日本国内における電気自動車の売上とシェアを確認【最新情報/2022年10月】

欧米や中国などを中心に、世界ではEVのシェアが急拡大しています。日本国内では過去数年間にわたり普及が停滞していましたが、2022年の後半に軽EVの納車が始まったことで、欧米や中国に続くように拡大を始めました。この記事では日本国内の電動車販売シェア動向に着目し、定期的に更新していきます。

日本国内における電気自動車の売上とシェアを確認

【アップデート/2022年11月25日】

※記事中でしばしば用いる「BEV」は「Battery Electric Vehicle」、つまり100%電気自動車を意味しています。同様に「PHEV」は「Plug-in Hybrid Electrical Vehicle」、外部から充電可能なハイブリッド車を意味します。また、BEVとPHEVを総称して、「プラグイン車(Plug-in Vehicle=外部から充電可能な電動車)」としています。また、BEVとPHEVの総称として「EV」を用いている場合があります。

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2022年10月の日本国内のEV販売台数とシェア

2022年10月の日本国内の軽自動車を含む乗用車全体の販売台数は 295,809台で、前年と比べると約28%の増加で、9月に続いてパンデミックによる減少から回復しています。

このうちEV(BEV+PHEV)のシェアは2.13%(BEVは1.5%)と前年比で約1.6倍(BEVは約2.0倍)に成長。過去最高記録を更新した9月には及ばないものの、BEVを中心に世界を追いかけるように成長が続いています。

なお、自動車の販売台数は季節や月によって大きく変わるため、前月との比較ではなく、前年の同月と比べる必要があります。本記事でも次の章にて前年同月比で解説していますので、合わせてご参照ください。

燃料別販売台数とシェア一覧(2022年10月)

●BEV:4,377台(乗用車全体の1.48%、前年比+152.42%)
●PHEV:1,932台(乗用車全体の0.65%、前年比+48.39%)
●BEV+PHEV(EV合計):6,309台(乗用車全体の2.13%、前年比+107.81%)
●FCV:79台(乗用車全体の0.03%、前年比+54.90%)
●EV+FCV(ZEV合計):6,388台(乗用車全体の2.16%、前年比+106.93%)
●HV:131,033台(乗用車全体の44.30%、前年比+27.17%)
●ZEV+HV(電動車合計):137,421台(乗用車全体の46.46%、前年比 +29.49%)

【メーカー・車種別台数】

10月のトップメーカーは9月に続いて日産サクラが好調な日産で、2,355台のうち1,880台が軽自動車の日産サクラと公開されており、残りの475台が日産リーフと日産アリアと推測できます。特記すべき事項として、以前より受注が停止していた日産アリアにつづき、納期が1年を超えた日産サクラも一定の受注台数に達した販売店から順番に受注が停止。納期が長期化している原因の一つが半導体などの供給の制約で、今後の販売数は供給に大きく左右されると見られています。

一方で9月に2位だった三菱は大きく減少、代わりに9月とほぼ同数を販売したトヨタが2位に上昇しました。1,175台のうちBEVは29台のみで、販売が再開したbZ4XやレクサスUS300e。PHEVは1,082台で、RAV4やプリウスのPHEVモデルと見られています。

3位は928台を販売した三菱で、このうち480台がおそらくBEVのeKクロスEV、残りの448台がアウトランダーとエクリプスクロスのPHEVと推測できます。

輸入車の内訳は不明ながら、JAIA(日本自動車輸入組合)の「2022年10月度輸入車新規登録台数(速報)」によるとOthersが570台で、このうち9割以上がテスラ(おそらく4位)、さらにHyundaiは63台でほぼ全数がIoniq5と推測されます。

【本記事に掲載している販売数データのソースについて】

●登録車:一般社団法人日本自動車販売協会連合会(JADA)の燃料別販売台数(乗用車)より
●軽自動車:一般社団法人 全国軽自動車協会連合会の軽四輪車通称名別新車販売確報、及びメディア向け資料より
※シェアは上記の販売台数より独自集計

日本におけるEV普及の推移

【2022年の累計】

2022年1月から10月までの累計ではEV+PHEVの販売台数が75,677台、シェアは2.65%となり、それぞれ前年同期の34,721台、1.12%からさらに差が広がっています。

【前年同月との比較】

10月の販売数は2019年以降は一貫して増加を続け、9月に続き、2022年は増加のペースが加速しています。シェアも2021年から増加に転じ、2022年もこの傾向が続いています。


補足:記事の冒頭でも触れた通り自動車の販売数には季節性があり、月によって大きく変動します。国内では四半期の初めに減少し、四半期の終わりに増加するほか、年度末に増加する傾向があります。販売台数を比較するときはこれらの季節性を考慮する必要があります。

