モスイエローのEX30は注目度抜群
早いもので、ボルボの新型BEV『EX30』が私のもとに納車されて2週間が経ちました。発売から間もないことに加えて、「モスイエロー」という目立つボディカラーを選んだせいか、注目度は抜群! 信号待ちではクルマの前を横切る歩行者からの熱い視線を感じますし、駐車した瞬間に声を掛けられることも何度かありました。気恥ずかしい反面、ちょっとうれしいというのが本音です(笑)。
そんな周りの反応に少しずつ慣れてきた私ですが、EX30が採用している新しい操作方法やユーザーインターフェイスにも、わりとすんなりと馴染んでいます。
たとえばクルマのキー。EX30にはNFCアクセスカードキーと、「キータグ」と呼ばれるボタンのないリモコンキーが付属しています。はじめてEX30をスペインで試乗したときはカードキーを渡されましたが、その操作が意外と面倒。クルマの施錠/解錠には、運転席側のBビラーにある所定のポイントにカードキーを当てる必要があり、またクルマを始動するにはカードキーをセンタークラスターのカードリーダーに置かなければなりません。操作のたびにカードキーをいちいち取り出さなければならないのです。
その点、キータグを使うと、ポケットやバッグから取り出すことなく、クルマの施錠/解錠、クルマの始動ができるうえ、あらかじめ設定しておくことで、自動でクルマに近づくと解錠、クルマから降りると施錠することが可能。クルマから遠ざかるときに本当に施錠しているのかと、最初のうちは立ち止まって確認していましたが、いまのところ毎回きっちりと施錠してくれています。キータグのバッテリーの「もち」が心配ですが、バッテリーが切れてもカードキーと同じ使い方はできるので安心。ちなみに、念のため、カードキーはいつも財布に入れています。
ほとんどすべての操作をセンタースクリーンで行うEX30では、ドアミラーの調節も独特です。センタースクリーンで車両のメニューを呼び出し、ミラー調節のメニューを選択。実際の調節はテアリングホイールの右スポークにあるタッチスイッチで行います。最初のうちは思った位置で止められませんでしたが、何度か操作するうちに慣れてきました。しかも、一度シートポジションが決まってしまえば、ミラーを調節することはほとんどないため、煩わしい思いをせずにすんでいます。
ステアリングホイールの先にメーターパネルがなく、センタースクリーン上部の「ドライバーインフォメーショエリア」に速度やシフト、SOC、走行可能距離などの情報が表示されるのも、意外とすぐに慣れてしまいました。
エネルギーの出入りを示すパワーメーターがシフトポジション表示の左にあります。はじめはもう少し大きく表示されるといいなと感じましたが、慣れるとこれで十分です。
なかなか慣れないのがセンターアームレストにあるパワーウインドーのスイッチで、駐車場の入り口でチケットを取るときなど、ドア側にスイッチが見つからず、いまだに焦っています。
早急に改善してほしいところは?
早急に改善してほしいところはいくつかあります。まず、高速道路などを一定速度で走ったり、先行車との車間距離を維持したりする「パイロットアシスト」に関して、クルマを始動するたびに車間距離の設定が「長め」にリセットされてしまうこと。私は「短め」が好みなので、クルマに乗り込むたびに「短め」に設定しなおすのが面倒。しかも設定するには、センタースクリーンで車両→設定→ドライビングのメニューを辿る必要があります。
また、EX30には高速道路などを走行中にウインカーを操作するだけで車線変更が可能な「レーンチェンジアシスト」が搭載されていますが、この機能の設定もクルマを始動するたびオフにリセットされます。ドライバーごとに設定を記憶するプロファイル機能が備わるだけに、これらの設定もいちいちリセットされないよう、今後のバージョンアップで対応してほしいものです。
もうひとつリクエストしたいのが、急速充電時の情報表示について。EX30では急速充電時に何kWの出力で充電されているのか表示されないのです。個人的には充電出力は知りたい情報なので、ぜひとも改善をお願いします。
ところで、これまで大きなトラブルには見舞われていません。細かいところで、サウンドの設定で、本来サラウンドのメニューが表示されるところで、サラウンド機能のない仕様のメニューが表示されておかしな音が出るとか、ボルボアプリにログインできないといったことがあったくらい。どちらもすでに解決済みです。
いまのところ快調なEX30、すでにすっかり気に入っています。次回は電費や急速充電の性能について触れたいと思います。
私のEX30(2024/3/25現在)
総走行距離 1266km
平均電費 20.9kWh/100km(4.8km/kWh)
取材・文/生方 聡