総合得点でも4位という高評価
毎年この時期になると、各業界の一番を決める「オブ・ザ・イヤー」系が各業界にて開催されますが、自動車でも今年のカー・オブ・ザ・イヤー「第41回 2020-2021日本カー・オブ・ザ・イヤー(以下COTY)」が、12月7日に決定しました。
COTYは、賛同する自動車関連メディアの代表者で構成する実行委員が選出した自動車評論家、ジャーナリスト、有識者など60名の選考委員によって選ばれます。今年は33車種45台のノミネート車の中からまずは10台に絞った「10ベストカー」が選ばれ、さらにその中から今年のイヤーカーが選ばれます。ちなみに私も選考委員の一人です☆
今年の開票&発表&表彰式は時節柄オンラインで行われましたが、EVsmartブログ的に注目なのは「プジョー208/e-208」が輸入車の中で最も得点数が多いクルマに贈られる「インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞したこと。
プジョーの新型208/e-208は、まずはガソリンエンジンモデルの新型208が日本市場に投入されましたが、電気自動車のe-208のほうは私たちでもなかなか試乗する機会がありませんでした。しかしCOTY投票前の最終確認のための試乗会「10ベスト試乗会」にサプライズで持ち込まれ、試乗した印象によって投票時に背中を押された人も多かったようです。総合得点でトヨタ『ヤリス』に次ぐ4位という高い評価でした。
日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員会は受賞理由を公式HPで、「高剛性ボディとしなやかに動くサスペンションの組み合わせで実現した、クラスを超えた上質な乗り心地と、ドライバーの意のままにライントレースするハンドリングが秀逸。フランス車らしい内外装の高いデザイン性と緻密な作り込みも魅力で、発進時から豊かなトルクを発揮し、ガソリン車同様のフットワークを持ちながら、400万円を下回る車両価格のEVモデル『e-208』を選べる点も評価した」と紹介しています。
また、受賞発表直後にフランスのプジョー本社のジャン=フィリップ・アンパラトCEOがいち早く喜びの声をツイッターに掲載していますが、これも異例なことだとか。
グループPSAジャパン代表取締役社長、トマ・ビルコ氏も受賞コメントの中で「多くの方に手の届く電気自動車をインポーターとして実現したことは大きな成果と位置付けております」と発言しています。
インポーターに直撃インタビュー!
日本のプジョーでも大いに盛り上がっているに違いありません。その喜びの声と新型e-208の魅力を、プジョー・ジャポン(グループPSA)広報の森亨氏に直撃インタビューしてみました。
由美「まずは、受賞おめでとうございます」
森「ありがとうございます。プジョーブランドでは2007年にRCZで審査員特別賞をいただきましたが、インポート・カー・オブ・ザ・イヤーの受賞はプジョーとして初めて、シトロエンでもいただいたことは無いので、日本のCOTYではグループPSAとして初受賞となります」
由美「いつ頃からイケそうと思いましたか?」
森「思いがけず10ベストに選んでいただき、クルマのデキがいいのであわよくば……と期待していました(笑)」
由美「やっぱりインポーターさんでもCOTYの受賞は影響がありますか?」
森「大いにあります! 今回も特にセールスチームが喜んでいます。セールストークの最後のひと押しになるんです。例えるならミシュランガイドみたいに。星が付いているから行ってみよう! とか。迷った時は星付きに行くとか。このインポートCOTYの受賞によってはじめてプジョーを知る人もいると思いますし、ディーラーに行ってみよう! というきっかけになると思います。
今は、多くのディーラーから、「COTY受賞のステッカーが欲しい」と催促されています。やはりクルマに貼ることで広報活動にもなりますし、セールスのサポートにもなります。
そして驚くほどフランスのプジョー本社が喜んでくれています。他国ではいろいろと賞をいただいていますし、日本でもいくつかの賞をいただいていますが、日本のCOTYのインポート・カー・オブ・ザ・イヤー受賞は、日本はもちろんですが、それ以上にフランス本国が盛り上がっています。日本市場はレベルが高く、特に今年はとても良いクルマがたくさん登場しましたから」
