2021年7月の電気自動車ニュース
不定期更新でアップデートしていくこのページ。今月からは、原則として新着ニュースを文末に追加していくスタイルに変更します。
ニュースの流れを追いながら、電気自動車事情の月ごとの進化を軽く読み流して感じられる記事になればいいかな、と。
まずは6月後半の気になるニュースから
6/22 ステランティスがテスラのクレジットプールからグッドバイ!
グループPSA、FCAなどを擁するステランティスが、欧州におけるテスラのクレジットプールから離脱することが報じられました。
電気自動車やプラグインハイブリッド車を展開しやすい共通プラットフォームを採用して電動車の車種バリエーションを着々と充実させているステランティスは、自力で規制をクリアできるようになるということです。
テスラとのクレジットプールには、まだホンダが残っています。
6/22 アウディ〜2026年以降の新型車はすべてEVに
6/29 フォルクスワーゲンは2035年
フォルクスワーゲンが2035年を目標に内燃機関自動車に別れを告げたいという計画であることが報じられました。
6月22日には、グループ会社であるアウディが「2026年以降に発売する新型車はEVのみにする」と発表していました。それに比べると、大衆的な車種も多いフォルクスワーゲンでは、やや慎重な計画とも読み取れます。
6/30 ルノーは2030年までに90%をEVに
ルノーが新たな電動化戦略を発表。
欧州市場では2025年までに全ラインナップの65%を電動化。ルノーブランド車は2030年までに90%をBEVにするという目標です。
欧米の自動車メーカーが相次いでアグレッシブな電動化戦略を表明していて、もう10年後にはほとんどEVになっちゃうんじゃないの? という勢いです。改めて、世界全体の動向を整理してみたいと思います。
7月に入り、熱海市での土石流などまたしても災害が発生してます
7/1 ABBがカタールで大規模電気バス充電インフラ受注
世界で急速充電器なども製造&発売しているABBが、カタールで「最大の電気バス用のハイパワー充電インフラ」を受注したことを発表。
カタールは2022年までに公共バスネットワークの25%を電気バスで運行し、2030年までに100%に引き上げることを目指しており、今回のプロジェクトではABBが車庫4カ所、バスターミナル8カ所および地下鉄の12駅を含む、カタールの複数の場所に大型車両用充電装置を設計および配備するとのこと。
パンタグラフのようなものが伸びてる充電写真がかっこいいです。
7/7 ダイキンのエアコン用冷媒
ダイキン工業がEVのエアコン用に省エネ性能の高い冷媒を開発したと、日経新聞が報じました。
ただし「使用状況によりEVの消費電力の5割を占めることもある空調の技術革新」であることを理由として「EVの航続距離を最大5割伸ばせる」っていうのは、かなり盛りすぎ評価。あまり電気自動車に詳しくない方が発表し、報じているのかな、という印象です。
EUがついに2035年までにエンジン車禁止へ
本編記事でも紹介しましたが、EUがついに2035年までにガソリン・ディーゼル車の新車販売を禁止する方針を示しました。HV(ハイブリッド車)はもちろん、PHEV(プラグインハイブリッド車)も禁止へ。2021年を基準とした新車の平均排ガス量を2030年に55%、さらに2035年には100%削減するという目標に向けた施策です。
7/8 EUでドイツメーカー各社に罰金
ダイムラー、BMW、フォルクスワーゲングループ(フォルクスワーゲン、アウディ、ポルシェ)が、ディーゼルエンジンの窒素酸化物(NOx)排出に関してカルテルを組み競争を避けていたことに対して罰金が課せられたという、欧州委員会からのリリースです。
電気自動車や再生可能エネルギーは、健やかに進化していってくれることを願います。
7/16 プライムプラネットエナジー&ソリューションズの「自信」記事
ブルームバーグによる、トヨタとパナソニックの合弁で設立された電気自動車用バッテリーの会社であるプライムプラネットエナジー&ソリューションズ、好田博昭社長へのインタビュー記事。2025年までに原価を65〜70%低減。中国のCATLやBYD、韓国LG化学などとの競争に打ち勝つ自信を示しています。
大切なのは、トヨタがどんな電気自動車を、何台くらい生産するのか、ですね。
7/18 テスラがパワーウォールによるVPP開始を発表
アメリカのカリフォルニア州で、テスラが定置型蓄電池『パワーウォール』を活用して「テスラバーチャルパワープラント(VPP)」を開始することを発表しました。
EVだけでなく、再生可能エネルギーでもテスラはどんどん先へ進んでいます。
7/19 スズキがインドで100万円台EV投入へ
先日、ダイハツとともにトヨタが中心に立つ商用車プロジェクトに参加することを発表したスズキ。2025年までに電気自動車(EV)への参入を決め、まずは主力のインド向けに実質100万円台のEVを投入する計画であることを、日経が報じました。
ちなみに、日経新聞では6月24日にこんな記事もありました。
EVの大衆化はEVsmartブログ編集部としても大歓迎。日本メーカーの奮闘に期待しています。
7/18 佐川急便の軽EVが日本電産のモーター採用へ
日付が前後しましたが、これも日経のニュースです。佐川急便とASFが開発中の軽EVが、日本電産のモーターを採用を決定したとのこと。日本電産製のモーターが国内で運行するEVに使われるのは初めてのケースとなるようです。
佐川急便の軽EVが無事にデビューできることを祈りつつ。それにしても、日経新聞でEV関連のニュースを見る頻度がどんどん増えている気がします。着々と、EVが自動車産業のメインストリームになりつつあるのでしょうか。
7/21 四国で初めて運送会社がEVトラックを導入
四国名鉄運輸が、三菱ふそうの電気小型トラック『eCanter』2台を導入したというニュースです。電気トラックの導入は四国で初のケースとのこと。
商用車メーカー各社には、こういうのが「ニュース」にならないくらい、使いやすくて買いやすい電気トラックやバスをどしどし開発&発売してほしいものです。
7/22 中国でNEVクレジットの取引が開始
中国でNEVクレジットの取引が開始されたというニュースです。記事によると、NIOが昨年獲得したクレジットは6億元(約102億円)相当。最も多くクレジットを獲得したのはテスラで、25億8000万元(約439億円)相当とのこと。
クレジットを購入してペナルティを避けるより、売れる電気自動車を開発するほうが賢明な気がします。
(最終更新日/7月26日)
こんにちは。バン・トラックなど商用EVの記事が結構増えてきましたね!!
商用車は全般的に地味な存在ながら近年省エネや環境問題への配慮からだんだん増えていくと見ています。元々高価な電気自動車も法人ならコストパフォーマンス次第で先行導入も考えますし、単位が大きければ佐川+ASFのように新規立上可能ですから。
いちばん殿堂かに向かないと思われてきた軽自動車企画でも、三菱が元々コミューター運用前提でMiEVシリーズを開発してきた、その信念が今ようやく開花した感がありますよ。
最近i-MiEVに電費マネージャーを取付けてより効率的に走れるようになりましたが、小さな努力の積み重ねがあれば電気自動車の利点をもっと生かせると思います。逆にエンジン車の欠点(排気ガス/騒音振動/ドライバビリティ)を埋める用途が増えてくればもう少し増えるんやないですか!?食品/冷凍品/生き物を扱う業界なら電動車有利と見られますが。
※競走馬や家畜運搬のトラックを時折見かけますが、これらが電動車になればどうなるのか!?想像するだけでも面白いです。