電気自動車であるテスラ モデルX。電気自動車にはエンジンがありませんので、冬の暖房はキャビンヒーターという、結構大きな電気ストーブのような部品で室内を暖めています。リーフは世界で初めて量産車の暖房にヒートポンプを採用していますが、テスラではバッテリークーラーが搭載されている関係で、バッテリークーラー動作中は車載コンプレッサーがそちらに取られてしまうため、ヒートポンプ暖房は不可。厳寒地でも使われることを前提に、大容量7kWのPTCヒーターを搭載しています。
7kW?って想像がつきにくいですよね。通常自宅で使用する電気ストーブはおおよそ1kWから1.5kW程度まで。それが7台分ということです。マイナス30℃の環境でも暖房が効かないといけませんので、当然それくらいの出力は必要なわけですね。このPTCヒーターは仕組みは電気ストーブと全く同じですが、直流400Vで動作します。そうです、12Vで動作するのではなく、高電圧バッテリーから直接パワーを取っているのですね。モデルSやモデルXは車室を暖めるキャビンヒーター以外に、6kWのバッテリーヒーターも搭載しています。
さて時は12月23日。朝いつものようにスマホで車の暖房を入れようとアプリで操作。その後駐車場で車に乗り込み、「エアコンをONのままにする」をタップ。テスラは車を降りたり乗ったりするたびにエアコンが切れるため、連続運転させるためにそうしているのですが、この日だけはなぜかエラー。暖房はしっかり効いています。ちょっとおかしいな、と思いつつ出発。途中からだんだん暖房が効かなくなっていることに気づきます。このキャビンヒーターの故障は比較的有名な故障の一つで、モデルSやモデルXには良くあるものの一つ。原因としては通常はキャビンヒーターだけですが、それ以外にヒーターを担当するヒューズや、場合によっては12VのDC-DCコンバーター(高電圧バッテリーの400Vから車載機器用の12Vを作る装置です)までダメになってしまうこともあるそう。慌ててチェックしてみたところ、12Vの警告は出ていないようで、故障はヒーターのみに限定されているようです。確認のために内気循環に切り替え、暖房の吹き出し口を前面のみにし、温度設定をHIに、風量を上げても温風が出ないことを確認。外気はモデルXの場合キャビンフィルターとHEPAフィルターを通るため、内気循環にしてそれらをバイパスさせて確認する必要があります。まあ前週に1年点検でチェックしてもらったばかりだからフィルター周りは大丈夫なはずですね。
早速アプリでサービス予約をしようにも、なぜかうまくアプリでサービスセンターが表示されません。もしや年末年始で予約がいっぱい、、と思い、サービスセンターに電話してみたところ、モデルXのキャビンヒーターは部品があるとのことで、本日25日午前中に横浜サービスセンターまで行ってきました。
これがモデルX用の(故障した)キャビンヒーター。高電圧部品なのでケーブルはオレンジ色。銀色の部分が車内向けのラジエーターになっており、ここが高温になって室内に向かう空気を暖めるわけですね。故障診断は抵抗値で行うとのことで、取り外したヒーターには40kΩのテープが貼ってありました。本来は140kΩが正しいそうで、要するにヒーターエレメントのどこかにダメージが発生して抵抗値が下がる=熱くなりすぎることを検出して、コンピュータが動作を停止させたということですね。
今回の作業時間はぴったり1時間、料金は新車保証の範囲内ということで無料でした。通常は3時間程度の余裕を見てください、とのことで、今回は待っていたのがプレッシャーになってしまったようです。「終わりました~」の声で見ると、修理の終わったモデルXはスーパーチャージャーに接続されていました。充電無料だから、ではあるのですが、とても良いサービスです。サービスセンターのエンジニアの方々、どうもありがとうございました。
ご無沙汰でコメントさせていただきます。
先日寒い日にモデルXに乗った時なんですが最初のうちは問題なくヒーターが効いていました。
設定温度は23度で風量は3、足元吹き出しで乾燥していたのでACは切っていました。