販売台数とシェアの推移データ

月別(2020年1月〜)、四半期別(2018年Q1〜)、年別(2018年〜)の燃料別乗用車販売台数とシェアのグラフとデータを紹介します。このデータとグラフは、今後定期的(月1回程度)にアップデートしていきます。

【月別】

 BEV
台数
BEV
シェア
PHEV
台数
PHEV
シェア
BEV+PHEV
台数
BEV+PHEV
シェア
乗用車全体
台数
2022年10月4,3771.48%1,9320.65%6,3092.13%295,809
2022年9月8,6912.67%4,6231.42%13,3144.10%324,901
2022年8月6,2332.66%2,8631.22%9,0963.88%234,143
2022年7月6,1762.14%4,1471.44%10,3233.58%288,145
2022年6月5,6042.09%3,3061.23%8,9103.32%268,077
2022年5月1,8800.89%2,9531.39%4,8332.28%211,856
2022年4月1,7640.72%2,2690.93%4,0331.65%244,292
2022年3月4,3511.02%3,5430.83%7,8941.85%426,393
2022年2月2,3800.82%2,7560.95%5,1361.77%289,848
2022年1月1,7920.66%4,0371.48%5,8292.14%272,445
2021年12月2,4980.89%3,0521.09%5,5501.98%280,141
2021年11月2,2180.76%1,9810.68%4,1991.44%291,665
2021年10月1,7340.75%1,3020.56%3,0361.32%230,499
2021年9月2,5530.99%1,8290.71%4,3821.71%256,963
2021年8月2,2460.85%1,3980.53%3,6441.38%263,602
2021年7月1,9630.63%1,7430.56%3,7061.20%309,463
2021年6月1,3300.45%2,3160.78%3,6461.23%296,623
2021年5月1,2520.48%1,5120.58%2,7641.06%261,522
2021年4月6990.24%1,5980.55%2,2970.80%288,397
2021年3月2,6700.52%2,7140.53%5,3841.05%510,386
2021年2月1,4380.40%1,7740.49%3,2120.89%361,891
2021年1月1,0920.34%1,5580.48%2,6500.82%324,546
2020年12月1,8920.60%2,9270.93%4,8191.53%315,200
2020年11月1,5650.46%1,2740.38%2,8390.84%336,908
2020年10月1,0190.30%1,2750.38%2,2940.67%339,923
2020年9月1,8870.48%1,3870.35%3,2740.84%390,847
2020年8月7190.27%7440.28%1,4630.54%270,350
2020年7月7670.23%9460.29%1,7130.52%330,771
2020年6月6460.23%1,0220.36%1,6680.59%283,893
2020年5月3780.22%5190.30%8970.51%174,404
2020年4月3300.15%6350.29%9650.44%219,231
2020年3月1,4120.29%1,6350.34%3,0470.63%485,207
2020年2月3,1090.86%1,2560.35%4,3651.21%362,052
2020年1月8800.29%1,1210.37%2,0010.66%301,195

【四半期別】

 BEV
台数
BEV
シェア
PHEV
台数
PHEV
シェア
BEV+PHEV
台数
BEV+PHEV
シェア
乗用車全体
台数
2022年Q321,1002.49%11,6331.37%32,7333.86%847,189
2022年Q29,2481.28%8,5281.18%17,7762.45%724,225
2022年Q18,5230.86%10,3361.05%18,8591.91%988,686
2021年Q46,4500.80%6,3350.79%12,7851.59%802,305
2021年Q36,7620.81%4,9700.60%11,7321.41%830,028
2021年Q23,2810.39%5,4260.64%8,7071.03%846,542
2021年Q15,2000.43%6,0460.51%11,2460.94%1,196,823
2020年Q44,4760.45%5,4760.55%9,9521.00%992,031
2020年Q33,3730.34%3,0770.31%6,4500.65%991,968
2020年Q21,3540.20%2,1760.32%3,5300.52%677,528
2020年Q15,4010.47%4,0120.35%9,4130.82%1,148,454
2019年Q44,1300.48%3,4510.40%7,5810.88%859,932
2019年Q36,2240.54%5,8920.51%12,1161.05%1,155,457
2019年Q23,7210.37%3,7210.37%7,4420.74%1,009,343
2019年Q17,2550.57%4,5580.36%11,8130.93%1,276,359
2018年Q44,4270.43%5,8430.57%10,2701.00%1,023,851
2018年Q37,1170.66%5,7500.53%12,8671.20%1,075,284
2018年Q24,2670.43%4,9530.50%9,2200.93%988,114
2018年Q110,7390.82%6,6940.51%17,4331.34%1,303,911

