上里SAの6口器で5台同時充電に遭遇
集合場所は、新潟市から阿賀野川沿いに福島県境近くまで走った津川河川広場。東京の自宅からググると、東北道-磐越道経由で約360kmです。5、6時間あれば着きそうですが、集合時間は朝の9時。無理するのはやめて前泊することにします。
ほかに寄りたい場所もあったので、往路は関越道-北陸道をチョイス。1回目の充電は上里SA。SOC(充電率)に余裕はあったのですが、6口充電器を使うことにしました。この充電器、最大90kWで充電できるし、充電渋滞の心配もないので安心です。でもみんな同じことを考えるわけで、15分後には5台同時充電になりました。台数が増えると1台あたりの出力が制限されます。高出力を期待してピットインした人には、ちょっと残念な状況だったかも。
最大30kW前後でしか入らない私のHonda eには複数口の恩恵だけで十分。20分で11.2kWh(SOC40→80%)入ったので早めに切り上げて出発。新潟に入ってから越後川口SAでも20数分で12.9kWh(SOC22→69%)をチャージしました。
日産EVが多数派のミーティングはHonda eも歓迎
県内であちこち寄り道して一泊。翌朝、集合場所に向かいます。国道49号を走りながら見る阿賀野川は、じつに雄大。海沿いや平野部ではなく、渓谷なのに川幅が広くて水量もたっぷり。悠々と曲がりくねっています。ちょっと見たことのない雰囲気でした。
道中はEVをほとんど見かけなかったのですが、会場の河川敷に着いて、案内してもらいながら進んでいくと、おおっ! EVだらけではありませんか。ずらっと整列しています。
イベントに参加していたのは、SNSの「日産リーフ・オーナーの会」などで交流を図るEV仲間が中心。なので、リーフやアリア、サクラといった日産勢が多数派ですが、今回は参加対象車種が「電気自動車(EV・PHEV・FCEV)であればOK」だったので、IONIQ 5やテスラの各車種、ポルシェ・タイカンも参加しています。
街ではまだまだ少数派のEV。信号待ちで並ぶ程度でも、良いおみくじを引いたような気分になるぐらいなので、たくさん集まっているだけでうれしくなります。しかも、小雨混じりの天気にもかかわらず、先着していたみなさんが、傘を片手にニコニコしながら手を振ってくれます。いい雰囲気。
受付を済ませたあと、早速パレードラン。津川河川広場から新潟方面に約19キロ戻ったところにある「道の駅阿賀の里」に向かいました。目に映るのはEVばかり。雨でなければ窓を全開にして走りたかったところ。でも気分は上々です。
到着した道の駅では、一般の駐車場ではなく、川の土手にびっしりEVを並べるという演出もありました。土手上の道だけでは足りずに、側道にもずらり。やはり自然の中のEVって、いい感じ。みなさん、映え写真が撮れたのでは。
この日は道の駅の2階スペースが貸切になっていました。昼食をいただきながら、近くに座った人たちと雑談。古参のオーナーさんもいれば、初めて参加するという人も。Honda eでの参加は私だけでしたが、EV乗りという共通点だけで、話は尽きません。抽選会なども行われて盛り上がりました。
全員での写真撮影の際に、サプライズで登場したのが、リーフのオープンカー。市販されているわけではなく、ワンオフの公式カスタム。なかなか見る機会がないレア車です。イベントをサポートしていた新潟日産が、わざわざ運んできてくれたそうです。後部座席が高い位置に配されていて、ショーやパレードで使うのに良さそうです。
車種を超えたEV仲間の交流を!