目的地に到着して車の中で15分ほど待っていた時のことです、日が出ていましたので車内の上部は暖かいのですが足元がすごく寒く感じました。
設定を確認すると当然ですが出発時と同じです、しかし足元の吹き出し口から暖かい空気は出ておらずなんだか冷たい空気が出ているような・・?。
外気導入にもなっていないのでもしかしたらこちらの記事にあったヒーターユニットの故障を疑りましたが、とりあえず温度を最高にして風量7でしばらく待っていると暖かい空気が出てきました。
故障ではないようですが同じような症状は出ていませんか?。
自動モードにしてみましたがあまり変わりませんでした。
車内の上下寒暖差が激しすぎると感じています、とにかく足元にヒーターが効いてくれればいいのですが。
寒い時ってどんな設定にしているか教えていただけるとありがたいです。
よろしくお願いいたします。
X禁煙車様、ご質問ありがとうございます。
ああこれはですね、、テスラ全体に言えることなんだと感じていますが、暖房を強めというより、設定温度に近づけるように制御しているためだと思います。化石燃料車では熱はいくらでも使えるので、ヒーターの吹き出しを弱くしても、出てくる温風はアツアツです。しかしそれをやったら、電気自動車では一気に電費に影響してしまいます。
また熱はどうしても上に上がっていきやすいです。そのため、温度センサーは足元より少し上に設置されているのではないかと想像します。足元に設置すると、頭の方は設定温度より遥かに高くなってしまうと思います。
私がやっている対策ですが、まず車が冷えている間は、足元に温風が出ますので問題なく暖かいですよね。それから車室が暖まってくると、正面と足元の同時送風になり、吹き出す風は少し涼しめになります。これが足元が寒い原因ですね。
この状況では、手動設定で、吹き出し方向を足元のみ、温度を1-2℃上げて、風量を4-5くらいに設定します。暖かくなければ、もう少し温度を上げます。当然電力消費は増えますが、バッテリーが厳しいようであれば速度を少し落とすか、温度設定を少し下げるのがいいと思います。風量は上げすぎると、ヒーターの能力を超えてしまいますので、ほどほどが良いと思います。
こんなんでいかがでしょうか。お試しいただければ幸いです。
ありがとうございます、これもまたテスラの仕様と言うやつですね・・。
ミニキャブは左右のスライダーで温度を決定しています、ヒーターは右側(赤い表示)最大で使用していますから、多少時間はかかりますが足元はまずまず暖かくなります。しかし走行距離は激減しますので温まってくると中央付近へ動かし温度を下げますが今回のように寒く感じることはありませんでした。
モデルXの空調には自動と手動がありますが、手動と言っても何かしらの制御は行われているように感じました。
頭~胸あたりの温度が暑くなるとそれを下げるため冷たい空気を出してくる、しかし足元への吹き出しとなっているため寒い部分をより冷やす結果になっています。
ググってみるとXだけではなくテスラ車すべて足元が寒いようですね。
2015年初頭にこの対策をアメリカ本社に申し入れているみたいですがまったく改善されていないようです。
足元用にシートの下へ電気ヒーター(12V,800W)設置を考えています。
しかしかなりの能力ですので小さな12Vバッテリーから給電出来るのか、DC-DCコンバーターに異常が出ないか心配でなかなか実行に移せません。
かなり太めのプラス線を車内に引く必要がありこれにも二の足を踏んでいます。
ミニキャブにはすでに設置済でしてすぐに温まるので重宝しています。
既存のヒーターを使うより電費は当然ながらいいのですが、スイッチを入れると暖かい空気と共に70A対応のリレーと5sqの電源コードがかなり発熱します、唯一この部分が心配なポイントです。
次のアップデートで改善されることを望みます、でもその前に冬が終わりそうですね。
それまでは教えていただいた通りヒーターの設定温度を高めでいきます。
早速返信くださってありがとうございます。実は待機電力も含めた実電費のつもりで書かせていただきました。環境の事を考えると重要な気がしたので。説明不足ですみません。