由美「そうそう。今年は国産車も輸入車も各メーカーエース級のモデルが目白押しで、私も選ぶのに苦労しました。その中で新型208/e-208は総合4位と大健闘でしたね」
森「それにも驚きました。ドイツ車に引けをとらない装備の充実などが評価いただけたのでしょう。なかでもADAS(先進運転支援システム)は、強制的に中央を走らされるのではなく、自分の好きな左右位置を車線の中で設定できるなど、ユーザーにはうれしい機能だと思います。また、5つ星の衝突安全性能。こうした魅力が今回の受賞でお墨付きをいただけたと感じています」
由美「具体的にお客様から反応はありますか?」
森「プジョーのプレスサイトやブランドサイト、またディーラーのウェブサイトの閲覧数が増えました」
由美「今回、広報として勝因は何だと思いますか?」
森「あえてひとつ挙げるとしたら、ガソリン車とEVのパワーチョイスができることでしょう。同じプラットフォームで、実質的なコスト負担も変わらずパワートレインを選べるのは新型『208』の大きな特徴です。
試乗いただける車両の日本導入が少し遅れていましたが、この魅力はやはりガソリンモデルとEV モデルを乗り比べていただかなければ伝わらない。そこで『10ベスト試乗会』の時に3台クルマを出せるうちの2台をサプライズでEVモデルをご用意しました。
個人的に、2020年の今年は日本におけるEV元年だと思っています。昨年までのテスラモデル3やジャガーアイペイス、BMW i3、リーフに加え、ホンダe、アウディe-tron、プジョーe-208、プジョー SUV e-2008 、DS3 クロスバック E-TENSEなど、日本で買える電気自動車のバリエーションが一気に増えました。その中でも400万円以下で買えて、ガソリンモデル同様3年3万キロの保証があり、TCO (Total Cost of Ownership) はガソリンモデルと差が無い価格設定とした『e-208』の意義は大きいと考えています。魅力的なEVを、普通の人が普通に買うことのひとつの原動力になればいいなと思います。
また、地球の環境を考えると、手頃な価格のEVの発売はCO2排出量削減にも貢献します。1500万円で1台より500万円で3台のほうが、実質的な効果も高いと思います。『e-208』は環境を考えるユーザーが無理なく選べるクルマです。EV元年のイヤーカーに選ばれるにふさわしいクルマだと思っています」
由美「ズバリ! 森さんが感じている新型e-208のクルマとしての魅力は?」
森「デザインですね。ガソリンモデルの新型208もお陰様で好調です。なにしろデザインがカッコイイ。それだけで興味を持ってもらえると思います。特に輸入車はカッコよさが大事。日本における輸入車は価格が高いので、すべてなんらかのプレミアムビジネスなのです。だからこそカッコよさはとても重要。しかも乗り心地もイイ。この見た目と中身が一致していることがポイントです。
e-208は、シャキシャキしたハンドリングとフランス車好きの人が好むしなやかな乗り心地の両立といった特徴的なフィーリングも備えています。ラグジュアリーカーではありませんが、かといって単にベーシックカーでもない。フランス料理でたとえると、グランメゾンとビストロの中間といったところでしょうか。キュッと締まったカッコよさと中身がギュッと詰まった充実感は、まさに日本人好みだと思います」
由美「フランス料理にたとえるなんて、さすがです! おめでとうございます!!」
(取材・文/吉田 由美)
さすが、フランスの車はデザインが良いですね。
余談ですが、プジョーのスクーターもとってもオシャレです。
https://peugeot-motocycles.jp/?fbclid=IwAR08JmKDTNGdZDTzxx-aSFui3CBjaXJpPz3DNVYAJht_dTAdziSkonYRo5k
デザイン、スペック、価格のバランスが絶妙ですね。これからEVを購入しようとする人には第一候補になりえると思います。
21年からはこういう魅力的な黒船EVが続々と入ってきますから、現国内EVメーカー(量産EVメーカーは日産しかありませんが)には脅威ですね。ZE1乗りとしては日産を応援したですが、こんな車を見せられては・・・・次はプジョーに乗りたい^_^