車検費用は総額2万3350円ポッキリ!
新型コロナ禍で時間に余裕出来たので、1回目の車検となったBMW330e(PHEV)を自分で取りに行くことにした、いわゆる「ユーザー車検」です。結論から書くと、驚くべきことに掛かった費用は自賠責保険(強制保険)の2万1550円と検査手数料1800円の2万3350円のみ(東京都の場合)。実質的な所要時間1時間半で済んだ。
以下、手順のあらましを紹介したい。
【1】書類
EVとPHEVのユーザー車検に必要なのは、車検証と自賠責保険、認め印のみ。普通のクルマなら原則として必要な納税証明は1回目の車検時なら免税になっているため不要。同じく1回目の車検時は重量税まで免税! 手続きに必要な書類(3枚)は車検場にあるので、ユーザー車検当日に書けばよい(3枚で10分あれば書けます)。
【2】予約
飛び込み受付はできない。自宅から住所や名前などオンライン登録し、予約サイトで(リンクを参照のこと)好きな日を選べば良い。新型コロナ禍で空いてたためか、10時くらいに予約サイトへアクセスしたら、その日の午後分から空きがあった。14時30分の検査で予約。車検場に14時30分到着。書類書いて14時40分に受付窓口へ。
【3】受付
どこの車検場でもユーザー車検と書かれている受付があると思う。そこに書類一式と、点検整備記録簿を提出。すると係官は書類チェックと点検簿を見ながら「点検はやりましたか?」と聞いてくるだろう。「項目通りやりました」と答えれば、どの検査ライン(数字表記)に並べばいいか指示してくると思う。
【4】状況確認
並んでいると係員が来て車両チェックを行う。ボンネット開けて車体番号の確認。続いてウインカー、ヘッドライト、ハザード、バックランプ、ホーン、ウインカー、今回新型コロナ禍でヒマだったらしく、珍しくフォグ&バックフォグまで点灯しろと言われた。いずれにしろ、コーションランプが点灯しているようなことがなければ1回目の検査できちんと稼働するはず。
【5】検査パート1
練馬は最初にサイドスリップ検査(直進性を確認する検査ライン。といっても通過するだけ)。まっすぐ走れるクルマなら問題無し。続いてブレーキとサイドブレーキ。EVもPHEVも強力なブレーキ持つのでジンワリ踏めばOK。電動パーキング付きなら、サイドブレーキだって100%問題無し。ブレーキ検査で落ちるようなEVやPHEVは自動車メーカーに文句いっていい。
【6】検査パート2
ローラー上で速度計のチェック。40km/hになったらパッシングか、ボタンで合図。コツはジックリ加速すること。タイヤサイズを変えていないEVやPHEVであれば速度計誤差で車検不合格になるようなことは考えられない。また、操作はユーザー車検だと言えば丁寧に教えてくれる。車検場の検査官、けっこう親切です。
【7】検査パート3
ヘッドライトの光軸調整。EVやPHEVのヘッドライトはほとんどがHIDかLEDである。どちらも自動調整になっており、機械的な光軸調整などできない。したがってヘッドライト点けるだけ。ここで不合格になるようなことがあれば、新車時の完成検査からして合格できない状態ということ。不具合です。ディーラーで無料調整を頼むこと。
【8】検査パート4
PHEVであれば排気ガスチェック(後述)。最後が車体下回りの検査となる。オイル漏れのチェックと加振機(下回りを揺さぶる)で異音出なければ終了。パート1から4まで5分も掛からないと思う。最後にハンコ貰い窓口に書類出せば、2年有効の車検証を発行してくれて終了。全工程で1時間掛からないです。
事前チェックは日常の運行前点検レベルでほぼ問題なし
さて。車検の目的は「走行するための安全&大気を汚染する排気ガスの確認」である。逆にこの2つを担保出来たら問題無し。2つのうち、EVやPHEVは後者に関して言えば神様のレベルと言って良い。なかでもEVの場合、エンジン関係の点検項目無し! オイルだって入っていないし、排気ガスを出さないため濃度も計りようがありません。
PHEVはエンジンが付いているものの、排気ガスレベルは冷間時からクリーンなULEV(Ultra Low Emission Vehicle=超低公害車)レベル。エンジン始動したら数秒で臭いさえしなくなる。加えてエンジン制御を全て自動で行っており、整備して調整出来るような項目一切無し。普通にオイル交換し、エンジン下部にオイルの滲みなく、冷却水漏れなければ点検だけで全く問題無し。
