先進機能も満載したBMWのプラグインハイブリッド車
BMWといえば、あまりにも有名なブランドのスローガン「駆け抜ける歓び」。そしてこのフレーズがまさにピッタリのブランドです。「FR」や「6気筒エンジン」というような独特なキーワードを持ち、質感の高さとスポーティの両立を実現。しかも、先進技術も凄いんです!
たとえばBMWの主力モデルである3シリーズ。今回試乗したのは、7代目となる3シリーズで、日本で初めて認可されたという「ハンズ・オフ機能付き 渋滞運転支援機能」を搭載しています。これは高速道路上で、しかも渋滞時(時速60㎞/h以下)、という条件が揃えばクルマがハンドル操作をサポートしてくれるため、ドライバーはハンドルから手を離してもよいという機能で、ドライバーの疲労を軽減してくれます。
日本では日産がスカイラインに搭載している「プロパイロット2.0」という、カーナビで目的地を設定し、高速道路で条件が揃えばハンズ・オフOKという機能と導入はほぼ同時ではありますが、市場に出たのはBMWのほうが実はタッチの差で早かったかも。新型3シリーズでは、ハンドルの中にセンサーが入っているため、ハンドルが少し太くなっています。女性には少し太すぎるかなというのが個人的にはちょっと残念なポイントです。
そしてもうひとつ。この3新型シリーズにはうれしい機能が搭載されています。それが「リバース・アシスト」という機能で、別名「来た道を戻れる機能」。35㎞/h以下の走行時、直近50mの走行してきたルートを車が記憶していて、必要なときには記録したルートに沿って、自動でステアリングを操作しながら後退できます。細い道でもそこまでは行けたのだから戻れるという、これぞ「こういうのが欲しかった」という便利機能です。たとえばグーグル先生頼りで目的地を設定した場合、住宅街などに入り込んでしまって戻りたくなること、ありますよね……。
これらの先進的な機能を搭載する3シリーズが、いかにBMWの重要モデルかがわかります。パワートレーンのバリエーションも豊富で、ガソリンエンジンはもちろん、ディーゼル、ハイパフォーマンスモデル、そしてプラグインハイブリッド(PHEV)とラインアップしています。
BMWらしさと電気の走りを欲張りに満喫!
『330e M Sport』は、3シリーズのPHEVとしては2世代目になりますが、大きく進化したのは駆動用のバッテリー容量が7.7kWhから12kWhに大幅に増量されたこと。もちろんEV航続距離もアップしています。電気での一充電航続距離は52.4km。EPA推計値でも約47kmあって、普段使いのドライブで40kmくらいは無理なくEVとして走れる印象でした。
そして環境に配慮しつつも、エクステリアはよりスポーティさを醸し出す「Mスポーツ」スタイルであるところが魅力的。
もちろん見た目だけではありません。2リッターの直列4気筒DOHCターボと電気モーターの組み合わせで、エンジン出力は135kW(184ps)/5000rpm。最大トルクは300Nm/1350-4000rpm。加えて電気モーターの出力が83kW(113ps)、265N.m 。これに加えてエクストラブースト機能が追加され、システムの出力215kW(295ps)/420N.m へとジャンプアップしています。
そして「eドライブスイッチ」があり、標準モードでエンジンかモーターの最適な状態を車が選んでくれる「Auto e Drive」、積極的にモーターでの走行を行う「Max e Drive」、電池を温存しながら走行する「Saveモード」などを選択可能。
これに、ドライブパフォーマンスの味付けをする走行モードとして、「スポーツ+」「スポーツ」「ハイブリッド」「エコプロ」「インディビジュアル」などがあり、その日のシチュエーションや気分に合わせたドライブが楽しめます。基本的にEVモードで走る出すため、軽やかで気持ちイイ加速がいきなり味わえます。この電気の加速感が、BMWならではの走りの魅力をさらにパワーアップしてくれています。
そして「スポーツモード」では、「エクストラブースト機能」の出番。10秒間、パワーが40psも増えるボーナスポイント付き。
もちろんプラグインハイブリッドモデルでは、モーターや電池などエンジン車にはないパーツが搭載されるため、車両重量は重くなりますが、それを感じさせない軽やかさ。とはいえ、砕けすぎない感じ。BMWらしさをスポイルせずに、たっぷりとEV走行ならではの痛快さを楽しめるのが高ポイントなのです。。
今回の「330e」での試乗走行距離は228㎞。ボードに表示されているガソリン燃費は14.6㎞/ℓでした。その間、充電は1回。1時間14分で10㎞分充電できたという表示。給油はその間、2回で合計14.53㎞/ℓでした。
実は、試乗したのは夏、外気温は30℃を超えている時期だったので、エアコンなどもフルにかけたり、車を止めて撮影などもしているので燃費はあまりよくなくてごめんなさい。
(文/吉田 由美)