今回のイベント、私は本ブログにも登場されているサクラオーナーの木沢亜由美さんに誘っていただきました。以前に木沢さんが「ソトアソビソトゴハンin東山」(zakzak に掲載した関連記事)というアウトドアイベントに「EV集合!」と声をかけた際に、展示車の一台として参加。それ以来、2度目の新潟EVイベントとなりました。
【関連記事】
●筋金入りのリーフオーナーがサクラに乗り替え~亜由美さんの電気自動車ライフ(2022年9月20日)
前回が楽しかったので、今回は趣旨もよく聞かないまま「行きます!」と手を挙げてしまったのですが、じつは木沢さんの祖父母が阿賀町出身だそうで、子供の頃からよく来ていて好きな場所。阿賀町の良さを知ってもらい、町の人にはEVの存在感をアピールしたい、と企画したそうです。阿賀町のみなさんも、こんなにたくさんのEVを見るのは初めてだったはず。
「圧巻でしたね。並んでいるクルマをみて、オフ会っていいなぁと実感しました。話しているだけで楽しい。リーフ仲間の新潟オフ会はこれで3回目で、最初はリーフばかりでしたが、私も含めて乗り換える人も出てきているので、車種は考えないでどんどん呼んじゃおう、ということになりました」(木沢さん)
木沢さんをサポートしていたのが石井浩一さん。2012年から乗り継いできたリーフは4台目、2015年からはBMW i3との2台体制を楽しんでいるという筋金入りのEVユーザー。各地でのEVオーナーのミーティングにも携わってきたそうです。
「コロナ禍から脱出して、やっと集まれました。みなさんの笑顔を見ているとうれしいですね」(石井さん)
木沢さんも石井さんも、運営の仕事をこなしつつ、参加者の間を飛び回って、あちこちで笑顔を生み出していました。
温泉も満喫して普通充電で満充電!
さて、イベント終了後、東京へ帰る前に充電です。会場近くのサントピアワールド(充電スポット案内)という遊園地に6kW充電器が4口設置されていて、オフ会参加者に大人気でした。充電しながら車中泊した人もいたそうです。私も充電することにしました。急速ではなく普通充電にした理由は、温泉です。
IONIQ 5のT氏とリーフのI氏と3台で、サントピアワールドへ。Honda eを充電コードにつないでおいて、車で10分ほどの場所にある村杉温泉の共同浴場までIONIQ 5に同乗させてもらいました。目的地充電の応用編ですね。
出力6kWの普通充電器だったこともあり、3人でのんびり温泉を楽しんで戻ってきたら、SOCはばっちり100%。サントピアワールドもキッチュな雰囲気が私好みなので、機会があれば子供連れで楽しんでみたいと思います。帰路は福島-栃木経由で東京へ。一般道多めのルートを選択。経路充電は福島県白河市と埼玉県草加市の日産ディーラーで、それぞれ20分11.4kWh(SOC31→72%)、30分16.1kWh(SOC11→76%)の2回で無事に帰宅できました。
EVに乗り始めてから「オフ会(オーナーズミーティング)」という言葉が身近になりました。趣味で繋がれるっていいなぁと思います。でも、石井さんからこんな言葉も聞きました。
「EVに乗り始めた頃は、みんなが仲間っていう感じでした。でも次第にそういう雰囲気が失われてきたような気もしています。楽しく乗りたいですよね」
私のHonda eはなかなか見かけることがないので、同じ車というだけで親近感が湧きます。i-MiEVや初代リーフが走り始めた頃もきっと、そんな雰囲気だったのでしょう。ただEVは着実に増えていて、往路の上里SAで充電器につないだ5台が、Honda e、アリア、サクラ、リーフ、フィアット500eとバラバラだったように、車種も乗り手も多種多様になっています。
これからEVが普遍化するほど、無条件の連帯感みたいなものは薄れていくのかもしれません。でもクルマやドライブを通じたコミュニケーションは魅力的だし、仲間の輪が広がるのは文句なしに素晴らしい。会場でお話しできたみなさん、ありがとうございました。またどこかでお会いできるのを楽しみにしています。
私のHonda e(2023/10/10現在)
総走行距離 4万4978km
平均電費 9.1km/kWh
取材・文/篠原 知存