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電気自動車やハイブリッドはなぜ静か?
自動車が走行しているときには様々な音が出ますが、基本的にはエンジン音、風切り音、そしてタイヤの走行音の三種類があります。そして、人と車が同居するような狭い道では車はごく低速で走行しますから、風切り音やタイヤの走行音は非常に小さいものとなり、エンジン音だけが聞こえてきます。
ハイブリッド車は小さなバッテリーを搭載しており、ごく低速で走行するときはエンジンが停止したり、EVモードを選択することにより(実用的には)時速30kmくらいまでの速度で、2kmくらいの距離の間エンジンを停止し、モーターで走行することができます。そのため、住宅街を走行するときは、ほとんど音がしないのです。
電気自動車はそもそもバッテリーとモーターしか搭載しておらず、音の出る機関を積んでいませんので、どんな速度でも風切り音とタイヤ走行音しかせず、住宅街などではやはりほとんど音がしません。
ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車(PHV・PHEV)、電気自動車の違いについては記事を見ていただきたいのですが、これらの車は静かに走行できるため、早朝や深夜でも周囲の方に迷惑をかけることなく運転することができます。この静音性は車内でも十分体感することができ、車内で家族と話すときもささやくくらいの声で会話ができますし、音楽やラジオ等も聞き取りやすく、山などで窓を開けて運転しているときなどは、小鳥のさえずりや川の流れる音も聞こえてくるくらいです。
もちろん、風切り音やタイヤ走行音は速度を上げるとどんどん大きくなりますので、幹線道路や高速道路などでは、これらの音もかなり気になると思います。風切り音については、車のCd値というのがある程度関係しており、Cd値が低い車のほうが風切り音は一般的に少なくなります。Cd値が低いと車は一般的に低く、流線形になります。タイヤ走行音は、高性能タイヤやスポーツタイヤは音が大きく、エコタイヤなどでは音が小さいと覚えておくとよいでしょう。ファミリーカーであくまで安全運転に徹する場合は、エコタイヤを選択すると静かに走行でき燃費・電費もよくなります。逆にスポーツカーや高性能車で雨の日でもしっかり止まってほしい場合は、高性能タイヤを選択することになり、静音性については諦めざるを得なくなります。
自動車が静かに走行すると事故が起きやすい?
現在、ハイブリッド車・プラグインハイブリッド車・電気自動車などの乗用車・軽自動車の保有台数は2013年時点で約388万台、日本国内の乗用車・軽自動車の保有台数は2013年時点で約6004万台ですので、ハイブリッド率は約6.5%。新車販売ではメーカーによってはハイブリッドが50%を超えているメーカーも出てきているため、これからは静かな車の比率がだんだん増えていくものと思われます。
さて、皆さんは、住宅街や路地で、真横や真後ろに車が来ているのを知ってビックリしたことはありませんか?
人との会話に夢中になっていたり、スマホを歩きながら操作していたり、音楽を聴きながら歩いていたりすると、突然車が目の前に現れたような錯覚に陥ることがあります。これは事故などの問題になっていないのでしょうか?
国土交通省は2010年に、ハイブリッド車等の静音性に関する対策検討委員会を立ち上げ報告書を出しています。その後、2016年10月7日に義務化されました。新型車は2018年3月8日から、継続生産車は2022年10月8日から対応が必要となります。
実際に、日本国内で、静音なハイブリッド車や電気自動車に気づかず、歩行者や自転車との事故になったという報告は一件もないそうです。また、イギリス政府の調査では、視覚障害者においても、静かな電気自動車は危険ではないとする報告も出ています。
国土交通省の検討委員会では、これらの事実は踏まえたうえで、エンジン音を自動車の運転者と歩行者の「コミュニケーション手段の一つ」ととらえ、様々な意見の最大公約数的な回答として、音を出す装置(車両接近警報装置)を装着する対策をガイドラインとして策定しました。簡単にまとめると以下のようなもののようです。
- エンジンがかかっているときは非作動。エンジンがかかっていない、または電気自動車においては、車速が時速20kmになるまでの間、音を出す
- 一時停止スイッチを設けてもよいが、例えば車を停めてまた走り出す際などは再度自動的にオンになること
- 音を聞いて車が走っていることを想像できるような連続的な音でなければならない
三菱自動車工業のサイトでは、電気自動車i-MiEVの車両接近警報装置の音を聞くことができます。モーターとエンジンの中間のような音ですね!
