シトロエン『C5エアクロスSUVプラグインハイブリッド』登場〜同クラスPHEVとの違いをチェック

2021年6月24日、シトロエン『C5エアクロスSUVプラグインハイブリッド』が登場しました。シトロエンとして初めてとなるPHEVの特徴とともに、ライバル車との比較に注目してみました。

シトロエン『C5エアクロスSUVプラグインハイブリッド』登場〜同クラスPHEVとの違いをチェック

バッテリー容量は13.2kWhで普通充電のみ

今回発表されたシトロエン『C5エアクロスSUVプラグインハイブリッド』は、シトロエン初の電動化モデルで、全長4,500mm、全幅1,850mm、全高1,710mmのボディサイズを持つクロスオーバーSUVです。車両重量は、1,860kgと1.6Lガソリンターボエンジンの「PURETECH」より340kg、2.0Lディーゼルターボエンジンの「BlueHDi」より220kg重くなっています。

パワートレインは、180psを発生させる1.6Lのピュアテックガソリンターボに、81.2kW(110ps)/320Nmの電気モーターを組み合わせ、PHEV専用の8速「e-EAT」トランスミッションを介して、前輪を駆動させるシステムを搭載。13.2kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載します。

EV走行可能距離は、WLTCモードで65kmと公表されており、EPAに換算すると約58kmとなります。自宅に充電設備がある場合、日常の買い物や送迎でガソリンを消費することなく、電気自動車として使うことができるでしょう。

充電方法は、200V普通充電のみとなっており、3kWで約5時間、6kWで約2.5時間で満充電になると発表されています。急速充電やV2Hには対応していません。

充電ソケットにはLEDインジケーターがあり、スタンバイが白、充電中が緑の点滅、充電が完了すると緑の点灯、充電予約をすると青というように一目でステータスがわかるようになっています。また、無料のMy Citroënアプリをダウンロードし、連携させることでリモートチャージングやプリコンディショニングの操作が可能です。

ドライブモードは、駆動用バッテリーに電力がある時のデフォルトモード「ELECTRIC」、駆動用バッテリーの残量が少ない場合のデフォルトモードで燃費を最大化する「HYBRID」、エンジンの動力を最大限に引き出し電力消費を抑制する「SPORT」を設定。また、通常の走行モードである「D」とエネルギー回生を大きくする「B」モードがあります。

シトロエンユーザーが望む「快適な乗り心地」を実現するため、プログレッシブ・ハイドローリック・クッションやシート表皮中央部に15mm厚いパッドを採用したナッパレザーのアドバンストコンフォートシートを装備しています。

車両価格は550万円ですが、エコカー減税やCEV補助金(20万円)を受けられるため、実際の価格は527万3,000円程度となることも示されました。

C5 AIRCROSS SUV PLUG-IN HYBRID
全長×全幅×全高4500×1850×1710mm
車両重量1860kg
駆動方式前輪駆動
乗車定員5名(2列シート)
エンジン1.6リッター直列4気筒ターボエンジン(133kW/300Nm)
モーター81.2kW/320Nm
EV走行距離65km(EPA換算推計約58km)
バッテリー容量13.2kWh
充電方法200V普通充電のみ(3kW/6kW)
価格550万円(税込)

プラグインハイブリッドのライバル車と比較

では、シトロエン『C5エアクロスSUVプラグインハイブリッド』のライバル車、すなわちCセグメント相当のSUVであるPHEV各車との比較に注目してみます。

まず、同じグループPSAのブランドから発売されている、プジョー『3008GTハイブリッド4』、DSオートモビル『DS7クロスバックE-TENCE 4×4』。バッテリーや基本的なパワートレインは共通だと思いますが、3008とDS7は全輪駆動を採用しています。ブランドごとに乗り味などにどのような工夫がされているのか、改めて乗り比べ試乗もしてみたいところです。

プジョー『3008GTハイブリッド4』
DSオートモビル『DS7クロスバックE-TENCE 4×4』

国産メーカーからも、このクラスのPHEVが登場しています。三菱の『エクリプスクロスPHEV』や『アウトランダーPHEV』はライバル車といえるでしょう。この2台はスペックも似ているので、代表としてエクリプスクロスPHEVを比較表に入れてみます。さらに、トヨタ『RAV4 PHV』もライバルになりそうです。

三菱『エクリプスクロスPHEV』
トヨタ『RAV4 PHV』

競合車種比較表

シトロエン
C5 PHEV
プジョー
3008GTハイブリッド4
DSオートモビル
DS7クロスバックE-TENCE 4×4
三菱
エクリプスクロスPHEV
トヨタ
RAV4 PHV
全長×全幅×全高4500×1850×1710mm4450×1840×1630mm4450×1840×1630mm4545×1805×1685mm4600×1855×1690(〜1695)mm
車両重量1860kg1850kg1940kg1900kg~1920kg1900kg~1920kg
駆動方式前輪駆動全輪駆動全輪駆動全輪駆動全輪駆動
エンジン1.6リッター直列4気筒ターボエンジン
(133kW/300Nm)
1.6リッター直列4気筒ターボエンジン
(147kW/300Nm)
1.6リッター直列4気筒ターボエンジン
(147kW/300Nm)
2.4リッター直列4気筒エンジン
(98kW/199Nm)
2.5リッター直列4気筒エンジン
(130kW/219Nm)
フロントモーター81.2kW/320Nm81kW/320Nm81kW/320Nm60kW/137Nm134kW/270Nm
リアモーター83kW/166Nm83kW/166Nm70kW/195Nm40kW/121Nm
バッテリー容量13.2kWh13.2kWh13.2kWh13.8kWh18.1kWh
充電方法普通のみ普通のみ普通のみ普通/急速普通のみ
価格(税込)550万円565万円732万円384万8,900円〜469万円〜

グループPSAは『DS7クロスバックE-TENCE 4×4』を高級ラグジュアリーカーとして、プジョー、シトロエンと併せてPHEVのバリエーションを揃えてきた印象です。

国産2車種はさすがにコストパフォーマンスの高さを感じます。ただし、表記の価格はベースモデルでオプションも考慮していません。実際の購入価格としては、RAV4PHVが500万円程度、エクリプスクロスが450万円程度かと思われます。

いずれにしても、日本で買えるPHEVの選択肢が着実に増えつつあります。数年後には、完全電気自動車でもライバル車を比較して悩めるようになることでしょう。

(文/齊藤 優太)

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この記事の著者


					齊藤 優太

齊藤 優太

静岡県静岡市出身。大学卒業後、国産ディーラー営業、教習指導員、中古車買取を経て、フリーランスへ。現在は、自動車ライター、ドライビングインストラクターとして活動をしている。保有資格は、教習指導員(普通自動車一種・普通自動二輪)、応急救護指導員、運転適性検査指導員。

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