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スバルの第二弾EV「トレイルシーカー」先行試乗レポート/国産電気自動車が面白くなってきた

スバルの第二弾EV「トレイルシーカー」先行試乗レポート/国産電気自動車が面白くなってきた

4月に正式な発表と受注開始が予告されているスバルの第二弾EV「トレイルシーカー」に雪上コースで先行試乗。第一弾の「ソルテラ」と共通のプラットフォームを採用しながら、走行性能や実用性が向上したことを実感。モータージャーナリスト、塩見智氏のレポートです。

※この記事はAIによるポッドキャストでもお楽しみいただけます!

目次

AWDモデルのリアモーターをパワーアップ

スバルの本格量産電気自動車第二弾の「TRAILSEEKER(トレイルシーカー)」に試乗することができた。今回は雪上のクローズドコースのみでの体験だったが、クルマの力強さ、動的、静的な質感の高さはわかった。広大なラゲッジスペースによって使い勝手もよさそうだ。4月9日に正式発表され、受注が開始される。

トレイルシーカーはトヨタのbZ4X Touring(bZ4Xツーリング)と主要部品を共有するいわゆる兄弟車だ。スバルから約100人のエンジニアがトヨタに出向し、共同開発された。ただし、ソルテラがbZ4Xとともにトヨタの元町工場(愛知県)で生産されるのに対し、トレイルシーカーはbZ4Xツーリングとともにスバルの矢島工場(群馬県)で生産される。

特徴を端的に評すればソルテラのステーションワゴン版だ。実際、見た目は車体前部がほぼ同じで、後部がワゴン化されただけ……。と、FWDモデルに限ってはその説明で事足りるかもしれない。だがAWDモデルの場合、ソルテラよりもハイパワーなリアモーターが搭載されるという大きな違いがある。

今回試乗したトレイルシーカーのトップグレードであるET-HS(4WDのみ設定)のフロア下には、ソルテラET-HS(同)と同じ74.7kWhの三元系リチウムイオンバッテリーが敷き詰められる。フロントに最高出力167kW、最大トルク268Nmのモーターを配置するのはソルテラと同じだが、ソルテラのAWDモデルで搭載されるリアモーターの最高出力が88kWであるのに対し、トレイルシーカーではリアにもフロントと同じ167kWのモーターを配置する。

システム全体の最高出力は280kW(380ps)。0-100km/h加速は4.5秒。新型ソルテラのシステム最高出力は252kW(342ps)なので、トレイルシーカーのほうが30kW近く上回っている。このため、0-100km/h加速はソルテラ(5.1秒)より0.6秒も速い。ちなみに試乗したトレイルシーカーET-HSの車両重量は2020kgで、ソルテラET-HSよりも20kg重い。

制御の熟成によって感じた雪上走行の楽しさ

今回、圧雪されたクローズドコースをトレイルシーカー(AWD、20インチ仕様)で走行した。装着されていたタイヤはブリヂストンの最新ブリザック。ところどころ雪が溶けて路面が見えるいっぽう、日陰の部分は凍結したままという、路面状況が目まぐるしく変化するコンディションだった。

アクセルペダルを深く踏み込むと即座に力強く加速する時点まではソルテラとほぼ同じ感覚だが、その先でソルテラよりも確実に加速が伸びやかだ。高速道路への合流時には結構フィーリングが違うのではないか。

路面が低ミューということもあって、リアの駆動力がアップしたことで回頭性が増していることも確認できた。率直に言ってソルテラよりも楽しい。活発に走らせれば走らせるほど違いが出てくる。さらにスバルによれば、ソルテラよりも走行軌跡を予測した制御の熟成が進み、より狙ったラインをトレースしやすくなっているそうで、回頭性のよさを感じた理由はこれかもしれない。

乗り心地を評価するには向いていない路面状況だったが、ボディの堅牢性やサスペンションのしなやかな動きは感じられた。ロールが少ないのは低重心の電気自動車ならでは。といってもたんに硬い足というわけでもなく、路面追従性はグッド。ドタバタ感は少なく、これなら舗装路での快適性を大いに期待してよいのではないだろうか。

リアオーバーハングの延長で広大な荷室を実現

全長4845mm、全幅1860mm、全高1670mmで、ホイールベースは2850mm。ソルテラよりも155mm長く、幅は同じ。ルーフレールの形状の違いによって車高が20mm高い。ホイールベースもソルテラと同じ。155mm長いのはすべてリアオーバーハングの延長分だ。

全体的なサイズはちょうど1年前まで国内で販売されていたスバル「アウトバック」に近い。トレイルシーカーはいわば電気アウトバックだ。長くなったリアオーバーハングとワゴン形状によって荷室は広い。ソルテラの452Lに対し、プラス181Lの633Lに達する(サブウーファー付きは619Lとなる)。前述のアウトバックより72Lも広くなっている。

上下がややフラットになったステアリングホイールや、押して左右に回すタイプのATシフターなど、インテリアのデザインや操作系はソルテラと同じだ。視界性能にこだわるスバルだけあってAピラーによる死角が少ない。

いわゆる置くだけ充電がディスプレイ直下に左右ひとつずつ配置されていて、スマホの通知を確認しやすい縦向きなのがよい。昨秋マイナーチェンジする前のソルテラの充電器には半透明の蓋が付いていて使いにくかった。

EVの一充電航続距離は600km超えが主流に

一充電での航続距離はFWDが734km、AWDの18インチ仕様が690km、同20インチ仕様が627kmと、他社の同クラスのモデル並み。日産リーフは78kWhのバッテリーを搭載するモデル(FWDのみ)で19インチだと685km、18インチだと702km。テスラモデルYは78kWh(推定)のモデル(AWD、19インチ)で682kmだ(いずれもWLTC)。

2025年秋にアップデートされる以前のソルテラと比較すると、バッテリーのセル容量が増し、セルの数が96から104へと増え、総電力量は71.4kWhから74.7kWhに増えた。厳寒時や猛暑時の急速充電をサポートするための「バッテリープレコンディショニング機能」も備わる。急速充電性能そのものもアップデートされて、150kW出力の急速充電器を使った場合の充電時間は53分から28分ヘとほぼ半減したという(バッテリー温度25℃で、SOC10%から80%まで充電した場合)。

2025年から26年にかけて、国内外ブランドの電気自動車のラインアップがかなり充実してきた。

出揃った車種を並べてみると、電気自動車はどのブランドでもサイズとバッテリーの総電力量が同じならば車両重量もだいたい同じで、一充電走行可能距離も大差ない状況になってきた。価格はバッテリーの量に依拠する。となると差がつくのはデザイン、使い勝手、そして快適か、走らせて楽しいかという点の勝負になる。

加えて無視できないのがCEV補助金の額だ。この点、日本メーカーは有利で、トレイルシーカーもほぼ満額(130万円)近い金額になるだろう。日本での価格は4月の発表待ちではあるが、ベースとなるソルテラの517万円〜605万円に30〜40万円程度加算した設定になるのではないかと予測できる。

実用的な航続距離性能を備えた国産EVの選択肢が増えている。いよいよ、電気自動車が面白くなってきた。

スバル「トレイルシーカー」内外装チェック&試乗(ソルトンTV)

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先日自宅マンションが駐車場を修繕するというので各区画への普通充電設備の導入を進言したところ、「時期尚早」という返答をいただきました。無念! いつの日かEVユーザーとなることを諦めません!

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