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世界のEV販売レポート/2025年11月に最も売れたブランドとOEM

世界のEV販売レポート/2025年11月に最も売れたブランドとOEM

グローバルの市場で電気自動車(EV)シフトはどんな状況なのか。アメリカのメディア「CleanTechnica」による世界のEV販売レポート(メーカー別ランキング)を全文翻訳でお届けします。原文記事の初出から少しタイムラグができてしまいましたが、世界のEV販売動向を把握するために重要な情報満載です。

【元記事】
Global EV Sales Leaders ― Top Selling Brands & OEMs by José Pontes on 『Clean Technica

目次

中国勢の記録更新が続く

2025年11月のトップセラー車種に続き、販売をリードする自動車ブランドとグループに関する補足レポートをお届けします。

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世界のEV販売レポート/2025年11月に最も売れた電気自動車は?(2026年2月2日)

11月もBYDが引き続き市場を牽引しましたが、PHEVの販売減少が続いたことで、販売台数は再び前年同月を下回りました。BYDはピークを迎えたのでしょうか? それは時間が経てば分かりますが、長期的に見れば、単一のOEMが10%以上の市場シェアを持つことはなくなると私は考えています。BYDは現在、依然としてその2倍のシェアを保っていますが……。

トップ3については、今回は驚きはありませんでした。テスラは販売の減少が続いているものの2位となり、一方で吉利はラインナップ全体の好調なパフォーマンスのおかげで、またしても記録的な月を達成しました。11月には6車種(Xingyuan、Panda Mini EV、Galaxy E5、Galaxy M9、Galaxy A7、Starship 7)が1万台以上の実績を記録しました。

これはテスラを2位の座から引きずり下ろすにはまだ十分ではありませんが、それも時間の問題でしょう。もし2026年でないとしても2027年、テスラが最後に銀メダルや金メダルを獲得できなかった年(※訳注:テスラはModel 3の量産拡大前の2017年に、一度3位に転落)から数えて10年目の節目には確実に起こるでしょう。

なぜなら、テスラには2027年まで状況を好転させられるような新型車種がないからです。Cybercabは、ハンドルとペダルが装備されると仮定しても、2027年に生産がフル稼働した時点での年間販売台数は15万台を超えないでしょう。Roadsterがそれまでに登場したとしても、販売台数はそのわずか数分の一にとどまります。したがって、テスラが2027年末に期待できる販売台数は最高でも170万台程度……。これは、吉利がその年に販売すべき台数の下限にあたります。

記録的な好調といえば、他にもいくつかの中国メーカーが11月に過去最高記録を更新しました。主なものは、6位のAITO(5万1,707台)と12位のFang Cheng Bao(35,988台)です。これら2つの高級オフロードブランドは、基本的に中国国内のみで展開しているため、他地域での成長の可能性を依然として大きく秘めています。

新興メーカーのAITOにとって中国国外で大量に販売するのは難しいかもしれませんが、スカンジナビア、トルコ、イスラエル、そしていくつかのASEAN諸国は、比較的参入しやすい市場となる可能性があります。一方で、BYDの高級車部門はすでに詳細な海外進出計画を持っており、欧州、オーストラリア、および一部のASEAN市場では2026年の展開がすでに決定しています。

同じく中国では、GACのAionブランドが、インドネシアやタイといった市場からの追い風を受け、2025年で最高となる3万6千台の登録台数を記録しました。広州に拠点を置く同ブランドは、本国ではかつての勢いを欠いていました。

トップ20圏外では、記録的な結果を残した2つのブランドに注目すべきです。まずはBAIC傘下のArcfoxで、コンパクトハッチバックのT1の成功により、2万6千台以上の納車を記録しました。もう一つの記録はVinFastで、ベトナムのメーカーである同社は、新型の7人乗りLimo Greenの成功が大きく貢献し、再び過去最高の2万3,048台に達しました。

年初来では8位以下で複数の変動

年間累計のランキングでは、上位陣に大きな動向報告はありませんでした。現在の減速にもかかわらず、BYDが他を大きく引き離しており、2位のテスラも3位のGeelyに対して大きなアドバンテージを持っています。同様に、Geelyも4位のWulingを大きく引き離しています。

12月に向けて、最初の注目点は5位争いにあります。VWが6位のLeapmotorを抑えようとしています。両者の差は2万1千台で、残すところあと1戦となった今、ドイツのメーカーはその地位を確保しているはずですが、土壇場でのサプライズを避けられるのか、この中国の新興メーカーを注視しなければなりません……。

ランキングにはいくつかの変動がありましたが、すべて8位のXpengより下の順位でした。AITOがLi Autoを抜き、新たに9位となりました。

Aionは好調な月の恩恵を受け、Volvoを抜いて14位に浮上しました。

最後に、Audiが順位を一つ上げて17位となり、このドイツのブランドはEVブランドのトップ20圏内を維持することができました。

OEM別ではSAICがVWを追い抜く

OEM別の登録台数を見ると、上位に大きなニュースはなく、トップ3の顔ぶれはその座を固守しています。しかし、そのすぐ下の順位で大きなニュースがありました。SAICがVWグループを追い抜いたのです!

