EV充電サービス「エコQ電」を運営するエネゲートが、今年のGW期間中、天気予報をもとに全国約2600台の急速充電料金を最大50%割引とする実証を実施します。環境省が推進する「デコ活」に参画する取組で、太陽光発電の余剰が発生しやすい季節と時間帯の電力を、EV充電で賢く活用できるか検証します。
天気次第で急速充電料金を「0~50%」割引
2025年のゴールデンウィーク、4月26日(土)~5月6日(火)の期間で、EV充電サービス「エコQ電」を運営する株式会社エネゲートが「太陽光余剰電力の有効活用に向けたEV充電実証」を実施します。
※冒頭写真はエコQ電アプリで利用できる旅の駅河口湖(山梨県)の急速充電器(2022年9月撮影)。
【特設サイト】
クリーンなエネルギーでリーズナブルにEV充電!(エネゲート)
GWは1年のなかでも太陽光の発電量が比較的多い時期であり、休日は企業の消費電力が減少するため余剰電力が発生しやすくなります。今回の実証はその余剰電力をEV充電で有効活用できるよう広くEVユーザーに呼びかけて効果を検証することが目的で、環境省が推進する「デコ活」(脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動)の一環として実施されます。
EVは脱炭素社会&モビリティを実現するために有効なツールですが、より効果的に脱炭素を進めるには再生可能エネルギーと併せた普及が大切です。太陽光由来の電力への関心や理解を深めるためにも、多くのEVユーザーが参加することを期待しつつ、私自身EVユーザーのひとりとして、再エネ活用推進を応援するためにぜひ参加してみたいと思います。
実証に参加できるのは「エコQ電アプリやカードを利用しているEVユーザー」です。すでにスマホにアプリをインストールしてあれば、手続き不要で実証に参加できます。まだアプリを入れてないという方は、GWまでにアプリをインストールして会員登録すればOK。会員登録や月額会費は無料です。「アプリだけだと携帯電波が弱い地域で不安」という方には、RFID認証できる「エコQ電カード」(発行手数料は税込2200円)も用意されています。

App Storeのアプリ紹介イメージ。厳しい評価もあるようですが、どうなんでしょう。アップデートされてから未使用でわからないので、今度きちんと使ってみます。
天気予報によって割引率を事前に通知
実証に参加するために、ユーザーがとくに何かを行う必要はありません。期間中、エコQ電アプリに天気予報をもとにした割引率の通知が届き、エコQ電が利用できる急速充電器で充電するだけ。エコQ電の急速充電器の充電料金は場所ごとに設置事業者が決めていてまちまちですが、ユーザーが支払う充電料金には通知された割引率が適用されます。
ただし、割引時間帯は太陽光発電量が多い8時~17時が原則です。期間中、日によって以下のように割引時間帯や割引率が通知されることになっています。
①4/26(土)~4/30(水)=前日に通知
②5/1(木)~5/2(金)=4/30に2日分まとめて通知
③5/3(土)~5/6(火)=5/2に4日分まとめて通知
また、天気は地域によって当然違うので、今回実証では電力会社ごとに全国を10エリアに分けて割引率を決定します。たとえば「同じ九州でも福岡は晴れてるけど鹿児島は雨」ってこともあるのでは? と思いましたが、仕組みが煩雑になり過ぎるのは望ましくないので、電力会社のエリアごとに決めた基準地の天気予報をもとに決めるそうです。EVユーザーとしては、目の前の天気で判断するのではなく、ちゃんと通知をチェックするのが大切ですね。
もちろん、東京都に住んでいるユーザーが宮城県で充電するといった場合でも割引はOK。東北電力エリアの割引率が適用されることになります。
エコQ電の急速充電器はどこにある?
割引が適用されるのは、エコQ電の認証課金が導入されている充電器を、エコQ電アプリ(またはカード)で利用した場合です。ローミング(提携)を進めている「ENEOS Charge Plus(エネオスチャージプラス)」の急速充電器を含めて、対象となる公共用急速充電器は全国で約3100台。e-Mobility Power(eMP)認証が併用されている充電器もありますが、割引が適用されるのはエコQ電で充電した場合のみとなります。
エコQ電の充電器はアプリで地図検索できます。また「EV充電エネチェンジ」アプリで認証システムをフィルタリングして検索することも可能です。ENEOS Charge PlusのネットワークでもまだエコQ電で利用できない充電器があるので、事前にアプリで確認するのがオススメです。
エコQ電認証の充電器は道の駅(約450台)や自治体施設(約490台)に多く、設置者のご厚意で比較的充電料金が安く設定されていることが多い傾向があります。たとえば冒頭写真で紹介した旅の駅河口湖(山梨県)は、50kW器が2台設置されていて充電料金は5分以内150円、以降30円/分で、30分の最大料金で900円。30分で20kWh充電できたとすれば45円/kWh。通りすがりの急速充電料金としてはかなりお値頃ですが、晴天で50%割引になればさらにおトクに充電できることになります。
充電料金を安くするために予定を決めるのは本末転倒ではありますが。出かけたついでの経路充電で、太陽光の電力を活用した充電実証に参加するのは意義あることだと思います。
私も以前からエコQ電アプリはスマホにインストールしていましたが、今はまだ日産ZESP3の会員ということもあって長く利用しておらず。今回の取材を機に起動してみたら、アプリが大幅にアップデートしていて会員情報の再登録(旧アプリからの情報引き継ぎ)が必要でした。GWに出かける予定があるEVユーザーの方は、事前に最新アプリを確認しておくのがオススメです。
取材・文/寄本 好則
コメント
コメント一覧 (1件)
最近の九州では、毎日太陽光発電設備には、再エネ出力制御指示というのが連日出されて、九州では8時間で400万㎾hの出力制御で発電停止が行われて居ります。
EVの急速充電だけで、この分を消費出来るんでしょうか?
大口だけで、小口は出力制御指示は出されてないんですが、太陽光発電ってこんなに要らん発電して電力網に負担掛けているんですよね。
モーター発電を導入した島嶼部での実例も、そうないみたいですし、原資を何処から持って来るのか分からないんですけれど、