走行するための安全性はどうか? 車検時に必要な項目をチェックすると、主としてブレーキとサスペンションとなる。EVもPHEVもブレーキ関係は複雑。メーカーだって認識しており、問題あったらコーションランプ出す。逆にコーション付いていなければ正常だ。ブレーキの減りは回生制動を積極的に行う車両だと4~5万kmじゃ減らない。
唯一不安になるのはサスペンションながら、上記の通り車検場でダンパーのオイル漏れやサスペンションのガタ付きなど、目視と加振機でしっかりチェックしてくれる。後は車載のサービスブックに消耗部品や油脂類の交換時期が明記されてます。そもそもEVやPHEV、具合が悪くなったらすぐコーション出るため、それをキッチリ守ればいい。
日頃の点検整備はしっかりと
以上。国沢さんの実体験に基づく『BMW330e』ユーザー車検の手順とポイントのレポートでした。そもそも、EVやPHEVは規定の12カ月点検などでも整備やパーツ交換の必要が少なくて済む特徴があります。とくに改造などを施していないEVやPHEVを所有しているのであれば、ユーザー車検で「さらにお得」を実現しやすいということですね。
すんなりとユーザー車検をパスするためにも、日常的な点検整備は大切。とはいえ「コーションが出ていなければ事前の点検はしなくても問題ないことがほとんどのはず」と国沢さん。チェックしないと心配、という方は、自分の車の『点検整備記録簿』に沿って目視チェックくらいはやっておくとより安心です。
今回のユーザー車検レポートは、東京都の練馬自動車検査登録事務所における一例です。EVやPHEVに対する免税措置など、お住まいの地域によって異なるケースがあります。疑問点がある場合など、念のため事前に管轄の運輸支局(自動車検査登録事務所)に、ユーザー車検の方法について確認してチャレンジされることをオススメします。
(文/国沢 光宏 ・ EVsmartブログ編集部 寄本 好則)
コメントを掲載されなかったので再度。
(以下、編集部により編集)
Y様、コメントありがとうございます!
以前コメントをいただきましたが、弊社掲載基準を満たしておりませんでしたので、非掲載とさせていただいております。理由をメールにてお送りしておりますので、ご覧いただいた上で、「他の読者に利益を与える内容か」「事実の誤りを指摘、または論理的な反論か」「記事の趣旨に関連した内容か」「著者やインタビューされた方に対する敬意が払われているか」をご判断の上、メールにご返信いただけますようお願い申し上げます。
なお当サイトでは、いただいたコメントの99.9%以上はそのまま掲載させていただいておりますことをお伝えいたします。
ユーザー車検が一般人にも簡単に出来るように紹介されているけど、実際は支局によって微妙に違うだろうけど、書類の記入や受付であっちこっち行かされる所もあるし、検査ラインでも光軸、車速、自動サイドブレーキとか、排ガスで素早くメンテナンスモードにするとか、下廻り検査等々、ユーザー車検初の素人は車検場で色々と右往左往するでしょうね。
あと、いくら初回車検だからといっても三年経過した車両は不安なので、自分なら安心を買うつもりで予備検査は通しますね。本検査で慌てたくないし、他に迷惑掛けるので、分解整備も含めて前検か後検を認証整備工場でやる事は当然ですが、事前準備はきちんとしてからイレギュラー発生も考えて、朝イチ予約で車検場に行く事をオススメします。
でもユーザー車検は基本、車の構造を理解出来た上で、自分でしっかり整備管理出来る人間がやる行為だと思うので、ただ安く車検を通したいだけの日頃のメンテが出来ない人達は、素直にプロにお任せする事が結果安く済むと思うし間違い無いと思いますよ。EVだろうがHVだろうが車は車、走る凶器ということをお忘れ無く。
車検場の交付窓口で働いている者です。コロナ感染拡大防止の為、有効期間の伸長申請措置もプレスリリースで周知されています。
車にお詳しい国沢さんであればご存知かと思います。緊急事態宣言中、外出自粛を求められている今、「時間があるから車検に行く」というのをブログで発信するのは、良識ある行動とは言い難く残念に思います。
他の公共施設や医療機関と同じように車検場も感染防止の為、様々な努力しています。このように、時間がある今ユーザー車検をしてみよう!と思う方が増えないよう願いたいものです。
さりな様、コメントありがとうございます!
