※冒頭写真は、ジャパンEVラリー白馬2020で行った『EV気候マーチ』の様子です。
自動車<第3極>への挑戦
一般社団法人 日本EVクラブは、代表理事である自動車評論家の舘内端さんが立ち上げた市民団体です。設立はトヨタ『プリウス』発売よりも早い1994年。もタースポーツの未来を憂い、EVに可能性を見出した舘内さんが、F1日本GPを取材するために東京から鈴鹿まで徒歩で行脚した末に、自ら『電友1号』というEVフォーミュラーカーを製作、アメリカで開催されていたEVレースにチャレンジしたのがきっかけでした。
以来、エンジン車からエンジンを下ろしてバッテリー(当時は鉛バッテリー)とモーターなどのEVパワートレインを搭載するコンバージョン(改造)EV製作を中心に、さまざまなEV普及活動を展開してきました。
オンラインミーティングは『ニューモビリティ&ライフを考える! つくる自由・動く自由 〜 EV未来プログラム』と題したシリーズとして開催予定。第1回となる今回は【クルマの民主化】つくる自由・乗る自由―自動車<第3極>への挑戦 というテーマで開催されることになっています。
自動車産業の第1極が「既存の自動車メーカー主導」だったとすると、第2極としてテスラをはじめとするEVベンチャーや、自動運転車への意欲を示すアップルなど「異業種イノベーターなどの乱入」と捉えることができます。そして、第3極とは「市民×自由が実現する自動車の民主化」であるというのが、舘内さん、そして日本EVクラブからの提言です。
【告知&参加者募集ページ】
●日本EVクラブ公式サイト
告知サイトで紹介されている、舘内さんからのメッセージを引用しておきます。
かつての産業革命も、明治維新も、現代のIT革命も、その是非を問うのであれば私たち市民を置き去りにして、いえいえ私たちを消費者と呼んで、次から次へと新しいものを消費させて、持てるものをすべて奪い、一部の人たちだけが生き残り、肥え、そして格差は革命が起こるたびに広がっていったのでした。さて、そこで提案です。
「EVになるとあれがダメだ。これも止めなければならない。だからEVはだめなんだ」と御託を並べて泣いているのはみっともないから、私たちもEVの波に乗ろうではありませんか。(中略)
また、「消費者」などという差別的、被搾取的な呼ばれ方を拒否し、気品があって、カッコ良くて、憧れるような私たち自身の呼び方を手に入れ、他者を搾取することなく肥え、モビリティを楽しみましょう。
みなさんで議論しませんか。
EV「2万台クラブ」の発想が原点
EVシフトの議論というと、昨今は「二酸化炭素排出削減の真価」とか「ディーゼルで失敗したヨーロッパの陰謀だ」とか「ハイブリッドは電動車か否か」といった枝葉の話題が気になる方が多いようですが、かれこれ30年、EVの可能性と真剣に向き合いチャレンジしてきた舘内さんのビジョンは、もうそんな次元は超越しています。
今回のテーマは、舘内さんが以前から発信していた「この指とまれ2万台クラブ」という提言が原点にあります。「2万人がお金を出し合って自分たちの欲しいクルマをカーメーカーに作らせよう」という発想です。2019年の日本EVクラブ会報に舘内さんが寄稿した『Special Message/さあ、次の25年に向けて出発しよう合言葉は「みんなでCO2削減」』に、このあたりのことが詳しく説明されています。
もちろん、簡単なことではないでしょう。だからこそ、どんな課題があるのか、みんなで何をすれば『クルマの民主化』への道を拓くことができるのか。まずはそれを一緒に考えましょう、ということですね。
オンラインミーティングへの参加は無料ですが、事前に Peatix からの申し込みが必要です。
実は、EVsmartブログ編集長である私(寄本)や、いろんな記事を書いてくれている木野龍逸さんも創設当初からの日本EVクラブのメンバーで。今回のパネルディスカッションにパネラーとして参加することになっています。有意義なディスカッションができるといいな、と思っています!
(文/寄本 好則)