイに画面が表示された。

Honda e ADVANCE にはAV100Vコンセントも装備されている。

Wi-Fiへの接続など細かな設定などは「Google Home」というアプリを入れたスマートフォンから行う。IDやパスワードの入力もスマホのアプリから行えるので、とてもスムーズだ。

ちなみにHonda eには、車内Wi-Fi機能が備わっている。しかも、Honda Total careにクレジットカードが登録されていれば、ディスプレイからデータの容量を購入して、すぐに車内にWi-Fiの電波を飛ばすことができる。いくつかのプランがあるのだが、そのなかから5GB1650円(2022年12月31日まで有効)というパックを選んで、繋げることにした。

これから動画を見まくりたいと思うだけに、もうちょっと大容量で手頃な料金設定のプランが欲しいと思った。

設定はサクッと終わるのだがソフトウェアアップデートや欲しいアプリのダウンロードなどで数十分、かかってしまった。

だが、初期設定が終わってしまえば実に快適だ。YouTubeやNetflix、Tver、Prime Video、Abema、DAZNなど、普段、スマホや自宅のテレビで見ているアプリがHonda eのディスプレイで楽しめるようになった。これだけ揃っていれば、外出時の急速充電も退屈することなくすごせそうだ。

Chromecast with Google TVには「OK、グーグル」ボタンもついているので、見たいコンテンツの名前を語って検索することもできる。

もちろん、天気予報を聞いたりすることも可能だ。いろいろと調べ物をしたいときにも便利に使える。当然のことながら、HDMI端子への入力なので、走行中には映像の視聴はできず、音声のみとなる。

とはいえ、これまでの車内でのエンタメと言えば、テレビかラジオがメインであり、スマホやタブレットを持ち出してYouTubeを見る程度であった。しかし、12.3インチのディスプレイとChromecast with Google TVの組み合わせにより、本当に自宅のリビングに負けない快適空間になったと思う。

(取材・文/石川 温)

この記事のコメント(新着順)3件

  1. インフォテイメントは個人個人ニーズが大きく異なるので メーカーが用意するのは Wifi TV Vics Usb電源 と前後席にPCタブレットスマホ装着アタッチメント

    ユーザは好きな 端末持ち込むだけ

  2. 記事ありがとうございます。

    今後、車の活用方法も変わってくるワクワク感が出てきますね

    充電中の過ごし方で、質問です。
    車に充電中ですが、画像にあるAC電源は使えるのでしょうか?

    以前、他のEVで使えなかったきがしました。トヨタの車は使えました。

    充電中に電源が使えれば仕事やプライベート時間を使えるので使う幅がEVは広がりますね

  3. もっと先の話になりそうですが、完全自動運転だとゲームしながらとか、テレビ見ながら、いつの間にか目的地へ…という未来のような気がします。

    現状、充電中に何するかと考えると車内で楽しめるエンターテインメントがあることで退屈しのぎできそうです。

    そういえば、IONIQ5には運転席にオットマンがあって充電中寛げるというのを記事で見たことがありましたが、運転中以外の快適性も重要視されるようになるのかもしれませんね。

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この記事の著者


					石川 温

石川 温

月刊誌「日経TRENDY」編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。携帯電話を中心に国内外のモバイル業界を取材し、一般誌や専門誌、女性誌などで幅広く執筆。ラジオNIKKEIで毎週木曜午後8時20分からの番組「スマホNo.1メディア」に出演(radiko、ポッドキャストでも配信)。NHKのEテレで「趣味どきっ! はじめてのスマホ バッチリ使いこなそう」に講師として出演。近著に「未来IT図解 これからの5Gビジネス」(エムディエヌコーポレーション)がある。ニコニコチャンネルにてメルマガ(https://ch.nicovideo.jp/226)も配信。

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