>緊急事態宣言中、外出自粛を求められている今、「時間があるから車検に行く」というのをブログで発信するのは、良識ある行動とは言い難く残念
車検は受けないといけないものなので、指定工場に持ち込もうが車検場に持ち込もうが、人が関わることには違いないのかなと思います。
何でも自粛すればいいわけではなく、きちんとやるべきことはやり、社会に貢献することも重要ではないでしょうか。
さりな 様
YasukawaHiroshi 様が書かれているように、車検は受けなくてはなりません。有効期間を1ヶ月程度延長しても感染者が増えている状態ではあまり意味はないのでは・・・と思っています。
ユーザー車検が車検場の方に負担を・・・ というご意見のようですが、ディーラー等に車検にだしても、なんやかやで多くの人と接します。ユーザー車検の方が接する人数が少なく思えるのは間違いなのでしょうか?
本気でコロナ対策というのなら、非常事態宣言が解除されて2~3ヶ月後まで車検の期間を延長するしかないのでは?と思っています。ただ、こんな意見はどうしたら政府に届くのだろう・・・? と思っています。
十分にお気をつけてお仕事に取り組んでいただければと思います。
6月1日までの延期が十分かというのはありますが、この延長期間から、お役所は明らかに緊急事態宣言の期間中は車検を受けずに済むようにしています。
これは、車検は不急であるので外出が可能になったら来て下さい、というメッセージだと思ってましたし、5月6日までが宣言期間という前提で6月1日までとしている訳で、宣言が延長されれば車検の延長期間もそれに合わせて延ばすでしょう。
冒頭の書き出し、「新型コロナ禍で時間に余裕出来たので、」は、正直な心情なのでしょうが、自動車評論家がメディアに書くか、という誹りは免れないと思います。
慣れないユーザーが来場した場合、係員も事務もプロの来場より説明や会話が増えるのは明らかですから、「同じでしょ」はないと思いますし、この記事の書きようにご懸念を持たれるのも当然と思います。
MZY様、コメントありがとうございます。
弊社では、メディアとして、事実をできる限り正確にお伝えする方針でおります。今回の件に関し、一点だけコメントさせていただきますと、5/6-6/1の間で、感染リスクが極端に少なくなるとも言えないのではないでしょうか。そこに人が集中すればそれはそれで危険性は高いと思います。車検を延長すると、人命は損なわれないのでしょうか?(まあもともと車検制度なんか雇用政策の一環で、要るか要らないかといえば要らないじゃん、という意見は置いておきますね)
いずれにしろご意見は理解いたしますし、そのような意見も合わせて、掲載するのが当メディアの方針です。
なお今後COVID-19に関するコメントは、これ以降は掲載いたしませんので、ご了承いただけますと幸いです。これはなぜかというと、並行する意見を掲載することには意味がありますが、それをずっと論争するのは他の読者の方に利益にならないからです。
# MZY様の意見・ご発言は貴重です。それに意味がないということではなく、並行・対立する意見を、現時点で正解がないから・もしくは政府がこう言ったから、という状況の下、並べて「書き続ける」ことに意味がない、ということです。
自粛するのは当然かもしれませんが自粛解除されたら逆に混雑するのでは?なにがなんでも自粛する必要はないと思う。車検を受ける時期なら自粛中でも受けていいと思います。