SAICは10月と11月の両月でテスラを上回っており、来年にはOEMランキングのトップ3がすべて中国勢になる可能性が高いでしょう。特にテスラの継続的なシェア下落を考慮すると、その可能性は高まります。今年のシェア7.8%は、12カ月前の10.4%と比較しても芳しくなく、24カ月前の13.3%と比較するとさらに見劣りします。

2026年には、現在5位のVWグループがテスラの4位の座を脅かす場面が見られるかもしれません。特に新世代の小型EV(VW ID.Polo、ID.Cross、Cupra Raval、Skoda Epiqなど)の展開が成功すれば、その可能性は十分にあります。

別の視点では、GeelyがBYDのEV市場独占を脅かすには2026年では早すぎるものの、現在の市場動向がこのまま続けば、2027年はGeelyがPHEV市場での販売首位を争うほどBYDに対して強力な対抗馬となるかもしれません。そして、競争は歓迎すべきことです……。

トップ5以外では、ほとんどのOEM(Chery、Changan、BMWグループ、Hyundai-Kiaなど)がシェアを落としましたが、10位のLeapmotor(シェア2.9%、10月比0.1%増)がOEMとしての存在感を示し始めています。現時点では主要なプレーヤーではありませんが、2026年に向けてこの新興ブランドが影響力を持ち始めるはずであり、2026年末にBMWグループやHyundai-Kiaを上回る7位に食い込んだとしても不思議ではありません。

中国の新興EVメーカーが火花を散らす

BEVのみに限定すると……。

BYD(16.9%、10月の16.8%から上昇)が首位の座を安定させている一方で、テスラ(11.8%)は3位のGeely(10.6%、0.1%下落)に対してわずかにリードを広げたため、今年は銀メダルを獲得するはずです。

来年は? 銅メダルでしょう。

Geelyとテスラの現在と1年前を比較すると、そのコントラストは鮮明です。2024年11月、テスラのシェアは16.2%でしたが、3位のGeelyはわずか8.5%でした……。

そして2023年11月を振り返ると、テスラは19.2%のシェアを誇る圧倒的なリーダーでした!

4位のSAIC(7.9%)は、5位のVWグループ(7.2%)との距離を保ち、2025年も再び4位を守り抜きました。

その下では、6位のHyundai–Kia(3.7%、0.1%下落)が米国での販売不振の影響を受け続けていますが、ともにシェア3.3%の7位Changanと8位BMWグループに対しては依然として十分な差があり、2025年は6位の座を享受できそうです。

後者の2社、ChanganとBMWグループについては、両者の差が10月の500台から現在は30台まで縮まっており、12月の両社の争いは見ものになるでしょう。

そしてここでもまた、中国勢(Changan、Cheryなど)を含む既存のOEMがシェアを落とす一方で、シェアを伸ばしているのは中国の新興メーカーです。9位のXpeng(3.2%)と10位のLeapmotor(3.1%)が7位争いへの食い込みを狙っており、同時に11位のXiaomi(3%、11月に0.1%上昇)もシェアを拡大し続け、2026年には7位(あるいは6位?)に到達することを目指しています。

【訳者あとがき】トヨタの動向に要注目

車種別に加えて、ブランド・OEM別でも引き続き中国勢が上位を独占。日本勢として唯一トップ20にランクインしたトヨタは、年初来では前月に続き13位を維持したものの、9月から11月にかけて18位から19位と低空飛行になっています。

トヨタはこのまま12月も大きく順位を落とすことなく2025年を逃げ切れると思われますが、多くの競合他社がほとんどのセグメントでEVをラインナップする本当の「全方位戦略」を展開しており、同社の2026年の展開に注目です。

翻訳・文/八重さくら

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この記事を書いた人

現在は主にTwitterや自身のブログ(エコレボ)でEVや環境に関する情報を発信。事務所の社用車として2018年にテスラ モデルX、2020年に三菱アイ・ミーブを購入し、2台体制でEVを運用中。事務所には太陽光発電とテスラの蓄電池「パワーウォール」を設置し、車と事務所のほぼすべての電力を太陽光で賄うことを目指しています。

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