グローバルの市場で電気自動車(EV)シフトはどんな状況なのか。アメリカのメディア「CleanTechnica」による世界のEV販売レポート(車種別ランキング)を全文翻訳でお届けします。2025年11月は、前回は2位だったテスラ「モデルY」が首位に復活しました。
【元記事】Global EV Sales Leaders — Top Selling Models in November 2025 by José Pontes on 『Clean Technica』
11月は200万台を超えるプラグイン車が登録
米国のEV市場が依然として停滞した状態にあり、中国も減速するなか、その他の地域(前年同月比+37%)がペースを上げたことで、11月のプラグイン車(BEV+PHEV)の成長率は7%となりました。
登録台数は200万台を超え、昨年9月の記録である210万台に次ぐ、過去2番目の好成績となりました。12月には230万台に達するのでしょうか? ひとつ確かなのは、9月の記録が、年の最後の月に必ず塗り替えられるということです……。BEVは前年同月比12%増の130万台となりましたが、PHEVは中国市場に足を引っ張られ、同1%減の約70万台にとどまりました。
最終的に、自動車市場全体におけるBEVのシェアは20%(PHEVを加えると29%)となり、年初来累計ではBEVのシェアは17%(同26%)に上昇しました。
テスラModel Yが首位、Model 3がトップ3に復帰

11月のベストセラーに関する大きなニュースは、テスラが米国市場の停滞から部分的に回復し、主要車種が通常の順位に戻ったことです。Model Y(9万7,831台、前年同月比8%減)がベストセラーの座を奪還した一方、Model 3(5万2,497台、同7%減)は10月の14位から3位へと順位を上げました。とはいえ、世界的には今後数四半期、両車種ともマイナス成長が続くと予想されます。
他の競合車に目を向けると、特筆すべきは小型のWuling Mini EV(5万6,765台)で、2台のテスラの間に割って入り、銀メダルを獲得しました。
トップ3以外では、Geely Xingyuanが4万3千台近くを登録して4位に入った一方、常連であるBYD勢は以前ほどの圧倒的な強さは見られず、トップ10入りは4車種に留まりました。前述のテスラ勢、Wuling Mini EV、Geely Xingyuan以外のランクインはXiaomi YU7で、増産により3万4千台近い登録台数を記録し、8位となりました。

Xiaomi YU7(Xiaomiの公式サイトより引用)
ランキングの前半部分では、新世代のAITO M7もランクインしています。Huaweiが支援するこのスタートアップは、最新の大型SUVを10位に送り込み、ここ2年ほどで最高となる2万5,264台の登録台数を記録しました。
BYDを追いかけるGeelyが急成長
ランキングの後半については、いくつかの新車種が記録を更新し、再登場したものもあります。再登場した車種から紹介すると、Geely Galaxy E5(輸出市場ではEX5)が、年間最高の1万7,129台を登録して20位にランクインしました。これは輸出台数の増加に伴うもので、最大の驚きはメキシコ(1,019台)とオーストラリア(412台)でした。
18位の小型車Geely Panda Miniと、コストパフォーマンスの王者である4位のGeely Xingyuanを合わせると、Geelyが初めてトップ20に3車種入ったことになります。もちろん、ランキングに9車種が入っている BYD にはまだ遠く及びませんが、これによりGeelyはランキング内で2番目に多くの車種を持つメーカーとなりました。

Geely Galaxy E5(Geelyの公式サイトより引用)
BYDについては、新型コンパクトセダンのSeal 05が記録的な2万1,496台を登録して15位に浮上し、プレミアムブランドのFang Cheng Baoは新型SUVのTai 7を2万4,019台販売、市場投入わずか3カ月目で12位に送り込みました。16位には、BYD DolphinのライバルであるSAIC Wulingの新型Bingo Sが、記録的な1万7,959台でトップ20入りを果たしました。
ランキング圏外では、Geely Galaxy M9の増産が続いており、この大型SUVは1万639台に達しました。また、NIOの大型SUV ES8は1万714台を記録しました。ES8の増産は継続しているようで、NIOのフルサイズSUVにとって12月は大きな月になると予想されます。
引き続き中国では、SAICのMG 4が好調を維持しており、このコンパクトハッチバックは記録的な1万6,829台を登録しました。一方、Great Wallの大型MPV WEY Gaoshanは、記録的な1万416台を登録し、このカテゴリーの首位に立っています。
中国以外では、Renault 5とAlpine A290の兄弟車に言及しておく必要があります。これらのフランス製EVは記録的な1万1,282台に達しました。またベトナムでは、配車サービスに適した新型の7人乗りEV Vinfast Limo Greenが絶好調のスタートを切っており、市場投入わずか3カ月目で1万台に近い登録台数(正確には9,642台)に達しました。この車種が、ベトナムの自動車メーカーが必要としている成功物語をもたらすのでしょうか?
年初来ではGeely Xingyuanが3位のModel 3に肉薄
年初来のランキングについては、トップ3の顔ぶれはすでに決まっており、過去3年間と同じ順位となっています(なんとも退屈な結果です……)。Tesla Model Yが首位を走り、BYD Song、Tesla Model 3と続いています。今は、その直下の順位に目を向けるべき時でしょう。