【年別】

補足:このグラフにはまだ2022年のデータは反映されていませんが、9月時点で2018年累計の5万台を大きく超える約7万台(シェアは2.71%)に達していて、2021年から大きく増加することが確実となっています。
 BEV
台数
BEV
シェア
PHEV
台数
PHEV
シェア
BEV+PHEV
台数
BEV+PHEV
シェア
乗用車全体
台数
2021年21,6930.59%22,7770.62%44,4701.21%3,675,698
2020年14,6040.38%14,7410.39%29,3450.77%3,809,981
2019年21,3300.50%17,6220.41%38,9520.91%4,301,091
2018年26,5500.60%23,2400.53%49,7901.13%4,391,160

(取材・文/八重さくら)

この記事のコメント(新着順)8件

  1. 「3位は928台を販売した三菱で、このうち480台がおそらくBEVのeKクロスEV、残りの448台がアウトランダーとエクリプスクロスのPHEVと推測できます」

    ご存じかもしれませんが、三菱のニュースリリース・ページでは、毎月末ごろ前月の販売実績を公表しています。たとえば、9月分なら10月28日に公開されており、『アウトランダー(PHEVモデル)』2,368台 、『エクリプス クロス(PHEVモデル)』508台、『eKクロスEV』1,058台 となっています。(『eKクロスEV』は、軽四輪車通称名別新車販売確報で月半ばに見ることができますが)
    https://www.mitsubishi-motors.com/jp/newsrelease/

    「推測」されずに実数で確認されるなら、もう数日、三菱の公表を待ってからページを作成されても良いかもしれません。

    1. Eddy さま、コメントありがとうございます。

      データ確認方法と記事掲載タイミング。筆者の八重さくらさんと相談して検討します。

    2. 10月分は11月29日に公開され、
      『アウトランダー(PHEVモデル)』263台 、
      『エクリプス クロス(PHEVモデル)』185台、
      『eKクロスEV』480台 となっていました。

  2. 売上データを見ても、やっぱり日本のEV普及は軽自動車からなんですね(笑)
    世界初の量産電気自動車が三菱アイミーブであり、三菱自動車の「EVはまず軽自動車から提供し、順次拡大していく」方針は先見の明があったんです。

    そもそもガソリン代高騰と国民所得の実質減少(ほぼほぼポンコツ政権のせい)に加え、さらに現在は電力事情も逼迫し電気料金も高くなっているため軽EVの優位性はことさら高くなっているはず。それに業務営業車など固定ルートで1日の走行距離を管理できるなら電欠の危険も少なくて済む。自身の自営業とて電欠しそうな現場へ向かう時はあらかじめ充電場所を決めておくから全然問題ナシ…平日は充電器がゴール前フリー(笑)なんで気兼ねなく充電できますよ。働き方次第では有用というか。

  3. ❝乗用車全体では約35%が軽自動車なので、EVは内燃機関車よりも軽自動車の比率が高く❞ 

    のくだりがわからなかった。読解力なくて申しわけませぬ…

    1. ql さま、コメントありがとうございます。

      ❝乗用車全体では約35%が軽自動車なので、EVは内燃機関車よりも軽自動車の比率が高く❞ 

      EVにおける販売比率は軽EVが4割以上 > エンジン車を含む乗用車全体では約35%

      ということですね。
      編集部として、9月度の乗用車販売比率は未確認だったので、確認してみます。

    2. EVと内燃機関車の軽自動車比率を比較するなら、
      ●軽EV/EV全体
      ●内燃機関車の軽/内燃機関車全体
      を比較すべきです。
      また、軽EVが4割以上の下りですが、本文では「直近の9月では登録車が7,902台に対して軽自動車が5,412台と、軽自動車が全体の4割以上」とありますが、上記の数字から算出すると5,412台/7,902台=約68%なので、「6割以上」が正解ですよね。

    3. seijima さま、コメントありがとうございます。

      ご指摘の点、10月最新情報に更新の際、私の作業ミスで9月のものが残っていましたので、修正いたしました。

      >5,412台/7,902台=約68%なので、「6割以上」が正解

      EV全体=登録車EV(7,902)+軽EV(5,412)=13,314台
      軽EVの比率=軽EV(5,412)/EV全体(13,314)=40.65%
      となります。9月のデータですけど。

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この記事の著者


					八重 さくら

八重 さくら

現在は主にTwitterや自身のブログ(エコレボ)でEVや環境に関する情報を発信。事務所の社用車として2018年にテスラ モデルX、2020年に三菱アイ・ミーブを購入し、2台体制でEVを運用中。事務所には太陽光発電とテスラの蓄電池「パワーウォール」を設置し、車と事務所のほぼすべての電力を太陽光で賄うことを目指しています。

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