なんていうか、ひどい文章だと思います。24か月点検はちゃんと自分なりディーラーで行ったうえでユーザー車検してください。
EVとPHEVのユーザー車検に必要なのは、車検証と自賠責保険、認め印のみ。
→整備記録も見せろと言われます。で、別にどの車でもおなじです。
普通のクルマなら原則として必要な納税証明は1回目の車検時なら免税になっているため不要。
→納税証明はどの車でも不要です。(除く軽自動車)
すると係官は書類チェックと点検簿を見ながら「点検はやりましたか?」と聞いてくるだろう。「項目通りやりました」と答えれば、
→それをBMWでやるんなら、十分凄いおカネがかかると思います。ガソリン車でも自分でやれば費用は最小限で済みます。
並んでいると係員が来て車両チェックを行う。ボンネット開けて車体番号の確認。続いてウインカー、ヘッドライト、ハザード、バックランプ、ホーン、ウインカー、今回新型コロナ禍でヒマだったらしく、珍しくフォグ&バックフォグまで点灯しろと言われた。
→暇じゃなくても灯火は普通全部点灯しますね。あとホーンとウォッシャー液も見られます。エンジン型式の刻印も必ず見ます。最近の変化は室内もチェックがはいること。なにかコーションがついているとそもそも予選落ちで車検ラインに入れません。
ヘッドライトの光軸調整。EVやPHEVのヘッドライトはほとんどがHIDかLEDである。どちらも自動調整になっており、機械的な光軸調整などできない。
→少なくともうちの車たちはHIDで自動調整ですが、機械的な光軸調整は当然できます。できないと困ると思いますが?
したがってヘッドライト点けるだけ。ここで不合格になるようなことがあれば、新車時の完成検査からして合格できない状態ということ。不具合です。ディーラーで無料調整を頼むこと。
→そりゃBMWのことは知りませんがマジで言ってます?
PHEVはエンジンが付いているものの、排気ガスレベルは冷間時からクリーンなULEV(Ultra Low Emission Vehicle=超低公害車)レベル。エンジン始動したら数秒で臭いさえしなくなる。加えてエンジン制御を全て自動で行っており、整備して調整出来るような項目一切無し。
→点火プラグもメターリングバルブもEGRもなんもついていないんでしょうか。それは車両が自己チェックするならいいとしても、HVやPHEVでユーザー車検するときは強制エンジンONの仕方を調べておかないとあわてます。
最後が車体下回りの検査となる。オイル漏れのチェックと加振機(下回りを揺さぶる)で異音出なければ終了。
→下回り検査で同様にじっくり観察されるのはタイロッドエンドのブーツ等からのグリース漏れやドライブシャフトブーツ切れだと思います。これらはガソリン車でもBEVでも同じペースでペースで劣化すると思われます。
機械的な消耗や点検項目は確かに少なくなるかもしれませんが、それ以外の項目は点検をして車検を通してください。それを自分でやってもディーラーでやっても民間整備工場で行ってももちろん構いません。費用に関してEVなどとの違いは重量税などの減免程度でしょう。
たけちゃん さん、コメントありがとうございます。
記事末注記にも書いたように、法定点検をはじめとして日常的な点検やメンテナンスはしっかりやっておくことが大切ですよね。私の中古リーフも今年の末に車検です。ユーザー車検はやったことがないので、ご指摘の内容も参考にさせていただきながら、チャレンジしてレポートしてみようかと思います。