Geely Xingyuanは4位の座を確保しているように見えますが、5位のBYD Seagullと6位の Wuling Mini EVはわずか500台差であり、この2台はいつ入れ替わっても不思議ではありません(もっとも、ここ数か月の販売傾向を見る限り、小型のWulingがBYDのハッチバックを追い抜き、5位で年を終えると私は予想しています)。
しかし、2026年にはトップ層で大きな変化が起きると予想されます。Model Yは販売台数が減少しているものの、もう1年は首位を維持するでしょう。ですが、その背後の順位については議論の余地が多分にあります。現在2位のBYD Song(11月は前年同月比43%減)は「天国の大きな充電ステーション」へと去る(※訳注:英語の慣用句を使った、モデル末期などで姿を消すことの比喩)と見られており、3位のテスラModel 3も販売の減少が続くでしょう。
一方で、小型のWuling Mini EVは月間5万台以上のパフォーマンスを維持すると予想され、Geely Xingyuanは来年から大量輸出を開始し、販売台数に大きく上乗せされることになります。
2026年にはこれら2車種がBYD Seagullとともに50万台の大台を突破すると予想されており、これら中国の小型EV 3車種がテスラModel 3をトップ3から追い出す可能性があります。2018年以来、常にトップ3圏内にいたテスラのセダンにとって、これは初めての出来事となるでしょう…。また、Xiaomi YU7 もこのレースのダークホースとして浮上する可能性があります。
「中国スピード」を体現するXiaomi SU7
このチャートにおける最初の順位変動では、BYD Qin LとXiaomi SU7が入れ替わり、スポーティなセダンが9位に順位を下げる一方で、BYDのセダンが8位に浮上しました。数か月後にはSU7の改良が予定されており、Xiaomiは自社のセダンを陳腐化させないよう万全を期しています。SU7は発売から2年も経っていないというのに……これが「中国スピード」です。
ランキングの下位では、17位のLi Xiang L6と18位のVW ID.4が平均を下回る実績となったことで、Geely Panda Miniが2つ順位を上げて16位となりました。
そして20位には、Leapmotor C10が初めてトップ20入りを果たし、新たな車種がランキングに加わりました。この中型SUVの歩みにおいて輸出市場はますます重要な役割を担っており、それはドイツ(年初来1,659台)、ポーランド(1,387台)、スペイン(1,084台)、英国(1,622台)、イスラエル(1,035台)、ネパール(1,059台)といった市場での販売台数からも見て取れます。
もっとも、このスタートアップ企業の車種がランクインしたまま年を終えられるかは定かではありません。21位の BYD Sealion 06(12万6千台)が年の最後の月に強力な追い上げを見せ、Leapmotorの車種を20位から引きずり下ろす可能性があるからです。続きが気になるところです……。
【訳者あとがき】
米国ではEV税額控除の終了により減少が続いた一方で、世界の販売数は2025年11月も前年から増加しました。BEVがほぼ100%となったノルウェーに続き、中国でもPHEVからBEVへの移行が進んでいます。中国ではこれまで都市部と比べて地方部の充電インフラ整備が遅れていたものの、2025年12月時点で前年+49.7%の2,009万口に到達。今後は充電インフラの整備が進むことで、他の国でも同様の動きがみられるでしょう。
車種別では依然としてテスラと中国勢が上位を独占、これまでランキングの常連だったBYDやWulingに加え、海外市場で成長するGeelyやLeapmotorがランクインしています。この両社の車種はいずれも欧州や新興国で増加中であり、特にLeapmotorはStellantisとの提携による販売の拡大に注目です。
後日、ブランド別のランキングについてのレポートをお届けする予定です。
翻訳・文/八重さくら






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