> hatusetudenn様
テスラの暖房はPTC(ニクロム(電熱)線みたいなもの)で直接空気を暖めますが
leafの初期型(私も乗っています)はPTCで一度温水を作って、そこに風を通して暖めてます。
恐らくエンジン車の流用でしょう。
中期型以降はテスラ同様、PTCで空気を直接暖めます。
X,Gグレードは更にヒートポンプも使用して(外気温5度以上の場合)電力を節約してくれます
テスラの暖房は初期型リーフと同じですか・・勉強になります。
バッテリーヒーターのことも考えると冬の実電費は結構大変ですね。その辺の情報を教えて頂けるとありがたいです。
hatudetudenn様、コメントありがとうございます!そうです!方式としては初期型リーフと同じですね。
https://blog.evsmart.net/electric-vehicles/bev-range-in-winter/
冬の電費に関しては上のような記事を過去に書いていますので、もしよろしければご覧ください。テスラモデルS/Xの場合はリーフより電費が少し悪めだからか、長距離の場合暖房による電費への影響度は、数値で見る限りリーフより少なく感じます。モデル3はリーフと同等以上の電費になったので、もしかすると結構影響が大きく出るかも、、今年初めてモデル3は日本で冬を超えますので、データが出てきたらまた記事をアップデートしたいと思います。
でも、自動ドアはSにも付いて欲しいです。母 などの高齢者はテスラのような重いドアは大変なようで…
またまた、すみません…
>同乗者がいるときとかもあるのでそれなりに頭を使わないといけません(笑)
助手席に同乗者がいる場合、エアコンやディスプレイ、音楽などは、1時間ぐらいなら切れませんよね〜?
南田様、
確かに車が大きいので、ドアも重くて開け閉めは大変ですよね。うちの母も自動ドアは便利だと言ってます。
>助手席に同乗者がいる場合、エアコンやディスプレイ、音楽などは、1時間ぐらいなら切れません
30分です。そんで、チャイルドシート上の子供が乗ってると一瞬で切れるという(笑) もうこうなったらイーロンマスク、車内に人感センサー導入するか?(汗
なるほど〜そうでしたか〜
そうですね、Xは自動でドアが閉まるんでしたね〜
私は、ちょい乗り降りの時には、半ドアにして冷暖房切れないようにしています〜笑
南田様、そうなんです。Sのときに半ドアでエアコンが切れないようにするテクニックは使っていたのですが、Xにすると半ドア状態からだと車が勝手に閉めちゃうし、ちょっとでも離れるとすぐドアが閉まってエアコンも切れてしまい、同乗者がいるときとかもあるのでそれなりに頭を使わないといけません(笑) 便利になっているはずなのに、エアコンがすぐ切れちゃうとかで悩んだり、面白い車ですよね。
お世話になります。
度々からんですみません・・・(汗)
>駐車場で車に乗り込み、「エアコンをONのままにする」をタップ。テスラは車を降りたり乗ったりするたびにエアコンが切れるため、連続運転させるためにそうしている
と、ありますが、私のは、スマホアプリで暖房を入れ、乗車時にドアを開けると一瞬切れたような音がしてまたスイッチが入っているようです。(暖房はついたまま)
(気温設定はアプリと同じ)
そして、ブレーキを踏みDに入れると、スマホアプリで設定した温度ではなく、直前に運転していたときの温度になります。
私のSがイレギュラーなのかな〜?
(HW2・2016年12月納車)
南田様、書き方が悪くてすみません!
>スマホアプリで暖房を入れ、乗車時にドアを開けると一瞬切れたような音がしてまたスイッチが入っているようです。(暖房はついたまま)
はい、これはこんな感じになります。うちの場合駐車場から出すためにターンテーブルを回さないとならず、乗る→少し動かす→降りる→ターンテーブル回す→乗る→シャッター開けて出る、の流れなんです。なので一度降りないといけなくて、それで暖房は切れてしまうんです。まあ15秒とかのレベルなんですが(汗 ああ、あとモデルXなので降りるとドア閉まるのでそれもあります。