「ジャパンEVラリー白馬2019」参加者募集中!

6回目を迎える「ジャパンEVラリー白馬2019」の参加申込受付が始まりました。開催日程は9月14〜15日です。ジャパンEVラリー白馬は長野県白馬村を舞台に2014年から開催されているイベントで、全国からEV&PHEVが集結。今年の集合場所は白馬東急ホテル。村のキャラクターである「ヴィクトワール・シュヴァルブラン・村男Ⅲ世」にちなんだ、EVチャレンジ! アベレージラリー『村男Ⅲ世カップ』で、ちょっと本格的なアベレージラリーを楽しめます。

「ジャパンEVラリー白馬2019」参加者募集中!

なぜ、白馬村なのか?

2017年、参加車両による村内パレード走行風景(今年はパレードは行われません)

【詳細情報】
『ジャパンEVラリー白馬2019』特設サイト

私は昨年末からEVsmartブログチームに編集&リーフで駆け回るライターとして参加してますが、このジャパンEVラリーを主催する日本EVクラブ(主催は白馬EVクラブと連名)には1994年の設立当初から参加しています。ので、ジャパンEVラリーにも最初からどっぷり関わっていたりして。

あれは、震災直後、2011年の年末ごろだったと記憶しています。EVクラブ代表である舘内端さんからの「EV普及を促進するために、全国からEVが集まるイベントをやろう!」という発案を受け、どこで、どんなことをやろうか、世田谷区松原にあるクラブのオフィスに主要メンバーが集まってミーティングが開かれました。想定した条件は、本州の真ん中あたりにあってEVで行ってみたくなる魅力的な場所。

白馬だ!

と、その日集まったメンバーが納得し、じゃあどうやって白馬にコンタクトするかは次までの課題ということになりました。

数日後、なんと、白馬村で『あぜくら山荘』という宿泊施設を経営する渡辺俊夫さんから、日本EVクラブの事務局に「自然エネルギーが豊富な白馬村でEV普及を進めたい。相談に乗ってもらえないか」と連絡があったというのです。

渡辺俊夫さんとあぜくら山荘のミニキャブMiEV(2014年8月 山荘前にて)

季節は冬だったけど、まさに、飛んで火に入るなんとやら。事務局を訪れた渡辺さんとトントン拍子に話が進み、まずはクラブ会員有志に声を掛け、プレラリーを開催しようということになりました。

たくさんのEVが集まるには、宿泊施設の充電設備の状況も大切です。2012年、2013年とプレラリーを行って、クラブ事務局では現地の状況を確認して開催場所や内容などを検討。元村会議員で、当時は村長選挙にチャレンジしていた渡辺さんは、持ち前の行動力で「白馬EV推進協議会(現在の白馬EVクラブ)」を設立して副会長に就任。白馬村にも働きかけて、普通充電設備を設置すると上限で4万円の補助が出る「EV自動車用普通充電設備設置に対する助成制度」を誕生させました。

あぜくら山荘の200Vコンセント。

上限金額が4万円ということでわかるように、この助成金はいわゆる「EV用200Vコンセント」の設置を想定したもの。そのおかげで、白馬村には35カ所のEV充電スポットが整備され、うち26軒の宿泊施設にはほとんどの宿で宿泊客は無料で使える200Vコンセント(16軒は2口ずつ!)が用意されているという、まさにEV天国と呼びたい村になったのです。

『白馬村充電スポットマップ』(白馬EVクラブ)

白馬村は山と斜面に恵まれていて水力発電を中心とした電力自給率がほぼ100%(正確には約96% ※環境エネルギー政策研究所調べ)なので、白馬で充電したEV走行は文字通り(ほぼ)ゼロエミッションです。

渡辺さんが「今度、白馬に小水力発電所ができるんですよ」とうれしそうに話してくれた『平川小水力発電所』は2015年に完成して運転開始。年間で約114万kWhを発電し、約4200万円の売電収入(2017年実績)を上げています。

平川小水力発電所

2016年4月、急な病で渡辺さんは亡くなりました。今は、お母さんの義子さんとともに、長男の俊介さん(ラージヒルも飛んだ元ノルディックスキーアスリート)が宿の仕事と白馬EVクラブの活動を引き継ぎ、白馬でのEV普及、持続可能な村の実現に向けて活躍しています。