海外での歩行者用車両接近警報装置の法制化の状況
米国ではNHTSAがハイブリッドと電気自動車が付加しなければならない音の要件について法制化を検討していましたが、決定は2018年まで先送りされています。EUでは欧州委員会が2014年に法制化を決定し、各国は2019年までにそれぞれの国で法制化しなければならないことが決定されています。おそらく日本もこのようなタイミングで法制化が進むのではないかと思われますね。
せっかくハイブリッドで静かな車を買ったのに、住宅街で音を出しながら走らなきゃいけないのは本末転倒?米国の電気自動車の活動家、Chelsea Sexton氏は自身のブログで反論を展開しています。彼女によればGMが世界で初めて電気自動車EV1を販売した1996年時点で、歩行者用のソフトな音を出すホーン(クラクションのようなもの)が装着されており、これで十分だ、ということと、どんな場合でも歩行者や自転車に接触したりけがをさせるような運転者はそもそも運転すべきでない、という主張をしています。もちろんこの歩行者ホーンも前出の国土交通省のガイドライン中に「代替案」として顔を出しており、さすが国土交通省の調査だけあって、過去のリサーチもしっかりしているように見えます。
ただ、やはり無音では、確かに歩行者とのコミュニケーション手段が失われるというのは事実。そしてまた、スマホを見ながら大音量で音楽を聴いている歩行者は、自動車だけでなく他の歩行者・自転車・電柱などにもぶつかる可能性があるわけで、もっと高度な、自動車接近を知らせる高度なデバイスというお金のかかる解決策もあるかも知れません。
後ろから歩行者を抜き去る無音のEV車に轢かれそうになった
私の体験を書いてみます。
EV車で走行音を出すことが義務付けられているのは時速20キロ以下で
走行中に限るそうですが、EV車は時速60~80キロの速度でした。
歩道と車道の間に段差もガードレールも無い白線のみの道路でした。
歩道を歩いていても、歩行者と自動車の距離は50~30センチあるか無いかの
狭い道です。
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日曜日の早朝5時ごろ、自動車も歩行者も無い見晴らしの良い場所を歩いていたら
制限速度オーバーの60~80キロの無音の車、おそらくEV車に後ろから抜かれ
風圧で車道側に1メートルほど吹っ飛ばされました。
体格の良い成人男性の私がです。
閑静な住宅街で運転者もクラクションを鳴らしたくない時間帯だったのでしょう。
エンジン音の出るガソリン車と同じ感覚で運転していたのでしょう。
個人の体感としては「ひき殺された」と感じました。
駅のプラットフォームで停車しない通過する電車の車体から
30センチ離れた位置に立って、電車側に引っ張られる風圧に耐えて下さい。
死を感じると思います。
時速20キロ以上のEVにも走行音を義務付けることを希望します。
好意的な意見ばかりで、音がしないと乗っている気がしない人は、どうしたらよいのか!
下田様、コメントありがとうございます。
電気自動車は、車両によってはエンジン音をシミュレーションして車内に音が流れる車もあります。マツダのMX-30やポルシェタイカンなどはなかなかよい音がするらしいですよ。
https://blog.evsmart.net/test-drive-reports/2021-mazda-mx-30-ev/
# タイカンの音はオプションです。
アイミーブに乗ってますが近所の猫がどいてくれませんでした(爆)動物は大概エンジン音で反応しているようでタイヤの音には反応が鈍いみたいです。
その反応の鈍い猫は後にガソリン車にはねられて不幸にもお亡くなりになりましたが…自身が体験したEVヒヤリハット(事故寸前)はそれだけ。
人間はというと、やはり発進が静かなので僕が自宅をこっそり出て行っても妻は大概気が付かないです。カーステレオの音で判ったという反応があったくらいですし。
ただ歩行者や自転車の場合、キーン音とタイヤ音で判別するようです…自転車通勤の僕もそれは納得、基本それでいいんじゃないですか!?
低速だったらタイヤ音もキーン音も聞こえないっていう話なのに。
確かにプリウスPHVとかはホント静かですね!
自分も以前気づかず無音だったのでノールック横断したらぶつかって大怪我した過去が(汗)
やはり歩行者は 気配を感じて身の危険を守ると云う事が有りますね。 アウトランダーPHEVでも同じことがEV走行時 良く体験します。 私は対応として 今の時期ですとエアコンの設定温度を下げて コンプレッサーを稼働させます、コンプレッサーが稼働しますとそのモーターの稼動音とラジエターのファン音が ガソリン車アイドル音より激しいので 歩行者に判って頂けます。
スージーパパ様、コメントありがとうございます。おっしゃる通りこの時期だとコンプレッサー音が結構しますので、案外エンジン音より大きかったりしますよね。まあそれ以前に最近の大型車は全般的に全くエンジン音がしないってのもありますが(笑)お互いに気を付けて運転!ですね。