今年のメインイベントは、アベレージラリー『村男Ⅲ世カップ』

到着する参加者を迎える舘内代表。

さて、イベントの詳細は特設サイトで紹介されているので、ここではポイントをいくつかご紹介しておきます。

【詳細情報】
『ジャパンEVラリー白馬2019』特設サイト

開催日程は9月14日(土)〜15日(日)。申込締切は8月31日(土)です。

初日は白馬東急ホテルに集合して到着シーンを撮影後、ビュッフェスタイルの懇親会などが催されます。

2日目は、メインイベントといえる、EVチャレンジ! アベレージラリー『村男Ⅲ世カップ』を実施。ゴール後、ランチパーティとともに表彰式が行われます。

参加費はフル日程の「レギュラークラス」が車1台につき2万2500円(日本EVクラブ会員は2万円)。今年から新設された『村男Ⅲ世カップ』の2日目だけ参加する「アベレージラリークラス」が車1台につき1万5000円(日本EVクラブ会員は1万2500円)となっています。同伴者の懇親会参加費用などは特設サイトを確認してください。

アベレージラリーのスタート待ち風景(2018)

アベレージラリーというのは、全区間の速さを競うような競技ではありません。当日配布するコマ地図に従って、自然豊かな白馬村周辺を走行し、正しいコースの途中に設定された計時区間を、いかに決められた速度(通過時間)で走るかによって勝敗を決する、おそらく、やったことない方が想像しているよりも厳格な採点競技です。ルールは簡単ですが、勝つためにはテクニックや賢明な頭脳も必要です。コースを間違えるとダメダメなので、ナビゲーター役の方を含めた複数で参加するのがオススメですよ。どうしても一人で参加の方の車両には、自動車ジャーナリストやコース下見などに参加してない(コースや計時区間を知らない)EVクラブスタッフなどが同乗します。

アベレージラリー表彰式(2018)

今年も、参加者全員を『EV普及アンバサダー』に認定し、到着時(アベレージラリークラスの方は『村男Ⅲ世カップ』ゴール時)に撮影した愛車&ご自身の写真入りの認定証が授与されます。

写真入りのEV普及アンバサダー認定証授与式。今年も初日の懇親会で行われる予定です。アベレージラリークラス参加者への受け渡し方法は……検討中。

なにはともあれ、冬のスキーシーズンや夏休みとは違い、落ち着いた雰囲気の中で楽しめる白馬の大自然が最高です。

私は例年、『EV普及アンバサダー』認定証の制作担当なので、白馬東急ホテルの受付奥で、パソコン&インクジェットプリンターと格闘しながら、たくさんのEV&PHEVユーザーの方の笑顔をインデザインファイルに「配置」できることを楽しみにしてますね。

合い言葉は「いざ、白馬!」。白馬でお会いしましょう!

『白馬EVシェアリング』も開催中

白馬村では、2019年8月2日(金)~11月29日(金)までの予定で、フォルクスワーゲンの電気自動車『e-Golf』を白馬村民と白馬村での宿泊客が無料で借りられる『白馬EVシェアリング』を実施しています。

7月30日に予約が始まり大人気。すでに8月はかなり予約が埋まってきてますが、白馬村へ遊びに行く予定がある方にはオススメです。予約できるのは白馬村民か村内の施設だけなので、宿泊する施設に問い合わせてみてください。

『今年も「白馬EVシェアリング」を実施!』(白馬村)

『フォルクスワーゲン e-Golf、『白馬 EV シェアリング』で無料シェアリングが可能に』フォルクスワーゲンニュースリリース(PDF)

(寄本好則)

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この記事の著者


					寄本 好則

寄本 好則

兵庫県但馬地方出身。旅雑誌などを経て『週刊SPA!』や『日経エンタテインメント!』の連載などライターとして活動しつつ編集プロダクションを主宰。近年はウェブメディアを中心に電気自動車と環境&社会課題を中心とした取材と情報発信を展開している。剣道四段。著書に『電気自動車で幸せになる』『EV時代の夜明け』(Kindle)『旬紀行―「とびきり」を味わうためだけの旅』(扶桑社)などがある。日本EVクラブのメンバーとして、2013年にはEVスーパーセブンで日本一周急速充電の旅を達成した。

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